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ラスターデータを、AutoCADへ読み込む方法

AutoCAD用のプラグインの(ラスター/ベクター混在)編集ソフトを使えば、精度のよいラスター編集を行うことができますが、設計作業の中で頻繁にラスターデータを扱うことや、直接ラスターデータを編集することはあまりありません。

一度ラスターデータをCADに取り込んだ後は、CADにて線分・文字などを描いて行きます。また、ラスターデータをベクターデータに変換して扱うことも良いのですが、安価なソフトでは文字等の変換に不満があり(文字も線分に変換されるためとても読めない。また、文字を削除・再描画していたのでは多大な時間が掛かってしまう)これも、高性能なソフトが必要になってきます。

そのようなソフトは大変高価でかなり頻繁に使用しない限り、費用対効果が疑問と思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで、一般的に使われているAdobe Photoshopを使って自分自身が試行錯誤を繰り返した後この方法ならと思えるHowToを紹介します。

ラスターデータ スキャナー等から読み込んだ図形・地図データ。
ファイル形式はPCX、BMP、TIFなどが一般的です。
ベクターデータ 通常CAD上で描かれている線分/円/ポリラインなどのオブジェクト。





1. Adobe Photoshopを起動し、スキャナーからラスターデータを取り込みます。
[ファイル]-[読み込み]-[TWAIN_32対応機器から入力]

Photoshopの設定
出入力 設定
イメージタイプ(スキャナー読込設定) 256階調グレー
出力機器 何でもよいと思いますが、いつもは「レーザー600dpi」としています。
解像度 このときの解像度は、図面サイズやデータ量によって600〜800pixels/inchがベストです。(最低でも400pixels/inchは確保すること)
解像度を大きくすると作業に少し時間がかかりますが、データを取り込む際には高解像度にてスキャンし、後から解像度を落としていく方が仕上がりがきれいです。
この設定は、EPSON TWAIN Proの設定です。これ以外の機器を使用する場合には、この表の設定を参考しにしてください。




2.取り込んだラスターデータの変換
a. メニューバーの[イメージ]-[モード]-[モノクロ2階調]を実行する。



b. [モノクロ2階調]では、「解像度」を設定し、「50%を基準に2階調に分ける」を実行します。

このときの解像度は、400pixels/inchでよいと思います。解像度の数値を大きくするほど、画像データは鮮明になりますが、反対にファイルサイズが大きくなり、CADでの作業速度の低下につながります。

現在のパソコンと周辺機器の性能を考えると400pixels/inchぐらいでは、と思います。



この後、Photoshop上で製図に不要なデータは削除し、余白をできる限り小さくしておくとデータサイズが小さくなります。


c. メニューバーの[ファイル]-[別名で保存]を実行します。


このときのファイル形式はPCX(*.PCX)を選択します。

他の形式のファイルでもよいのですが、今までに使ってみた限りではPCXファイルがファイルの圧縮率がよく(ファイルサイズが小さくなる)データのクオリティも良質です。

(*.bmp *.tifファイルで40〜50Mbyteあったファイルがクオリティをそのままで、7Mbyteまで小さくなったこともあります)




以上で、画像データのスキャナーからの取り込みは終了です。




次にAutoCADへラスターデータを取り込む作業に移ります。
(各コマンドの使い方は、マニュアル等にも詳しく書かれていますので、そちらも合わせて読んでください)

1.イメージ(ラスターデータ)を新規に図面へ取り込みます。
イメージアタッチ
使用するCAD AutoCAD2000 AutoCAD LT98 + CivilaDraw98
コマンド _xattach cvd_imgins
このとき、「基点・幅・高さ・回転」の入力項目がありますが、この時点での詳細な設定は一般には困難ですので、「幅」のみ入力を行ないます。このときの値はおよそで構いません。

たとえば、A0縦版の図面を取り込む場合、用紙の幅は841mmですが、S=1/1000の図面をスキャンした場合には、AutoCAD上では、841mにて製図を行なうことになると思います。このときに入力する数値は「841000」となります。(1単位=1mmの場合)

また、S=1/500の図面をスキャンした場合には、AutoCADでは、420mとなります。この場合には「420000」を入力することになります。

また、縦横比固定のチェックボックスはオンとします。

(このときに幅を設定しなかった場合、初期設定ではAutoCADの現在表示されている画面のサイズに合わせた大きさでアタッチされます。)




2.イメージの位置を合わせる。
イメージアタッチ
使用するCAD AutoCAD2000 AutoCAD LT98 + CivilaDraw98
コマンド _align cvd_align
「1. イメージアタッチ」にて取り込んだイメージオブジェクトは、サイズ(座標軸)が正確ではありません。

そのため、正確にサイズを補正する必要があります。そのためには初めにCAD上でベクターデータ(線分のオブジェクト)を描いておきます。そのベクターデータにイメージオブジェクトをあわせることでサイズを補正します。

このときに基準とするベクターデータは、できる限り大きな範囲が良いです。例えば、「計画事業区域の地区界」などを事前に正確に作成しておき、このオブジェクトにラスターを合わせるようにします。

また、A3版程度の図面であれば、建物や敷地を基準にするのも良いでしょう。これら、基準とするものが無い場合には、自分で100m×100mなどの座標軸を決めておき、その大きさにあわせる事も一つの方法です。

その他、移動(MOVE)/回転(ROTATE)/尺度変更(SCALE)などのコマンドを使ってイメージの位置を補正することもできます。

ただし、イメージそのものの歪み等の補正はできません。そのためにも、はじめにスキャナーからラスターデータを取り込む際には作業を慎重に行いましょう。



3.イメージを最背面に移動する。
使用するCAD AutoCAD2000 AutoCAD LT98 + CivilaDraw98
コマンド _.draworder _.draworder
メニューバー [ツール]-[表示順序]-[最背面へ移動] [ツール]-[表示順序]-[最背面へ移動]
AutoCADでは、図形を描いた順にオブジェクトが上に描かれます。そのため、イメージオブジェクトを取り込む前に描いてあったベクターデータがイメージオブジェクトの下に移動してしまいます。

これでは、線分などのオブジェクトが見えにくくなったり、イメージに透過性(4イメージ透過性を参照)を設定していない場合には表示されなくなります。

そこで、ベクターデータを最背面に移動させます。



4.イメージを透過性にする。
イメージ透過性
使用するCAD AutoCAD2000 AutoCAD LT98 + CivilaDraw98
コマンド _imgtrans Cvd_imgtrans
イメージを透過性にすることによって、イメージの下に隠れている図形を透かして見せることができます。

たとえは、敷地などに塗潰しハッチング[SOLID]をかけた場合、そのSOLIDをイメージの背面に移動させれば、イメージの建物を表示しながら塗りつぶしができます。(一般に図面にマーカーなどで着色したと同様の結果を得られます)


5.イメージフレームをOFFにする。
使用するCAD AutoCAD2000 AutoCAD LT98 + CivilaDraw98
コマンド Imgeframe Imgeframe
イメージの境界を非表示にすると、イメージデータを選択できなくなります。今までに行なってきた様々な設定を誤って変更できないために使用します。再度変更を行なう場合には、イメージフレームをONにします。


以上で終了です。

下の図が完成サンプル一部です。


附則

AutoCADの中には、「イメージ編集」コマンドがあり、このパラメータでラスターデータの「明るさ・コントラスト・フェード」等の調整もできますが、あまり試したことがありません。

私の場合には、これらのパラメータの設定でなく、カラーの番号を変更することにより図面を作成しています。いろいろと試してみましたが、こちらの方がきれいな図面が仕上がるのではと思います。


図面番号設定例
カラー番号 使用例
140 カラープロッターで出力する場合、薄い水色です。図面スケールの1/1000,1/2500など、作図が広範囲に及ぶ場合で、主に計画系の図面(事業計画図、都市計画図など)に使用しています。
170 カラープロッターで出力する場合、濃い青色です。図面スケール1/100〜1/500など、地図の現況をはっきり見せたい場合に使用しています。
252 モノクロプロッターに出力する場合の少し濃いグレーです。マイラー用紙など青焼き用の原図に使います。すこし濃いグレーを使用しないと、青焼きにした図面でラスターデータが見えなくなってしまいます。
253 モノクロプロッターに出力する場合の薄いグレーです。普通用紙などの紙にそのまま出力する際に使います。あまり濃い色で出力した場合、ベクターデータ(線分などのデータ)との区別がつかなくなります。
図面サイズ・着色部分の範囲によっても、それぞれ図面全体の雰囲気が変わりますので、上の表を参考にいろいろと試して見てください。






利用したソフトウェア
図形処理ソフト Adobe Photoshop 5.0
CAD AutoCAD2000あるいはAutoCAD LT98+CivilDraw98
OS Windows98


利用したハードウェア
パソコン NEC PC-98NX PentiumU400MHz
メモリ 160MB
スキャナー EPSON ES-8000(A3版まで) あるいは外部委託

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