<モザイク>

 サンマルコ寺院の床に敷きつめられたモザイクです。床にこれだけのモザイクが施してある場所は、イタリアの他の街では見られませんでした。

 ヴェネツィアでは、急速に地盤沈下が進んでおり(近くにできた工場地帯で地下水を汲み上げすぎたためらしい)、浸水のため、そう遠くない将来には人が住めなくなるといわれています。サンマルコ寺院の床も地盤沈下のためくぼんで変形している場所が多いのですが、有名な「ラックワ・アルタ」の時には、床のモザイクが海水の下に沈むそうです。水を通して眺めるモザイクって、一体どういう風に見えるんでしょう。

 ベネツィアの繁栄は完全に過去のものとなり、そして今この街は海に沈もうとしている。観光都市となるくらいだったら海に沈む道を選ぶというのでしょうか。そんなはかなげな風情が、ベネツィアをいっそう美しく見せているのかもしれません。

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