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比例代表制による
選挙制度案
総定数について
すでに海部内閣時代に衆議院の総定数を471という数にすることが提案されました。471という半端な数は、衆議院本則に定められた数ということですが、これが必ずしも金科玉条として守るべき数でないことについては、こちらのページを見て下さい。海部自民党がこの数を唱えた意図は、小選挙区数を一方的に300と決めておいて、比例区の定数をできるだけ少なくすることにありました。ところが、現行の並立制が成立しのち、総定数を450にまで削減する案まで出されたのですから、いい加減なものです。こうなると、本則を守れという主張を逆手にとり、恣意的な削減を許さないため、471とするという案も考えられますが、定数の削減自体に反対であり500が480に減らされたことにも納得していない私としては、当面は総定数は現行の480とするということでいいと考えています。ともかく、こういう問題をめぐって、国会が空転することは好ましくありません。定数を変更する必要のない選挙制度にするのが一番です。
「人を選ぶ」ということについて
比例代表制の原則は、政党を選ぶということです。候補者の中に好ましくない人物がいる政党には投票しなければいい、という主張があります。人を選ぶということは、不正腐敗を招くだけだとも言われます。私は、こういった主張を正論と思います。しかし、中にはそう考えない人もいます。この政党には入れたいけれども、この候補者には入れたくないという人もいるでしょう。選挙制度はできるだけ多くの有権者が満足する制度であることが望ましいし、候補者の選択が有権者の頭越しに行われるのはやはり好ましくありません。そのため、党も人も選べる制度にする必要があると考えます。
ブロックを設けることについて
比例代表制の理想からいえば、全国一括の選挙が望ましいことは言うまでもありません。人を選ぶということになると、全国一括ではあまりにも茫漠としていて、有権者にとって選んだという実感が持てません。そこで、私はブロック別の比例代表制を提案したいと思います。比例代表制の理想を活かすには、最低10議席ほどは必要ですから、静岡県ぐらいの人口規模をブロック設定の最小限とし、ブロック間の人口格差を2.5倍以内ぐらいにおさめるのがいいと思います。そうなると東京都の人口は多すぎますから、三多摩地区を分離することにし、全国につぎの22のブロック(北海道、北奥羽、南奥羽、北関東、埼玉、千葉、東京、三多摩、神奈川、甲信越、北陸、静岡、愛知、岐阜三重、近畿、大阪、兵庫、中国、四国、福岡、西九州、東南九州)を設定することにします。
ブロックには、固定した定数を設けません。選挙のたびに、最新の住民基本台帳人口(国勢調査より正確)によってドント式に各ブロックにドント式に比例配分すれば、1票の重みの格差は自動的に是正され、ブロック定数をめぐって国会が紛糾するようなことは未来永劫起こりません。また、人口によらず、有効投票数によって配分する方式も考えられます。
ヨーロッパの多くの国では、全国一括の比例配分を前提とした上で、一定の得票率に達しない政党には議席を配分しないという制度(N%条項)が行われています。ドイツでは5%とされています。しかし、5%といえば、日本の場合、24議席にも当たる数です。N%条項は、極端な小党の乱立を防ぐ措置ですが、僅かの差で24が0になるというようなことは好ましくありません。このような制度を設けるぐらいなら、ブロック別にして、基盤となるブロックで議席獲得のチャンスを小党にも与えるほうがましだと考えます。
なお、ブロック別にすると、まれに得票率と議席配分の逆転現象が起きますが、小選挙区制や中選挙区制ほどの頻度では起こりませんし、起きてもそれほど極端な逆転現象とはなりません。この矛盾はわずかな調整区をブロックとは別に設けることで解消しますが、煩雑になるので、ここではとりません。
投票と議席の配分
有権者は、個人名を書いても政党名を書いてもよいことにします。いずれにせよ単記とします。無所属候補に投票するときは、当然個人名となります。そして、政党別に票を集計し、まず各政党に議席を配分します。無所属も一人一党としてこの比例配分に加えることにします。ただ、無所属候補に複数議席が配分されても、もちろん無効になります。配分方法は前述のとおりドント式とします。ドント式は、大政党にやや有利に働くため、ヨーロッパではサン・ラグ式など、複雑な別の配分方法が考えられていますが、ブロックほどの大きさになれば、両者の差はそれほど大きくありません。そのため、分かりやすく、また日本ですでになじまれているということで、各ブロックへの議席配分も含め、ドント式を採用することにします。こうして、各政党に配分された議席の範囲内で、個人名での得票順に各政党内での当選者を決めることにします。
ま と め
以上をまとめると、つぎのようになります。
1.総定数を480とし、全国22のブロック別に比例代表制による選挙を行う。
2.投票は単記とし、個人名を書いても、政党名を書いてもよい。
3.票を政党別に集計し、得票に基づき、議席を各政党にドント式に比例配分する。無所属候補も一人一党としてこの比例配分に加える。ただし、無所属候補に複数議席が配分された場合は無効となる。
4.各政党に配分された議席の範囲内で、政党内での当選者を個人名での得票順に決める。
補 説
比例代表制の理想からいえば邪道ですが、選挙制度が選ばれる側によって決められるという日本の現状のもとで、第一党を優遇し、単独政権の樹立を容易にする比例代表制の第二案をも私は用意しています。小選挙区制論者の主張もある点では受け入れながら、中小政党にもかなりの議席を確保する提案です。最悪の選挙制度である単純小選挙区制を阻止する意味での提案であると御理解ください。
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