H-UAロケットって?

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 みなさんはH-UAというロケットをご存じですか?大体の人がニュースなどで聞いたことがあることと思います。このロケットにはニュースでは「ニッポンの宇宙開発の未来がかかっている」などと言っていましたが、そもそもH-UAとはどの様なロケットなのでしょうか?そしてH-Uとはどこが異なっているのでしょうか?今回はそう言った日本のロケットの疑問についてQ&A方式でお答えしていこうと思います。

Q-1 「H-UA」ってどんなロケット?

Q-2 昔のヤツとどこが違うの?

Q-3 最初の打ち上げでは何を打ち上げたの?

Q-4 これから「H-UA」は何に使うの?



A−1: 
スバリ「H-U」の改良・発展型です

 このH-UAロケットは、1996年から開発が始まったH-Uの改良型ロケットです。「A」という文字には、このロケットが改良型であるという意味が込められていますが、内容は全く新しいロケットであると言っても過言ではありません。日本的に言うと、「H-U改」といったところでしょうか。

 ロケットとしての性能では、他国の一線級のロケットと全く引けを取らない性能を誇っています。ロケットの直径は4m、高さ53m、標準の状態で、高度3万6000kmの静止衛星軌道に2トンの衛星を打ち上げることができます。また、コストも考慮されており、様々なブースターを追加することによって、低コストでいろいろな重量の衛星を打ち上げることができます。安価なため、商業利用なども検討されており、H-UAの正否に日本の宇宙開発の未来がかかっていると言っても過言ではないかもしれません。
ブースターの追加によって様々な衛星に対応できるようにH-UAは設計されています。
@ H-UA標準型 打ち上げ能力 2トン
A H-UA+SSB2基 打ち上げ能力 4.5トン
B H-UA+SSB4基 打ち上げ能力 5トン
C H-UA+LRB1基 打ち上げ能力 7.5トン
D H-UA+LRB2基 打ち上げ能力 9.5トン
* SSB:個体補助ロケット

* LRB:液体ロケットブースター


A−2: 
安くて信頼性アップ

 世の中デフレとなり、起業は経費削減に必死となっています。それは宇宙産業とて同じこと。国をのぞいて、高くて信頼性の低いロケットなどで、打ち上げてくれる会社はありません。
 前に書いたとおり、H-UAロケットは、商業打ち上げ(民間企業が衛星を打ち上げること)を目標としています。前作であるH-Uロケットも、それを目標としていましたが、円高のために非常に割高のロケットとなってしまっていました。

 そこで、H-Uの改良型であるH-UAロケットでは、@打ち上げコストの削減 A信頼性の向上、に主眼をおいて改良が行われました。
 例を述べますと、@では、部品の減少とモジュール化(様々な打ち上げに低コストで対応)や整備・組み立て作業の簡略化、作業時間の短縮などによってH-Uの約半分となる85億円での打ち上げが可能となっています。
 Aでは、後半失敗続きだったH-Uの教訓を生かして、エンジンであるLE−7・LE−5の構造の簡素化や個体ロケットブースターの信頼性の向上などが図られています。

 ロケットとは、精密機械であると同時に過酷な状況にさらされる機械でもあります。H-Uは最先端の技術を結集して作られていましたが、今の機械が昔に比べて壊れやすいのと同様に精密さや性能を重視するあまり、信頼性に重きを置いた設計とはなっていませんでした。そのことが失敗の一因となっていたのです。ロシアが、古い技術の「枯れた」ロケットを今も使っているように、新しく、性能がよいことがすべてではないのです。失敗しては意味がないのですから。
LE−7Aロケットエンジン

今回のH-UA改良の目玉ともいえるエンジン。スペースシャトルにしか採用されていない二段階燃焼など高度な技術を結集して作られている反面、信頼性に欠け失敗の原因となることもあった。LE−7Aでは、こうした面を改善し(ろう付けの減少・配管の取り回しの工夫)信頼性と高出力を両立させた。
LE−5Bロケットエンジン

H-UAでは第2段のエンジンとして使われている。再着火が可能である。今回の改良ではメインエンジンと同じく簡略化と性能向上が図られている。


A−3: 
軌道精度の測定衛星です

 今回のH-UAの打ち上げでは、打ち上げ試験だったため観測用の衛星などは搭載していませんでした。代わりに、H-UAの軌道が計算通りにいっているのかを詳しく調査するために、性能確認用ペイロード(VEP-2)を搭載し、打上げ時のペイロード環境計測を実施するため、衛星とのインタフェース条件となる温度・加速度環境,軌道投入精度を検証しました。実用衛星はこれからです。


A−4: 
重要衛星打ち上げ目白押しです

 H-Uの失敗とH-UAの開発期間の間、日本の国としての衛星の打ち上げはほぼ停止状態となっていました。そのため、ひまわりの画像として天気予報でよく知られた「気象衛星ひまわり」や地球観測衛星「ADEOS−U」、月周回衛星「SELENE」などが打ち上げを待っている状態となっています。
 そのほかにも今まで述べてきた、商業衛星の打ち上げや、現在開発中の国際宇宙ステーションへの物資の運搬など、様々な活躍が期待されています。
ADEOS−USELENEきぼう


 出展

Newton 2001年9月号 「最先端ロケット H−UA打ち上げへ」
NASDA 宇宙開発事業団ホームページ http://www.nasda.go.jp/
ISAS 文部省宇宙科学研究所ホームページ http://www.isas.ac.jp/j/

制作 byるんるん 第45回渦潮祭