菌糸瓶の実験:菌種による比較
上記のオオクワガタ幼虫はすべて、同じ時期にほぼ同じ誕生日の亜終令幼虫を菌糸瓶に投入した♂で、7月前半の孵化後約4ヶ月経った個体を比べています。左の幼虫はこの時点で20gを越え、大変よく育っていますが、右の幼虫はあまり成長がよくありません。
実はこれらの幼虫は違う菌による菌糸瓶で育てられたのです。左がアワビタケ右がヒラタケです。基本的に添加しているのは15%のフスマだけですので、この成長の差は菌種によるものと思われます。これらの幼虫は基本的に同じ菌糸で継続飼育されていますので今年の夏ぐらいにはその差が明確になることでしょう。
アワビタケ自作菌糸瓶による奇形防止と飼育結果
このように、栄養吸収と言う点では申し分無かったアワビタケ自作菌糸瓶でしたが、昨年1999年は惨敗でした。どうやらオオクワガタが生育の途中でもっとも酸素を要求する夏場に、アワビタケ菌床も活性化するためアワビタケ菌とオオクワガタの間で酸素の取り合いになってしまう様なのです。その結果は悲惨な蛹化不全・羽化不全の続出でした。






そこでまず実施したのが自作菌糸瓶の水平設置でした。これは昆虫フォーラムでキノコプロのみねさんから教わった手法です。みねさんのお話では、炭酸ガスは通常の大気の中では重いので、瓶を水平にすれば簡単に瓶口から流れ出すだろうと言う事でした。そのアイディアをもとに一番酸欠死が多いと思われる終令の後期から蛹化・羽化期の菌糸瓶を水平に設置する飼育手法を採ってみました。さらに蛹室の倒壊などが起きた場合は人工蛹室も活用しました。結果として自分の管理下でオオクワガタ♂60mm/65mm/70mm以上と言う個体を、さらに里親になったいただいた昆虫フォーラム会員の金子健さんのお宅でも65mmの♂を無事に羽化させる事ができました。コントロール群として垂直設置群、さらに衣装ケースの中での水平設置群ももうけましたが、垂直設置群はまたも蛹の時期までで全滅状態となり、衣装ケース内の水平設置群もあまり成長はよくありませんでした。
とりあえずは水平設置群からの無事羽化に気をよくしていたところ、体重等の管理をしていない水平設置群(またの名をほったらかし飼育群)ではさらに巨大な♂が羽化していました。


この♂は1998年9月末に亜終令で回収しながら、屋外に菌糸瓶を設置して飼育したところだらだらと2000年6月まで幼虫のまま生育を続け、それでも酸欠防止の為に水平設置を続けていたところ、いつの間にか右の様な姿で羽化していました。羽化直後で腹部が突出し頭部も弛緩した状態ですが、ほぼ80mmと言う自作菌糸瓶による飼育ではダントツの大きさのオオクワガタになってしまいました。アワビタケ菌糸瓶は使い方が難しいですが、うまくいくと抜群の効果があるようです。残るは菌糸瓶交換のタイミングなどですが、非管理状態からこういうお化けが出てしまうと、データ収集のネタにほとんどならないのが悩みの種です。
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最終更新日 : 2000/07/04.