さぁ、塗ってみよう



MF(メタルフィギュア)はその名の通り金属で出来ています。そのため、下記にご注意ください。
 1:堅い上にデザイン上、とがっている部分もあるので、踏んだりすると危険です。
   またペットや幼児が飲み込んだりしないように、保管にはご注意ください。
 2:下地処理(後出)を行えば、水性・油性など各種塗料で塗装できます。
 3:組み立てが必要な場合、瞬間接着剤(二液混合製エポキシ系接着剤でも可)で接着できます。
   ニッパーやヤスリなどの工具はなるべく金工用の物をご利用下さい。DIY店などにあります。

 

下地処理

 塗装する場合には最初に必ず「メタルプライマー」という金属用下地処理剤を塗ってください。この作業をしませんと、金属用塗料以外だと塗った後でぽろぽろハゲてしまします。
 メタルプライマーはGSIクレオス(グンゼ産業)製のが模型店で売っています。筆塗り用とスプレーの二種がありますが、筆塗りで300円ほど、スプレーで500円程度です。プライマーは油性で強い臭いがありますので、換気に注意してください。

 



 筆塗り式の場合

 別途筆が必要です(あたりまえですなw)。3ミリから5ミリ程の幅の細い平筆がいいでしょう。プライマーは油性なので、水洗いできません。そのままだと筆が一回で固まっちゃいます。そのため、うすめ液(シンナー)も必要になります。メタルプライマーと同じGSIクレオス(グンゼ産業)製の「Mr.カラーうすめ液」(200円くらいから各種)も一緒に購入しましょう。
 塗る時にはべったりと厚く塗ってはいけません。薄くてもいいので全体にかかっていればOKです。

 筆洗い

 塗り終わったら、筆を洗います。でもシンナー(うすめ液)の中に筆を突っ込んじゃいますと、瓶の中のシンナーが汚れて次回使用時に困りますよ。

シンナーをちり紙にちょっとつけ、筆についたプライマーをそっとふき取ってください。


   
 このように、まず畳んだちり紙にシンナーを少し染みこませ、筆をはさみます。次いで筆先を指で押さえながら柄の方に引っ張りましょう。必ず柄の方(写真だと右方向)に抜いてください。筆先の方に押し込んじゃいますと、筆の穂先がボワボワになっちゃいますよ。二、三回繰り返して行えば綺麗になります。



 スプレーの場合

ベランダなどで新聞紙をしきつめ、その真ん中に置いて吹きましょう。小さいので地面に置くと吹き付けづらいです。ティッシュの箱などの上に置くといいでしょう。

ガムテープを利用した固定方法

いらないティッシュなどの箱に、ガムテープを裏向きになるように貼ります。こんな感じにね。
その後で、まっすぐになるように、二重になっている部分をしっかりと貼り付けます。

MFを乗せ固定します。この際になるべく端っこに正面を向けて置くとスプレーが吹き付けしやすいですよ。

吹く時には30センチ以上スプレー缶を離して、数回に分けて軽く吹くのがコツです。その際、真横から吹くのではなく、ななめ上から、次にななめ下から、と角度を変えて吹きましょう。

注意:スプレーから吹き出した瞬間、液体が塊の様になって飛び出す事があります。MFの隣、何もない空間から吹き始め、スプレー缶を横に流す様に吹きつけるといいでしょう。


 プライマーさえ先に塗っておけば、後は大抵の塗料で塗れます。プラモデルや絵を塗るのと同じ気持ちで塗れますよ。あ、塗料全体に言えることですが、必ず使用前に攪拌(まぜまぜ)しましょう。チューブ式の絵の具ならいいのですけど、瓶詰めの塗料だと、上に溶剤(水やシンナー成分など)が浮き、分離していることが多いのです。


 ドレッシングなどの「よく振ってからご使用下さい」ってのと同じですね。面倒くさがらずに、必ずやっておきましょう。写真ではタミヤ製の調合スティックを使用して混ぜていますが、棒ならなんでもいいです。ただし、つまようじなどの木製だと、塗料が染みこんでしまうので、毎回捨てることになりますけど。

塗らずに飾るだけでも、プライマーを吹き付けておくと金属の劣化防止膜も兼ねます
      磨いた後でプライマーを塗っておけば、ピッカピカのままですよ〜〜


プラモデル用塗料を使用する場合

 油絵の具などでも塗れますが、新しくプラモデル用塗料を揃える人も多いでしょう。普通プラモ用塗料は下記の三種に分かれます。

即乾性

丈夫さ

緻密さ

塗りやすさ

エナメル

×

×

油性アクリル

×

×

水性アクリル

 エナメル系塗料は乾きが遅いので筆ムラが出にくく、細かい塗装に向きます。しかし、塗装面は弱いので、強くこすると落ちてしまいます。
 油性アクリル塗料(ラッカー塗料とも言います)はすぐ乾き、塗装面も丈夫なので、ゲーム用に早く一杯MFを塗りたい人に向きます。
 水性アクリル系は全体的に中庸な塗料です。また上記二種と違い、シンナーを使用しないので安全です。

 新しく塗り始めるのであれば「水性塗料」をお勧めします。油性アクリルとエナメルはそれぞれ専用のシンナーを使用しています。塗料にもシンナーが含まれていますので、ペットや子供がいる環境ではお勧めできませんので。その点、水性アクリル塗料は筆洗いも水で出来ます。ポスターカラーの様に水溶性ですが、乾けば水に溶けなくなる塗料です。

 写真左から「タミヤカラーアクリル」「水性ホビーカラー」「シタデルカラー」です。全て水性塗料です。
 タミヤアクリルと水性ホビーは国産で安価、色数も多いです。塗料の性質としては大体同じと考えていいでしょう。一色200円程度です。
 シタデルカラーは英国製でMF専用塗料のため品質も値段も高級品ですw 

 タミヤアクリルと水性ホビーは模型店なら置いてあると思いますが、性質が近いため、どちらか一方しか扱っていないかもしれません(特にデパートの模型売り場などでは)。一方、シタデルカラーは取り扱い店が少ないので、前二者をお勧めします(塗装に慣れてきたらシタデルカラーにするのもいいでしょう)。

 塗料にはつや消し(フラット)、つや有り(グロス)など、表面のテカリ具合で幾つかの種類に分かれる色もあります。白や黒などの基本色に多いです。MFに使うのなら、つや消し(フラット)の色をお勧めしておきます。MFは小さいので、テカっているとおもちゃチックに見えますから。また、塗料のつやを消すために、表面がご〜くごく微妙に凹凸付きになっているので、塗りやすいのもその理由。

 購入する色は塗るMFに合わせて選ぶことになります。冒険者のMFならいろんな色が必要になりますが、ペガサスだったらほとんど白で、目やたてがみに茶色を買っておけば大丈夫ですからね。一応ファンタジー系MFを塗るのにあると便利な色を挙げておきましょう。

基本色:白、黒、肌色、赤、黄、緑、水色、青、銀(剣など)、金(髪や剣の束、ボタンなど)
素材色:黒鉄色(磨いていない鉄)、生成(布)、薄い灰色(布など)、暗い灰色(暗い布や石斧など)、薄い茶色(なめし皮や矢など)、濃い茶色(革ベルトや杖など)

 ファンタジー物では色の自由度が高いため、基本色を多く使います。しかし、中世っぽさを出すには中間色といわれる色が必要になります。携帯電話の様に色彩豊かな小物はあまりありませんからね。そのため、革、布、石、鉄、木など、昔からある素材の色を考えて、それっぽい中間色を買っておくと便利です。また、意図的に「明」「普通」「暗」の三色を揃えて買っておくのもいいでしょう。赤ならピンク、赤、赤茶(レッドブラウン)と、基本色に加えて、それの明るい色、暗い色を買っておく、という方法です。こうしておくと、あなたの冒険者が「赤い彗星」(笑)とかいうイメージの時、部分ごとに色を変えてメリハリをつけつつ、赤のイメージカラーに統一できます。この場合、赤ザクの配色を真似てもいいのですけど、革素材をレッドブラウン、塗装してある金属部分をピンク、上着やマントなど布を赤、という様に素材で分けて塗るとリアルです。

 もちろん、まず一体塗ってみたい、という時にはそれに必要な色だけでOK。でも、ベース(台座)があるMFが多いので、台座用にも一色買っておきましょう。草原のイメージなら緑、ナイトなら白、魔法使いなら黒など、自由に塗っていいでしょう。もしRPGに使うのなら、各プレイヤー毎に台座の色を分けておくとか、GM所有のMFとだけ色を変えておく、などの方法もあります。遊ぶメンバーと相談してみましょう。




単に色が塗ってあるだけでも十分なんですが、さらに完成度を高めたい方は下記をどうぞ。

1:パーティングラインを消す

 MFはタイヤキのような二面式の型で抜くことが多いので、どこかに必ずその分割線があります。これをパーティングラインと呼びます。これを丁寧に消してやりましょう。消すには「針ヤスリ」が便利です。針のように細い棒状の金属ヤスリで、これも模型店で売っています。800円とか千円とかです。これを使って少しづつ、少しづつ消してください。もしもこの時に刻印(モールドと呼びます)が消えてしまったなら、模型用のクラフトナイフで削って彫り直します。


 大きな隙間とかが出来てしまった場合、パテで埋めます。チューブ式のパテが有名ですが、プラモデル用なので、あまり金属には向きません。少し取り扱いが面倒ですが、二層混合式の「エポキシパテ」の方がしっかりと修正できます。模型店で売っています。


2:プライマーを吹く

 きれいにパーティングラインが消えたら、前出のプライマーを吹きます。




ちょっと高度な塗装法(でも簡単だよ)

 プラモデルの塗り方と一口に言っても、実はたくさんの方法があります。戦車を塗る方法とF1マシンを塗る方法が違うのは当然ですが、戦車でも全体を塗る場合と汚れを描く場合、さらには雨の跡などを書き込む場合など、様々な手法があり、その豊富さときたら世界中で月刊誌が発行されているのに未だに新しい方法が記載されていたりするほどです。

 こういった塗装法の中にはMF向きの塗り方もあります。今回はその中でも、特に派手に塗れる「明暗法」をご紹介しましょう。最初にMFを真っ白に塗ってしまい、次いで明るい色を塗り、徐々に影をつけてゆく方法です。まず明るくして、次いで暗くするのでこう呼んでいます。ま、あたしが呼んでいるだけなんですが、簡単でいいでしょ?

材料 

◆下地処理用:

◆塗装用:

◆その他:


下地処理

◆まずパーティングラインをしっかりと除去してください。明暗法の場合、これが残っていると、後で取り返しが付かないことになります。終わったと思ったら、しんちゅうブラシで軽くこすり、もう一度じっくりと眺めてください。ここでやり残しているとウォッシング(後出)段階で悲しい思いをしますから。

◆修正が終わったら塗料皿を逆さにしてMFの台座を固定します。瞬間接着剤を台座の裏に「ちょこん」と付ける、いわゆる仮止めです。あまりしっかり固定すると、完成した後、外すのに苦労しますよ。こうしておけばスプレーを全面にまんべんなく吹けますし、塗装中にMFに直接触れることもなくなるでしょう。

◆プライマーを吹いた後、完全に乾かします。次いでツヤ消し白を吹きましょう。白にする理由は発色のためです。元々我々は白の上に色がある状態を基準に「色」を認識しています。しかし、それ以外だと濁って見えたり、くすんで見えたりするのです。特に目立たせたい、赤、黄といった温暖色に顕著な現象ですので、派手に塗りたいのなら下地は白。これがベストです。


◆白色はベッタリと塗るのではなく、全体が白っぽくなればOK。もし初めてなら、多分スプレーを厚吹きしていますから、数時間は乾燥させてください。乾いたらいよいよ塗装です。でもその前に、どこを何色で塗るか、しっかりと考えておきましょう。


明部塗装

◆明暗法という名のとおり、まずは明るい部分を塗ります。色は三原色(+白黒)の合成ですから、そこをよく考えてください。例えば赤。明部は明るい赤で、暗部を暗い赤にしても確かに陰影は出ます。でも、明部にピンクを塗り、暗部をえび茶にすればもっと派手になるのです。もちろん同じ赤でも、明部をピンクにするか、黄色にするかで大きく印象が異なります。


 こういった色の変化を予想しながら、まず最初に一番明るい部分の色を塗ります。これが乾いてから、明暗法の山場、「ウォッシング」の登場です。


暗部塗装

◆暗部色になる色を塗料皿にほんの少し出し、水でインク状に薄めます。もう一つ塗料皿を用意して、こちらにはきれいな水を入れておきます。インク状の暗部色を、塗ってある明部色の上に流すようにして乗せます。薄いので自然に凸部を避け、凹部にたまります。乾く前にすかさず水を付けた別の筆で、凸部についた暗部色を流し落とします。もし暗部色が垂れそうになったら、ちり紙でそっと吸い取ってください。

◆これが、塗料を洗い流すので「ウォッシング」と呼ばれる技法です。ポイントは手早く処理すること。そして次の色を塗り出す前にしっかりと乾燥させることです。一色づつ、こうやって明部・暗部と塗装してゆき、全体が塗れたら、すごく細い筆で細部を書き込めば完成です。


左が白のみ、中央がマント部分に濃い青(暗部色)を塗ったもの。右はウォッシング済みの状態です。
本来は白の上に明部色(水色)を塗ってからウォッシングしますが、比較のためにはぶいてあります。



終わりに

 MFに限らず、模型は「習うより慣れろ」の世界です。最初は失敗して当然。まずはたくさん塗って、塗装のコツを会得してください。

 不明な点とか、どうもうまくいかない、という所があったらお気軽に質問してください。できるだけお答えしますよ。
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