◎読む方向
 ホテル・ホツマツアの拡大レプリカを見れば誰でも気づくように、1番上の行の絵文字は、どう見ても、人間や鳥と想像される図柄が頭部と想像される部位を下にして刻まれています。これは、絵文字自体が逆さに刻まれていると認識すべきでしょう。1番下の行の絵文字は、脚部が下で頭部が上に刻まれています。その行のすぐ上の絵文字は、頭部が下で脚部が上です。

 1920年頃まで生きていたロンゴロンゴ修得者の動作を記憶していた島民が、第2次世界大戦後に、ギャラが欲しくて、左下から「いい加減な音声で」読み始め、その行の終わりに来ると、コハウ・ロンゴロンゴを180度回転させて、次の行、つまり下から2行目を読み続けたという報告がなされています。蛇足ですが、この人物が絵文字を読めないことは、2度目に同じ音声で読み上げられなかったことで判明しました。

 田畑を耕す牛の動きと同じで、左から右へ読み、次の行は右から左へ読み進む牛耕文字と呼ばれています。

 少しだけ内容のわかる唯一の例に、月齢カレンダーがあります。また、旧レニングラード大学の学生が、博物館にあった2枚のコハウ・ロンゴロンゴの一部が全く一致することを発見しました。その視点で探すと、サンチアゴ大木片、レニングラード大木片、レニングラード小木片、オールに刻まれたタフア木片の4個の木片にほぼ同じ絵文字が刻まれているのが判明しました。

 原典があり、手彫りのコピーが造られたと推測されます。遠い祖先の酋長や鳥人をとなえるための聖なる歌、あるいはマケマケ神のお告げのようなものではなかったかと推測されます。 絵文字の母体と推測される岩線彫りは、独立して一つの名前と一つの意味を持っていたようです。隣に刻まれたそれとは無関係に存在しました。

 一方、コハウ・ロンゴロンゴには読む方向があったということから考えて、ABと並んでいれば、AB間には何らかの関係があり、物語があったはずです。ところが、絵文字を構成する部分が人体の構成物らしいと想像されても、どの部位を表しているかは断定しにくい程に、簡略化されてます。

 ラパヌイ島に残る多数の岩線彫りと120種類の絵文字との相似関係を調べれば、簡略の過程を往復することができるかもしれません。しかし、サンチアゴ大木片の2,320絵文字が連続した文章だとしても、これを解読するのは、例えば400字詰め原稿用紙6枚の量から日本語の体系を類推するのと同じぐらいに困難な作業でしょう。絵文字の絶対的不足が解読への壁になりそうです。