<元の病室へ>
一般病室に移っても2日ほどは熱が出た。多分39度近くだったのではないだろうか。まあ、外科手術をしたのだから当然のことだろうと、それほど気にはならなかった。
それよりも、鬱陶しかったのは体についている各種の管であった。尿管を取ってもらえたのは術後4日目の月曜日。取る前に「訓練」ということで尿管の栓を閉めて、尿意を催したらそこを開けてもらう、ということをした。自分の意思で尿を出すという訓練なのだろうか?未だに趣旨はよく分からない。尿管を入れられたのは麻酔で眠っている間だったが、取られるときは当然起きているときで(夜寝ている間にいきなり抜かれたりはしない)、もしかしてとても痛いのではないかと緊張したが、特にそんなこともなく助かった(別に気持ちの良いものではなかったが)。
で、早速歩いてトイレに行ってみた。久しぶりに「立った」わけだが、それほどよろよろするわけではなく、もちろんスタスタ歩けたりはしないのだが、少し安心した。が、トイレまで往復すると、それだけで結構ぐったりしてしまう。点滴と胆汁の入れ物と背中の麻酔という三種の管に気を遣いながらというのもややこしい。
しかし、歩けるというのはありがたいことだ。これを機に翌日、元の「元気な人の部屋」への復帰を申し出て受理される。術前の同室者3人のうち2人は既に退院し、一番元気な人が残っていた。が、彼は外泊とかで2晩は4人部屋独り占め状態であった。ここの部屋ではベッドごとに直通電話が使えたので非常に便利であった。
<点滴>
背中の麻酔の管は確か尿管をとってしばらくで取れたと記憶している。幸いその後は特に痛むこともなく推移した。点滴は最初のうちは朝から晩まで何か入れていたが、そのうちに午前と午後の抗生剤(各1時間くらい)だけとなった。しかし、点滴の針は入れっぱなしで原則として3日に一度ほど差し直しをする。採血もそうだが、針を刺す看護婦さんとは歴然とした相性がある。うまくいかない場合は刺されてから血管を針先でホジホジ探すことになる。この場合はちょっと痛い。結局見つからず腕をかえて再度、ということもあった。そして、時間をかけて血管を見つけた場合ほど点滴の落ちが悪かったり漏れが起きたりする。逆に刺された痛みも感じないくらいすっと針が入る場合もある。で、うまくいく看護婦さんとはいつもうまくいく。逆も真。多少落ちが悪くても相性の悪い看護婦さんには決してそれを告げない、という知恵がついたりした。
<Tチューブ抜去に向けて>
術後、10日ほど後には、Tチューブと並行して体内に入れてあるインフォメーションのためのドレーン(管)をプラスチック製のチューブからゴム製(?)のものに入れ替えた。このときは抜ける感覚というのはほとんどなかったが、翌日これを細いものに入れ替えたときには、体内の臓物がぬるっと引っ張られるような気持ちの悪い感覚があった。いずれにしても、この辺りには微熱が出た。となると、Tチューブを抜いても熱が出るのだろうか。
それよりも、Tチューブと言うくらいだから先端がT字型になっているのだろうが、それが引っ張るだけで抜けるというのがどうにも納得がいかない。せっかく形成された?総胆管の壁を再び破ることになるのではあるまいか。。。医師は「人間の体というのは良くできたもので、3日もすれば自然に肉が盛り上がってきてふさがります。」というが、それは総胆管から体外に至るTチューブの入っているルートの話ではあっても、「T字型問題」への回答にはなっていないような気がするのだが。。。。
思ったのだが、外科の医師は「現場」感覚が強いようだ。ゴム製のチューブが体内に吸い込まれないよう止めるのは安全ピンだったりするところ(笑)にそれを感じた。また、理屈はともかくそれでうまくいってきているから良いだろう、というのが根底にあるような気がする。いや、良いとか悪いとかの問題ではなくて。
既に外出はOKとなっており、通りを挟んで病院の向かい側にあるコンビニにはお茶と雑誌を買いに2日に一度は通っていた。残念ながらお盆の頃は週刊誌も1週間実質お休みなので、なかなか新しいものがなかったが。そのときにはTチューブ〜胆汁入れには気をつけるようにくれぐれも言われていた。どうも、強く引っ張られたりすると本当に抜けてしまうもののようなのだ。
などとよしなし事を考える間に、点滴の抗生剤も経口薬となり点滴の針も取れて、Tチューブを抜く日が近づいてきた。このTチューブが胆管から抜ければ、まあ、数日で退院だろうと言われていたので、あと入院生活もカウントダウンという感じになってきた。
Tチューブが入っている間は胆汁はこれを通して体外の胆汁入れに流れている。Tチューブを抜いた後は、当然胆汁は総胆管から十二指腸へと流れることになるのだが、それが支障なく流れるかを確かめるため、Tチューブを抜く前に胆汁入れへつながるラインを閉めるという「訓練」が行われた。初日は6時間で、これを12時間、24時間と伸ばしていく。
ところが、これを閉めてしまうと結構盛大に胆汁がTチューブの脇から体外へ漏れてきてしまった。「脇漏れですね」ということで、医師にとってみると予定内の事態ではあるようだが、ガーゼを通して腹帯まで汚れてしまった。替えのものは持っていないのでナースセンターから借りるが、Mサイズしかない。。。ところが、Mサイズで入るのである。Mサイズのものを身につけた、というのはもしかして史上初めてかもしれない(笑)。
<Tチューブ抜去の日>
などと喜びつつ、Tチューブ抜去の日を迎えた。来る日も来る日も一杯になった胆汁入れの胆汁を捨ててきてくれた看護婦さんに、胆汁入れと別れるのは寂しいでしょうなどと言われてしまったが、ようやくここまで来たか、という感慨があった。処置のために朝食は抜き。
Tチューブ抜去の前に別の医師に再度「Tチューブはどうして抜けるのか」を訊いた。T字型はつばさ状になっていて、引っ張るとそれが自動的に畳む形になるのだそうである。ようやく納得。これで安心して抜去を迎えられるというものだ。
最終チェックのために、Tチューブから造影剤を入れて総胆管の状態を確認。レントゲン撮影なので地下のレントゲン室である。造影剤を入れるときに圧力をかけるので、総胆管の膨らまされる感じが非常に苦しかった。入院以来二番目に痛い処置であった。三度映され、もうやめてくれぇと叫びたい気持ちであったが、これが退院への最後のハードルだと何とか乗り切る。
が、これでは終わりにならず、「下の方が映らないので十二指腸からの内視鏡利用の造影をしますので一度病室に戻って」とのこと。内視鏡を飲むのは気持ちが良いものではないが、退院のためには仕方がないと、軽い気持ちで再びレントゲン室へ。撮影はそれほど苦痛もなく終わったが、病室へ戻る途中、医師たちが新たに撮った写真を見てあれこれ言っている様子は結構真剣である。
で、病室で待つ私に告げられたのは、総胆管内に胆石がある、という事実だった。術前の造影では発見されなかったものが、確かにあるという。思えば胆汁が漏れてきたのも、この石のせいで十二指腸側への胆汁の流れが良くなかったのではないだろうか。術前、術中になぜこの石が見つからなかったのかという疑問に対しては、見つけるに至らなかった理由を説明してくれたので、仕方ないと納得するも、いずれにしてもこれを取らないことには、退院へは進めないのだ。
これは総胆管内のものなので、内視鏡を飲んで十二指腸側から総胆管へ進めて摘出する、という。再び開腹などということにならないのはありがたいが、この術に長けた他院の医師に応援を頼むとのことで、3日ほどは待たねばならず、退院は8月20日頃の予定が約1週間の延長。
再度の延長というのはなかなかショックが大きいかったが、あがいても仕方がないので、気分を切り替える意味もあって夕食後に一時帰宅し、CDの物色をした上で「ドラムマニア」を少しプレイ。まあ、それでも8月27日のドラクエ7の発売には間に合うことだし。。。