MFガイド 原型製作 原画編

前書き

 MFガイドシリーズもついにここまで来ちゃいましたねぇ。「ないものは造る」の究極版。原型を自分で作ってしまおうのコーナーです。
 でもねぇ、改造だったら模型ファンならやるでしょうけど、原型から造るとなるとそうはいないはず。現にあたしの知り合いではサークル「メルトダウン」の橋本氏と、以前あたしが作ったゲーム、「だいす☆くえすと」でイラストを描いてくれていた「殿下」、それにうちの今野君くらかな? だから実用性としては極端に低いかも。ま、MFの原型ってこうやって造ってるのか、って知識程度でもいいんで、一度は目を通しておいてください。今回の作成方法と前の改造ガイドを複合して、剣や顔はお気に入りのMFから持ってきて、他は自作する、というような方法もできますからね。あたしのように市販するんじゃなければ完全自作の必要はありません。「やっぱ剣はグッドウィンのがいいよな。んで顔はスーパースターのがかっちょいいじゃん」って具合に好きなのを持ってきちゃえば、あなただけの「最高」のMFができますよ。ま、「そんなのはジェス先生に申し訳ない」っていうなら、真似して自作するしかありませんが。

このガイドの『お約束』

 最初におことわりしときたいのは、このガイドではとりあえず原型製作のみを扱います。本当は原型だけできたって、メタルで抜かない限りパテフィギュア、つまりPFであり、MFにはならんのですが、複製に関しては細かくは記載しません。前にも書きましたが、MF複製は「湯」(溶かした金属)を流し込みますので非常に危険です。手馴れているはずのあたしでも、随分火傷など、怪我をしましたし、湯に汗がたれて爆発し、失明寸前になったこともありあます(眼鏡のおかげで助かりましたが、プラスチックレンズがクレーター状態になりました)。
 ですから、MFの複製は、HPのような誰でも見ることができる公共の場でお奨めするには危険極まりないモンだと思うんですよ、あたしゃ。「ガイドに従って大火傷した」ってクレームくらっても対応のしようがありませんからね。
 つーわけで、ここでは原型製作のみにスポットをあてます。まぁ、確かにMFではありませんが、塗ってしまえばMFと一緒に使用できますよ。

 ちなみに、あたしゃ昔自分のPCに原型そのままを使ってました。キャンペーンが進んで装備品とかが変わるとエポパテでちょこちょこ直して使ってましたよ、大団円まで。やってみると分かりますが、メタルにエポパテを盛るよりも、エポパテに同じエポパテを盛る方が食いつきがいいんで簡単なんです。それが最後まで原型を使っていた理由でしたね。マスター中心になってからは、NPC用などメンテナンスするMFが、一気に増えちゃったんで、そういった細かいフォローができなくなりましたけどね。それにいくらでも時間が作れた20代のあたしに対し、徹夜もできなくなった、40代のあたしにゃ、原型をそのまま使うなんて怖くてできなくなっちゃいました(直してる時間がないもの)。
 もしも原型そのものを使う勇気がないなら、レジンで複製してみてください。レジンキャストなら、ガレージキットで標準化してます。模型専門誌とか、別冊とかでレジンキャストの複製方法を解説してある本を探してみてください。で、メタル製のベースを探してきて(昔ラルパーサなどから出てました)これに固定しておけば大大丈夫。

 とりあえず、ここでは原型作成のみでゆきます。これが最初のお約束ね。 

 もう一つお約束があります。それはこのガイドの内容はあくまであたしが自作する際の手順だってこと。

 原型の作り方にはさまざまな手順があります。10人原型師がいれば10通りあると言っても過言ではありません。それが原型師の「個性」ですからね。
 人形の場合、心棒をまずくみ上げ、そこに肉付けして行く方法が一番メジャーです。針金などで背骨や四肢の中心線を作り、最初に「針金人形」を作ってからパテなり粘土なりを盛り付ける方法です。これが一番バランスを守って作成できますから。
 でも、実はあたしの場合、いきなり頭(かしら)から作っちゃいます。MFは小さいですから、針金人形を作る方法よりも頭をいきなり作ってしまう方が、あたしには楽だからです。特に頭、つまり顔が気に入らないと、最後まで「かわいい」とか「かっこいいじゃん」とか思えないことが多いんです。で、お気に入りの頭が出来てから、体のバランスに添って心棒を曲げてゆきます。
 この方法ですと頭部とボディとのバランスが大変とりづらくなりますし、心棒が途中でぽきっと折れたりしたら最悪。あくまでいろんな方法を試行錯誤しながらやった、あたしなりの結果ですから、そのまま真似する必要はありません。つーか、多分真似したくないでしょうね、普通は。
 ここではあたしのやり方で説明してゆきますが、あなたにはきっとあなたに向いている方法があるはずです。模型工作の本や、人形作成の本などを手芸屋さんで探してみてください。 

 さてと。最初にお断りしとくのはこんなもんかな? うん、ま、多分大丈夫だろう。そんじゃ、早速原型の作り方をスタートしましょか。でも、エポパテ練るのはちょっと待ってね。その前にやることあるでしょ? そ、まずは原画がないとね。

 

 

原画その1:イメージ 

 スタート段階でまず一番大事なのがイメージ。これがしっかりしていないと、後々「こんなはずじゃなかった」という結果を招きます。顔はもちろん大事ですが、立体にする以上、それ以外の部分も一通り考えておく必要があります。どういう装備をしているのか、服の材質は何か、右利きか左利きか、装飾品はどういうものか等々、考え出すと終わりがなくなるくらいです。

 ポイントとしてはキャラクター性をどこで出すか。これには統一感を出すか、あるいはギャップを出すかの二つの方向性があります。

 統一感を出す場合には、簡単に言えば「リアル」にするか、あるいは「派手」にするかという選択肢が多いでしょう。本当に冒険に行くなら、雪山登山並みの装備が必要です。しかも旅から旅を続けているような冒険者なら服装もぼろぼろでしょうし、多分無精ひげだらけでしょう。一時期のシタデルや、かつてのヘリテイジのように重装備で地味なキャラになるでしょうね。もちろん、そういった装備は宿屋に預けているってことにしても、やはり冒険中の食料、水袋などは持っているはずです。武器も当然予備があるはずですし、宝を持ちかえるための袋もいりますし……。

 対して、「派手」にするのはデザイン重視ということになります。ま、食料も水も魔法でなんとかするとして、武器は魔剣だから折れないだろうし、宝を持ちかえるのはだれか仲間がやるだろうから等々、理由はなんとでもつけられるので、とにかくかっこよく作っちゃうという方法。あたしゃ、これを「吟遊詩人の目を通して見る」と言います。実際には折れかけた剣で、返り血だらけで、しかもこっちも傷だらけでなんとか竜を倒し、その場にへたり込み、従者に抱えられて帰還した騎士。でもそれを吟遊詩人が唱にしちゃうと、マントをひるがえし、倒した竜に片足をかけ、颯爽と叫ぶわけです。『この勝利、我が王のために』なんてね。

 MFを考えると、実はリアルに地味にした方が簡単です。こってこてに装備を付けている方が体のラインが隠れます。裸の人間を作るより、装備だらけの人間を作るほうが簡単なんですよ、最初は。なぜなら裸のラインを立体にするより、バックパックを作った方がそれらしく見えるからです。もちろん時間はかかりますがね。それに装備品だらけだと、あちこち出っ張っているので、全体のフォルムが多少狂っても、なんとかなりますから。しかも、リアルにするなら、布袋にしろ剣にしろ、実際にあるものをそのまま作ればいいんです。
 一方の「派手」派の場合、デザイン重視となりますので、原画にも多少は絵心が必要です。ポーズにしろ服装にしろ、「かっこいい」のみを目標にすると、自由度が上がりすぎ、どうにでもできるが故に、どうやってもイマ一つサマにならないってことが多いのです。
 販売するのでないなら、お気に入りのアニメキャラかなんかの絵を真似してポーズを決め、顔や装備品だけオリジナルにするのが一番手っ取り早いでしょうね。でも、それでも2Dに対して3Dですから、なかなか快心作を作るのは大変です。頑張ってチャレンジしましょう。

 さて、ギャップを出す方ですが、これは塗装の際の「ワンポイント」と同じ考えです。質素な服装なのに、装飾バシバシの杖を持たせれば、いかにもマジックアイテムに見えますし、実際の中世風の騎士が、ファンタジーの魔剣っていう妙な形の剣を持てば、いやでもそこに目がゆきます。そのキャラクターを象徴する装備が派手なら、他の装備は地味にするという方法です。
 極端な例ですが、例えば防具なんか何もないのに、すっごくでかい両手剣を持たせるとか、すごく地味なマントで全身をすっぽり包んでおいて、隙間から妖精が顔を出してるとかですね。
 こういったギャップで目立つところを最初から用意しておいて、塗装もそこを目立たせるように塗ると、わざわざ自作した甲斐があったという出来になります。ま、最初にお奨めするのはこの方法ですかね。 

 統一感を持たせるにせよ、ギャップをだすにせよ、MFはキャラクターを表現する小道具です。もっといえば分身です。ですから、どういうイメージにするかをまず最初に固定する必要があります。
 わざわざ自作MFを作る以上、そのキャラには既存のMFでは表現できない何かがあるはずでしょ? まずそれを具体化しておかないと、後からでは直せません。単に、「既製品じゃ、俺様のガンプラ魂が泣くぜ」なんて気持ちで始めると、後悔しますよ。まずはスケッチ程度で結構。いろんな下描きをしてみてください。

 

原画その2:下描き

 とにかくたくさん描く事。これが上達の早道です。別にその絵を誰に見せるわけでなし、描きなぐり程度でOK。ちゃん清書したりしてると、MF作成までの時間が伸びるだけです。特に思い入れの激しい持ちキャラの場合、最初に清書した絵にイメージが逆に引きづられることもありますから。
 気に入ったポーズの絵が描けたら、それを清書するよりも、先にすることがあるのです。そう、3Dへの準備です。

 これだ、という下描きができたら、その頭身をまずチェックします。あたしのようにシリーズ化してゆくなら最初に頭身を決めますが、マイキャラを作成するなら、自由でかまいません。自分で気に入った絵に併せておいてもOK(もちろん、今後もバシバシ作るつもりなら、決めておいた方がいいですけどね)。ま、30ミリのシタデルサイズにしておくか、25ミリのラルパーササイズにしておくかは決めておきましょう。
 頭身が判明したら、腰と膝の場所を必ずチェックしてください。特に腰は骨盤と背骨との接合部と股関節の両方が何頭身目にあるのかを覚えます。ここがポーズ上、一番大事なところですから。
 さて、頭身チェックが終わったら、今度はコピー紙などの薄手の白紙にその頭身にあたるラインを薄く引きます。ついで最初に書いた下描きの上に乗せ、透けている下の下描きを確認しながら真正面の絵を描きます。好き勝手に描いた絵ですと、大抵真正面にはなっていませんからね。
 ちなみに、この真正面というのは顔の正面よりも、腰の正面の方が大事です。自分でMFを作ろうなんていう人なら、顔のイラスト程度はよく描いているでしょう。でも、全身像となると慣れていないはずです。ましてや360度ぐるっと回せる3D用となると、多分始めてでしょう。そういった場合、腰の正面から見た絵を基本にしておくと重心線など全体のバランスがよく分かるのです。
 次いで膝の位置がポイントになります。人間の膝はまっすぐ付いていません。気分的には大腿骨の下端からちょっと外にずれた位置から下肢が伸びるようになります。このズレが現れていないと人間に見えません。
 さて、正面から見た絵が描けましたか? それができたら、今度はその絵を裏返しにします。そしてその裏側に透けている絵をベースに、真後ろからの絵を描きましょう。シルエットが同じ以上、裏返して描けば簡単に背面図が描けるはず。なんですが、実はそうは行きません。なにしろ2Dをベースにしてますから、後ろ髪の処理、肩の位置、足の広げ方、両腕、両脚の長さの違いなど、背面図で始めて分かる「絵のウソ」が見つかります。ほら、顔のイラストとか描いていて、「快心作」とか思ったのに、裏側から透かしてみたらデッサン狂ってた、なんてことあるでしょ? 目が慣れてだまされちゃうんですよね。もちろん、それが絵描きとしての個性にもつながるんで、あながち完全に悪いことじゃないですが。
 この「絵のウソ」。これは良いイラストにはとても大事な要素なんですが、MFの原画としてはあっては困るもの。一番出やすいのは「パース」。足首を見てください。正面から描いた絵だと、かかとよりつま先が下に来ていませんか? 特に絵心のある人なら、つい自然にパースを付けてしまい、より視点に近いつま先を長く描いてしまいます。でも、これを背面図にすると、爪先立ちしているバレリーナになっちゃいます。
 何か妙な点が見つかったら、正面図を直して再チャレンジ。何度も描いているとめちゃくちゃになるので、そうなってしまったらコピーするなり、トレースするなりしてチャレンジし直してください。ただし、まだこの段階でも清書は不要です。なにしろまだ『二面図』にすぎませんから。

 正面と背面ができたら、今度はまた正面図の上に紙を乗せ、側面図を描きます。ここでのポイントは背筋と重心。人間の背筋はピンと伸ばしていてもS字に曲がっています。これが自然に出ているかどうかで、正面図から描きなおしってこともありえます。
 なにしろ、そこに真鍮線の心棒が入るのですから、適当では済まされません。特に留意すべきは首。頭部から背骨が一旦後に伸び、肩甲骨付近で曲がって前に向かってゆきますから、首の角度で人間に見えるか否かが分かれます。次ぎに腹部でまた曲線を描き後に伸び、太ももでピークに達し、ついでまた前に伸びて行きます。この曲線を認識するのがポイントです。
 特に等身とデフォルメ具合で微妙にこのラインも変わって行きますからね。


 また、MFにする以上、重心もとても大事です。両足を肩幅に広げてどっしりと立っているのでない限り、どちらか一方の足に体重をかけています。そのため、当然骨盤は地面と水平ではないのです。重心のある側の方が上になっているはず。ということは膝の高さも左右でずれているのですね。ですから、実は側面図を両側から描く必要があります。片方を描いたら裏返してもう一方を描いて見ましょう。結局4面図になっちゃいましたね。

 片足に体重をかけている以上、背骨もそれに添って湾曲していますし、さらに肩甲骨も曲がります。右足にかけているなら、右の骨盤が上がり、右の肩甲骨は下がります。背骨はその中央を曲がりながら通るのです。この背骨が芯になるので、把握はとても大事です。左の図で青線は重心です。骨盤と肩胛骨の曲がり方、分かりますよね。こうなるんです。
 このように正面図が側面、背面のそれぞれと無理なくつながるように描けて、始めて下書きが完成します。ベルトのとおり方、両手の広げ方など、一ヶ所でも「?」な部分があったら今のうちに描き直しておきましょう。何度も言いますが、MFは立体物です。どの向きからでも見える以上、「絵のウソ」でごまかすわけにはいかないのです。

 もしもある程度絵心があるなら、ラフスケッチからこの下書きを起こす際に、裸の状態で4面図描いておいた方が安全です。装備品、特に鎧やマントなどでバランスの狂いが分からなくなる場合が多いからですね。

 さて、下書きができたらコピーして4枚の絵にします。ではいよいよ清書です。

 

原画その3:清書

 清書は4枚の絵を1枚にすることになります。ま、慣れれば側面図は1枚でも作れるようになりますが、最初は念のため、4面図にしておきましょう。まずは正面図を透かしながら頭身の位置を確認し、薄く横線を延ばしておきます。この頭身線をY軸とし、重心をX軸として4枚の絵を並べてトレースしてゆきます。さらに心棒が入る予定のラインも記入しておきましょう。これが本当に「命綱」ですからね、MFの。

これはうちの商品、「PC23剣撃手」の原画です。描いた人は平井久司。元のサイズは大体A4。

こっちは「PC14 エルフ」の原画。四等身の等身線が、どこに来ているのかよく分かると思います。
これももちろん平井の絵です。

 これが完成したら、白紙の部分に細部のスケッチを加えておきましょう。杖や剣の装飾、髪飾りなどが、作成途中でイメージ不足にならないように記載しておくと便利です。また、この段階で「スカートは厚手の布、ブラウスは絹、ベルトは薄いなめし皮」などと材質に関する注意書きも加えておくと便利です。とにかく、MF作成中はこれ1枚を見ていればOK、というようにしておきましょう。

 原画作成の最後にMFでの原寸大になるように縮小コピーを行います。MFは大体25ミリから30ミリという小さなものですので、原寸大のコピーも原画に一緒に張っておきましょう。もしも軸線などが薄くて見えなくなってしまったなら、再度確認しながら引きなおしておいてください。

 

原画作成方法・あたしの場合

 さて、今までのが以前、あたしがやっていた方法です。んで、ここからは今のやり方ね。ちょっと機材が必要になるんで、あんましお勧めできません。だって、用意するもんが多いし、始めから買っていたら数十万かかるもの。 

用意するもの

●ハード
パソコン(なるべくならCPU等スペックの高いもの。あたしゃパワーPCG4搭載機)
スキャナー(A4フラットヘッドの安いのでもOK)
プリンター
●ソフト
3D画像用(あたしはポーザー)
2D画像用(あたしはフォトショップ)

 ってわけ。ちょっとハナから用意するには高いからね。

 まずはポーザーで頭身を決め、基本体形を設定しておきます。んで、これを好き勝手にいじってポーズを決めます。あ、ちなみにポーザーってのは3Dフィギュア(人や動物など)の基本データが入っていて、それを修正して自分の好みの体形にしておくと、マウスの操作だけで360度ぐるんぐるん回るってソフト。目などもテクスチャー処理できますし、さらに剣や杖などの3Dデータを取り込んで画像結合もできます。でもそうすると画像処理が遅くなるので、あたしゃ「素」のままで使ってます。すまん、フラクタルデザイン!


フレームが細いのでちょっと見づらいですが、左がポーザーの画面。右は左のフィギュアを回転させた拡大図
ちなみにこれは昔の撮影なので、まだver.3の画面です。


 お気に入りのポーズになったら、それの正面、側面、背面の順で回転させてそれぞれを2Dに書き出しして保存します。
 さてお次はフォトショップ起動。レイヤーにそれぞれのデータをコピー。総てが水平に揃ったら新規レイヤーに頭身線を引きます。で、ポーザーからのデータを1枚に結合、透明度を50%以下にしておいて、上層部に作った新規レイヤーに絵を描いてゆきます。


これはこないだ下書きを始めた子。メイドさんのはずなんだけど。
(急に気が変わるかも?)


で、これは途中で止まっちゃった将軍様。こんな風に進行するわけね


 絵が完成したらとりあえず打ち出し。全部CGでやれればいいんですが、あたしのようなアナログ人間にとってはマウスやタブレットだけでは引けない曲線とかがありましてね、とほほ。んで、最終的には一回手書きで修正します。んで、それをスキャナーで取って、不用部分等を再修正。最後に描いた原寸と、MFサイズに縮小したものを1枚にまとめて打ち出して完成です。 

 
あたしの原画は大体いつもこの方法です。側面図の肩に注目。腕は腹部と
背筋を見せるために省略しています。後で余白に腕だけ書こうと思っていたんですが。
実はこの子はPCの「闘拳士」として書いた原画。
でも、LVシリーズになっちゃったんで、この段階で消滅。
ちょっと太めで抱き心地よさそうだったのに。

原型作成方法

 今回はFM企画の原画屋、平井のイラストからMFを創るという行程を紹介します。つまり、「原画:平井久司、原型:ぐゎるま、複製:今野」というFM企画オリジナルスタッフによる、正規品の製作工程です。で、通例ですと、あたしが、「こんなん描いて」とポーズやら装備やらを指定して描いて貰うのですが、ちょっと前に、あるメーカーさんから依頼されていた企画で、結局流れちゃったのがあったので、そのラフスケッチからあたしが選びました。

 この時には最初、そのメーカーさんが予定していた原型師さんの試作品を監修してくれというお話でした。で、それを見たあたしの返事。
 「最初からやり直した方がいいです。」
 その原型師さんも一応プロらしいのですが、どうやらレジンならともかく、MFは完全に初心者レベルだったので(試作品を見ればMFの抜き方を知っているかどうかは分かりますからねぇ)、結局うちで原型を引き受けることになり、用意したのがこれ。依頼が「女魔法使い」ということだったので、平井が描いたたくさんのラフスケッチの一部です。
 原型まで全部任せてくれると言うので受けたのですが、いざ原型に入るという段階で、最初に試作品を作った原型師さんが、ぜひもう一度やらせてほしいと言ってきたとか。で、最終的にはその方にお任せするということになっちゃったので、こちらから降りました。
 その人がMFを分かっている人なら協力したんですが、相手がいくらガレキのプロでも、MFそのものを知らないのでは、初めからうちの原画をお任せするだけの完成度はまず無理ですからね。こちらから辞退したわけです。せめてMFのコレクションくらいはしているファンという人だったなら、MF型抜き用原型製作のノウハウを教えるくらいは喜んでしたんですがね。MFが何なのかも知らないみたいだったので。さすがにそれじゃぁねぇ。
 「じゃ、この話は最初からなかったことに」と、FM企画の名前もあたしの名前も一切商品には出さないという約束を取り付け、それまでの諸費用の請求もあたしの方から辞退しました。ちなみにそれは商品化されて出回りましたが、ほぼ試作品時のレベルのままです。いろいろ個人的に問題点を指摘はしたんですが、対応できなかったようです。Sigh.

 ってわけで結局完全なタダ働き。そんなこんなでこのラフはかわいそうなことになっちゃったんです。で、せめてうちで使おうかな、と。左上の子が気に入ったので、PCシリーズで作ることにしました。依頼の等身が6から7ということでしたので、まずはいつもの4等身に直してもらい、三面図を新規に平井が起こしたのがコレ。


きゃわいいっしょ? でも、俯いた首とか、髪と腕の間の処理、腕と腰の間の処理、そして肩の処理
など、実はこのままでは量産できない部分もあるので、作りながらデフォルメしてゆくことにします。

 


ノウハウ中心の前編はここまで。次は実際にMFを作成する手順を写真満載でご紹介しましょう。

後編へ飛ぶ