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天の原の星々 春の風 |
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最終更新日時 |
| 乙女座 Virgo | |
乙女座は晩春から初夏にかけて、南の空に見える星座です。黄道12星座の第6座にあたり、全天で2番目に大きい星座として、古くから重要視されていました。 星座を構成する星は、1等星のスピカを除けばあまり目立たない星ばかりだが、白銀の輝きを放つスピカはまさに乙女というのにふさわしい、清純な印象を与えます。 この乙女は大神ゼウスと法の女神テミスの娘である正義の女神アストライア(星空)の姿といわれているが、他にもゼウスの兄弟で冥界の王ハデスの妻ペルセポネーとする説もあります。 星図では、その姿は翼の生えた乙女の姿で描かれ、1等星スピカのある左手に麦の穂を持っている。スピカとはラテン語で「穀物」の意味を表しているので、これは乙女座を豊穣の女神デメテルの娘であるペルセポネーと見るにふさわしいといえるでしょう。 ここでは、ペルセポネーの神話を取り上げていきましょう。 ギリシャ神話〜さらわれた娘 大神ゼウスと豊穣の女神デメテルには、ペルセポネーという娘がいました。 ペルセポネーは草木を愛し、毎日のように草原を駆け回っては美しい花を摘んでいました。 あるとき、いつものように花を摘みに出かけたペルセポネーは、素晴らしく見事な水仙の花が咲いているのを見つけました。ペルセポネーは大喜びで、さっそくその花を摘み取ろうとしました。 ところがペルセポネーが花に手を伸ばした瞬間、大地に巨大な裂け目が現れ、冥王ハデスが黒馬にのって飛び出してきました。ハデスは悲鳴を上げるとペルセポネーを無理やりに黒馬に乗せると、自らの領土である冥界へとさらって行ってしまったのです。 これは、すべてハデスのたくらみでした。ハデスは冥界よりペルセポネーを見始め、妻にしたいと願っていたのです。 また、このことに関しては実はゼウスも一枚つかんでいました。ハデスから相談を持ちかけられたゼウスはペルセポネーをハデスの妻に賛成しましたが、デメテルは間違いなく反対するだろうと思っていました。そこでこのような策を弄し、ペルセポネーをハデスにさらわせたというわけです。見事な水仙の花を咲かせたのはゼウスの力によるものだとされています。 ともあれ、こうして冥界に連れ去られたペルセポネーは、否応もなくハデスの妻とされてしまいました。 ペルセポネーがさらわれたときに発した悲鳴は、デメテルの耳にも届いていました。しかし、大地に飲み込まれたペルセポネーの姿を見つけることはできませんでした。 デメテルは9日の間、食事もとらずに地上を探し回りました。そして10日目の朝、デメテルのもとへ魔術の女神へカテがやってきましたヘカテはデメテルを慰め、事の一部始終を見ていたという太陽神ヘリオスのところへデメテルを連れていきました。 ヘリオスはペルセポネーがさらわれた経緯と、それにゼウスが荷担していることを話しました。デメテルは自分の娘が暗い地の底へとさらわれたことを知り、激しく憤りました。 ヘリオスは、「冥王ハデスなら、貴女にとっても決して恥ずかしい婿殿ではないでしょう。どうか怒りを鎮めていただけませんか」とデメテルを取りなしたが、デメテルの怒り怒りはいっそう激しくなるばかりでした。 デメテルはエレウシスの町の神殿に閉じこもり、誰とも決して口をきかず、笑うこともやめてしまいました。そのため地上のすべての作物は芽吹かず、実をつけなくなってしまいました。当然の結果として地上には大飢饉が訪れました。 困り果てた神々は何度もデメテルのもとへ訪れては納得し、あるいは贈り物で懐柔しようとしましたが、デメテルの怒りはとけませんでした。そして、とうとうゼウスは、ハデスにペルセポネーを帰すように命じたのです。 こうしてペルセポネーはデメテルのもとへ帰ることができたのですが、ハデスはペルセポネーを返す際、見事な石榴の実をひとつペルセポネーに与えました。ペルセポネーはその石榴があまりにもおいしそうであったので、実を4粒だけ食べてしまいました。 しかし、冥界の食べ物を口にした者はいずれ冥界に戻らなければならないという掟がありました。 石榴を4粒食べたペルセポネーは、一年のうち4ヶ月を冥界で暮さなければならなくなり、その間デメテルは再び神殿にこもるようになりました。 こうして地上に草木が枯れ、決して芽吹くことのない「冬」が生まれたのです。 乙女座の見つけ方 乙女座の見つけ方としては、まず1等星のスピカを見つけることからはじめます。南東の空を見て、だいたい40度ぐらい高さに白銀の星が確認できれば、それがスピカです。スピカは、春の星座に分類される星座の中では、数少ない1等星の一つですから、見つけるのも簡単です(近くにある、牛飼座のアルクトゥールスとは間違えないように!…こっちのほうが星の色が赤い)。さて、スピカを見つけると上側に、ものすごく大規模な、星の並びが見えるはずです…(ここらへんは非常に説明しにくいので星図を参考にするように)。これが乙女座です。ちなみに余談ですが、このスピカという星は「春の大三角形」を形成する星の一つでして、残りの星は牛飼座の「アルクトゥールス」と獅子座の尻尾にあたる「デネボラ」という星です。この星は獅子座のところで説明した、獅子座のクエスチョンマークが向いているのと反対方向(西側)にある明るい星を探しましょう。もし、アルクトゥールスとスピカ、この2つと正三角形に見えるようなら、それが「デネボラ」です。 |
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獅子座 Leo |
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獅子座は春のころ、南の空に見られる星座で、黄道十二星座の第5座にあたります。 獅子座の姿は百獣の王といわれるにふさわしく、中天に優雅に寝そべった獅子の姿で描かれる。構成する星も1等星レグルス(「小王」の意。この星の命名者は地動説で有名なコペルニクスです。)をはじめ、明るい星が数多くあります。 また、獅子のちょうど頭の部分の7つの星をつなぐと、レグルスを下の点とした裏向きの?マークのような形になります。この部分を「獅子の大鎌」といい、英語で「The Sickle」といえば獅子座の代名詞となります。日本ではこの部分を指して「樋かけ星」といい、雨樋を支える金具の形に見立てています。 この獅子は、ギリシャ神話の英雄ヘラクレス(ヘルクレス座)が成した十二の功業の一番目、エウリュステウス王の命令で退治したネメアの大獅子といわれています。 下の神話説明では、その顛末について語ってみます。 ギリシャ神話〜大獅子退治 ギリシャ最大の英雄ヘラクレスは、大神ゼウスとミュケーナイの王女アルクメネーの間にできた子だったが、ゼウスの浮気に加えてヘラクレスがひどく優秀な子だったので、ゼウスの妻である女神ヘーラーにひどく憎まれていました。 ヘラクレスは父アンピトリュオーンからは戦車を駆る術を、アウトリュコスからはレスリング、エウリュトスからは弓術を学び、それらをものにしましたが、ただひとつ、音楽の才にだけは恵まれていませんでした。ヘラクレス弾琴を教えたのは、かの有名な詩人オルフェウスの弟といわれているリノスだったのですが、ヘラクレスは琴でリノスを殴って殺してしまいました。 アンピトリュオーンはそのような騒ぎを再び繰り返さぬため、ヘラクレスをキタイロン山中の牧場に送りました。そこでヘラクレスは羊飼いをしながら、すくすくと育ったのです。 やがて成人した彼は、並外れた体躯と力を持つ青年となった。19歳(あるいは17歳ともいわれる)のころには山中に住んで家畜や人を襲っていた獅子を退治し、その皮をはいで頭の部分を兜代わりにかぶっていたといいます。 武勇に優れたヘラクレスは、当時オルコメノス国に隷属していたテーバイ国の民を率いてオルコメノス国と戦い、これを打ち負かしました。この功績によってテーバイの王女メガラが妻に与えられ、ヘラクレスは幸せに暮らしていました。 だがヘラクレスを憎むヘーラーは陰謀をめぐらし、狂気の女神を遣わしてヘラクレスに狂気を取り憑かせ、メガラとその間にできた3人の子をヘラクレス自身の手で殺させてしまったのでありました。 正気に戻ったヘラクレスはその罪を償うため、神託によってテイーリュンスの王エウリュステウスのもとで10の難業を成し遂げねばならなかったのです。 しかし卑劣で臆病者のエウリュステウス王は英雄であるヘラクレスを恐れており、難業にかこつけてヘラクレスを殺してしまおうと考えていました。そこでまず彼に命じたのが、ネメアの森に棲む大獅子を退治せよというものだったのです。 ヘラクレスは命に従い、弓と棍棒を持ってネメアの森へ出かけていきまた。 そこでヘラクレスは大獅子と対峙しました。だがこの獅子はただの獅子ではなく、怪物エキドナとテユフォンの生んだ獅子で、不死身の体を持っていました(一説には、1つの胴体に3つの上半身と下半身をもつ巨人の怪物ゲリュオンの飼っていた猛犬オルトロスの兄弟だったともいわれています)。 ヘラクレスは、はじめ弓を射ましたが、獅子にはまるで堪えませんでした。そこでヘラクレスは棍棒を振るい、獅子を追い立てました。そして、洞窟に閉じ込めるとその中に入って出口をふさぎ、獅子の首を素手で絞め落としました(殺した、ともいわれるが獅子は不死身であることを考えれば、そこまで至らなかったのでしょう)。 ヘラクレスは倒した獅子の皮をはぎ、頭にかぶってエウリュステウスのもとへ持ち帰りました。こうして第1の難業は果たされたのです。 のちにヘラクレスがケンタウロスのネッソスの呪い(猛毒によって体中が爛れてしまう呪い)によって火中に身を投げて死んだとき、この獅子もともに天に昇って獅子座となったのだといいいます。 なお、獅子の皮をかぶったヘラクレスの姿を見たエウリュステウスは本気でヘラクレスを恐れるようになり、それ以降ヘラクレスが町の中へ入ることを許さず、ヘラクレスが戻ってくるという噂を聞くたびに地面に埋めた大きな青銅の瓶に隠れたといいます。 また、この獅子の皮はその後、常にヘラクレスが肩にかけていたため、ヘラクレスのシンボルとなっています。 獅子座の見つけ方 5月頃の南側の夜空(時刻は午後8:00を目安にします。)にクエスチョンマークを裏返しにしたような形で星が並んでいるのが見えたら、それが獅子座です。クエスチョンマークの鎌の部分が獅子の頭。クエスチョンマークの点の部分にあたる明るい星はレグルスという名の1等星で獅子の心臓にあたります。 |
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烏座 Corvus |
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烏座は初夏のころ、乙女座の南西地平線近くに見られる小さな星座です。 「闇夜のカラス」という言葉がありますが、この夜空にまたたく烏座も、どちらかといえば目立たない、地味な星座です。形は4つの3等星がいびつな四辺形を描いており、この星の並びからカラスを連想するのはちょっと難しいです。 イギリスでは、この星座を「スピカのスパンカー」と呼ぶこともあります。スパンカーとは、大型帆船の後部にある縦帆のことで、乙女座の1等星スピカに対してイギリスの船乗りたちが付けた名だといわれています。日本の石川県でも烏座を「帆かけ星」と呼ぶところがあります。カラスよりもむしろこれらのほうが、形としてはふさわしいでしょう。 神話では、カラスはイルカと並んで太陽神アポローンの主要な使いとされていて、もちろんこの星座の神話にもアポローンが大いに関係しています。 ギリシャ神話 〜告げカラス 昔、太陽神アポローンが世界の国々を旅していたときのこと。アポローンはテッサリアの王女コローニスト恋に落ち,夫婦になりました。 アポローンはコローニスに自分の使いである白銀のカラスを与えました。このカラスは人の言葉を話し、天井界と人間界を行き来してはアポローンにコローニスの様子を伝えました。 ある日、カラスがコローニスのもとにやってくると、コローニスはたまたま一人の男性と親しげに話をしていました。カラスは慌ててアポローンのもとへ飛んで帰り、「コローニスが浮気をしていますよ」とアポローンに告げました(道草を食っていて遅くなったため嘘をついたという説もある)。 アポローンは烈火のごとく怒り、一本の矢を放ちました。矢はぐんぐんと飛び、遠く離れたコローニスの胸に突き刺さりました。 瀕死のコローニスは倒れたまま天を仰ぎ、アポローンに「せめて、お腹にいるあなたと私の子の命だけはお助けください」と懇願して、こと切れました。 自分の過ちに気付いたアポローンは激しく後悔しました。そしてコローニスの腹を割いて取り上げた息子をアスクレーピオスと名づけ、ケンタウロス族の賢者ケイローン(いて座)に託しました。この子が後に、アルゴ探検隊などの冒険にも参加した名医アスクレーピオス(蛇遣座)となるのです。 一方、いい加減なことを言ってアポローンを惑わせたカラスは、アポローンの不興を買い、人の言葉を話せないようにされたうえ、体を全身醜い黒に変えられてしまったのです。このときからカラスはガアガアとしか鳴けず、色も黒くなったといいます。 後にこのカラスが天上に昇って星となり、烏座となったのです。 一説には、目の前のコップ座にくちばしが届かないように置かれ、水が飲めないようにされたとも言われています。 烏座の見つけ方 南の空の地平線からちょっと上に目を向けたあたりに、台形型の星座が見えます。えっ二つ見える?もし二つあったならば、星が4つで明るいほうが烏座、星が5つならんでいるほうがコップ座です。 |
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牛飼座 Bootes |
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牛飼座は春から初夏にかけて東の空に見られる、かなり大きな星座です。 星座の形は細長い五角形をしており、その五角形を胴体と見て両手を振り上げ、両足を踏ん張っている巨人の姿が星図には描かれています。 この星座は、かなり古くから知られている星座ですが、この星座の元となった人物が誰であるのかは、はっきりしていません。 牛飼座の名は、北斗七星を牛車に見立て、牛を牽いて歩く牛飼であるとしたことから付いた名です。 なお、学名のBootesは、英語では2番目のoに別々に発音されることを示す分音符がつきます。そのため、学名はブーツでなく、ボオーテスと読みます。 牛飼座の腰にあたる部分には、夜空でもひときわ明るい1等星アルクトゥールスがありますが、このアルクトゥールスとは「熊を追う者」もしくは「熊の番人」の意味であり、大熊座の隣にあることから牛飼座は、熊を追う狩人であるとか、あるいは神話で熊に変化し、大熊座となった侍女カリストーの息子アルカス(小熊座)であるなど、さまざまな説があります。 また、牛飼座のすぐ西にはポーランドの天文学者へヴェリウスが、17世紀に設定した星座・猟犬座がありますが、この2匹の猟犬は牛飼座の連れている猟犬で、ともに熊を追っているのだとされています。 さて、牛飼座は、天頂付近にある星座のため、ギリシャでは牛飼座を天を支える巨人アトラスになぞらえることがあります。ここではその巨人アトラスの神話について紹介します。 ギリシャ神話 〜天を支える巨人 巨人アトラスは、かつて大神ゼウスの率いるオリュンポス神族との戦争で敗れた巨神族の一人で、ゼウスにより永久に天を担いで支えていなくてはならないという辛い役目を負わされていました。 そんなあるとき、勇者ヘラクレスがアトラスのもとへとやってきました。彼はテイーリュンスの王エウリュステウスの命令で、12の功業のひとつ、西の果てに棲むヘスペリデイ―スの園にある金の林檎を取りに行く途中でした。 ヘラクレスは金の林檎を探す旅の途中、岩山に縛りつけられていた賢者プロメーテウスを助けたことがあった。プロメーテウスは礼として、彼に金の林檎を手に入れるのならアトラスに協力を頼むといいと教えてくれたのです。 アトラスは、ヘラクレスの話を聞くと、「それならわしが金の林檎を取ってくる間、わしに代わって天を支えていてくれ」とヘラクレスに言いました。ヘラクレスは了承し、アトラスが戻ってくるまで天を支え続けることになりました。 やがてアトラスは金の林檎を携えて戻ってきましたが、アトラスはこの天を支えつづける仕事に飽き飽きしていたので、ヘラクレスに仕事を押しつけようと考えました。アトラスは「わしが代わりにこの金の林檎を届けておいてやろう」と言ってそのまま立ち去ろうとしました。 ヘラクレスはアトラスのたくらみを見抜きましたが、天を支えたままではアトラスを追いかけることもできません。そこで知恵を働かせて、アトラスに次のように言いました。 「やれやれ、そうしてくれるのはありがたいが、俺は天を担ぐのに慣れていないので肩が痛くてたまらない。どうすれば楽に天を担げるのか、ちょっとやって見せてくれないか?」 単純なアトラスは、いいだろうと言って金の林檎を拾い上げ、そこからさっさと逃げてしまいました。アトラスがヘラクレスにだまされたと気付いても、もはや後の祭だったのです。 後にペルセウス(ペルセウス座)が人を石にしてしまう妖怪メドゥーサを退治した時、天を支える仕事に疲れ果てていたアトラスはペルセウスに頼んでメドゥーサの毒を浴びて、自分を石にしてもらいました。やがてアトラスは星となりましたが、いまでもそのまま天を支え続けているのだといわれています。 牛飼座の見つけ方 烏座から伸びている春の大曲線をたどっていくと、その軌道上に明るい星が2つあるのがわかります。そして、その二つ目の星が1等星のアルクトゥールス。牛飼座の1等星です。そしてそのアルクトゥールスから延びる五角形が牛飼座です。 |
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