12.3 ふたごの夏休み


 

残暑お見舞い申し上げます。

立秋を過ぎればどんなに暑くても"残された暑さ"と書く残暑になるとは、この京都ではどうあっても承知できない。連日ものすごく暑い。暑いと思ったら、体温を超えてたのね!という毎日がつづく。台風が過ぎたあと、また暑さがぶり返した。

そんななかで、ふたごたち(1歳10ケ月)+お兄ちゃん(4歳10ケ月)は元気である。私も奮闘している。

朝から暑い日は、行水をさせている。ビニールプールは家にはない。最近は安くで手に入るのだが、買わない。ベランダに置いても置けないことはないだろう。でも、ベビーバスと大きめのタライに分散して3人のこどもに水浴びさせる。

なぜプールを買わないのか。

  1. すぐ使わなくなるだろう。
  2. 空気を入れたり抜いたりするのがめんどう。
  3. 空気を入れたままほおっておくと、リョウかタイが穴をあけてしまうだろう。
  4. 空気をいれないタイプのプールは、自分たちが入る前に水を全部流してしまうだろう。

もう!最近のふたごたちときたら、考えも及ばないことをするのだもん。

お墓参りに連れて行ってひしゃくを持たせたら、振り回して柄と水のため口を分解する。網戸に激突してはずす。先日はふすまもはずした。あやうく父は下敷きになるところだった。扇風機を倒して、羽はバラバラになった。とりかえるのに2400円。おそるべし。

だから、必ず、ビニールプールにもなんらかの方法で穴をあけてしまうと思うのだ。それも買った翌日くらいに!

私の予想が当たるのがこわくて、どんなに安くてもプールは買えない。

だから、せっせと洗面所から水を何往復も運び、足拭きマットとバスタオルと新しいオムツをセットして行水の準備をするのだ。よーく考えればちょっとあほらしいけどね。

行水が終わって、しばらく涼しくすごす彼らを横目に、私は掃除洗濯で汗だくになったシャツを一度着替え、あんまり!な時には洗面所で頭から水をかぶる。まるでオッサンだ。夏になる前にショートヘアーにしたし、お化粧をしないので、簡単にできるしやめられまへん!

髪からのしずくがポタポタ部屋中に落ちても気にしない。だって、さっき行水のために運んだ水のしずくがすでに落ちているし、行水から上がったふたごは足拭きマットの上にじっとしているはずもなく、はだかで走りまわるので、そのへんはポタポタだらけなのだ。

みんなが再び暑くなってきたところで、クーラーを入れ、お昼ご飯までの間、大好きなくまのプーさんのビデオを見せる。ふたごならずとも年頃のこどもがいる家なら、「これを見せれば必ずおとなしくなる!」という30分以内の必殺ビデオを1つでいいからみつけることだ。3人並んでプーとティガーのぬいぐるみを抱いてすわっている、一日のうち、この時だけ天使のようだ。

夏休みのお昼ご飯は、

そうめん→冷麺→ざるそば→やきそば→冷やしうどん→チャーハン→そうめんに戻る

の繰り返しにできるだけならないようにつとめている。

1歳10ケ月になったふたごはよく食べ、好きなものは奪い合い、嫌いなものは母に返しにくるので、散らかして食べることとずっと座っていられないことを除けば、いうことはない。

マサミツにウインナーを焼いてやったら、それだって食べたい。本当は、おそばだって、おつゆにちょっとつけてツルツルッって食べたいらしいのだ。カレーだってもうバーモントカレーの甘口はいけるし、らっきょだってOK!チャーハンは必ずおかわりする。大活躍のとうもろこしは、4cm幅に切ってやると、カジカジと一周させて上手に食べられる。

さて、「食」の分野でまずまずの合格点が出たら、ちょっとした遠出ができる。

ここでふたごの遠出について検証してみよう。

ひとり×3人のこどもを連れての遠出は、案外簡単ではなかろうか。思い返してみれば、マサミツは1歳半で温泉旅行に連れ出した。年子の3人がいるご家庭は、うちと同じくらい大変な外出になるだろう。下がふたごで、まだふたり乗り用ベビーカーが必需品である我が家のような場合は、上の子がしっかり歩けたとしても、大人ふたりで遠くへ連れ出すには少々の勇気が要る。

ふたごとお兄ちゃんを連れて、どこかへ行きたいという希望は絶えずあったが、車のない我が家ではなかなか踏ん切りがつかなかった。家族全員で出掛けたのは、夫の弟の家に行ったのが初めてだった。

片道2時間。電車を3本乗り継ぎ、徒歩移動はそのうち30分。

大人ばかりで行くのと比較して1.5倍ほど時間がかかり、労力は3倍近くかかる。

電車の中でふたごがふたりとも寝てしまった時の対策、ベビーカーには乗らない!と歩きたがる時の対策。全て計算して行動しなければならない。簡単なようだが、実はものすごい決断だった。

お茶・おやつ・ジュース・電車の冷房がきつかった時のための上着・ミニカー・100円均一で買った目新しいおもちゃ・おむつ・おしりふき・ぬれタオル・乾いたタオル・帽子・そして、必殺!ひとり乗り用ベビーカー1台

そう、"ひとり"乗り用ベビーカーだ。

乗るのはリョウとタイのふたり。左右前後にちょっとずつお尻をずらしてキュウキュウにすわらせる。とっても迷惑そうなふたりだが、なぜかケンカをすることもなくおとなしくキュウキュウを楽しんでくれるのだ。

ベビーカーを押す身としては、今にも壊れそうにミシミシ音のするベビーカーより、いつも使っている空でも10キロ弱あるがっしりしたふたり乗り用ベビーカーの方が押しやすい。しかし、駅のエレベーターが乗り換えに一番便利な所とは反対側にひっそり1機あるだけだったり、車内が込み合うことが予想されたりする場合には、片手で折りたたみができ、重さも3キロ強のひとり乗り用ベビーカーを選ぶ方が賢いと考えてのこと。

ふたりとも寝てしまったのに、電車の乗り降りをしなければならない時は、夫は背中にはリュック、片手に10キロのリョウ、もう片手に10キロのたたんだベビーカー。私も背中にリュック、片手に11キロのタイ、もう片手でマサミツの手をひく。お兄ちゃんになったとはいえ、マサミツも電車の乗り降りや駅の階段、エスカレータの乗り降り、慣れない町では手をつないでやらねばならないのは当然。

はっきり言って、これはたいがいの労働。

ふつうのベビーカーには、「お子様を乗せたまま持ち上げないでください」と但し書きがあるが、これは危険ではあることを承知でやってみると、女性ひとりでもできないことはない。実際にやったことのある人も多いだろうし、やっている人をみかけることもある。もちろん、どうしてもベビーカーを持ち上げねばならない事情がその時にあるのだろう。

しかし、すばらしくガタイのいいふたり乗り用ベビーカーは、絶対に「お子様を乗せたまま持ち上げられない!」のである。前後でひとりずつ大人が持てば、持ち上げられないことはないだろうが、さすがに恐くてやったことがない。どんな事情があってもひとりでは押すことが精いっぱいである。

我が家の場合は、マサミツが使っていたベビーカーを再び使っているだけなので、うまい不要品の活用といえよう。

それよりも、駅のエレベーターってのは、何とかならないものか。古い駅だとエレベーターはないし、あってもホームの端か真ん中に1箇所設置されているだけ。せめてホームの両側、欲を言えば真ん中も含めて3箇所あればいいのにな。

エレベーターをつけてほしい駅を名指しさせてもらうと、阪急京都線の河原町駅、烏丸駅。

ちゃんと歩けないふたごと、まだまだひとりで出歩くのが不可能な上の子を連れてどこかへ出掛ける場合、おんぶにだっこでふたごを体にしばりつけなければ移動できないであろうこの世の中は、そんなにも車を持っている人が優先なのか?と思わせる。

現実には、10キロにもなったふたごを体の前後にくくりつければ、まっすぐに歩くことは困難で、歩けたとしても50メートルが限度。無理をすると、電車のホームから線路に落ちたり、自分の腰や膝を痛めることにつながるので、絶対にしないほうがいい。

ふたごの親はともかく、介助なしで移動している車椅子の人はどうしておられるのだろうか。駅員に声を掛ければ車椅子ごと階段を上下できる機械もあるが、なげきと共に遠出をあきらめている人はたくさんおられると思う。

お兄ちゃんであるマサミツは、幼稚園生活を始めて2回目の夏休みである。だが、実質上は初めての夏休みだ。というのも、去年の夏休みは、どうしてこんなに上手くスタートを合わせられたのかと感嘆するくらいに、夏休み開始と水ぼうそうにかかったのが同時だった。かかりつけのお医者さまに言われたとおり、兄弟間の水ぼうそうは90%うつり、リョウとタイも10日後にかかり、発熱の次は体中かゆいかゆいに襲われ、ずーっと外出禁止が続いた。こどもも両親もがまんがまんから開放され、ため息をついている間に夏休みは終わってしまった。

だから、今年の夏休みの目標は、ズバリ「元気で過ごす!」ことだ。

そのとおり、夏風邪をひくこともなく、3人ともパワー全開である。

ドッコラショッ!とかけ声をかけて出掛ける遠出は、徐々に楽になるだろう。ものすごく重たいお腹をかかえて、フウフウ言っていた2年前の夏がいやになつかしい。

そうそう。「ふたごちゃん!いらっしゃい」を書いている間に、読者ふたりにふたごちゃんを伝染させた。

「5ケ月でその大きさのお腹っていうのは絶対にふたごや!」と私が予言したとおり、産婦人科の先生は後に「ひとり」を「ふたご」に訂正されたそうだ。無事に生まれた女の子は、来月で1歳。

「このところ頻繁にホームページを読み返しています」と連絡をくれたのは、男の子2人のおかあさん。お腹にふたごがいるのがわかって3ケ月後にご主人は単身赴任!という私ならば卒倒している状況で、秋のこどもたちの運動会まで早産せずに頑張る、とはりきっておられる。さすが尊敬する先輩である。

この暑い夏、そしてやがて訪れる秋。遠く離れて顔をあわすことがなくても、育児で多忙であっても、どうかみなさんが元気で過ごされますようお祈りいたします。





                 

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