MFガイド デジカメ撮影編

このページの前編にあたる、「デジカメ知識編」はこちら

 デジカメの撮影といっても、基本はフィルムカメラでの撮影と同じ。ただし、専用の撮影ライトを用意しなくていいことがとっても楽。ホワイトバランス機能などがあるので、勝手にカメラ側で光源に合わせて修正してくれるからです。そのため、費用も随分減ります。机の上でちょこっと背景紙を置いて撮影、ってのでも十分。
 でも、本当に色にこだわるなら、フィルム撮影同様のライティングが必要になります。まずは手近な光源で撮影してみて、慣れてみましょう。その後で本格的に初めても遅くはありません。

 ではまずは岩佐博士からのご要望にお応えして「デジカメ撮影十ヶ条」、行って見ましょうか。

デジカメ撮影十ヶ条

一、被写体は明るくすべし
一、単一光源を使用すべし
一、レフ板を用意すべし
一、背景は単色化すべし
一、カメラは固定すべし
一、中央に寄せて撮るべし
一、対話するつもりで撮るべし
一、すぐにモニターで見るべし
一、バックアップをするべし
一、 元データは保管すべし


一、被写体は明るくすべし

デジカメには非常に簡単な絞りしかない(全くないものすらある)。必ず被写体に集光し、少しでも明るくすること。蛍光灯下でも十分撮影はできるが、「色」を見せるには暗すぎる。カラー撮影用ライトがないならZライトレベルでも可。もしそういったライトがないなら、本棚や机上など、少しでも蛍光灯に近づいた場所で撮影すべし。

一、単一光源を使用すべし

ほとんどのデジカメにはホワイトバランス機能で色温度を自動修正する。そのため、光源はどんなものでも構わないが、裸電球と蛍光灯のように極端に色温度の異なるものを併用すると温度識別が混乱し、白を白として認識できなくなる。蛍光灯なら蛍光灯、卓上ライトなら卓上ライトのみを使用すべし。ただし、一つの灯りのみで撮るということではない。単一温系で撮ると言うことだ。蛍光灯と蛍光灯なら何の問題もない。避けるべきは温度の違う光源を併用することである。例えば蛍光灯に卓上ランプといった併用は避けるべき。色温度を見分けるのは別に難しい事ではない。裸電球は暖かそうな色に見えるはずだし、蛍光灯は青白く見えるはずだ。
私はZライトのように柄の長いライトで、発光部に蛍光灯をし込んであるタイプを愛用。これは色温度的に蛍光灯と同じため、天井の蛍光灯と併用しても同一光源扱いになり非常に便利。自由に発光部を移動できるのでライティングを調節できる。蛍光灯ゆえ、発熱も少なく、短時間ならトレペを張っておいても安全。塗装時にも蛍光灯下での自然な発色になるので、購入をお勧めする。

一、 レフ板を用意すべし

撮影用光源を用いない以上、被写体への光は非常に直線化する。影も濃くなるため、MFのグラデーションを撮影するにはレフ板は必須。これだけは面倒でも用意されたし。さらにライティングの調節がしずらいので、ライトが強い場合にはデフューザーも必要。本来なら暗い条件でもデフューザーがあった方がよいのだが、さすがに室内光のみではデフューザーを使用するのは難しい。
陽のあたる日中に撮るのであればデフューザー、レフ板両方が必要である。そのためには自分がLCDを確認しながら効果を見た方がよいので、知人に助手を頼むべし。二本の手だけでは詳細なライティングは困難である。
可能ならばMFファンの知人と二人で、それぞれの撮影を共同して行うとよい。デジカメを使わせてあげる代わりに助手に引き込め。

一、 背景は単色化すべし

デジカメ最大の強みは画像をレタッチできること。その代表例が切りぬき。背景を切り落としてしまうこと。そこまで凝らない場合でも、背景は可能な限り単純化した方が主題(MF)が浮き立つ。そこで背景紙は必ず使用すること。
なお、フィルムカメラの場合、背景紙の色で露出が左右されるため、ニュートラルグレイを薦めるが、デジカメの場合、後からレベル補正可能なため、黒でも白でも構わない。ただし、補正するよりは元データで正確に残っている方が画像劣化を避けられるため、特に映像効果を意図しないなら、やはり灰色をお勧めする。白や黒では背景インパクトにイメージが引きずられやすいからだ。
私はモンスター撮影には好んで黒の背景を使用する。暗がりからぬっと出たようなイメージが好きなためである。そういう好みを主張するのなら、別に赤でも緑でもかまわないが、金属色など、反射するものだけは避けること。さすがに金色の乱反射はデジカメでも補正が効かない。
蛇足だが、博士のHPのゲストギャラリーに展示してもらっている「ビホルダー」をご覧いただいただろうか。あれは合成ではなく、針金もつや消し黒で塗ってあるので、背景の黒に溶け込み、ビホルダーが宙に浮いているように見えている。実はあの背景は愛用のマウスパット。ロアスの「ピタ吉」というしなやかなマウスパットでつや消し具合としわにならないところがお気に入りで、撮影時には背景に、そしてデータ移動後はもちろんマウスパットに使用している。いろんな色があるので、ついつい3枚も買ってしまった。

一、カメラは固定すべし

デジカメの撮影スピードは驚くほど速い。時間がかかるのは書き込みをしているためで、撮影そのものはあっという間だ。特にISO400のフィルムでF2で15分の1秒といった手ブレ覚悟の暗い室内でも、慣れていさえすればデジカメなら十分手撮りできる。
ただし、MF撮影では非常に近距離にあるため、手ブレ以上にピントのずれが怖い。そのため、必ずカメラは固定すること。三脚があれば一番だが、最低机の上に置くだけでも可。
シャッターレリーズも直接押すのではなく、リモコン使用が便利。なければセルフタイマーでも十分。もし別売で延長レリーズがあるのならそれも便利。だが、一部カメラでは底面になる部分にソケットがあるため、注意。
また、可能ならACアダプターを使用して、じっくりと撮影すること。

一、 中央に寄せて撮るべし

デジカメではハイエンド機以外、レンズの性能はあまり重視されていない。そのため、周辺部の画像はずいぶん乱れやすい。また、他の機能との関連で広角系が多いため、マクロ機能に特化した機種でないと歪みが非常に目立つ。以上の理由で、可能な限りMFを中央に寄せて撮ること。画面全体にアップで撮れる機種でも、若干の空白を残しておくこと。
また、露出もフォーカスも自動で撮影するのなら、センサーのある場所、つまり中央に置かない限り正確な写真は望めない。

一、 対話するつもりで撮るべし

デジカメは何度でも消去できるし、ライティング等の準備もあまりいらないので気軽に撮れる。ただし、それは撮影に入るまで。撮影に入り、MFをLCDに映し出したのなら、真剣に集中すべし。あたかもプロモーションビデオ撮影や雑誌のグラビア撮影のつもりでモデル(MF)と対話しながら撮影すべし。
選んで塗装した以上、そのMFには訴えかけた何かがあったはず。それが鑑賞者に伝わるような撮影を心がけること。右向き、左向きは言うに及ばず、下からあおるとか、ちょっと上から見下ろすとか、とにかくあらゆる方向からMFをLCDに映し出すべし。三脚から一端外し、手持ちでじっくりとアングルを決め、ベストショットという位置を見つけたら、そこにカメラを固定する工夫をこらすこと。MF自体小さいので、手にとって肉眼で「ここだ」という撮影方向を探せ。なお、その場合、両目開けていては正確な画像にならない。必ず片目で睨むべし。一眼レフ用のアングルファインダーを使うならなおよし。
場合によっては筆箱などをしいて斜めに本を置き、その上にMFを置くことで、被写体そのものの角度を調節してでも、ベストアングルにこだわるべし。
カメラ位置が決定したら今度はレフ板の位置、向きなども一つ一つ対話するつもりでじっくり決定する。
もしもどうしてもベストアングルが選べなければ複数枚撮っておくこと。全体形状が分かるもの1枚、オーソドックスにMFの視線の高さで正面から1枚、塗りにこだわった部分を中心に1枚等々、とりあえず複数枚撮影し、後でじっくり検討することが成功の秘訣。この場合、撮影ごとにわざとカメラの高さを変えるなどしておくとさらによい。HP掲載は1MF1枚とは限らないのだ。2枚並べておくことで初めて鑑賞者にそのMFの価値を理解させることができる場合もある。そのような場合に、1枚は正面からで、もう1枚は斜め横で多少上から見下ろし気味、というように角度を変えておくとMFを3Dとして認識しやすい。特に大型モンスターなどは、正面から全体像を撮り、さらに冒険者の視点からアオって撮ることで巨大さを出すこともできる。もちろん記録として撮るのなら逆に高さを揃えるべし。

一、すぐにモニタで見るべし

LCDはとにかく小さい。すぐにレタッチするつもりがなくても、必ず撮影後、パソコンにデータを移動してそのまま一回はビュワーソフト等で開くこと。
デジカメの小さなLCDでは気づかなかった点が必ず見つかる。歪み、暗さ、ピントの甘さといった基本部分のチェックは言うに及ばず、カメラの影が写っていないか、ペットの猫毛が付いていないか、変なところに反射がないかといった細部に至るまでじっくりと観察すること。今ならまだすぐに再撮影できるのだから。
このチェックは必ずPCのモニタで行うこと。デジカメのLCDにも再生機能はあるが、あの程度の大きさでは見落としがあると知るべし。

一、 バックアップをするべし

データをPCに移動したら、すぐに名称を付け、さらにバックアップも行うこと。デジカメでは基本的に機種ごとの法則に従って勝手にファイル名を付ける。そのままだと次回撮影時に上書きされたり、あるいは何の写真か分からなくなる。また、データである以上、クラッシュの危険性は常にある。すかさずバックアップを保管する癖を付けること。
バックアップが完了するまで、撮影は終了しないと心得よ。

一、元データは保管すべし

撮影データはトリミングなり圧縮なり、なんらかの画像処理をしてからHPに張りつけるのが基本。しかしながら処理中に誤って画像を壊してしまうとか、あるいは指定ミスなどでとり返しのつかない事故も起こりやすい。また、将来的にHPを拡大する際、お気に入りの画像を大画面で載せることになるかもしれない。しかし、ダウンロード時間短縮のために縮小なり圧縮なりしてしまったデータを元の容量に修復することは事実上不可能である。
そのため、必ず撮影したままの元データを保管しておくこと。この場合、元データのファイル名には0を最後に付けるとか、ベースデータを示すBの文字を付けるとか決めておく。そのファイルを開け、処理後に別名で保存(Winなら「名前を付けて保存」)する際に末尾の0なりBなりを取り、画像処理済みファイルを示すことにする。容量に余力があるなら元データはBMPで保管するのもよい。似た名前なので間違ってアップロードしてしまったりといったケアレスミスを防ぐためにも外付けHDや大容量リムーバルディスクに専用のフォルダを用意しておくとよい。細かなテクだが必ず行うこと。デジタルデータは気楽に撮れる反面、気楽に消えてくれるのだ。細心の配慮を心がけるべし。

以上


撮影実戦

 上記、十ヶ条を守ればデジカメなんか怖くありません。じゃ、実際に撮ってみましょうかね。
 詳細はデジカメごとに違うので前回にお奨めした2つのポイント、

    旧型機でもマクロ機能が強い
    マクロは中程度でも画素数が多い

の代表例として2機種をあげてやってみましょう。マクロに強いのは当然リコーDC−2。こりゃ決まりです。画素数はさみしく35万。今ではクラシック扱いで、この後で出た廉価版DC−2Eなんかと並んで1万円とかで売ってますが、当時は10万でもすごく安いと思いましたね。

 で、画素数が多い方ですが、150万画素のフジフィルム・ファインピクス700でやってみました。(正確にはライカ版・デジルクスですが)

 じゃ、セッティング。とりあえず最初に室内でも明るい所を探して背景紙を用意します。あたしゃいつもながらマウスパット(ロアスのピタ吉君)。今回の主役は「もーもーハンナちゃーん」。分かる人はあんまりいないでしょうが、あたしが昔ハマッたゲームのキャラ。その登場場面、「隊長、牛さん嫌い?」のシーンは街中なんですが、折角牛さんなので草原をイメージして緑にしました。で、なめらかな斜面を作るため、後ろに何か置き、それに一端を載せるようにしましょう。ここではとりあえずそばにあったフォクトレンダーのビトマチックを置き、それに立てかけてみました。場所はテーブルの上。ライトはサークラインのみです。いつもはライトを増灯するんですが、今回はお手軽な方法の紹介ってことで、天井の蛍光灯だけでやってみますね。
 んで紙で作ったレフ板を左右に置き、出来あがった「ステージ」にMFを置きます。で、この子の前にデジカメを置きます。

 今回はシンプルに目線で真正面ってので行きます。もともとこのシーンがそういったCGなんでね。でも、カメラアングルには十分こだわってください。モデルのMFと対話するつもりでね。

 「うーん、右手がちょっと隠れちゃうな、もう少しこっち向こうか」なんて感じでアングルを決めて下さい。別に口にしなくてもいいですけど。話しかけたいならご自由に。

 「あ、目に髪の陰が落ちちゃうな、もうちょっとレフ板いじってみようか」
 MF(かっこよく撮ってね!)

 「はい、ポーズそのまま、目線ちょうだい」
 (無理よ、今から塗り直す気?)

 「うーん、右手で剣が見えないね、少し持ち上げて」
 (無理だってばぁ)

 「お、いいねぇ、絵になってきたよ。いいぞ」
 (うふふ)

 「はい、このショット上がり! じゃ、まず上から脱いでもらおうか」
 (ぜってームリ!!)


 今回はまずDC−2でやってみました。いつもはマニュアルで総て行うんですが、今回はフルオートにしてみます。レフ板はいつもながら三角形に折った紙。左のレフ板の脇にあるのが専用リモコンね。

 実際にはここまで接写できます。レンズ前1センチという状態。カメラの影に入ってしまった上、距離が近すぎてレフ板が置けないのでこんなに暗くなっちゃいました。(後で補正できるんですがね。ま、今回は比較ということでそのまま掲載してます)

 で、ちょっと下げてみたのがコレ。DC−2系は正方形のCCDに写し込んだ長方形の映像を、後から元に戻すので、多少上下・左右で対比が異なります。そのため、左右に少し余白ができるので、それは切り取りましたが、それ以外、画像はこのままの面積で撮影できます。いつもならこれから補正を開始するんですけどね、今回はここまで。

 というところで選手交代。メガ機の登場。

 この独版ファインピクスはマクロ機能もまずまずなので、ここまで寄れます。ここが最短撮影距離での画像。これでメガピクセルありますから、このまま印刷にも使用できる映像。左手前のはレフ板ね。ちょっと写っちゃったけど、右腕の下の影を消すにはここに置かないとダメだったの。ま、トリミングするつもりだからそのまま行ったけど。

 で、ちなみにコレがストロボを使った写真。いやぁ、ストロボって明るいですねぇ。ちなみついでにストロボ光量をマニュアルで最低まで落とし、デフューザーにコピー用紙を4枚重ねにしたものを置いていてコレです。オートでやったらどうなってることやら。ってわけで、マクロ領域ではストロボが自動点灯しないように設計されてるのが多いわけです。
 でもってストロボを使わなかった方をフォトショップで補正しても十分使えるんですが、DC系とクールピクス系といった機種でない限り、ここまでは寄れないので、大体デジカメの平均値ってことでちょっと離してみました。どんなメガピクセル機でもここまでなら余裕で寄れます。

 ずいぶんと小さくなっちゃいましたが、そこはメガピクセル機。なんとかなりますよ、これでも。信じられませんか? じゃトリミングしてみましょうか。

「おおい、スティーブ! 顔の右上だけアップにしてくれー!」

 お、出来たみたいですね。写真左側がソレ。で、比較のためにDC−2で撮った先ほどの写真を同じようにアップにしたのが右。拡大率の違いが分かるようにその隣にそれぞれ元写真も置いてみました。

 あんまり変わらないっしょ。カメラの特性で多少色合いは違いますがね。DCー2の方がくっきりと見えるのはコントラストを強めに感じるようになっているからです。逆に微妙な色の変化、たとえば肌色などは700の方が詳細に写っています。特に「黒」に顕著。黒一色でハッキリでているのがDC−2。暗いグレーのグラデなのがファインピクス700。これがカメラの「味」ですね。ま、ほとんど同一レベルの画像です。「科学の勝利ぃ」ってとこですか。

 話を戻しまして先ほどの写真。とりあえずフルオートで撮ったんですが、ちょっと色が気になる。補正が強力すぎ。陰がはっきり出過ぎてます。フィルムカメラなら撮影不可能の室内のEVなので、目一杯補正してるようですね、小人さん達。でマニュアルでカラーバランスを変え、補正もマニュアルにして再撮影したのがコレ。うん、これならOK。

 さてこれをPCに移し変え、まずはそのままファイル名を変え、ベースデータをMOにバックアップ。HDに載せた方をフォトショップで開きます。最初は縦位置にしてあるので90度回転。で、好きなようにトリミング。そこまでした段階で別名で保存。

 ついで画像の修正に入ります。フォトショップではいろいろと補正の機能があるんですが、あたしが良く使うのはメニューバー、「イメージ」のプルダウン「色調補正」にある「レベル補正」と「トーンカーブ」。そして「色相、彩度」です。ま、大抵トーンカーブだけで済んじゃいますが。
 で、今回もちょこっとレベル補正。明るい方を少し強くして、全体のトーンを変えます。で、肌の中間色を重視、トーンを飛ばさない程度で背景を目一杯明るくしてみました。脳天気で明るいキャラなのでね(CG処理する気なら、写真右下に落ちている影も消すことができます。スポイトで近所の緑色を拾い、ブラシで消して行くなり、近所を切り取ってコピーし、スタンプなりペーストなりしてから端を修正してもOK。ま、いずれにせよレイヤー上でやってください。そうそう、画像保存前に「画像の結合」をお忘れなく。そうしないとフォトショップ形式でないと保存できませんよ)。
 最後にWeb用の隠し味でフィルター、「シャープ輪郭のみ」(って全然隠れてないやん)をかけ、JPEGオプションで6(高画質)にして保存してできたのがコレ。ま、これでOKね。

 これをHtmlで張りつけ指定してあげればそのままHPで使用できます。(実際そうしてるんだけどね)


 今回は簡単に天井の蛍光灯だけでやりました。蛍光灯の真下で撮影すれば結構撮れますよ。
 で、普段は蛍光灯使用の卓上ライト使ってます。卓上ライト四本で周囲を囲み、右横にレフ板一個。HPに乗せる写真だと、コントラスト高めの方がいいんですが、自分で鑑賞するにはソフトライティングの方が好きなので、デフューズしまくりで撮ってます。

こんな感じね。ご参考まで。

 


保存形式のお話

 HPに写真を載せようとしてまずとまどうのはファイル保存形式の問題でしょう。Web用にはJPEGかGIF形式で保存するのが常識。MacのPictもWinのBMPも駄目です。ま、デジカメの場合、当然ながらJPEGが主流なのでそのまま保存しちゃえばいいんですが、じゃ、オプションの画像保存はどうすればいいの? ファイル自体の重さはどれくらいに小さくすればいいの? ところでGIFってなに? なんて疑問が沸くのも当然です。だって少しでも綺麗に見せたいでしょ、自分の子。そして見る人が快適に見えるように、ダウンロードも早くしたいでしょ?

JPEG vs GIF

 簡単にいってしまうとJPEGは写真用なのに対して、GIFはイラスト用です。前者が膨大なカラーチャートを有しているのに対してGIFは最大8ビット、つまり256色までしか表示できません。最近多いでしょ、256色時代のHゲームをフルカラーにリメイクしてるの。あれだけの差があるわけです。
 逆にGIFの長所としては色数が少ないので最初からファイルが軽い。JPEGのように自動圧縮しなくともずいぶん軽いので、圧縮による劣化もありません。GIFアニメーションが流行るのも当然です。だって、元からセル画みたいなのに向くんだもの。
 他にもインターレース(Web上の画像が最初もやもやっと出て、じょじょに形になってゆく再生方式)が昔から可能だったこととか、白を透明化できるとか、Webにはずいぶん便利なフォーマットです。小さめの画像とか、アイコンなんかには向いています。そうそう、元から色数が16色程度のモノクロなんかにもね。
 ただし欠点としてはファイルサイズの調整を色数で行うこと。JPEGの様に圧縮率でサイズ変更するのではないので、軽くするためには色数を落として劣化させるわけです。おかげで軽くしすぎちゃうと大変なことになります。
 JPEG画像は大抵RGB系なので、これをGIFにするにはまず画像をRGBからインデックスカラーにしてからGIF形式を選ぶことになります。

 一方JPEGの場合、保存段階で圧縮重視か画像重視かで1から10までの段階を選択できます。これも使用者によってまちまちなんですが、あたしの場合、こんな感じです。

1・2:ごく小さな画像(2センチ角程度)、もしくはモノクロ
3−5:小さ目の画像。もしくは1ページ内に多数画像がある場合のスタンダード
6−7:大き目の画像。もしくは1ページに3、4枚程度しか画像がない場合のスタンダード
8・9:基本的に使用せず。どうしても細かいグラデなどを見せたい場合にはこれか
10:元データ保管用

 ってとこで、1ページに何枚データがあるかで変化します。これによってページ全体のダウンロード時間がずいぶん異なりますからね。ま、最近はMFガイドシリーズのおかげでほとんど「3」ばっかりですね、なにしろ画像、多いから。昔は6が通常でしたけど。

 ファイルの重さもページにどれだけ画像があるかで左右されちゃいます。ま、あたしの基準ではとにかく形が分かればいい、説明用が10kバイトまで、ちゃんと見せたい場合は30kバイト前後、どうしても見せたい(魅せたい?)場合にも60kバイトまでですね。なにしろ1ページに枚数が多いので。写真も意図的に小さくしてますし。昔、数枚しかなかった頃は100kバイト程度でも少ない方だったのですが。とりあえずあなたのHPにまだあまり写真がないようでしたら、小さくするとさみしくなっちゃうので5.60kバイト前後でやってみたらどうでしょう。後で軽くするのは簡単ですから(逆に重くするには、「元データからやりなおしてください」、になっちゃいますよん)。
 もちろん1ページが丸ごと1画像なんてのになるとその限りではありません。これもさきほどの保存時の圧縮率選択で左右されるので、組み合わせて考慮する必要があります。

画像補正のお話

 さっき、ささっと触れましたが、画像補正ってのは実は大変な作業でして、これだけで本が何冊も出てます。あなたが画像とPCに詳しければずいぶん参考になりますのでぜひ一冊買ってみてください。ま、ここではあたし流のやり方で説明しますね。でも、あたしゃPCには弱いので、あくまで参考として読んで下さい。

「レベル補正」
 画像全体がどういった風にできているかをグラフにして出してくれます。特に明るさに片寄りがある場合、まずはこれで補正してます。この方法ですとハイライトとシャドウの指定が、中間色への影響を押さえながらすることができます。あたしはMFのようにグラデ命という場合にはこれを使ってます。
 グラフの右端や左端に注目。平均化した段階で無視同様の扱いになっているならほとんど空白になってます。で、画像の使用領域をそれに合わせ最適化するわけです。これによって新しい画像は指定された部分をハイライト(もしくはシャドウ)として認識します。ついでセンターにあたる部分を左右に移動して画像全体の調子を選びます。もちろんプレヴューを見ながら確認してください。ま、フィルムでゆううところの「ラチチュード」を設定できるわけですね。便利でしょ?
 ただ〜し! 「自動レベル補正」をかけてしまうと中間レベルがカットされ、グラデーションが飛ぶ可能性があります。ご注意を。

「トーンカーブ」
 あたしにとって主兵装。デジカメ撮影段階で補正しきれなかったものの大抵はこれだけでなんとかなっちゃいます。ただし、強力すぎるので間違ったらすぐにキャンセルしちゃってくださいね。ま、フォトショップ(Ver.4以後のね)ならヒストリー削除でやり直しが効きますが、大抵の他のソフトでは致命的ですから。
 これは画像全体の明度とコントラストを自在にコントロールするもの。XとY軸のグラフの中央にラインが走ってます。これを好きに変化させることで画像を修正します。
 RGBの場合、0から255までの明るさの分類がされています。印刷にはインク同様のCMYKを使用しますが、ま、Web上ならRGBでいいでしょう。ここではX軸に入力レベル(元の明るさ)が割り当てられ、Y軸に出力値(新しい明るさ)が割り当てられています。最初は入・出力が同じなので中央を通っているわけです。
トーンカーブの通り方で明るさはもちろん、画像上での「硬さ」「柔らかさ」という質感も再現できます。とにかく少しづつ修正してみることです。一気にカーブを移動しちゃうとソラリゼーション状態になっちゃいますよ。また、自分で選んだポイントを固定することが可能なので、そういった要所を幾つか指定しておくと他は勝手にカーブを描いてくれます。大抵の修正はこの補正でできますので、まずはこれを覚えてください。

「色相・彩度」
 指定した範囲内の色を自在に調節する機能。どうしても実物と写真の色が異なる、という場合に使用します。
 ボックスを開きますと色相、彩度、明度の各バーが中央に、そしてフォールオフ量、色範囲指定用のスライダバーが下部にあります。下部スライダバーの上のカラーバーが元のカラー。で、下が補正したものになります。
 このボックスで補正したい色の範囲をまず決め、ついでその補正を各バーの調節によって行い、希望の色に近づけます。
 当然ながら一ヶ所の色のみを極端に変更しますとデータ全体のバランスが崩れますので、これもやりすぎないように注意。赤系なら赤系のみに絞った方が修正が簡単です。これでもうまく行かない場合には大抵、露光量不足ですから、もっと明るい場所で撮影しましょう。もしも逆に明るすぎる場合にはデフューザーをもっと強化しましょう。
 また、一部のデジカメではオート補正に片寄りがあって、反応しやすい色、しにくい色がはっきりしている場合もあります。マニュアル補正にきりかえて再撮影するなど、元データ段階で少しでも実物に近づける努力をしてからチャレンジしてください。

「明るさ・コントラスト」
 画像の明るさとコントラストを自由に調節できるコマンド、なんですが、中間色を排除する可能性があるので、モノクロフォト以外、あたしは使用しません。でもコピー機の調節みたいでとても扱いやすいので、初めてならこのコマンドを使用する方が安全かもしれません。ま、これで慣れてから他のを使うというのもいいですね。元画像を保管してあれば、後で他の方法で修正できますからね。

「シャープ」
 これも便利ですが、画像が劣化するという諸刃の剣。大抵、Webに載せる程度の画像なら「シャープ輪郭のみ」でOKですが、トップページで大写しにしたい、というようにもっと細かくするにはアンシャープマスクを使用してください。
 このコマンドだと、「適用量」「半径」「しきい値」の3つの数値で希望に近いイメージを出すことが出来ます。適用量はコントラストをコントロールする強さ、半径は変更する面積(ピクセル単位)、そしてしきい値は隣接しているピクセル間でどれだけ変化している部分から適応するかを決定します。しきい値0だと背景含む全体がシャープ化されますので10か20くらいにしておくのがいいでしょう。特に極端に色の違う部分のみをシャープにする方が効き目が大きいです。例えば背景は柔らかいままで、色変化の激しい部分や影の出ているモールドだけに適応すれば、MFがくっきりと浮き立ちます。

 こういったツールであたしは修正していますが、デジカメに限らず、写真全般に言えることがあります。

「コントラストかグラデーションか」

 という相反する要素です。コントラストの高い画像はクッキリと鮮明に見えます。しかしながら低い画像の方がやわらかな色変化を美しく捕らえます。この調整がなかなか難しいんですよね。現代のレンズは「情報」重視のため、コントラストが高いものが多いのですが、一昔前のレンズの方が柔らかく写り、肌などが綺麗に見えます。ま、結局は設計段階の解像度の問題なんですが、「柔らかさ」つまり質感と、「硬さ」つまりコントラストを備え持ったものが理想なんですね。
 このバランスは撮影するMFに合わせて考えてみてください。シャープにくっきりとした方が似合うのはジェス・グッドウィン氏に代表されるパワフルな造形。逆にソフトにしっとりとした方が似合うのはデニス・マイズ氏に代表される繊細な造形。こういった基準をもとにあなたなりのベストな画像を探してください。


 さて、今回はこんなところかな。とにかく数多く撮影して慣れてください。で、どんどんHPに追加して、あなたの傑作をあたしにも見せてちょうだいね!