64卦   ワンポイント解説              

●が卦辞、▲が爻辞、○は卦辞の解釈と判断、△は爻辞の解釈と判断です。

  乾為天(けんいてん)

●乾は元いに亨る、貞しきに利あり。
○占って乾を得たら、希望は通ります。ただし、乾の持ち味(性質)である、
日々努力を怠らないならば、です。

乾は、完全、完璧、今何も不足のないとき。だから、クイズ占などで、
これが正解のようになら、たとえ初九でも正解と判断できることがあります。
しかし、他の占的では、判断が違ってきます。

▲乾初九 潜竜なり。用うるなかれ。
△竜でも、地中に潜っていては、竜としての働きはしない。
何かをやって吉に初九を得たら、今やるタイミングではない。

▲乾九二 見竜田にあり。大人を見るに利あり。
△やっと存在が知られた程度。まだ十分な働きはできないが、
コツコツとやっていれば将来に希望が持てます。
能力のある人について行きましょう。

▲乾九三 君子終日乾々、夕べまでテキ若たり。危うけれども咎なし。
△1日中気が抜けません。約束の時間、行き先など、前日に必ず確認を。

▲乾九四 或いは躍りて淵にあり。咎なし。
△迷いが出るが、迷いながらやるのはいい。

▲乾九五 飛竜天にあり、大人を見るに利あり。
△今が一番いいとき。これ以上の発展はないから次の手を用意するといい。

▲乾上九 亢竜なり。悔いあり。
△やり過ぎて失敗しやすい。日筮なら翌日疲れが出る。

  坤為地(こんいち)

●坤は元いに亨る、牝馬の貞に利あり。君子往くところあり。先んずれば迷
い、後るれば主を得て、利あり。西南に朋を得、東北に朋を喪う。貞に安ん
ずれば吉なり。

坤の持ち味は、自分から積極的に動くのではなく、あくまでも相手(人や条
件)従って動くということ。そうすれば、失敗がない。<西南>は、簡単な
やり方、分かっていることなどを指し、<東北>は、むつかしいやり方、未
知のことなどを指す。分かっていること、易しいやり方をすれば失敗がない
の意。

▲坤初六 霜を履んで堅氷至る。
△これくらいと思ったことが、後で取り返しのつかないことに発展してしま
うので、何事も甘くみない。病気など自覚症状があったら受診するのがいい。

▲坤六二 直方大なり。習わざれども利あらざるなし。
△もともといい性質・能力を持っているので、何をやっても失敗がない。

▲坤六三 章を含む、貞にすべし。或いは王事に従う。成すことなくして終
ることあり。
△才能をひけらかさないようにして、言われたことだけやっていればよい。

▲坤六四 嚢を括る。咎もなく、誉もなし。
△余計なことを言わないようにすれば、いいこともないが、悪いこともない。

▲坤六五 黄裳、元吉なり。
△飾らなくていい、地味なやり方で十分。

▲坤上六 竜野に戦う、その血玄黄なり。
△自分を主張し過ぎるとよくない。

  水雷屯(すいらいちゅん)

●屯は、元いに亨る、貞しきに利あり。用て往くところあるなかれ。侯を建
つるに利あり。

○屯を得たら、希望は通る。ただし、すぐではなく、時間がかかる。なぜな
ら、屯は乾と坤が初めて交わって生まれた子どものようなもので、すぐ何か
やろうとしても無理だから。少しづつやっていくうちに何とかなっていく。
人に相談しながらやるしかない。


▲初九 磐桓す。貞に居るに利あり。侯を建つるに利あり。
△今は進みにくい。無理をしないのがいい。リーダーを立てよう。
判断は、時間をかける。志を変えない。

▲六二 屯如たり。テン如たり。乘馬班如たり。冦するにあらず、婚媾せん
とす。女子貞にして字せず。十年にして乃ち字す。
△むつかしくて行きつ戻りつする。四頭立ての馬車の馬がてんでの方向に進
もうとするので、前に進まない。妨害するように思える人も意地悪をしよう
というのではなく、自分と結婚したがっているものだから、困る。しかし、
六二の本来の相手は九五だから、初九になびくことなく、十年も待っていれ
ば、そのうちに波乱も治まり、本来の相手と結婚できるだろう。
判断は、安直なことに飛びつくと、後がよくない。本来の目的を見失わない
ように。

▲六三 鹿に即くに虞なし。ただ林中に入る。君子ほとんど舎つるに如かず。
往けば吝。
△案内人なく、鹿を追って林中に入る。鹿を捨てておいたほうがよいだろう。
無理に進めば困難に陥る。
判断は、分からないことに決して手を出さない。案内人なく、森に迷い込ん
だら間違いなく死ぬでしょう。六三は怖いです。

▲六四 乗馬班如たり。婚媾を求む。往けば吉、利あらざるなし。
△六四の本来の相手は初九だが、すぐ上に九五の陽がいるので、迷う。それ
を乗馬班如たりという。本来の相手である初九を求めていけば吉。
判断は、自分より下に向かって結婚相手を求めれば吉。受験なら今考えてい
る志望校より下を狙う。

▲九五 その膏(あぶら)を屯す。小貞は吉。大貞は凶。
△九五は君位にあるから膏(恩沢)を所有しているのに、下の者にそれを施
すことをしない。小さいことなら何とかなるが、大きいことはしてはならな
い。この九五は、割と使えます。屯の中で、当座のことなら、一番安定して
います。時間がかかることを占ったら、初九や六二も悪くないです。

▲上六 乗馬班如たり、泣血連如たり。
△四頭立ての馬がバラバラの方向に進むように、前に進めない。憂え懼れて
血の涙がとめどなく流れる。
判断は、こんな状態では何もできない。諦めるしかない。

  山水蒙(さんすいもう)

●蒙は、亨る。我童蒙を求むるにあらず。童蒙来りて我に求む。初筮は告ぐ。
再三すればけがる。けがるれば告げず。貞しきに利あり。

○蒙を得たら、希望は通る。知識のない者が来て、教えてくださいという。
人に教えるやり方は、自分から教えに行くのではない。
最初に占ったことで易の神様は答えを与えている。同じことを何度も占って
はいけない。そういうことを繰り返していると、正しい解答を与えてくれな
くなる。

▲初六 蒙を発く。用て人を刑し、用て桎梏を説くに利あり。以て往けば吝。
△人を啓蒙する方法は、最初に厳しくやる、相手が理解したら、厳しいやり
は止める。いつまでもそれを続けていれば反抗されてしまう。

▲九二 蒙を包ぬ、吉なり。婦(つま)を納(い)るるに、吉なり。子、家
を克(よ)くす。
△蒙昧な者を啓蒙することができる。妻を迎えるのはいい。子が家を取り仕
切るのはいい。

▲六三 女を取(めと)るに用うるなかれ。金夫を見て、身を有(たも)た
ず。利するところなし。
△財産目当ての女なので、娶ってはいけない。

▲六四 蒙に苦しむ。吝なり。
△見通しが立たないので、手を出さない。

▲六五 童蒙、吉なり。
△分からないなりに、九二に当たる専門家に聞きながらやっていけば何とか
なる。

▲上九 蒙を撃つ。冦をなすに利あらず。冦を禦ぐに利あり。
△訳の分からない人を攻撃するにしても、やり方があまりに強い態度はよく
ない。攻撃より防御する程度にするのがよい。

  水天需(すいてんじゅ)

●需は孚あれば、光いに享る、貞なれば吉なり。大川を渉るに利あり。

○需は目標があれば、希望は叶う。待って準備をしてから取り掛かるのがよ
い。そういうやり方なら、思いきったことをやってもよい。
 占って需卦を得たら、とにかく待つ。すぐにはやらない、できない。各爻
は、その待ち方についていいます。
 また、需は飲食の意味があるので、病気の方針に得たら、食養生がいい。
食べ物占(=このレストランに入って吉占)なら多分美味しいでしょう。

▲初九 郊に需つ。恒を用うるに利あり。咎なし。
△外卦 険の危険な場所から初九は最も遠いところに居るので、悠然と待
つことができる。

▲九二 沙(すな)に需つ。少しく言(ものい)うことあり、終に吉なり。
△初九より少し 険に近くなったので、少しは文句を言われるようなこと
もあるかもしれないが、それでも待っていれば結果的に失敗はない。

▲九三 泥に需つ。寇の至るを致す。
△九三は、 険に最も近いところに居る。それは自分が盲進することでそ
のような立場になった。ここからはそれ以上絶対進んではいけない。

▲六四 血に需つ。穴より出ず。
△六四は、 険の危険な状態にすでに落ちこんでしまった状態。こうなっ
てはジタバタせずに、じっとしているしかない。そうすればそのうちに、危
険な状態から抜け出すことができる。

▲九五 酒食に需つ。貞なれば吉。
△飲食いしながら、悠然とチャンスを待ちましょう。自分から何かしなくて
も、チャンスは向こうからやってきます。

▲上六 穴に入る。速(まね)かざるの客三人あって来る。これを敬(つつ
し)むときは終に吉なり。
△相手が何か言ってきてから、誠意を持ってそれに対処するのがいい。

  天水訟(てんすいしょう)

●訟は孚ありて塞がる。おそれて中すれば吉。終えんとすれば凶。大人を見
るに利あり。大川を渉るに利あらず。
○訟は、こちらに理があってもそれが受け入れられない。中庸を得たやり方
をすればいいが、どこまでも自分を通そうとすれば結果がよくない。訴訟は
公平な第三者に裁いてもらうのがいい。無理してやってもいいことはない。
 占って訟卦を得たら、自分の主張は通らないと覚悟し、争うのをやめる。

▲初六 事とするところを永くせず。小しく言うことあれども、終に吉なり。
△争いがあるときは、争いを長引かせないように。自分の言いたいことをサ
ラッと言うだけ言ったら、そこで止める。そうすると、意外と結果がいいで
す。

▲九二 訟に克たず、帰りて逋る。その邑人三百戸にして、わざわいなし。
△争いには勝てないが、おとなしくしていれば災いはない。

▲六三 旧徳に食む。貞なればあやうけれども終に吉なり。或いは王事に従
えば成すなし。
△先祖の遺産で食べていく=今までのやり方を変えなければ問題はない。

▲九四 訟に克たず。復って命に尽即き、渝りて貞に安んずれば、吉なり。
△争いには勝てないので、気持ちを変えておとなしくしていれば問題ない。

▲九五 訴え元吉なり。
△訴訟においては、自分の言い分が聞き入れられ、公平に裁いてもらえる。
しかし、それ以外のことに関しては自分の希望は通りません。

▲上九 或いはこれにハン帶を錫う。終朝に三たびこれをうばわん。
△強引なやり方で訴訟に勝つこともあるが、そうして得たものは、最後には
失うことになる。