![]()
恵那のナンジャモンジャと坂折棚田と中山道大井宿
岐阜県の東濃地方・恵那市大井町の珍花・ナンジャモンジャが見ごろとの情報を得て、
日本棚田百選の坂折棚田と中山道大井宿もあわせて見に行ってきました。
2007(平成19)年5月18日(金)
![]()
![]()
通称ナンジャモンジャの名称で親しまれているヒトツバタゴは、モクセイ科の落葉高木。開花の時期になると、ふわふわとした白の花を枝いっぱいに咲かせます。
国内では、岐阜県の東濃地域を中心に愛知県、長野県、長崎県対馬市だけに自生するといわれています。恵那市内にも多くの自生地があります。
![]() |
大井町自生地のナンジャモンジャ 恵那市大井町古瀬354−7 県指定の天然記念物。指定面積は200u。阿木川に合流前の永田川に沿う低位の丘陵頂上付近の東側斜面に位置し、大きなものが7本、小さいものが数本自生しています。最大のものは幹周りが目通りで140cm、すぐ近くに黄檗宗の東禅寺があります。 |
|
![]() |
![]() |
|
| 恵那市長島町久須見自生地のナンジャモンジャ 恵那市長島町久須見 中央道恵那ICから県道68号線を中野方町方面に向かい、バス停一本松から久須見の信号を左へ折れた千田公民館までの範囲の自生地。 |
||
![]() |
![]() |
![]() |
| 千田のナンジャモンジャ 恵那市長島町久須見字天王前 市指定の天然記念物。中央道恵那ICから県道68号線を中野方町方面に向かい久須見の信号を越え、越高バス停付近の千田川河川敷にあります。主幹の周囲は目通りで1.4m、高さが13.5m。規模、樹形、周囲の景観ともに優れており、毎年5月中旬の開花期には多くの人が見学に訪れます。 |
中野方自生地のナンジャモンジャ 恵那市中野方町太田576−3 県指定の天然記念物。中央道恵那ICから県道68号線で中野方へ向かい、坂折棚田入口手前を渡りすぐ左折した中野方川左岸の旧県道恵那白川線野瀬橋下の護岸石垣に単独で自生しています。幹の周囲は目通りで1.55mあり、5月下旬頃に満開となります。 |
![]() |
![]() |
| 恵那市のナンジャモンジャは上記のほか、笠置町姫栗市木のヒトツバタゴ自生地(恵那市笠置町姫栗977〜210、211)があります。国指定の天然記念物になっていて、笠置山中腹の標高737mに単独で自生しています。樹高は約19m、幹の太さは目の高さで1.7mあり、日本一高いところにある日本一の大きさを誇るヒトツバタゴといわれて6月上旬頃の開花です。また、大真菰のヒトツバタゴ(岐阜県恵那市明智町大真菰1614)は県の天然記念物に指定されています。こちらの開花は5月下旬です。 そのほか、新井のヒトツバタゴ自生地(恵那市明智町)、岐阜県立明智商業高校校庭(恵那市明智町)のヒトツバタゴ、山岡のヒトツバタゴ(恵那市山岡町下手向荒木普門寺)などがあります。 恵那市ではシーズンになると、バスによる「恵那の天然記念物めぐり・ヒトツバタゴ巡り」が行われます。 詳しくは恵那市観光協会 電話 0573-25-4058 (http://www.hub24.jp/ena/tokotoko/spring.html )にお尋ね下さい。 |
![]()
![]()
![]() |
||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
| 日本の棚田百選 坂折棚田 岐阜県恵那市中野方町坂折 棚田は別名「千枚田」とも呼ばれ、坂折地区の中央には坂折川が流れていて、その両岸の標高410m〜610m付近の東向きの斜面に80段以上、約360枚ある棚田が造られています。この坂折棚田の美しい景観は恵那市の名所の一つになっていて、「日本の棚田百選」のひとつにも数えられています。 坂折棚田は、山の急斜面地に石垣が積んである"石積み棚田"で、今から約400年ほど前の江戸時代から城などの石垣を積む職人によって築かれ、明治時代初期にはほぼ現在の形に形成されました。 2006年夏には地元住民らによる「恵那市坂折棚田保存会」が発足。棚田米を用いた日本酒造りや棚田のオーナー制度など地域の宝である棚田の保全と地域の活性化を図っています。 |
![]() 棚田に接する小さな池に、絶滅危惧種のヒメコウホネが花を咲かせていました。 |
|
![]()
| 中山道大井宿 大井宿は中山道六十九次のうち、江戸から数えて46番目の宿場町です。 天保14年(1843年)当時で、本陣、脇本陣各1、旅籠 41軒と美濃16宿中もっとも賑わった宿でした。これは中山道と下街道との分岐点に近いことから、当時の大井宿は木曽や尾張、さらに伊勢参りの旅人が多かったことによるものです。 大井宿本陣跡や格子戸のある庄屋宅、うだつと黒壁の美しい旧家などのたたずまいは、今も賑わった当時の様子がしのばれます。また、宿内には、敵の侵入を防ぐために、道が直角に曲がる「桝形(ますがた)」という構造の見られるところもあります。 |
||
![]() 大井宿本陣跡 |
![]() 中山道広重美術館 |
![]() 大井橋 |
![]() 中山道ひし屋資料館 |
![]() 高札場跡 |
|
| 大井宿本陣跡 | 本陣とは、江戸時代、街道の宿駅で大名・公家・幕府役人などが宿泊した公的な旅宿。大井宿の本陣の本棟は、昭和22年(1947)8月に火災で消失しましたが、安土桃山の様式の表門や庭園、樹齢300年以上老松は昔のままです。 |
| 中山道広重美術館 | 岐阜県恵那市大井町176番地の1。名古屋からJR中央本線で1時間。恵那駅から南へ徒歩2分。観覧料 500円。恵那市内在住の収集家田中春雄氏から寄贈された歌川広重の浮世絵版画などを所蔵しています。 展覧会は浮世絵版画を中心として毎月開催する企画展のほか年に数回の特別展が行われています。 |
| 大井橋 | 昔、阿木川に架かるこの橋は川の中央に石で小島を築き、両側から橋を架けていました。そのため「中島橋」といいました。現在の大井橋の欄干には陶器の広重の「木曽街道六十九次」の浮世絵がずらりと飾られています。 |
| 中山道ひし屋資料館 | 岐阜県恵那市大井町60-1 JR中央本線恵那駅から徒歩10分。江戸時代に「菱屋」の屋号をもち、庄屋を務めていた旧古山家を利用した資料館。町家建築の典型とされる土蔵、居宅、庭園は市の指定文化財。予約で茶室の利用もできる。入館料大人200円、休日は月曜、祝日の翌日。 |
| 五妙坂の高札場跡 | 江戸幕府の禁令などの定めを庶民や旅人に知らせための掲示板が掲げてあった大井宿東端・五妙坂。 |
![]()
・・旅を終えて・・・
恵那市は愛知県や長野県の県境に近い岐阜県南東部に位置します。
十津川温泉から帰ってきたばかりの翌朝の17日、一昨年、近くまで行きながら時間がなく見損なった恵那市にある「大井のナンジャモンジャ自生地」が気になっていましたので、同市の観光協会に電話で問い合わせました。「今が丁度、見ごろなので、直ぐ来たほうがいいですよ」とのこと、ならばと、今回もネットの友達・鵜沼宿住人さんをお誘いし出かけることに相成りました。
私が約束の時間に名鉄各務原線新鵜沼駅に下車しますと、既に鵜沼宿住人さんの車は駅正面に横付けされていて笑顔で迎えて下さいました。早速、出発進行!高速の中央道を走り、恵那インターで降りました。待望の「大井のナンジャモンジャ」に着いたのは午前10時ころ、東禅寺に接した丘陵の斜面にありました。このナンジャモンジャ、傍で見ると流石に大きく貫禄がありました。ナンジャモンジャは生い茂り密集して自生していましたので確かな本数は分かりませんでしたが、高さ10m以上の木だけでも6・7本はありました。木によって、花の咲き具合は違っていて、綿帽子をかむったように咲き誇っている木もあれば、まだ、これからだという木もありましたし、大きな木だけあって、日の当たるところと当たらないところでは、咲き方も全然違っていました。1本の木の根元に目をやると、ひっそりと小さな祠が祀ってありました。新緑の5月、大木にまるで雪がかぶように純白の花がおおいかぶさったさまは誰が見ても実に神秘的、 古くからこの地方の住民にとっては、きっと神様のような存在だったに違いありません。
このあと、数箇所のナンジャモンジャの自生地も見て回ったが、ほとんどの木が県や市の天然記念物に指定されていてどれも見事でした。千田公民館敷地内のナンジャモンジャを見ていましたら、自転車で通りすがった地元の人が、「もう少し向こうにも立派なナンジャモンジャの木があるよ」と親切に教えていただける一幕もありました。それが、市指定天然記念物の千田のナンジャモンジャでした。
ここ恵那市をはじめ中津川市、瑞浪市、土岐市の東濃地方一帯は全国的にも珍しいナンジャモンジャの自生地、この稀少な木ゆえに絶やすことがあってはなりません。保存にはこれまで以上に力をいれてほしいものだと思いました。
保存といえば、「坂折棚田」もそうです。同じ恵那市でも、この棚田は山の中にありました。昨年の夏、地元住民らによる「恵那市坂折棚田保存会」が発足しました。ちなみに、「日本の棚田百選」には、岐阜県では郡上市白鳥町の正ヶ洞、八百津町の上代田、高山市上宝町の田頃家、高山市久々野町のナカイ田、それにこの恵那市の坂折が選ばれているようです。ここの場所は少しわかりづらく見つけるのに随分、苦労しました。途中で道を尋ねたら、全く逆の方向へ来ていることが分かり慌てて引き返してきたのです。それだけに、坂折棚田が眼前に現れたときは感激でした。丁度、田植えの準備が整い、小さな水田にも満々と水が張り、まるで鏡に写っているかのように青い空や周囲の美しい風景がそこに描き出されていました。
棚田を見下ろす展望台があり、そこに練馬ナンバーの車が一台停まっていました。その車の持ち主は70歳前後のご夫婦でした。話によると、10日前に東京を出て、九州を一周して、今日は帰り道、恵那峡湖畔のホテルで今晩は泊り、明日高速に乗り帰るとのことでしたが、写真好きのご主人は三脚を立て必死にカメラのシャッターを切っておられました。「もう、田植えが終わっていると思いその風景を撮ろうと思い来たのですが」と、ちょっと残念という様子でした。
棚田は、食料を生産する場としてだけではなく、山から流れ込む水を一時的に蓄えダムの代わりをなし、土砂崩壊防止も果たしてきました。それと同時に四季折々の風物を見せてくれる美しさは、心にやすらぎを与えてくれる日本人の原風景でもあるのです。ここの「坂折棚田」は、山の急斜面地に石垣が積んであるのが特徴で、江戸時代から城の石垣職人らによって長い歳月を掛けて完成した堅牢で美観をそなえた貴重な棚田でした。
今回の最後は、中山道大井宿。JR恵那駅前に近い狭い商店街から続く南北の通りが旧中山道でした。往時の面影を追って大井橋、旅館いち川、中山道ひし屋、大井宿本陣、そして高札場へ。私は中山道に精通した鵜沼宿住人さんの説明を聞きながら、江戸時代にタイムスリップした気分になって歩きまた。また、中山道広重美術館へも行き、ボランティアの方の説明を聞きながら浮世絵を鑑賞したり、版画の色付け体験もしてきました。
今回は10000歩以上歩いたようですが、ナンジャモンジャも坂折棚田も中山道大井宿も、皆でしっかりと保存しなくてはならないという点では共通していました。今回は実にいろんなことを見聞し、地元の人とも触れ合うことができ、素晴らしい恵那市を再発見した収穫の多い一日となりました。(あらじい)