冒険、探険、宝物
がさがさと、背の高い草をかきわけたところには、泉があった。ファーリは疲れた顔をぱっと明るくして、後ろをついてきていた仲間たちに早速これを報告する。
「よかったぁ。僕もう疲れちゃった」
金髪の少年は、茂みから飛び出すなり泉の水をすくってごくごくと飲む。その彼の頭を、間髪おかずにくせのある金の髪の少女が叩いた。
「げほっ……ごほっ!?」
「いきなり飲むんじゃないの! お腹を壊すかもしれないでしょ!」
この二人は、双子である。少年をカイラ、少女をデシーアといい、このようなやり取りは日常茶飯事だ。そして、それを止めるのはいつもファーリか、彼女らよりも年下のアヤノの役目だった。今回はアヤノが担当した。
「おやめください。確かにカイラお兄様は軽率な行動をお取りになりましたが、デシーお姉様もいきなり叩くのはどうかと思いますわ」
「……」
「………」
茶色の髪はいつもきちんと櫛の目がとおり、綺麗なリボンで飾られている。琥珀の瞳も凛として美しいが、アヤノはまだ八歳である。二つ上の双子たちは、アヤノに叱られるといたたまれなくなるのか、すぐにおとなしくなる。だからこそ、ファーリも調停をわざとアヤノに任せることも多いのだが。
「はいはい。んじゃ、ここでお弁当にしよう。水筒にまだお茶がたくさん残ってるから、これを飲めば大丈夫だよね、デシー?」
「そうね。でもカイラ、ちゃんと半分は飲み物を残しておくのよ。まだまだ冒険は始まったばっかりなんだから」
「うん」
叱られてしまった照れくささをそんな会話で誤魔化すデシーとカイラは、そのあとすぐに仲良く敷布を広げ出した。
今日は、友人同士である彼らの両親たちから許可をもらって、この森の探険に来たのである。もっとも、親には「ピクニック」と言ってある。初めての探険を、秘密にして子供たちだけで楽しみたかったのだ。
ファーリは四人の中で一番年長で、自然チームのリーダーとなっている。黒い髪で、瞳は左が青で右が黒と、片方ずつ両親の色を受け継いだ。伸ばせばさぞ美しいだろうと思われる髪は、残念なことに彼女の希望でいつも耳朶より長くはなったことがない。
デシーアはデシーの愛称で呼ばれる、愛らしい少女だ。金の髪は波打ち、紫の瞳は勝ち気そうで、十年もすれば美女になるだろうと、誰もが噂する。けれど今日の彼女は、初めての冒険のために光沢のある髪をすべて頭の上の方できっちりと結い上げている。双子の弟のカイラは、真っ直ぐな金の髪と青い目の持ち主だ。顔立ちはやはり似通っているが二卵性双生児ゆえか性格は彼女と対照的に温和で、外を駆け回るよりも本を読む方が好きだが、彼とて今日を指折り数えていたことに変わりはない。
そしてアヤノは、最年少ながら四人の中で一番しっかりしているかもしれない。彼女の母親が、三歳のころから五年間熱心にレディとしての教育を施してきたことが大きいのだろうか。女性の理想とされる淑やかさと子供らしい無邪気さを併せ持つ少女は、年上の三人からとてもかわいがられ、いつも大切に守られている。
「ファーリお姉様」
そのアヤノが、お弁当をもぐもぐと頬張るファーリに声をかけた。アヤノはゆっくりと上品に食べるので、ファーリと比べてかなり残っている。
「まだまだかかるんですの?」
「そりゃそうだよ。だって、ここの森って外から見ても広いじゃない。夕方までかかっちゃうかもしれないよ」
「まあ……。お父様もお母様も、きっと心配しますわね」
「うん。だから、お弁当早く食べちゃって、急いで出発しようよ」
「そうよアヤノ」
やはり行儀よく、しかしアヤノよりも速いペースで食べていたデシーが横から同意した。
「ちゃんと暗くならないうちに帰るって約束で、お父様たちは許してくださったんだから。それに、たくさんお話したいじゃない? だって今日は、初めての冒険なんだから」
「ええ、デシーお姉様」
アヤノは再び昼食に取りかかる。他の三人は前後して食べ終わり、彼女の食事がすむのを待った。小さなアヤノは、どうしてもペースが遅くなってしまう。もっと四人が子供だった時から一緒に育ってきたから、全員それを心得ていて特にせかすようなまねもしなかった。
「さて、みんな準備はいい?」
アヤノがお弁当箱をしまい終わったのを見計らい、ファーリは背中に荷物袋を背負いなおした。デシーとカイラもそれに倣う。
「アヤノ?」
「はいっ」
差し出された二人の姉の手を、アヤノは握り返した。
「子供たち、大丈夫かな?」
手ずから茶を入れてきたレンに、エリューシアは苦笑しつつも礼を言った。
「大丈夫だろ。なにせ、子供らの言う『森』とは、あれだ」
エリューシアは視線だけで『森』を示した。窓から見える木々の群れは、初夏の鮮やかさで輝いている。
「食べ物はリィナが山ほど持たせたし、アンジュレインが万が一に備えてくれている。それに」
彼の薄青の双眸が、悪戯っぽく光る。この従兄はいくつになっても変わらないなと、レンもつられて笑った。
「俺達はみな、子供に身を守る術を教えてきただろう?」
「確かにね」
親の中で最もそう断言できるであろうレンは、照れくさくなって頬をかいた。
ファーリ達は、どんどん森の中を進んでいた。アヤノも一生懸命に足を動かしていたが、この年頃の子供たちは、年が一つ違えば背の高さもずいぶん違ってくる。歩幅の差で、どうしても遅れてしまうのだ。
「大丈夫、アヤノ? 疲れてない?」
「……平気ですわ、お兄様」
すぐ前を歩くカイラは、幾度も彼女に問い掛けてきた。歩くのが遅いとなじられた方が彼女にはまだ気楽だった。三人の兄姉はみな優しくて、かえって心苦しかった。
(わたくしのせいで、お兄様お姉様が怒られることになったら……)
幼くとも、三人を好きだという気持ちは確かなもの。大好きな人達に、自分のせいで迷惑がかかるのは嫌だ。だから少女は、くっと唇を引き結んで可能な限り速く歩こうとするのだった。
「あっ!」
先頭のファーリが短く叫んだ。動く自分の足だけを見つめていたアヤノは、反射的に顔をあげて唖然とした。
とてつもなく大きなものが彼女達のゆく手にそびえ立っていた。逆光のため輪郭ははっきりしない。そして、そのせいでそれが余計に恐ろしく思えた。
「……だ、大丈夫だからね、カイラ、アヤノ。こここここんな建物、ただ古いだけなんだから」
デシーの声が震えているのは、錯覚ではないだろう。デシーお姉様も恐いんだ、と、アヤノは急に心細くなった。
暗い建物の中には、母から聞いた悪い妖精がいるかもしれない。リィナおばさまが話していた「おばけ」がいるかもしれない。それらは小さな子供を攫っていって、自分の家で一生働かせたり、食べてしまうという。
「大丈夫!」
一人だけ元気なのは、ファーリだ。
「あたしたち、お父さんやお母さんからちゃんと『魔法』を教えてもらってるもん。何が出てきたってやっつけられるよ!」
「……そうだね」
黒一点のカイラもうなずき、まだわずかに足の震えているデシーと、声を出すことすらできないアヤノを張りきる二人が引っ張るようにして、謎の建物の探険が開始された。
子供たちが『冒険』に出かけて、かなり時間が経っていた。甲高い笑い声も泣き声もしないのがとても久しぶりなせいか、リィナは何となく落ちつかなかった。
「ああ……デシーアもカイラも、怪我などしていないかしら」
リィナの向かいに座る女性は、朝から何度も何度もこれを繰り返し呟いている。そのたびにリィナは、
「大丈夫ですよ。両殿下とも、希な素質をお持ちですもの。ご幼少ながらデシーア様は詠唱魔術、カイラ様は召喚術を立派に駆使なさいますから、たいていのことは切り抜けられますよ」
「たいていでは困りますわ。まったく、陛下は子供たちに甘すぎるのです」
この女性はマリンシア皇国の皇妃であり、現皇帝エリューシア・バークレイン・マリンシアとは稀有なことに恋愛感情で結ばれているが、価値観の違いがないわけではない。特に、育児に関しては食い違うことの方が多かった。
「あの子達は、将来国を導く立場にあるのですよ。軽はずみなことをして、取り返しのつかないことになったらどうするおつもりなのでしょう」
「……ですが、気を遣いすぎてお子達を閉じ込めておくのも、決してよいとは思いません」
「それは、私も同感ですが、でも――」
そして、意見が衝突した夫妻の相談役になり、仲裁をするのはすでにリィナとその夫アンジュレイン、エリューシアの従弟であるレン――レナード・ルアン・ザークレイデス公爵の仕事のひとつになっていた。互いによい友人でもある彼らだからこそ、忌憚のない言葉もかけられるのだ。
「テレシアン様、だいたい、今日子供達がいるのはあそこですよ?」
リィナは窓の外、こんもり――というかぽてっとひとまとまりになった木々を指差した。マリンシアの宮殿は、造園技術の粋を尽くして造られた中庭が、大陸中で有名である。土地面積も広く、背の高い木が集まっている場所もそこここにある。四人の子供が勇んで足を踏み入れていったのもそのひとつで、かねてから緑のヴェールの向こうに何があるのかと、子供の好奇心を刺激していたのだった。もちろん、大人達はその答えをもっと以前に知っていた。
「今は使われていない離宮ですが、特に腐敗が進んでいるとか、危険な要素がないことは前日に私たちが調べています。噴水跡はまだ水が沸いておりましたが、深さはありませんでしたよ。だからテレシアン様、どうぞそのようにご心配なさらないでください」
「……そうですね」
やっと、皇妃に笑顔が戻った。彼女は三十五歳になるはずだが、金の髪は艶を失っておらず、紫の瞳も少女のようだ。リィナは彼女の前に出るたび、ちょっとした劣等感を覚えずにはいられない。リィナの容姿はいたって平均的で、親子で並んでも一人だけ見劣りすると彼女は思っている。
「では、わたしはこれで失礼しますね。研究を続けますから」
「ごきげんよう、リィナ。あまり無理はなさらないでね」
テレシアンの気性がおっとりしていなくて、今よりもっと手のかかる愚痴を漏らしたりしていたら、彼女達の間に友情が芽生えるどころか、主従の間の忠誠すらなかったろうというのはリィナの弁であるが、友人たちの誰もがそれに納得した。
つまりそれほどまでにリィナのコンプレックスは根が深いのだが、それをすべてどうでもいいことにしてしまう要因ももちろん存在するのだ。
「リィナ」
魔道研究所に戻ると、彼女の執務室のソファーで夫が待っていた。
「アンジュ……どうしたの? やっぱり子供達が心配?」
「それはそうさ。現にこうして、<目>を飛ばしているし」
神官長のアンジュは、表向き神聖魔術しか使えないことになっているが、魔道士の僕である『使い魔』の魔道はリィナの指導により完璧に扱えるのだった。それで子供たちの様子をずっと密かにうかがっていたらしい。
「ばれたら怒られるよ?」
「事故があって、それに気づかないよりもましだよ」
「確かに」
リィナはアンジュと顔を見合わせて笑い、自分も彼の隣に腰かけた。
「どうしたの?」
見た目よりも固くてしっかりした夫の肩に頭を乗せると、穏やかな問いが耳をなでた。
「別に……。何か理由がなきゃ、甘えちゃだめっていうこともないでしょ」
「そうだね。それに、私としてはどんどん甘えてほしいくらいだ」
いつものことながら、とんでもないことをさらりと言うアンジュの足を軽く叩いて、リィナは目を閉じた。
アンジュの髪は夜のようで、瞳はスターサファイアを思わせる。彼は夢のように綺麗で、彼女にはそれがとても嬉しい。けれどもしもアンジュが別な顔を持って生まれてきたとしても、彼が自分を愛しているという事実があればとても幸せなのだ。
「おーい! 聞こえるー? 怪我はーっ!?」
最近ファーリから移ったらしいややぞんざいな言葉で、デシーが穴の奥に呼びかけている。穴はただ真っ黒で、下の様子がまったく窺い知れない。
「平気だよーっ! どっちも大丈夫ー!」
カイラの声が返ってきた。少しだけほっとして、アヤノはデシーを振り向いた。
「デシーお姉様?」
驚いたアヤノは、つい感情を声に出してしまう。舌の二人が不安になったのか色々呼びかけてくるが、どちらも答えを返さない。返せなかった。
「どうしよう……アヤノ……」
デシーは、暗闇でもそうとわかるほどに泣いていた。頼りなげに言葉が震え、嗚咽がそこに混ざっている。
(デシーお姉様が、泣くなんて……)
アヤノの知るデシーは、いつも気丈だった。物事を引っ張っていくのはファーリだが、そのためにみなをまとめるのがデシーだった。カイラが細々としたことを決めて、アヤノはそんな兄姉についていくのだった。そんな年上の三人の姿がアヤノは好きで、ついていけるようにがんばっていた。足を引っ張らないように懸命だった。
それが今、崩れている。ファーリもデシーもカイラも、いつもの役割を遂行できないでいる。
アヤノは考えた。何ができるか、必死になって頭を働かせた。ファーリとカイラを助けたくて、デシーにいつもの強気を取り戻して欲しくて。
「お父さんたちを呼んできて!」
ファーリが叫んだ。はっとして、デシーが身じろぎした。涙を拭いたのかもしれない。
「そうね。お父様たちなら何とかしてくれるわね。じゃあアヤノ、行ってきてくれる?」
ようやく具体的な解決策が見つかったのに、アヤノがしたのは黙って首を横に振ることだけだった。それではだめだと、心のどこかで誰かが言った。
「アヤノ!?」
「わたくしではだめです、お姉様。だって……」
深呼吸をして、アヤノは言葉を継いだ。デシーが怒っているのがわかって、恐くもなっていた。でも、伝えたいのだ。
「だって、わたくしはここまでお父様たちを連れてこられるかどうかわかりません。ここがどこか、口でだって言えません。だからお姉様が行ってください」
デシーの醸し出す雰囲気が、わずかに和らいだ。
これがアヤノの出した結論だった。小さな彼女にできることは、自分にも確実にできることを探すことだった。
「……わかったわ。でも、こんな暗いところで大丈夫?」
「はい。ファーリお姉様とカイラお兄様がいますから」
アヤノがうなずいたとき、穴の中から何かが飛び出した。
「何!?」
一瞬度肝を抜かれたが、その物体がカイラの召喚した一角ウサギだとわかって、少女たちは安堵した。一角ウサギは、普通のウサギよりも身体が大きく、子供なら背中に乗せることができる。
「類希な才能」とリィナに太鼓判を押されたとはいえ、それは勉強のときの、しかも「九歳の子供にしては」という意味だ。実践ではこの程度である。
「これに乗っていって! 僕達待ってるから!」
「カイラ! 召ぶんだったら別なものにしなさいよ! それに引き上げてもらった方が早いじゃない!」
「駄目だよ! もっと大きいのは召喚に時間がかかりすぎるもの! お父様達に来てもらう方が早いんだよ!」
上と下で、双子はそんなことを言い争っていたが、デシーはその間にも一角ウサギにまたがっていた。
「じゃあ、急いで行ってくるからね。すぐに戻るからね!」
光射す方向に、ウサギと少女の影が去っていってしまうと、それまで追いやられていた静寂が帰ってきた。闇の中でのそれは、あるだけで恐怖となる。
もちろん恐かったが、アヤノは歯を食いしばって耐えていた。自分の足の下にいる二人はもっと恐ろしくもっと不安なのだと、何度も何度も言い聞かせた。こういう場合、二人に絶えず話しかける方がいいのだが、経験のないアヤノはひたすら沈黙を守ることに決めていた。
(恐くない。恐くない。恐くない!)
めきりという音が、その場を覆っていた静寂に切れ目を入れたのは、アヤノが拳をきつく握り締めたその瞬間だった。
角のあるウサギに背負われて必死の形相で執務室にかけこんできた娘を、エリューシアはしっかり抱きとめた。事の次第は、すでにアンジュから聞いていた。部屋の中には、リィナ、アンジュ、レンが集まっている。
「もう大丈夫だからな、デシー。お母様と一緒に待っているんだぞ」
「いや! カイラとファーリを助けに行く!」
「デシー、頼むからお母様についていてくれ。とても心配しているから」
娘を説得するエリューシアの横で、リィナはひどく悔やんでいた。
「柵なんか作ったら、子供はかえって乗り越えたがるんだってこと、忘れてたわ。わたしの責任だわ……!」
「リィナ、もういいから」
アンジュが妻の肩を抱きしめて、慰める。この状況で唯一動けるのはレンだけなので、彼は必要と思われる道具をてきぱきと揃えていた。彼とて、娘のアヤノが心配でないわけはないが、娘の『特技』は彼が最も熟知しているため、信頼してもいた。
(小さいけど、立派な僕の一人娘だから)
信頼するだけで補えない部分があれば、親が助けてやればいい。少なくとも、もっと成長するまでは。
現場に救助隊が到着したとき、(レン以外は)予想もしなかったものが転がっていた。
「………」
「…………」
「………」
「お父様!」
呆気に取られる大人三人を尻目に、ほどけかけたリボンをひらひらさせて小さな影がレンに飛びついていった。レンは別に驚きもせず、影をしっかり抱きしめた。
「よくがんばったね。偉かったよアヤノ」
「お父様、早くファーリお姉様とカイラお兄様を!」
「うん、わかってるよ」
レンは荷物の中から丈夫な綱を取りだし、エリューシアを振り返った。
「ほら、ぼーっとしてないで手伝って。子供達を引き上げるんだよ」
「……それはわかってるが、これは?」
エリューシアが指差したのは、持参のカンテラの明かりで照らされた細い木材だった。穴の脇に似たようなものが数本立てかけられているので、そこから倒れたのだと思われるそれは、真中あたりから真っ二つになっている。これほど見事な割られ方をエリューシアは何度か見てきていた。
「あ、多分アヤノがやったんだと思うよ。そうだよね?」
「は、はい……。急に倒れてきて、わたくしびっくりしてしまって……」
今度こそ、レン以外の大人は絶句した。だが親子はさっさと救助の準備を整えて、再び彼らを促した。
「エリューシア、カイラ様にロープを身体に巻くように言ったから、思いきり引いて」
「リィナおば様、アンジュおじ様、急いでください!」
「あ……ああ……」
「うん、任せて……」
脱力感にも似た気持ちに取りつかれたまま、子供二人の救出は行われた。
「……レンさん、まさかアヤノちゃんに体術を伝授してたとはね」
すべてが終わった夜のこと。リィナは二人分の茶を淹れてアンジュに話しかけた。ファーリは疲れきっていて、部屋で熟睡している。
「男の子が生まれたら、と言ってはいたけれど……」
結局女の子にも教えることにしたらしい。リィナは溜息をついた。まだまだ衝撃は醒めてくれそうもなかった。
「でも、そのおかげでファーリもカイラ様も無事だったんだから、いいじゃないか。アヤノの機転がなかったら、あの材木は穴の下に落ちていたよ」
一口茶を飲んで、アンジュは微笑む。こちらはもう落ちついているようだ。
「アヤノちゃんは、とてもしっかりしてる。そして一生懸命だから、うちのファーリも皇族の御子達もあの子が大切なんだろうね」
リィナも、笑みを返した。何はともあれ、子供達が無事に帰ってきて何よりだった。
ファーリは自分の召集で集まった仲間達に、本日の議題を発表した。
「今日は、もう一度あそこに探険に行くために、作戦を練ろうと思います!」
全員が歓声を上げた。三日前にひどい目にあったにもかかわらず、四人とも懲りてはいなかった。それどころか、かえって気持ちが高揚してしまっていた。
「あんなにひどい仕掛けがあるんだもん、きっと奥には宝物があるんだよ!」
「うんうん!」
「これは見つけ出さないと駄目よね!」
「そうですわ!」
子供の好奇心は、果てしない。
――次の休日の早朝に親達に内緒で探検隊は結成されて、夕方には大目玉を食らうことになったのだが、それでも子供達がめげなかったのは言うまでもない。
6666Hitの緋竜様へのプレゼント
です。そして、サイト始まって以来の
オリジナルのリクエストでもあります。ありがとう
ございます〜(^^)/。もともと、
オリジナルをばりばり書きたいのですよ。
このキャラクターも昔書いていた
小説のキャラたちで、彼らが親になった
設定になっております。
何はともあれ、緋竜様
6666Hitをありがとうございました!
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