身近な場所に棲むヒラタクワガタ

1.溝の口篇

昨年WEBサイトを通じて知り合いになった、溝の口在住の武笠さんと言う方から、筆者の勤め先のごく近所でとれたと言うヒラタクワガタを見せていただきました。溝の口を言えば神奈川県川崎市の高津区にあり田園都市線と南部線の交差するジャンクションであり、神奈川サイエンスパークもある郊外と言うより市街地に近い環境です。その様なところにヒラタクワガタがいるというだけでも驚きですが、見せていただいた個体は60mmに達する都市部の産としてはかなり大きな個体でした。

溝の口ヒラタ経年個体.jpg (18199 バイト)

おもしろいのは、このヒラタクワガタの♂の大アゴです。頭部の発達に比べてなぜか大アゴ本体と内歯から先端にかけてある鋸歯の発達が悪い様に見えるのです。

溝の口ヒラタ経年個体大アゴ.jpg (21845 バイト)

当初筆者は、大アゴの矮小化に伴い鋸歯も退化した、特殊な型なのかと思いましたが、どうもそうではないようです。写真の個体は報告者の武笠さんの実家で採集された野外個体ですが、よく見ると大アゴの第一内歯に欠けた様な印象があります。そこでこの個体群のf1に当たる♂も見せていただきました。それが次の画像です。

溝の口ヒラタ新成虫.jpg (15593 バイト)

こちらは溝の口産ヒラタのf1新成虫です。大アゴの発達は確かに地方の産に比べて多少悪いものの鋸歯の発達もよく大アゴの第一内歯や先端のもどしもよく残っています。

溝の口ヒラタ新成虫大アゴ.jpg (18341 バイト)

この比較から、最初に見せていただいたヒラタクワガタ♂の鋸歯が冬越しのために朽ち木や枯れ木などに穴を掘った時に大アゴ自体がすり減った、経年変化であることが想像できます。しかしこんな大きなヒラタが神奈川県の川崎市市街地で採れてしまうと言うのはどういう事なのでしょう?

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最終更新日 : 2000/01/14.