連載ゲームコラム
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第3回 「次世代プレイステーション情報の影響は?」 (1998/11/21)

 11月6日、ネット上を駆けめぐった「次世代プレイステーション用と見られるチップの概要判明」のニュースは、ライバルのセガ、任天堂、特に、新機種の発売を目の前に控えているセガに大きな影響を与えるものとなるでしょう。

 公開された情報から推定されるPlayStation2の性能は、推定可能な部分に限ると、DreamCastをすべての点で上回っています。CPUの速度、ポリゴンの頂点演算を行う浮動小数点演算ユニットの性能は、間違いなくDreamCastを大幅に上回る上に、MPEG2のデコード機能まで搭載しており、このレベルに合わせてハード全体が設計されれば、総合性能でもDreamCastを圧倒するものとなるのは、ほぼ間違いないと考えられます。
 対するDreamCastの最大の売りが、圧倒的な性能であっただけに、この発表は心理的 に大きなダメージを与えるでしょう。酷い言い方を敢えて行うなら、「DreamCastの命運は、PlayStation2発売まで」と宣告するに等しいことになります。

 セガが、ソニー陣営に対して勝つ方法は、この状況下では一つしかありません。SCE がPlayStation2を発売するまでに、DreamCastを大量に販売し、追いつくことの出来ないほどの大差を付けるという方法です。
 そうすれば、プレイステーション2がDreamCastを上回る性能で発売されても、 Nintendo64が、発売が遅れすぎてPlayStationのみならず、Saturnにまで遅れを取ってしまったように、プレイステーション2もDreamCastに勝つことは困難になります。
 しかし、当然のことながら、ソニー側のスタッフは、このことを良く知っているでしょ う。なぜなら、ソニーは、任天堂の出遅れを利してトップに立った経験を持っているからです。

 こうなると、ソニーの立場に立って、セガへの対抗策を考えるなら、答えは一つしかありません。「DreamCastが独走しないうちに、出来るだけ早くプレイステーション2を発売する」。これ以外には有り得ないと考えられます。
 無論、ソニーとしては、現行のプレイステーションで得たリードを活用しない手はありません。もっとも単純に考えられる方法は、プレイステーション2で、プレイステーション用のソフトも動作するようにすることです。

 これまで、各社が発売してきた歴代のゲーム機は、ごく一部の例外を除いて、前の世代のマシン用に作られたソフトは動作させられない物ばかりでした。理由は、前のマシンのソフトを動かせるようにすると、製造コストが大幅に上がり、本体価格が上昇してしまうことと、ゲームの面白さは多分に技術に依存していて、新しいゲームが、絶対的な面白さで、古いゲームに劣ることはほとんどない(今、ファミコンのゲームを改めてプレイすると、ほんの一握りの傑作を除いては、ほとんど楽しむことも出来ないと思います)と言う、2つです。

 しかし、現状では、まだ現行のプレイステーションは死んだマシンにはなっていません。これからも次々と新作ソフトが発売されます。次のプレイステーション2が、先ほど挙げた理由から、非常に早く発売されるとなると、今のプレイステーション用のソフトが楽しめることは、大きな意味を持ってきます。このことで、2つ目の理由は崩れます。
 そして、コストの上昇ですが、これも、プレイステーションが勢いのあるうちに発売することで、ある程度は押さえられると考えています。理由はこれから説明します。
 プレイステーション2は、性能が圧倒的に高く、特に、DVD-ROMドライブまで搭載することになると、それだけで大変なコストがかかり、価格はかなり高いものとならざるを得ません。従って、プレイステーション2発売の当初は、価格の安い現行のプレイステーションも、並行して販売することになります。
 ここで、現行のプレイステーションの価格引き下げの目的も兼ねて、プレイステーショ ン相当の機能を実現するユニットを、最小限のチップ数、出来れば1チップで開発し、これをプレイステーション、プレイステーション2の両方に搭載するのです。こうすることで、プレイステーションのソフトを、プレイステーション2で動かせるようにするためのコストは最小限に抑えられ、同時に、現行のプレイステーションの価格も引き下げることが可能になります。
 また、そもそもプレイステーション2の価格は、当初はかなり高いため、多少の価格上昇は大した心理的な影響を与えないだろうとも予測できるでしょう。
 最後に、プレイステーションが市場から退場し、プレイステーション2が主役となる頃には、さらにチップを集約することで、現在のプレイステーションと大差のない価格で販売することが可能になる、ソニーはこのようなシナリオを描いているかも知れません。

 ここで、一つの情報があります。実は、年末商戦を前にして、プレイステーション本体は出荷制限が始まっています。果たして、これは、単なる本体の値下げのための準備なのか、それとも、次のプレイステーションへの布石なのでしょうか・・・・・

 ここまで考えてくると、この前発表された、DreamCastの生産台数の切り下げが、セガにとっては重大なダメージになる可能性が高いと推測されてきます。果たして、セガに対策はあるのか、それともソニーに飲まれてしまうのでしょうか?


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