戻る

2006年09月05日掲載 

こんな夢を見た

 と、まぁ巨匠の映画っぽい書き出しですが。今さっきちょっと印象深い夢を見たとこでして。

 知人と二人、どっか知らない町をだべりながら彷徨いてました。その知人が誰なのか、分からないのがさすがは夢。この夢限定の想像上の人物なのか、私が忘れちゃってる昔の友達なのか。

 オープンスタイルの喫茶店を出て、ホビーショップと玩具屋の混ざり合った様な、ちょっとマニアックな品揃えの模型が並ぶお店に入ったら、そこに「魔導の司・W部」(仮称)が。
 「久しぶり〜」と声を掛けあって。
 「チェック厳しいなぁ、この店も知ってるんだ」とW部。どうやら想像以上にマニアックな店らしいぞw
 一緒に来た知人はW部と立ち話を始めたので、私は店の奥に。どうやら小さなゲームコーナーになっているらしい。閑散としたそこで一人座り込んでいた人物の背中に見覚えがあったので声を掛ける。彼は振り向くと驚いた顔に。
 「え? なんでここにいるのさ!?」
 ちょっと興奮した時の口癖か、タメ口で驚愕を示した後、いつもながら少しだけ敬語の混じった、でも親しみの篭もった私への口調に戻る彼。
 「どうしたんです? 仕事ですか?」
 どうやらその店は彼が住む大田区にあるらしい。W部は神奈川在住のはずだから、なるほど、バンダイとかからの帰り道に寄り道している様子。
 「いや、ちょっと面白そうな店なんで入ってみたんだけど」
 私の言葉を聞いて笑顔になる彼。
 「この辺、面白いとこ結構ありますよ。こっちに引っ越しちゃえばいいのに」
 その言葉でふと思い出す私。
 彼がよく言ってたんですが。そのうち一山当てたら、小さくっていいから自宅の近所に自社ビルを建てるんだって。一階は喫茶店にして、二階はRPG(会話型のね)やSLGが出来るぶち抜きフロア。で、三階が事務所で、と。ゲーム仲間といつも一緒にいてわいわいやるのが好きなんですな、彼は。
 「いやぁ、杉並の方がモデラーには住みやすくってねぇ」と答える私。

 二人でゲームの棚を見て話しながら、私の脳裏に警鐘が鳴り始める。変だぞ、と。
 このゲームまだやってない、これはハズレ、と話を続けながら、思いつく。

 ああ、これ、夢なんだ、と。
 そうでなければ彼に会えるはずないもの。

 そう頭のどっかで思いながら、ふと彼の足下が気になる。彼はズボンの裾を紐で固定するBDU(戦闘服)みたいなのを着てました。まぁ、実際にそうゆうの、彼が着ていた記憶はないんですが、そこは夢というやつで。
 「左側、おかしくない?」と私。彼は困った顔になりました。うまく結べないらしいのです。
 ひざまずいて良く見てみると、足を一周してから結ぶヤツなんですが、最初の固結びが何重にも結ばれてて、それで紐の長さが足りなくなってる様子。おかげで最後の蝶結びがうまく出来ないのです。
 なんとか結んでみたんですが、まだおかしい。いつの間にか来ていたW部も「変だよ」と。
 「下の結び目、一回解かないとダメだなぁ」
 私がそう言った時。

 「ダメ!」

 強く、短く。きつい否定の言葉。
 どうやらこれは解いてはいけないらしい。
 仕方ない、紐の長さに合わせて片蝶結びにするかなぁ、とか思いながら再チャレンジし始めたところで目が覚めました。

 夢ってのは不思議なものですねぇ。
 もう彼の顔と言えば、昔新聞にインタビューが載った時の、おっきなサングラスした写真しか浮かばないと思ってたのに。声だって思い出せなかったはずなのに。
 さっきの彼は彼の声、彼の姿でした。癇癪起こした時の子供っぽい怒り声。ゲームに負け「ちぇ〜っ」と言いながら肩を落とす姿。楽しいことを発表する時の、芝居がかった口調。身振り手振りまで彼の姿でした。

 彼が亡くなってもう何年になりますか。その姿はもちろん若いままでした。でも、W部も私も今の姿だったと思います。それに知らない店だったので、昔の記憶が蘇ったというより、思いがけない所で旧友に再会したような感じです。ゲームメーカーにいた頃の相棒だった彼。その彼がまだ私の記憶の中にしっかりと暮らしてたんだなぁと思うと不思議な感覚です。
 まぁ、一緒にいたのがW部ってとこが意味ありげなんですが(さすがは暗黒魔導士の異名を持つ男だ)。

 色々思うところはあるのですが、けれど懐かしくていい夢でした。
 あの後、ちゃんと蝶結びが出来てればいいなぁ。そう思いながらベッドの上でぼーっとしてました。



ぐゎるま 

 


戻る