青少年に有害! 子どもの「性」に怯える社会



青少年に有害! 子どもの「性」に怯える社会
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少々安易なところもある

哲学・宗教を抜きにすれば、この本で貫かれているメッセージは妥当だと思う。すなわち、禁欲や保護の名目でせいに恐怖感を植えつけさせるのはやめて、性を肯定的に、正確な知識を、多様であることを、伝えるべきだということである(これらは、本書に網羅されている)。

その一方で、この本の内容を全面的に肯定するのは、躊躇を覚える。性を肯定的にとらえている反面、安易なところもあるからである(たとえば、避妊のリスクはあまり伝わっていない。科学的なことは実はよく知らないのだが、この点に関しては、日本製の本のほうが正しいと直感的に感じる)。

以上、第2段落で星1つ減らして、星4つ。しかし、性について知りたい人は、読んでおいて損はないと思う(特に、保守的な思想の下で育てられて、性についてあまり知らないと自覚している人にオススメである)。
日本ってなんでも許すよな〜

とにかく真面目なのである。上っ面だけのニュースでこんなことさえ消費してしまう日本とは(じっさいはそうでないことを別にしても)違うのである。「ゲーム」や「アニメ」や「子どもの性」を商品化し消費する国は有害で有罪なのだろうか、無罪なのだろうか。どちらにしても恥ずかしいのである
本は良いが、解説は??

米国で話題になった本。
レヴァインは強いて言えば、本人は名乗ってないがリベラル系フェミニストの最左派である。マルシア・パリーのグループの人である。つまりリベラリズム(not ネオリベ)が根底にあるんだろう。なんで(この問題に関して言うと)犬猿の仲の「ラディカルフェミニスト」である江原由美子が解説を書いてるのか。もっと適役がいるだろうに。解説の、江原のレヴァインへの批判もたぶん意図的に主張を矮小化してあり全然納得できない。レヴァインの前著も読んでないし。

たしか記憶によればレヴァインは2002年の米国最高裁の児童ポルノ法違憲裁判の時に公聴人として証言し、96年児童ポルノ法は違憲でありこれでは「ロミオとジュリエットですら」ポルノとして否定される、と述べた人。陪審が彼女の意見をそのまま容れて違憲判決を出した事は有名だが、そのあと怒り狂ったワシントン・タイムズなど統一教会系、ブッシュ系メディアの総攻撃の対象になっている。この問題で彼女ほど保守派から罵倒された人は少ない。こういう骨のある人はなかなかいない。
他人事ではないと思う

 著者は性的な行為そのものが必ずしも害のある物ではないむしろ自然なことであると言う事、アメリカにおいて性教育(禁欲教育)や保護政策が効果を発揮せず、むしろ逆にそれらが害となっているという事を主張している。
 これはアメリカの話と思って読んでいて良い物ではない、日本でも同じような傾向は見受けられる、東京都でセックスを規制するという案が出たのも記憶に新しい。

 この本は子供を本当に守りたいと願うのであれば、子を持つ親、政策立案者、教育者にとって聴きたい話ではないだろうが必読の一冊であると私は考える。
「性」を恐れるアメリカの世間

 アメリカは性に関して率直でおおらかな国という印象を私もなんとなく持っていたが、本書によれば、現実はその逆で、「セックスから子供を保護する」という名目で禁欲だけの性教育ばかり行われるようになっているという。そういう風潮をもたらした勢力のひとつは宗教的保守層であり、もうひとつはフェミニストだと本書は指摘する。他の問題では相反する立場のこの二つの勢力が、「セックスは青少年に有害」という点では意見が合致しているらしい。

 著者の見解は、基本的には、セックス自体が青少年に有害なのではなく、セックスから子供を保護するという姿勢のほうがむしろ有害になっている、というもの。その主張の内実はややわかりづらいのだが、アメリカでは、「保護」の名のもとに美術館の裸体像やコンドームの使用法までが子供から遠ざけられているようなことが起こり、「性的虐待の頻発」が針小棒大に報じられ、「禁欲=正しい」という教育ばかりがなされ、セックスの持つプラス面は無視して感染症ばかりが大々的に喧伝されるようになっているということのようだから、やはりたしかに「保護」が行き過ぎの状況をもたらしているということであろう。

 そんな性をめぐる社会状況は、じつはアメリカ特有の話ではない。本書の「解説」に、少しだが、日本のある養護学校で行われた性教育が「寝た子を起こす」として問題視されて教職員が処分されたという事件への言及があった。日本もまた、知的障害者は性的存在であってはならず、禁欲生活を送るのが当たり前、とされてしまうような社会なのだ。自由主義社会では、性を謳歌するのも、性から離れて禁欲生活を送るのも、いずれも個人の選択の自由のはずなのに…。性の問題は難しいが、軽んじても「怯え」てもいけない。様々な事例からそう考えさせられる本である。



河出書房新社
アメリカは恐怖に踊る






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