『我が家の石井式合併浄化槽・体験記』

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◇そもそもの始まりは...
 1991年に念願のマイホーム。日頃,環境問題を考えているボクとしては少しでも環境を配慮した家作りをしたい。そこで一つには柳川の水環境を汚さないために石井式合併浄化槽を設置すること,二つめは化石燃料(石油・石炭)の消費を減らし,原発をこれ以上作らせないために (^_^;) 太陽熱温水器を取り付けることにしました。

◇石井式合併浄化槽とは?
 生活雑排水(台所・洗濯・風呂)と屎尿排水(トイレ)を同時に処理するのが合併浄化槽と呼ばれるもので,水洗トイレの屎尿だけを処理する単独浄化槽とは違います。
浄化槽上面  第一工業大学の石井勲教授が研究開発したもので,ヤクルトの空容器を利用して微生物の働きを最大限に生かし,処理水質がBOD1ppmと非常にすぐれた性能を持っています。処理水を水洗トイレ・庭の散水・洗車などに再利用できるし,そのまま河川に放流しても浄化に役立ちます。また維持管理が容易で,年1回のブロワーの点検調整と清掃のみで基本的にメンテナンス・フリー。 ばっ気槽
我が家の裏庭に設置した
石井式合併浄化槽
*** ヤクルト容器が見えるばっ気槽

◇公共下水道計画はあるが...
 柳川市は公共下水道建設計画を持っていて,ボクの住んでる地区はたまたまその計画区域内にあった。しかし80年代に試験的な排水管工事をしただけで,その後は市財政の逼迫もあって頓挫したまま。
 市は小型合併浄化槽を設置する家庭に対しては補助金を出しているが,我が家は下水道計画区域のため補助を受けることが出来なかったんですよ。ヒドイ,なんか変だぞっ!>柳川市役所 御中。

◇まずは下調べから...
 柳川市職員の広松伝さんは,柳川市内の堀割の浄化に活躍された方で,石井式合併浄化槽を早くから自宅に設置して「水循環」を実践されていました。89年の水郷水都全国会議(柳川市)の分科会で,広松さん宅の「飲んでみたくなる」浄化槽処理水をこの目で見ていたボクは,広松さんを訪ねて教えを乞いました。それでわかったのは,
 ・既に宮崎県の業者が石井式合併浄化槽を製品化して,販売している
 ・市内にも石井式を設置している家庭が何軒もある(私の町内にも1軒)
ということでした。

◇そして着工...
 石井式では処理水質の安定化のため,他の合併浄化槽と比べて大きめの槽を使用する。我が家は実使用4人で7人槽を設置している。取り付けにきた業者の人が「大きいですね」と言ってました。処理水は水洗トイレに再利用するほか,屋外蛇口を設けて庭の散水や洗車に利用できるようにした。
 環境派を自任するわりにはズボラなボクは,浄化槽の維持管理を市内の業者に委託。これが後々問題のタネとなったのでした。

◇使い心地はいかに...
 当然ですが,トイレの水洗,庭の散水,洗車など問題なく使えています。わずかに着色していますが,浮遊物はほとんど無く,透明です。臭いはありません。
 右の写真は,500ccビーカーに入れた処理水を真上から見たもので,底に敷いたチラシの小さな文字をくっきり読み取ることができます。(我が家の裏を流れる水路[堀割]の水と比べると,処理水の方がより透明であることがはっきりします。)
 数年前までは子供が川ですくって来たメダカや金魚などを処理水で飼っていました。
 副次的な効果とてして,家族で排水に気をつかうようになりました。浄化槽の微生物のことを考えて,合成洗剤はやめて原則として石鹸を使います。塩素系はもちろん漂白剤は一切使いません。

浄化槽放流水の水質(1992年〜1999年)
処理水

◇困ったことは...
 最初の年に台風が近所を通過して停電になりました。循環ポンプのモーターも止まったため,トイレの水洗ができずに往生しました。
 一度は維持管理を委託した業者が消毒用の塩素剤を一度に入れすぎたため,トイレの中が塩素臭くなってしまった。たまらんかった!>○○浄化槽センター 御中。
 もう一つは,業者が汚泥を除去した際に沈殿槽・消毒槽の水まで抜いてしまったこと。トイレの水がでずにあわてました。家は処理水を再利用しているって何度も言ってるのに。プンプン!>○○浄化槽センター 御中。

◇反省だけなら...
 今年6月の水質検査の結果が悪かった(この時はBOD10ppm 例年はBOD2ppm)。たまたま広川町で石井式の自主管理をしている人が来たので話をしたら,すぐに見ていただき,ブロワーの力が落ちていて接触ばっ気槽のエアが出ていないことがわかった。
 日頃の気配りが大切だということを思い知らされた。ズボラはやっぱり駄目だゾ!>自分。

◇終わりに
 ただ,こういうことに気が向くのも「水循環」を曲がりなりにも実践しようとしているからだと思う。処理水の再利用をしていなかったら,「後は野となれ...」で水質が悪かろうが,塩素がどれほど発生しようが全く気付かなかったかもしれない。
 「水の浄化」と「水の循環(再利用)」は両者が共にあって初めて有効な解決へとむかうことができると思います。

ではでは。(^_^)/

[1997年9月28日 広高正昭 記]


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参考文献: 石井勲・山田國廣『下水道革命 − 河川荒廃からの脱出』(新評論)
改訂二版が藤原書店から出ています。こちら

関連リンク: 開発者 石井 勲 氏による『石井式合併浄化槽のページ』
 石井式合併浄化槽の原理について詳しい説明があります。

関連リンク: Be013/610 (y's-f@milyの Be-life..........家族とともに生長する木の家Be-h@us)
埼玉県で石井式合併浄化槽を設置されたかたのBlogです。 "Category" の "Water 水" をクリックするか、「石井式」のキーワードでサイト内検索をすると、設置写真や記事が見られます。
関連リンク: 映画『柳川堀割物語』(監督:高畑勲 制作:宮崎駿)はご覧になりましたか?
関連リンク: 「石井式水循環システム・日中交流協会」のホームページ


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作成日 1997年9月13日
更新日 2005年3月31日