チビクワガタの飼育
昨年@nifty昆虫フォーラム会員のホソツヤルリ子さんからいただいたチビクワガタに2世が誕生しました。

わずか1cm数ミリの成虫たちですが、朽ち木をマットに埋めて与えると、水槽の壁にそってトンネルを築き、まるでアリの巣の様な巣を築きます。やがて成虫たちは朽ち木をかじり始め、その木屑がたまった場所を掘ると、成虫よりも大きく見える幼虫が出てきました。

成虫とともに現れたのはチビクワガタの終令幼虫です。この幼虫は他のクワガタ幼虫と異なり、節ごとの凸凹があまり見られずのっぺりした印象です。さらに掘り進むともっと小さい亜終令と思われる幼虫が出てきました。終令幼虫は成虫の約2倍の体長があり、容積的には3倍くらいに見えます。しかし同時に飼育を始めた、同じ@nifty昆虫フォーラムの会員くらさんのところで羽化した状況を伺うと、幼虫は大幅に縮み最終的には15mmほどの新成虫が羽化したそうです。親が木屑をつくり幼虫がそれを食べる、同所的にいてもオオクワガタの様に成虫が幼虫を攻撃したりしない、などこんなに小さいクワガタながら、彼らは亜社会性を持った暮らしをしています。
もしかすると、母虫が入念な産卵の為の準備をして、時には自分の産卵木をなわばりとして防衛するオオクワガタ属のクワガタは、このチビクワガタの様に亜社会性をもった小型種から進化してきたのかもしれません。
2000年9月末に幼虫たちがどうなったか調べてみました。最初5匹から飼育を始めたチビクワガタは7匹に増えていました。どうやら知らないうちに蛹化・羽化を終えてしまったようです。

中央に見える他の個体より一回り大きな個体は、ひっくり返してみるとまだ腹部に赤みが残っていました。どうやらこの個体が新成虫の1匹の様です。しまった、蛹をみることができなかった、とあわてて飼育容器の中の朽ち木を調べると、3cm四方ほどの木片から、真っ白な蛹が現れました。

チビクワガタの蛹はまだ眼だけが黒く色づいた状態でした。どうもこれが最後に見た小さな幼虫が蛹になった姿の様です。クワガタの蛹らしい形をしていますが、よく見ると腹部の節々には水棲の甲虫の蛹に見られる様な突起が目立ち、腹部末端の突起も後方を向き、しかも尾端とその手前の2カ所にそれぞれ1対ありました。
チビクワガタの成虫たちは、この蛹のいる朽ち木片をよけてトンネルを掘っていました。裸虫同然の幼虫をおそわないことや、蛹の入っている朽ち木をよけてトンネルをほるなど、どうも社会性昆虫の様な振る舞いが目立ちます。さすがに裸になった蛹をそのまま戻すのは怖いので、しめらせたティッシュを敷いた真空成形容器に蛹室のある木片ごと仕舞い、常時通電してあるVTRデッキの上に置きました。果たして無事に羽化してくれるでしょうか?

チビクワガタたちは、朽ち木片や自分たちが作った朽ち木屑からはなされている間は擬死を装っていましたが、トンネルの入り口に置くと、現金なものですたすたとトンネルに潜っていきました。どうやら明るいところからどこかに潜ると言うより、巣としての認識があるように感じられます。
著作権情報:copy right by Hiroshi Kojima
最終更新日 : 2000/09/29
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