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死 鳥
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それは未来永劫続くかと思われた。 (この砂が全て水だったらこんな思いをしなくてすむのに) 男はそんなことを考えていた。 (もう駄目だ。この太陽の砂漠に迷いこんで十日以上たつ。気の狂わない俺のような者の方が気違いなのかも知れないな) 男の頭上を一羽の鳥が飛んでいた。 (死鳥か……) 男の頭の中を宿屋の主の声がめぐる。 『砂漠でてめえの頭ン上に鳥が飛んでたらよ、それは死鳥さ。そして思うんだな。俺の命もここまでか……ってな』 男は現実に引き戻される。 鳥が急降下してきたのだ。 「ヒッ!」 男は引きつった声を上げて、無我夢中で走った。 ――死鳥から逃れられた時、俺の命も助かるかもしれない。 砂に足を取られ、普段は姿を見かけただけで一目散に逃げるはずの毒蠍さえ踏みつけて走った。 そして…… 今、男の目には港町が映っていた。 (……助かったんだ) 死鳥は二、三度男の頭上を旋回すると砂漠の彼方へ消えていった。 男は『死鳥』に感謝せずに入られなかった。 FIN |
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