「残された道は玉の輿か……」
他人の目もないのに、意識的に口の端を歪めて自嘲の表情を作ってみる。
理想をつらぬく手段として、彼女は愛のない結婚を選択した。
少年の服についた砂を軽く払ってやる。服の素材感に、不機嫌さをあらわにして舌打ちした。
「防護服が薄すぎる。……ったく、こんな服を着せて砂漠に放り出すなんて親は何を考えてるんだ」
式を来月にひかえた彼女が、砂漠で少年を拾ったことから物語は始まる。
「この子は危険だ。そんな予感がする。重要な秘匿事項が彼にはあるんだ」
少年に必要なのは、義務ではなく、同情でもなく、共感でつながる仲間。
「ぼくの人生を簡単に否定しないでよ」
彼女が最後に選んだのは――
■Home>作品リスト(通常/シンプル)>
powerd by A=g
(C)copyright HIROKAWA Yo-u