ヒラタクワガタを使った実験1

針葉樹に産卵するか?

WEB閲覧者の皆様や昆虫フォーラムの有志の方からお譲りいただいた日本全国のヒラタクワガタの飼育も一通り繁殖を終え、つがいもf1以降に代替わりしました。そこで地域差調べには一段落つけ、2001年度より今まで手がけていない、やや実験的な方向を目指す事にしました。

一つは国立環境研究所などの公的機関への協力、さらに個人テーマであるヒラタクワガタの北上・大型化の件、個人的に成功していないツシマ系と本土系の交雑実験や、食性等の実験をしてみようと考えています。

まず最初に取り組んだのは、ヒラタクワガタは針葉樹でも産卵し、幼虫が成育出来るかどうかです。これは大井川での採集時にヒラタクワガタ幼虫を掘り出した樹種不明の朽ち木から、アカマツを食するユミアシゴミムシモドキが出てきた時から気になっていたことです。九大に移られた荒谷さんの報告ではミヤマクワガタ幼虫もアカマツの切り株から見つかっているそうです。食性の幅が広いヒラタクワガタは果たしてマツの朽ち木に産卵するのでしょうか?

結論から言いますと、世田谷産のヒラタクワガタはカワラタケによって腐朽したアカマツ朽ち木を高湿度に保ったところ、順調に産卵し、幼虫も普通に生育しているようでした。  とりあえずはその短報です。

下はマツ材を与えて飼育中の世田谷産ヒラタクワガタつがいの飼育水槽です。↓
水分はかなり高めでマツ材を持ち上げると水がしみ出す程度に濡れています。

♂もマツ材を忌避することなく普通にその周りに潜っています。↓

樹皮をはがしたところすぐに卵が見つかりました↓

卵を回収しさらに分解を続けると孵化して間もない初令が出てきました。↓

さらに朽ち木の深いところには良く育った亜終令もいました。卵と幼虫を合わせると15個体です。↓

アカマツにカワラタケがついた朽ち木を大井川河川敷で拾ってきて、3日ほど水につけ、感じとしてはびしょびしょの状態でセットしてみたところ、昨年羽化したときは数卵しか採卵出来なかった世田谷産ヒラタクワガタのつがいから、卵と幼虫を合わせて15個体以上の回収が出来ました。一部はそのまま産卵木で飼育し、幼虫の数匹は通常のマット飼育に切り替えました。

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最終更新日 : 2001/07/26 .