| 海外事情 - 視覚障害児(者)のための絵本 - | ||
| (調査/てんやく絵本ふれあい文庫) | ||
| アメリカ カナダ オーストラリア 英国 ベルギー フランス イタリア ドイツ フィンランド スウェーデン ノルウェイ 韓国 |
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| アメリカ
アメリカにおける点字絵本の主な出版社は National Braille Press, American
Printing House for the Blind と Seedling の3社で、Library of Congress,
National Library Service for the Blind and Physically Handicapped を中心に公共図書館などがこれを購入して利用者に貸し出すサービスを行っている。 1.National Braille Press (ボストン)
1927年に創設、従業員30名の非営利団体。原本は全て出版社から寄贈してもらっており、これを点字絵本に作り変えている。毎月新しいタイトルを450部製作して原本と同価格で販売しているが、この価格では生産コストをカバー出来ないため不足分を公的助成金や募金で補っている。視覚障害を持つ幼児と就学前から小学低学年にかけての児童を対象に点字への初期教育を目指す。価格帯は15ドルまで。貸出は行っていない。点字絵本の製作方法は活字原本の装丁をバラし、透明なプラスティック・シートに文章をコンピューター点訳したものを挟み込んでリング製本し直すもので、絵の部分に点字で説明を付けるものもある。登録利用者に毎月の新刊図書案内を無料で送付している。 2.American Printing House for the Blind (ケンタッキー州ルイスビル)
点字児童図書の出版社としてはアメリカで最大、1858年に創設。出版本は (1)点字だけのもの
(2)点字と墨字を併記したもの、(3) 拡大文字によるものの3種類がある。絵本について言えば、絵の部分を次の3つの方法で表しており、1997年度に販売中のものは全部で13タイトルである。 3. Seedling(ミシガン州リボリア)
1984年に創設者が自宅で始めたもので、今では大規模の出版社に発展してきている非営利団体である。出版する児童書は点字だけのものと、絵はなくて活字の行間に点字を入れたものが殆どで、1997年度の総合図書カタログでは270タイトルを紹介している。この内、点字絵本は22タイトルあり、透明プラスティック・シートに点字を打ったものを挟み込む形式のものである。1995年における点字絵本製作数は2,500部。販売価格では製作費をカバー出来ず不足分を助成金・一般寄付で補っている。 |
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| カナダ
CNIB(Canadian National Institute for the Blind)は点字図書および録音図書を中心とするカナダ最大の図書館である。また、点字絵本についても、このCNIBがカナダで一番大きい。毎年125タイトルの点字絵本を製作し、全国の視覚障害利用者に貸し出すサービスを行っている。CNIBが独自で製作するものの他に、アメリカの National Braille Press やAmerican Printing House for the Blindなどからも点字絵本を購入している。自館で製作する点字絵本の形式は、以前は透明なプラスティク・シートに点訳したものを原本本文の上に貼る方法を取っていたが、最近は原本をバラして本文を透明シ−トに点訳し、これを原本に挟み込む形式を取るものが多い。 |
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| オーストラリア
視覚障害者のための専用ラジオ放送局が各州に1局あるほどの国であるが、図書についは Braille & Talking Book Library が全国に4館あるが、点字絵本を製作しているところは少ない。Victoria州South Yarra のBraille & Talking Book Library では透明シートに本文を点字で打ったものを原本に貼り付ける方法で年間約10タイトルの絵本を点字化している。 |
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| 英国
英国には視覚に何らかの障害を持つ人は175万人いると言われており、これらの人々のためにRNIB(Royal National Institute for the Blind)が商品とサービスを提供する英国最大の施設である。 1. Clear Vision (ロンドン)
Clear Vision はRNIB、英国盲導犬協会、出版社および「一冊の本のスポンサーになる会」の個人会員などによって支えられているチャリティー団体である。Clear
Vision は自ら点字絵本を製作し、現在約1,000タイトルの蔵書を有しており、学校・公共図書館・障害者家庭など約250の団体や個人に郵送による貸出を行っている。個人貸出の場合、貸出料は年間10ポンド(約1,800円)で貸出数は1回3冊まで、団体貸出の場合は、貸出料年間40ポンド、貸出数1回につき20冊までとしている。本の形態は一般の絵本に本文を点字で表示した透明プラスティック・シートを原本に挟み込むものである。 2. Living Paintings Trust (バークシャー)
この団体は2つのプロジェクトを展開しているトラスト団体である。第1のプロジェクトは、著名な絵画をthermoform(熱可塑性物質)で形を浮き上がらせ、視覚障害者が手で触って美術を鑑賞出来るように工夫した絵のレプリカを製作し、貸出または販売する活動である。第2はFeel
Happy Bookというネーミングで点字絵本を製作して全国の利用者に無料で貸し出すサービスである。絵本の作り方はClear
Visionと同じように透明シートを挟み込む方式であるが、主要な絵の部分の説明を点字で附記したり、絵についての説明をテー録音し本に付けるものもある。ただし、この場合は絵についての説明だけにとどめ、本文は読者に読ませるようにしている。現在(1997年)の蔵書は11タイトルで来年度中にはこれを30タイトルまで増やす予定である。 |
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| ベルギー
ONA(全国盲人事業団)は1922年に設立されたフランス語圏ベルギーにおける最も重要な組織で、点字図書・録音図書の貸出サービスを1976年から開始した。しかし、図書館が特に若い障害者にあまり利用されていないことから、1988年にその原因の調査を行った結果、彼らにとって興味を引く蔵書が少ないことや点訳の間違いなど粗悪な点が多いことが分かったため、SADV(視覚障害者学生支援サービス団体)の協力を得て改善に着手した。この時にthermoform
によるエンボスで絵柄を浮き上がらせたものとか、異なった材質を使ってゲームや料理遊びなどをする「さわる絵本」の製作も開始した。このONAは民間団体であり一般寄付によって運営されている。 |
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| フランス
点字絵本の主な出版社として LDQR(Les Doigts Qui Revent)、Benjamin
Media、Jeune Corps の3社があり、他に中小規模の Imprimerie Braille de la
Varenne、Flammarion、L.O.Four、Librallerie などがある。1993年に、ある教師が点字を学習している視覚障害児の授業に呼ばれて行った時、その学校に盲児のための本が一冊も備えてなかったことに驚いた。しかし、これはフランスに盲児のために作られた本は極めて少かったのでやもう得ないことであったが、彼はこれを期に盲児向け絵本作りを目指し1994年にLDQRを設立した。当社は1998年度に拡大文字・点字付きの絵本を7タイトル、計2,000部製作して販売しており、2001年度のカタログには点字無し・拡大文字・点字付き絵本が17タイトル紹介されている。販売価格は150から350フランまで(1フランは約18
円)。 |
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| イタリア
イタリアでは視覚障害児は普通校へ通っているものが多い。教科書は点字またはテープになっているが、点訳する量が多いこと、および、点訳に特殊な技能が要することなどから、教科書の点訳は少量しか出来ず製作も遅れ気味の状態である。 |
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| ドイツ
点字図書館など施設・団体として11団体を紹介されたが当方のフォロー不十分なこともあり、適確な団体とコンタクトが取れていない。今後も Deutsche Blindenstudien Anstalt e.V.などと連絡をはかりたい。 |
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| フィンランド
Finish Library for the Visually Handicapped は1878年に民間団体として設立され、1890年に国営となった。録音図書・点字図書・CDなどを製作し、障害者に貸し出すサービスを行っている。フィンランドで点字絵本を作っているのはここだけで、この点字絵本には次の2種類がある。
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| スウェーデン スウェーデンにおける最初の視覚障害者向けの図書館であるTPB(Talboks)(Swedish Library of Talking Books and Braille)はスウェーデン点字協会の主導によって1892年に設立された。TPBは活字を読むことが出来ない活字障害者に文字へのアクセスを可能にするため、全国各地の図書館と協調して活動する国営図書館で、talking book(録音図書)と点字図書の製作・貸出を主たる事業とし、他に録音図書や点字についてのアドバイス・情報も提供している。
(talking book)
(braille)
(点字絵本) |
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| ノルウェイ
視覚障害児のための図書についてはIBBYが出版している Outstanding Books for Young People with Disabilities 1991、1997、1999、2001年度版を見れば全世界の状況が分かると思う。ノルウェイの図書についてもこの冊子に紹介されている。これで紹介されているノルウェイの本は通常の出版社で製作されており、健常児向け通常本と同価格で販売されている。障害児向け特殊本との価格差は国によって補償されることになっているからである。また、健常児向け通常本についても同国ではノルウェイで著作・出版された品位の高い本を選定して各タイトル1,500 部を国が出版社から購入して、これを各地の公共図書館に無料給付するというユニークなサービスも提供している。 |
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| 韓国
登録している視覚障害者数は同国の保健福祉部障害者制度課資料によると3万人とのとであるが、実数はこれより遙かに多いものとみられている。1997年度の出版年鑑によれば児童図書の年間出版部数は4,135タイトルであるが、この内絵本がどれだけ分からない。「しかけ絵本」はアニメものを中心にかなり出版されているが、「さわる絵本」や「布絵本」はあまり見かけないという。翻訳児童書は1997年に626タイトル出でおり増加の傾向が続いている。特記事項としては昨年夏に『ペカンの木のぼったよ』(文:青木道代
絵:浜田桂子)(福音館書店出版)がHollym社から版権出版されたことである。これは韓国で出版された最初の樹脂インキによる出版印刷本で、8,000ウオン(約800円)で販売されているが採算的に非常に苦しいと聞いている。 |
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