8.2 ふたご育児テクニック(2)−紙オムツと貸しおむつ


 

「あかちゃんが生まれたら紙オムツ?布おむつ?」 

妊婦さんにとって永遠の話題だ。

「そんなん紙オムツに決まってるやん!」「布の方がお尻がかぶれたりしいひんみたい」「紙オムツは燃やすと環境に悪いし」「そんなん言うんやったら、布おむつを洗う時の汚水もハンパな量とちゃうし」

それなりに考え、悩む。ま、悩まない人もいるけど。

「あ〜ら、○○美さん、"おむつ"といえばさらしの布おむつに決まってるざんしょ」などという外野の声に苦悩が増す人もいる。

余計なお世話であろうが、おむつの種類がどうであれ、あかちゃんの成長がストップするような深刻な事態は起こらない。あくまでも主としてあかちゃんの世話をする人が決めればいいこどだ。

一応、基本の紙オムツと布おむつについておさらいしておこう。

まず、紙オムツ。

"紙"といえども全部が紙でできているわけではない。おしっこやうんちを吸収する面には、生理用品でおなじみの高吸収ポリマーというものが使われている。

おむつカバーはしなくていい。新生児期のゆるゆるうんちも、股のゴム状のひだで外にもれることは滅多にない。こまめにオムツを交換してやらなければならないのは、承知の上だが、おしっこは、3〜4回分くらい余裕で吸ってくれる。

ただし、新品に交換したところで少量のおしっこをされても、さわっただけでおしっこを吸ったオムツなのかどうかは、よく観察しなければわからない。

オムツについた大便はトイレに流してから、小便はそのまま、丸めてゴミに出す。

Mリーズ、Mニー、Pパース、Mポコ、……。大手メーカーのものが数種類ある。Dエーなどのスーパーでは、プライベートブランドでも販売している。

サイズは、新生児、S・M・L、パンツ型など成長に合わせて買い替えることが必要だ。

使いごこちはあかちゃんに聞いてみないとわからないが、ここだけの話、生理用品の使いごこちくらい差があると踏んでいる。各商品の外パッケージに印刷されている製造元を確認してみよう。な、なんと、K王、Yチャーム、ピ&ジ、……なんておなじみのメーカーであることに気づくだろう。

通気性はかなり優れているとみるが、たくさんおしっこを吸うからといって、夏に「もう一回分くらいいけるか」と無精をして換えないでいると、お尻がかぶれそうになっていることがある。

価格はこれまたピンきりである。なるべく安い育児用品卸店などで買い求めるのがいいだろう。セール時期などを逃さずにチェックできるといい。

次に布おむつ。

圧倒的におばあちゃん世代に人気が高い。さらしを1反買うと、ひとりのあかちゃんが頻繁におしっこをする冬場でも充分間に合う数が作れる。素材は、普通のさらしではなく、ドビー織の綿のものが適している。あかちゃんがお腹にいてくれる間に用意して、一度水を通し、太陽に当てておくとふんわりしていい。

「おっ!もしかして作るってことは、縫うことなのか!気が遠くなる……。」そういう人には、縫ってあるドビー織のすぐ使えるおむつも売っているのでご安心を。

この布おむつにはおむつカバーが必要。カバーは綿製やウール製、ゴアテックス製など数種類ある。

成長するにしたがって、おむつの折り方を変えたり2枚重ねで使ったりし、カバーの大きさを変える。おむつ自体は買い替えなくていい。

大便はトイレに流し、小便はそのままで、おむつ用除菌漂白洗剤などを溶かしたバケツにいれておき、何枚かごとに洗い、干し、たたむ手間がある。当然、冬は一日で乾かないこともある。

おしっこ1回分でも、"した"のがはっきりわかるので「おしっこ!」と言えるようになるトレーニングをするには、「出てしまった。気持ち悪い」という感覚を養うためにいいらしい。

2〜3回分のおしっこを放っておくと、カバーごとベチャベチャになるので、こまめに換えてやらねばならない。その分おむつかぶれにはなりにくい。ゆるゆるうんちは、量が多いとどうしてもおむつカバーからはみ出し、布団や果ては親の服まで悲惨な目に合うことがある。ご用心。

自分のあかちゃんにどっちを使うか悩むのもあたりまえ。使い分けるのならどういうTPOで使い分けるかは、あかちゃんの面倒をみる人によって異なる。

現在は"成形おむつ"とか"パット式おむつ"なんていう、おばあちゃん世代には名前を聞いただけでははっきりどんなものであるか想像できない代物も発明されている。これでまた選択肢が増えるって寸法だ。

その上に、ここで"貸しおむつ"を紹介する。

これからあかちゃんを育てる人、とくに"ふたご"以上のあかちゃんを育てる人、おむつの必要なあかちゃんがいるが、主に面倒をみる役目の自分の体調がすぐれない人、里帰り出産をする人、布おむつを使ってみたいけれど、作ったり買ったりする前に試してみたい人……等の方には検討の余地がある。

さて、問題の"貸しおむつ"は、上記で考察した紙オムツと布おむつの利点をかいつまんで使うことができる。私が使っているKベビー社の貸しおむつを例に挙げる。

  1. 綿製の布おむつである
    こまめに換える必要はあるが、おむつかぶれはあまりしない。おむつカバーは必要。
  2. 洗わなくていい干さなくていい
    うんちもおしっこもついたまま、10枚ごと袋に入れて業者に返す。
  3. おむつを買いに行かなくてもいい
    1週間に一度汚れたおむつと新しいおむつを自宅まで交換しに来てくれる。1週間ごとの必要枚数を決められた曜日に電話で確認してくれる。
  4. サイズは2種類ある
    あかちゃんがごく小さい間は、30センチ四方のおむつを三ツ折りにする。大きくなれば、1枚もののドビー織おむつを適当な大きさに折って使う。
  5. 貸してもらうわけだから契約が必要
    最初に1万円の保証金が必要(契約解除の際返金される)だったり、汚れたおむつを引き取りにだけ来てもらうと手数料がかかったりする。

便利極まるこの"貸しおむつ"。欠点はただひとつ、単価が高いこと。どれくらい高いかって?わかりやすく言うと、紙オムツのおおよそ倍額である。

しかし、育児多忙専業主婦である私にとって、"貸しおむつ"は体力のなさと時間のなさを補ってくれている。私の仕事をおおまかに分けると、育児・掃除・洗濯・食事作り、となるが、その中の"洗濯"におむつが入ることによって、"洗い""干し""たたみ"の各分野とも3倍くらいに膨れ上がる。その手間と時間とそれにかかる体力をお金で解決することと引き換えに、食事作りができているのが現状だ。

フライは衣のついているものを買う、昼食にレトルトカレーも大活躍する、2日続けて同じ煮物がお膳にのる、程度の手抜きはあるが、コンビニのお弁当や店屋物で済ませる食事はあまり登場しないでいられるのも"貸しおむつ"のお陰だ。

マサミツひとりがあかちゃんだった頃は、紙オムツは外出時のみの使用で、夜中も含めて後は手縫いの布おむつを使用した。

夜中に、お腹がいっぱいなのにも関わらず、泣きやまないのは、おむつが濡れているせいであったことも度々あった。また、ぐっすり寝ている時のおむつ換えのスリルは、自分の睡眠時間をけずると引き換えるには値しなかった。

だから、今度は紙オムツを外出時のみならず夜中も使うことにした。そして、日中は布の貸しおむつを使っている。

"ふたご"だからオムツの枚数も倍、減り方も倍、洗濯にかかる諸々のことも倍、おしりを拭いてやるのも倍。つまり、おむつ関係だけで親のエネルギーは倍必要!

おむつを汚すのが仕事のあかちゃんに「また、おしっこ出たん!また、うんちしたん!」と言うのは酷だ。そういう言葉が出るってことは「このおむつを洗濯するのは誰やと思てんの?干すのは誰?たたむのは誰?」という一種の被害妄想があるからだ。その点"貸しおむつ"であると、ふたりぶんおむつ換えをしてやるだけでいい。な〜んて平和!

もちろん、おしっこが言えるその日まで、紙オムツ一本で育児をしたって何ら支障はない。ただ、こういう方法もあるってこと。

自分の実家や夫の両親に育児を手伝ってもらう確率の高い産後1〜2ケ月の間、おむつの洗濯に関する一切を"貸しおむつ"で省略することもできるという提案だ。

さて、前節の中で述べた「ミルクの缶についているシールで懸賞に当選しよう!」のような楽しい企画はおむつの世界ではないだろうか?

残念ながら私の使っている業者の"貸しおむつ"ではナイ。いくら長期間使っても、おまけに10枚タダで貸してくれるとかいうレベルのものもナイ。

紙オムツでは、産院からもらった試供品の中に、"マザーズクラブ"の会員になれるハガキが入っていたので、応募した。なんてったって賞品は「紙オムツ1年分」なんだもの。"ふたご"の親でなくてもこんなに魅力的なのはない。しかし、そう簡単においしい目にはあえなかった。残念。

その代わりにはとうていならないが、"マザーズクラブ"がある会社の洗剤が抽選で当たる応募ハガキを手に入れた。これは現在抽選待ち。

こんなふうに、おむつ関係で楽しめることは、ミルクに比べるとだんぜん少ない。

私は、あかちゃんのおむつに関わるさまざまな労力と決して無視できない出費を考え、微々たる補助でもいいから、少子化対策として政府や自治体が策を講じてくれないかと考えてみた。

現物支給は避けてもらいたいが、見合うだけの金額を出産手当金の上に上乗せしてもらう、などどいう制度ができれば、育児のスタートが今よりもスムーズに切れるのではないだろうか……などどブツブツ言いながら考えていたところ、ふと夫が言葉を発した。

「介護用のおむつは医療費控除の対象になるんや。」

「えっ!えっ!えーっ!?」

単価には相当の隔たりがあるが、同じ目的で使用するおむつが、一方は医療費控除の対象になり、一方は各家庭の消耗品として家計に重くのしかかる。ふたごは倍の重さだ。

念のために調べてみると、夫の言葉に嘘はなかった。夫はこういうときに役に立つ。

「6ケ月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合の介護用おむつ代は医療費控除の対象となる」

粉ミルクは、母乳が充分出るおかあさんを持つあかちゃんには無縁なものだが、おむつは生まれたあかちゃん全員に必要であるから、控除対象品目として適当であるだろう。

これからの社会を支える人材を育てるために、紙オムツ・布おむつ・貸しおむつ、すべてを対象に、少しでも家計を楽にし、気持ちの上でも少し余裕の出る"医療費控除におむつを含める税制"から少子化対策をはじめてはどうか。カモーン!





                 

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