2005年の旅ロゴ



山陰但馬/湯村温泉と城崎温泉and小京都・出石(いずし)


「夢千代日記」の早坂暁と「城崎にて」の志賀直哉ゆかりの宿に泊る2泊3日の個人旅行


2005(平成17)年7月18日(月)〜7月20日(水)

特急スーパーはくと5号
特急スーパーはくと5号(京都〜鳥取)
今回は日本文学に登場する温泉として知られている早坂暁と志賀直哉ゆかりの湯村温泉と城崎温泉を訪ねてみることにしました。
いずれも、日本海に近い山陰但馬の山あいにある静かな温泉です。
初日の宿泊地・湯村温泉にたどり着くにはかなりの時間を要しました。岐阜から名古屋まで新快速、名古屋から京都までは新幹線・ひかり。京都からは特急スーパーはくと5号に乗り換え上郡までは山陽本線、上郡から智頭まで第三セクターの智頭急行、智頭から鳥取までは因美線と路線を変えながら狭い山あいを列車はすすみます。鳥取から湯村温泉までは1日6便しかない鳥取砂丘経由のバスに揺られること1時間。湯村温泉に着いたのは既に午後の3時半を過ぎ、1日目は約6時間半を要した乗り物の旅、緑深い中国地方縦断は始めての経験でした。



1日目 湯煙りただよう夢千代の里 湯村温泉


湯村温泉  兵庫県美方郡温泉町
兵庫県北部の豊かな自然に抱かれ、あちこちに立ち上がる白い湯煙が懐かしささえ感じてしまう温泉町・・・湯村温泉。ここは1150年前に慈覚大師によって発見された温泉地で、湯煙が上がる源泉「荒湯」を中心に旅館が立ち並んでいます。NHKドラマ「夢千代日記」で一躍、脚光を浴びた山あいのいで湯としても有名です。泉質:炭酸水素塩泉 効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、皮膚病、婦人病、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、打ち身、やけどなど(以上浴用)。慢性消化器病、慢性便秘、通風、肥満症など(以上飲用)。

夢千代日記「夢千代日記」の一節

●山陰の空の下
どんより鉛色に曇った空の下、山あいから列車が抜け出てくる。
女の声「あんなに表日本は晴れていたのに、山を抜けたら一ぺんに鉛色の空になっている」
●湯の里温泉(湯村温泉のこと)で
朝遅い温泉の町。町の中を川が流れ、その川べりに熱い蒸気がふき出している。
夢千代が、その蒸気で卵を茹でている。
近所の女が野菜を手にやってくる。
夢千代「おはようございます」
夢千代の声「十一月二十一日、小雨、気温八度。眠り浅く、手足がだるい」


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「夢千代日記」の作家・早坂暁ゆかりの湯村温泉・朝野家

私たちが1日目に泊った旅館です。
朝野家全景
全景
湯村温泉の街中でもひときわ目立つ、お城をイメージした建物です。
朝野家正面
正面
朝野家3
客室
朝野家4
オリジナルの布製ポーチ
朝野家5 朝野家6 朝野家7 朝野家8
夜はロビーで津軽三味線演奏
本場のかに、但馬牛を中心とした旬の料理でした。
朝野家

兵庫県温泉町湯 п@0796-92-1000  [収容人数] 430名 [部屋数] 70室  [IN/OUT] 15:00〜10:00
[交通] バスでは、JR鳥取駅から湯村温泉行き約1時間、JR浜坂駅からは湯村温泉行約25分。それぞれ終点下車徒歩1分。タクシーでは、JR浜坂駅から約15分。車では、中国自動車道福崎ICから播但連絡道路和田山ICから60分。
湯村温泉の高台に位置し、桃山文化の伝統を受け継ぐお城の宿で、「夢千代日記」で知られる早坂暁ゆかりの宿としても有名です。朝野家は自家源泉を持ち、その温度は98℃、湧出量は毎分464gある温泉です。高温源泉を利用した天然地熱サウナもあります。茶道、華道、香道をもてなしの基本としていて繊細な心配りが旅の疲れを癒してくれます。
朝野家9
大きな水車が回る野趣あふれる露天風呂



区切り線


湯村温泉のシンボル「荒湯」近辺

旅館へ着くと抹茶のサービスを受けました。そのあとは浴衣姿で荒湯付近を散策、温泉情緒を味わいました。
荒湯 荒湯2
荒湯
湯煙り立ち込める源泉の「荒湯」は湯村温泉のシンボル。98度の高温で重曹を含むお湯は昔から地元の人の料理や洗濯に利用されてきました。いつも温泉卵づくりに挑戦する観光客やさつまいもやとうもろこしなどの野菜を茹でる人々で賑わっています。

ゆで卵10〜13分、さつまいも30〜45分、いか15分、松葉ガニ45分、とうもろこし30〜40分、白菜3分、栗40〜60分、筍60分など。
夢千代の像
夢千代像
早坂暁の手形
早坂暁の手形
湯村温泉の足湯
足湯
鯉が泳ぐ春来川に沿って長さ7mの足湯が3か所あり、「ふれあいの湯」とも呼ばれています。足湯は足先の疲れや冷え性に効果があります。日本一長い足湯だそうです。

吉永小百合の手形
吉永小百合の手形
「夢千代日記」とは、
昭和56年、NHKテレビ「ドラマ人間模様」で放送された名作。被爆2世の夢千代が経営する置屋を舞台に人間模様を描いた作品。原作者は早坂暁、主演は吉永小百合。

ふれあい手形散歩道
ふれあい手形散歩道
荒湯から石段を下りた春来川沿いある遊歩道。たくさんの有名タレントや文化人の手形レリーフが飾られています。
杜氏館 ←酒の匠・杜氏館(とうじかん)
但馬杜氏の伝統技術を文化遺産として保存。ここでは、かつて酒造りに使われた様々な樽や酒袋、わらで編んだ深靴など酒蔵で使用していた道具類、また酒米や精米のサンプル、杜氏に関する資料などを展示しています。休館日/毎週水曜. 入場料/無料
夢千代館 →
NHKのテレビドラマ「夢千代日記」と、ドラマの中で描かれる昭和20〜30年代の懐かしい風景を再現したテレビセットが組まれています。大人300円
夢千代館


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・・・旅を終えて・・・

中国地方縦断、さば寿司弁当は美味しかったが・・・
山陽から山陰へ・・・、列車で中国地方を縦断したのは生まれて初めてのことだった。それにしても目的の但馬は予想以上に遠く、しかも、鳥取から湯村温泉に入るとは思いもよらぬコースだった。随分、大周りをしたように思えるが、列車の本数が少なく、途中で乗り換えをしなくてならない山陰本線に比べると、往きのコースとしてはこれが一番合理的だという旅行会社の話だった。京都から鳥取までは「スーパーはくと」という特急列車、乗車率も30%くらいであろうか空席が目立った。12時を過ぎた頃、車内販売のワゴン車が来たので寿司弁当を買った。鳥取産だった。まだ、お腹もそれほどすいていなかったので「かに寿司弁当」を1個買い二人で分けて食べればよいとあらじいは思っていたようだが、もう一つの「さば寿司弁当」は限定品だと勧められ、ついつい私はこちらも買ってしまった。食べてみると巻いた昆布が絶品でしっかり詰まったシャリの「さば寿司」はことのほか美味しかった。だが、やはり量が多くて食べきれず、「かに寿司弁当」はうわつらのかにだけを食べ御飯は残してしまった。勿体ないことをした。恥ずかしながら、衝動買いはいまも健在(?)の私だった。(あらばあ)

もてなしの心は伝わってきたが、でも、一言ほしかった
長旅の末、湯村温泉のバス停に着いたのは午後の3時半を回っていた。バス停には出迎えに来ていた旅館もあったが、われわれには出迎えはなくちょっと寂しい気がした。しかし、バス停から徒歩1分の朝野家は直下駄ぐに分かった。パンフレットで見たとおりお城のような素晴らしい建物が聳え立っていた。館内に入るとほのかなお香の香りが漂っていた。ロビーに通されると抹茶のサービスがあり、部屋の床の間には綺麗な花が生けてあった。細やかなもてなしが随所にあり嬉しかった。でも、欲を言えば「遠路、お疲れ様でした」という一言、ほしかった・・・。
しばらくしてから外へ出た。坂道の石段を下り、川の麓の「荒湯」に行ってみた。卵を茹でている人や足湯を楽しんでいる人たちで賑わっていた。私たちも二人並んでベンチに腰をおろし暖かなお湯に足を入れた。いつしか時の立つのを忘れ静かな山の中の温泉ムードに浸っていた。(あらじい)

「夢千代」の里、湯村温泉
フロントで、「夢千代日記」の作家・早坂暁について尋ねてみた。やはり、彼はこの旅館で宿泊していた。それどころかロケのときは1ヶ月間ちかく主演の吉永小百合をはじめ、多くの俳優さんがこの旅館に泊ったのだそうだ。しかし、そのときの写真などはここの館中には一切見当たらなかった。そういえば、この湯村温泉はNHKドラマ「夢千代日記」が放送されてから一躍有名になったといっても過言ではない。このことを一軒の旅館のみが独占せず、湯村温泉全体の共通の財産と地元の人は考えているのではないかと私は思った。確かに、「荒湯」近くに立つ夢千代の像は、湯村温泉を見渡せる絶好の場所に建てられていた。
「夢千代日記」はテレビで見て感動し、それ以来、この本は何度となく読んだ。この旅行が決まってからも、市の図書館で「夢千代日記」「新夢千代日記」を借りてきて読んだ。読む都度、吉永小百合の演ずる夢千代と寒々とした温泉町がより鮮明に脳裏に焼きついたように思う。小説に書かれている日本海の海鳴りが聞えるひっそりとしたひなびた山あいの「湯の里温泉」、これが「湯村温泉」のことだ。早坂暁がこの小説を書いた頃からはかなりの年数が経過しているのだが、描かれた風景が今もこの温泉のあちこちに残っていたのが嬉しかった。(あらじい)


2日目 城崎温泉へ 3日目 小京都・出石へ



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