2回目の出産で“ふたご”の男の子を授かり、現在男の子3人の母親業に専念
しています。2度目の妊娠がわかった時、以前に穴のあくほど読みたおした
「なんとか妊娠大百科」とか「初めての安産」とかいう本を棚から引っぱり出
し、たかをくくって余裕で眺め、「ああ、こんなんだったな」と思い出す日々
を何日か過ごしました。
そして、お腹にいるのが“ふたごのあかちゃん”だと知らされたとき、主治医
の先生を質問攻めにはしたのですが、“ふたご”に関する情報をもっと得たく
て「なんとかふたご事典」とか「かわいいふたごノウハウ」のような本を探し
ました。でも、見つからなかったのです。
2歳5ケ月の長男を連れて長時間の本屋巡りもままならず、前年に男の子と女
の子のふたごのママになった友人に助けを求めました。今になって改めて調べ
てみれば、ツインズ(ふたご)を応援する機関やサークルもあり、雑誌や本も
出版されていることがわかりました。インターネットで情報の発信をしている
人がいることも知りました。いつもは冷静なのですが、やはり焦っていたのだ
と思います。
今の社会では、出産の高齢化や不妊治療の結果、“ふたご”の出生率は上昇
しているようです。もっと“ふたご”に関して、いろんなタイプの本が手軽に
書棚にならんでいてもよいのではないか、と思い(内心怒っていました)自分
の体験を公開することにしました。
ちなみに、普通の「なんとか妊娠大百科」には「多胎」のページはあるので
すが、どんなに分厚い本も二ページを「ふたご」にさいていればいい方です。
結果的に、“ふたご”妊娠中のエピソードや感じたことが中心のエッセイの
形になりましたが、自分への励ましと、私より後にふたごを妊娠した人へ、そ
して、上に子供がいて次の子(特に年齢差がさほど開いていない)がふたごで
ある妊婦さんへ、ともにエールを送るために書きました。
「三人妊娠しているよりましだ!」という勇気づけの言葉では、少しも不安を
軽減することはできません。ふたごを妊娠した人が、胸を張って「お腹にふた
ごのあかちゃんがいるのよ」「ふたごが生まれたの!」と笑顔で言えるように
なってくだされば、心から嬉しく思います。
2000年2月
神無月 七夜(かんなづき ななよ)