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岐阜県郡上郡美並村から郡上郡八幡町の間の長良川の表情
水とおどりの奥美濃・郡上八幡
奥美濃の玄関口の関市、美濃市を過ぎると、次ぎの目的地は山間の郡上郡八幡町だ。
ゴールデンウイークも終わったある日、私は名鉄新岐阜駅から関行きの一両電車に乗る。乗客はせいぜい20人程度。岐阜の町の中を走り抜け約1時間で終点の関駅に着く。ここから第3セクターの長良川鉄道のワンマンカーに乗り換え郡上八幡へ向った。
長良川鉄道の列車は雄大な長良川を右に左に見下ろしながら奥美濃を走る。車窓からの風景をのんびり眺めながら旅をするのも良いものだ。今は雪解け水のせいか水量も多い。美しく澄んだ川面には周囲の新緑の山々、5月晴れの空を映し出す。美濃市をから北上しカヌーのメッカとも言われる日本まん真ん中の美並村を通るころからいよいよ山間部、しかしこの長良川は以外と谷あいが開けている。関市から1時間ほどで郡上八幡駅に到着するが、美並村から上流では多くのヤナが設けられている。
話はちょっと横道に反れるが、カヌー愛好家の単行本を読んだがこんな事が書いてあった。長良川の石は角が削られ丸いそうで、カヌーをいためないらしい。この郡上八幡から美濃市までの中流域では、川底の石や泳ぐ魚が見える急流を謳歌し、そこからの下流は長良川河口堰の手前まで、穏やかな流れを延々と楽しめるのだそうだ。
さて、郡上八幡は清らかな水とおどりの城下町だ。
長良川の源流からの流れはこの八幡で支流の吉田川と出合う。
郡上おどりは、寛永初年(約三百七十年前)に時の藩主が人心の融和をはかって、士農工商の別なく踊らせたのが始まりだという。郡上八幡の中心を流れる長良川の支流・吉田川のそばには、涌き水の水飲み場や澄んだ水路が点在し、民家の前を疏水がさらさらと流れ郡上おどりに涼風を呼ぶ。この古い町並みと透き通るほどの綺麗な水を見ていると、心の中も清らかになる。
この郡上八幡、かなり昔の事と思うが、町改造にあたり、谷川や沢水を利用し柳町・島谷のふたつの用水を造り、更にその水を分水する小水路を張りめぐらしたとか。
駅から徒歩で20分ほどの所、石畳がつづく「やなか水のこみち」の涌き水で先ず喉を潤す。郡上八幡の水は、カルシュムなどのミネラルが豊富だそうでひ
んやりして実に美味しい。続いて吉田川の橋を渡り有名な「平甚」で”美濃御前”というつなぎのないそば粉100%の手打ちの『ざるそば(1500円)』を食べる。客の注文を聞いてから名水で打つそばとあって、頑固オヤジが自慢するだけの逸品だ。食後は直ぐ近くの、国の名水百選第1号「宗祇水」へ。ここでも美味しい水を自由に飲む事も出来、近くに住む人の生活用水としても利用されている。ちょうど学校帰りの小学一年生くらいの女の子二人がここで水を美味しそうに飲み、急ぎ早に立ち去っていった。続いて歴史を物語る袖壁と紅殻格子の古い町並みを通り、郡上八幡のシンボル郡上八幡城まで徒歩で登ることにする。木々が茂る山道を汗びっしょりになり歩く私の横を、タクシーが追い抜いて行く。でも哀愁のある郡上節「かわさき」の流れる天守閣からの眺めは実に絶
景だつた。新緑の山々に囲まれた狭い谷あいの八幡町の町並みが見渡せる。素敵な眺めだった。城からの帰りは山内一豊と妻千代の大きな像がある広場を通り、せせらぎの音をBGMにして坂道を下る。続いて民家の勝手口と繋がっている美しい「いがわ小徑」を散策する。この町にはいくつもの水路があるが「いかわこ小徑」もその水路の一つである。町役場裏から東へ八幡小学校にかけて流れている。幅約2m、長さ数10m。水路に沿って幅1mほどの路地が続く。アマゴ、イワナ、鯉などの川魚が元気に泳いでいる。水路には「○○組合」とかかれた看板が立つ。看板には組合に入っている名前がずらりと書かれている。また、郡上八幡にはいくつか「水舟」を見ることができる。「水舟」は上段が飲み水、中段は野菜を洗う、下段はなべやかまを洗うという決まりで今でも町の人々が生活に使っている。
こじんまりした小さな郡上八幡の町だが、狭い路にも名所の標識があちこちに見られるなど、この町の心遣いがうれしい。また、町の人もとても親切だ。道を聞いても誰もが独特の郡上弁で快く教えてくれるし、小さい子供も観光客とみると「こんにちは!」と大声で挨拶してくれる。
郡上一揆など辛い歴史を踏み越え、古くから水を愛し、水と共存する人々の知恵と暖かい人情を、ここで見たような気がした。
長良川は源流部の大日岳から8kmの間は狭い谷間を海抜560mの地点まで一気に下がり、郡上市大鷲地区から八幡町までの約30kmは上流部としては珍しく幅の広い谷底平野が続いている。長良川にダムが造ることのできなかったのは、谷があまりにも開けすぎていたためである。長良川においては、他の河川では中流部と呼ばれるところが上流部に出現しているのである。
長良川上流には透き通った水が流れていて、清流をうみだすのは深い森と石灰岩の地層だからだ。冷たく澄んだ水にはいろいろな生き物たちが暮らしている。サツキマスの産卵もこの町でおこなわれる。
清流・長良川が育んだ「郡上鮎」
郡上市内の長良川水系で捕れた「郡上鮎」は、東京の高級料亭にも出荷され、漁獲高は全国でも十指に入ります。その高い品質と安定した流通の仕組みで、2007(平成19)年7月、特許庁から地域団体商標登録が認められました。
日本列島を天秤にたとえ人口を測ってみると、美並村が丁度日本のまん真ん中。
奥美濃・美並村のシンボル「日本まん真ん中センター」は、建物全体を活かした世界最大、全高37.3mの日時計になっている。集落・長良川鉄道・国道156号・東海北陸自動車道もすべて北から南へと谷あいを流れる清流長良川に沿ってある。美並村は昭和初期までは、杉や檜など木材の集積地と栄え、筏を組み伊勢湾近くまで材木を運んでいたが、その後は列車輸送に変わりその責務を終えた。このあたりは日本有数の激流スポットで、最近では「ラフティング」や「カヌー」のメッカであり、もみくちゃになりながら水と戯れることができる。また毎年6月第2日曜日からは「鮎の友釣り」が解禁になり、多くの太公望が訪れる。8月中旬から10月中旬にかけては村内4箇所の「観光ヤナ場」があり、清流を眺めながらスイカのような甘い香りの鮎の味は格別である。また、「釜ケ滝」や国の天然記念物の「神の御杖杉」や大自然の美しさを肌で感じられる「粥川の森」等があり、実に自然と楽しめる場所が多い素敵な村だ。
美並村粥川地区では千年前から村人はいっさいウナギを食べていない!
郡上郡美並村に長良川の支流で粥川という小さい川がある。その川沿いにやはり粥川という集落がある。ここの星宮神社には藤原少将高光(たかみつ)にまつわる鬼退治の伝説があり、高光が第26代村上天皇の勅命で神社の奥山の瓢ケ岳(ふくべがたけ)の鬼退治に行き、道が分からなくなったとき、神社の横を流れる粥川のウナギが正しい道を教えたため、無事鬼退治ができました。以来、粥川地区の人々はウナギを敬い、氏子はいまだに誰一人としてウナギを食べないそうです。なお、粥川谷(矢納ケ渕)の水は”岐阜県の名水百選”に指定されており、ここに生息するウナギは大正3年に国の天然記念物に指定されウナギにとってはまさに天国です。
美並ふるさと館(円空ふるさと館・生活資料館)
円空が彫った90体あまりの円空仏がある。またここでは美並村の歴史や文化を知る事が出来る。
桂昌寺ぼたん園
4月下旬から5月上旬にかけて、100種類2000株のボタンの花がいっせいに咲き誇る。
ふくべの里(粥川バンカロー村)
新鮮な緑の空気を胸一杯吸い込んで、アウトドアを楽し事が出来るバンガロー施設。
フォレストパーク373
緑と清流にふさわしいアウトドア施設で、フラワーパーク、釣りやボートが楽しめる池などがある。
長良川ラフティング・・・日本一の清流・日本一の激流/同日乗船可能!
ホワイトウォーターコネクション・ジャパン 郡上郡美並村上田2664 電話 0120-5-37387
長良川やその支流の吉田川の美しい流れに見守られ、徹夜おどりで名高い山間の城下町。
この町には水と人そして自然が育んできた素朴な文化が、至る所に息づいている。奥美濃の郡上八幡は町の至る所に小川が流れている。せせらぎの音をききながら、古い町並みをのんびりと散策できるのは嬉しい。また吉田川は釣りのシーズンともなると全国から多くの釣り人が訪れ、特に天然の鮎は全国でも最高の質。アマゴ、イワナの解禁は2月1日から9月30日まで。夏には町内の吉田川に架かる新橋(高さ12m)・八幡橋からは、豪快に飛びこむ子供達の飛び込む姿を目にする事がある。人口約1万8千人。
郡上おどり
「郡上おどり」は「花笠おどり」「阿波おどり」と共に全国三大民謡に数えられている。
毎年7月第2土曜日から9月第1土曜日にかけて町内各地で行われ、とくに8月13日から16日の四日間は徹夜おどりで,全国から大勢の観光客で賑わう。郡上おどりは、10種類の曲があるがどれも比較的簡単。初心者もしばらく輪の中に入り、見よう見まねで自然に覚える事ができる。服装は自由。
郡上八幡城
戦国時代末期、遠藤盛数が築城。今では珍しい4層5階建ての木造建築。昭和8(1933)年に再建。天守閣からは美しい八幡町の町並みが一望できる。
郡上八幡は山内一豊の妻・千代のふるさと
山内一豊の妻千代は1559年(永禄2年)初代郡上八幡城主遠藤盛数の長女として生まれた。千代が3歳の時に父盛数は病死、その後母の再婚、義父の敗北そして流浪、波乱の人生がはじまる。やがて千代は尾張の山内一豊の許へ嫁ぐ。一豊は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と時の覇者たちに仕え、最後には土佐藩24万石の大名にまでのぼりつめた武将。その影には妻である千代の内助の功があったといわれる。有名なエピソードに一豊が「馬揃え」を目前にひかえて困っていたとき、千代は鏡台から10両をさし出して駿馬を買わせ、それが信長の目にとまって一豊の出世の糸口となった逸話がある。(右の写真は岐阜公園内にある碑です)
郡上八幡博覧館
八幡町のさまざまな魅力を、水・技・おどり・歴史に分けて展示紹介。ここでは町の散策コースを親切に教えてくれる。
宗祇水(白雲水)
室町時代の故事、郡上領主東常縁と連歌の宗匠飯尾宗祇の古今伝授にまつわる名泉。国の名水百選第1号。
郡上焼窯元館
せせらぎ街道の山中に位置する総合文化施設。郡上の土灰と粘土に触れ体験もできる陶芸の里。
郡上本染(ぐじょうほんぞめ)
郡上八幡の冬の風物詩に、長良川の支流・吉田川で行われる郡上本染・鯉のぼりの寒ざらし(大寒の毎年1月20日ごろ)がある。郡上本染が始まったのは約430年前といわれ、紺屋(藍染の店)・渡辺染物店は14代目。、家の前を向かいからの山からくる乙姫用水が流れ、この用水で藍染めを行う。江戸末期の天保年間に建てた昔ながらの格子造りの古い家で仕事を続けている。この店の鯉のぼりは、郡上本染の一手法で、大豆の絞り汁使ったカチン染。色止めの餅糊を川の水で洗い落としながら生地を引き締め、鮮やかな色合いを生み出す。伝統の技はいまも長良川とともに行き続けている。県の重要無形文化財。
郡上竿
郡上八幡には、この地方独特の竿(さお)・びくが作られてきました。
郡上竿は60数年の歴史があり渓流に適した全体のしなりと、ほどよいねばりがあり、大物釣りに関しては最適です。竿は現在カ−ボンロッドが主流をなしていますが、郡上竿の感触も格別です。しんちゅうの板を用いた管継ぎが特徴で、糸巻きをしてウルシを塗った竿の優美さ、使いやすさはカ−ボン竿とは違った味があります。この郡上竿の職人も現在では二人となりその一人が美並村相戸在住の福手福雄氏(ふくてふくお)です。氏は県郷土工芸品の匠として認定されています。 作業は全て手づくりで、年間40〜50本しか製作できない「郡上竿」は、愛好家の間で非常に珍重されています。細かな工程を経て製作された 「郡上竿」の美しさと、持った時の手に伝わる暖かみが、現在でも釣り人の心をつかむのでしょう。
郡上びく
郡上びくは100年以上の伝統があり、魚を長時間保存できるように、空気の流通を良くして型を崩さないため、竹編みで作られ、多くの釣り人に喜ばれています。 材料は、硬い地元の真竹。それをしっかりと編んでいくため、郡上びくは座っても壊れないほど、丈夫なんです。80歳を越す嶋数男さんは、郡上びくを作る最後の職人です。
古今伝授の里 フィールドミュージアム(郡上郡大和町牧 TEL 0575-88-3244)
大和町は古今和歌集の奥義を伝授した東常縁が住んだ地。名勝東氏館跡庭園や史跡篠脇城をはじめとする数多く歴史遺産が広大な園内に点在する野外博物館で、和歌の心にも触れる事が出来、レストランもある。
母袋燻り豆腐(母袋工房 郡上郡大和町栗巣1670-1 TEL 0575-88-3156)
良質な谷水で作られ豆腐を燻製にした燻り豆腐。鎌倉時代に誕生した保存食で、栄養値にすぐれたことから、かってはそれぞれの家で作られていた。地味噌で味付けした「母袋工房」燻り豆腐は塩味で酒のつまみにも会う。町内の土産品店でも販売している。第4回日本全国村おこし展金賞。
阿弥陀ケ滝(郡上郡白鳥町)
日本の滝100選にも選ばれた大日ケ岳の麓にかかる落差60mの東海一名滝。「見たか聞いたかあみだの滝を、滝の高さとあの音を・・・」と郡上節にも歌われていて、滝壷の近くまで遊歩道が整備されている。
注目のサツキマスについて
サツキマスは、今では水の綺麗な長良川ぐらいしか漁獲はないともいう。自然の残る長良川の象徴である。もともとサツキマスは降海型のアマゴで、秋アマゴの一部(シラメともいう)がどういうわけか海に下り、2年間海で過ごし鮎の遡上に合わせて上がってくる。海ではエビやカニ、イカなどを食べて成長、重さも10倍ほどになる。昔は川鱒と呼んでおりサツキマスと言いはじめたのは10年くらい前から。長良川河口堰が出来てからは海まで降りず、翌春遡上するものも最近はあるようで”戻りシラメ”などと呼ばれている。大きさは30〜50cm。
釣りとしてはルアーやフライ、餌釣りが出来るが、川を上り始めると餌はあまり食べずなかなか釣りにくい魚である。郡上八幡の長良川本流や支流の吉田川では、早いものは5月中旬くらいに上がってくるようだ。
郡上市は岐阜県のほぼ中央に位置し、観光地「郡上八幡(ぐじょうはちまん)」として親しまれています。八幡町・大和町・白鳥町・高鷲村・美並村・明宝村・和良村の郡上郡内7町村が合併して平成16年3月1日に新市誕生となりました。
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