オオクワガタ・スズムシ化プロジェクト

ニフティ昆虫フォーラムの【甲虫ブリード広場】や、複数のマスコミでも紹介した私小島の個人プロジェクトが、オオクワガタ・スズムシ化プロジェクトです。オオクワガタはかつて幻の昆虫として扱われていましたが、1986年の月刊むし「オオクワガタ特集号」で、詳細な生態と採集方法が報告され、さらには累代飼育手法が公開されるや、バブルの最盛期と相まって、一時期は一匹数十万円から時には数百万円で取り引きされる異常に高価な虫になってしまいました。
かくいう私も、その月刊誌の中で、おそらく世界で初めて、オオクワガタの産卵から羽化までのトータルな飼育技法を公開した一人として、現在の異常ともいえるオオクワガタ・クワガタブーム、しいてはクワガタブームの火付け役の一人となってしまったことは否めません。私以前にもオオクワガタを飼育した記録はありますが、その多くは野外でとってきた成虫が産卵したとか、採集した幼虫を羽化させたという断片的なものにすぎず、トータルで採卵から羽化までの詳細を写真入りで解説した報告論文は皆無に等しかったのです。
現代人はすぐにマイナーな趣味に走る傾向があります。驚くべきはもともと昆虫などにまったく興味を持っていなかったいい大人が、ことオオクワガタとなると血眼になって、なたや斧で立ち枯れを破壊したり、生木の樹皮を剥がしたり、煙幕を木の洞に炊き込んだり、ときにはチェーンソーで木を切り倒してまで採集しようとしています。
このような野生のオオクワガタを絶滅に追いやる行為が横行する中で、幸いにして私は幼稚園のころからクワガタ飼育に親しんできた経験があり、1981年にオオクワガタの飼育を始めた時にはすでに20年近いクワガタ飼育のキャリアがありました。その結果、最初のつがい飼育から60mmを越すF1の羽化に成功し、その後も今まで毎年オオクワガタの飼育を続け、今まで17年間で5000頭を越えるオオクワガタを羽化させてきました。
しかし国内種である地元のオオクワガタを家庭内で累代飼育し続ける事が出来れば、オオクワガタは一般家庭と言う箱船に守られて、これからも命脈を保って行く事が出来るでしょう。飼育技法の開発と確立、さらにその公開を繰り返すことで、ふつうの家庭で親と子がオオクワガタを累代飼育できる様になれば、最悪開発や乱獲で野生のオオクワガタが激減しても、飼育下の個体群はきっと生き残る事でしょう。私はそのことを一つの目標に、ニフティ昆虫フォーラムに加入し【甲虫ブリード広場】の議長として、毎日の様に会員からの飼育相談に答え、会員同士の情報交換に耳を傾けています。
外国産クワガタ・カブトの輸入に関して農水省は1999年に植物防疫法で今まで一律輸入を禁止してきた、植物食性の生体昆虫の輸入を一部許可しました。この中に外国産のクワガタとカブトが大量に含まれています。こうした規制緩和も相まって、もはやクワガタブームは止めようがありません。ここで一番の問題は、外国産クワガタカブトの放虫です。特に温帯産のオオクワガタやヒラタクワガタの中には、国内産と妊性のある雑種を作る種が含まれています。また近年の温暖化の性で、熱帯産であっても日本国内に外国産種が住み着ける場所が増えてしまっています。こうした状況で放虫が続けば、許可した農水省とは別に、環境省が国内種の保護を目的に「特定外来生物規制法」を輸入クワガタやカブトにも課してくるでしょう。今までの様に外国産のクワガタなどを飼い続けたいのなら、絶対に放虫や実験目的以外での交雑を行ってはいけません。こうした行為は、愛好家が自らの首を絞めるのに等しい行為であると認識して頂きたいと思います。
昆虫フォーラムでは、時々会員が飼いきれなくなったクワガタの里親を募集し、別の会員に無償で配布もしています。こうした地道な活動が放虫されそうになった外国産クワガタ・カブトの受け皿となり、むやみな放虫や遺棄を防ぐ活動にもなっています。
ニフティ昆虫フォーラムでは、オオクワガタ以外にも、捕まえたむしの種類を知りたいとか、自然観察のオフ会に参加したいなどのご要望にもお応えしています。もっと詳しい事を知りたい方は、このWEBのINDEXからニフティ昆虫フォーラムに是非ご入会ください。みんなでこの貴重なオオクワガタを絶滅の危機から救おうではありませんか。
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最終更新日 : 2005/12/11.