オールセラミックスヒストリー

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更新日 2009-11-16 | 作成日 2008-04-12

オールセラミックス・ヒストリー

all ceramics histry

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オールセラミックスヒストリー 

ジャケットクラウンの時代 

昔から作られていたジャケットクラウンは模型上に箔を巻き、その上に高溶陶材を焼き付け、
のちに箔をとりはずすといった工程で作られていた。そのため適合が甘く、精度に欠けていた。
現在でも、海外では用いられているようであるが、箔を巻く方法から耐火模型材に通常のポーセレン用の陶材を焼き付けて作るタイプのものに移行してきているようである。
 
オプティック(ペントロン)コスモテック2システム(ジ−シ−)ラミナシステム(松風)
アフロテックポーセレンシステム(山八)スマイルシステム(ノリタケ)等であるが、専用に開発された陶材を使うものと、通常のメタルボンド用の陶材を流用するものがある。
例えば、松風のラミナシステムは、ユニボンドと互換性があるということは、
ユニボンドの透明度を調整した陶材と言え、強度はメタルボンド用陶材のままであろう。
専用に開発された陶材でも、強度的には飛び抜けたデータが見られないのが残念である。
耐火模型に焼き付けてつくるタイプは、完成し耐火模型をはずすまで正確な色調の確認が
出来ないのが難点である。
個人的にはこのタイプは強度に不安があるため、ラミネートベニアのみに使用を限っている。
 
アルミナス射出形成システム 
 
20年以上前に発売されたアルセラムシステムがこれに当たる。のちにこのシステムはセレストアと名前を変え再発売されたが、メーカーの撤退により市場から消滅してしまった。
筆者もアルセラムを実習で製作した事があったが、 作業が煩雑で原始的なイメージがあった。
コア材に透明感がなく、マージン付近の反射の強さはポーセレンショルダー以下に感じた。
 
 
 キャスタブルセラミックス
 
エポックメイキングであったのはなんといってもダイコア(デンツプライ&コーニング社)であろう。
ガラスを鋳造し、その後結晶化させファインセラミックスにするという、全く新しい素材に多くの歯科関係者は魅了された。
国内でも松風が日歯と、IDAが京セラと共同開発していたはずだが、どちらも発売されることはなかった。
市場に出回っていたものはダイコア(東京歯科産業)OCC(オリンパス)クリセラ(九耐)キャスミック(矢田)等である。
なぜか国産のシステムが多いのが興味深いが、海外ではプレッシャブルに主力が移っており、今後キャスタブルタイプが生き残っていくのは難しいと思われる。
クリセラは、曲げ強度が100〜150Mpa程度であり、バイオアクティブ素材故の強度的限界も感じる。
キャスタブルタイプの欠点はセラミングとよばれる結晶化に時間がかかり、又、この工程の善しあしで強度に大きな影響が出ると言われている。
現在ではほとんど見かけなくなったシステムではあるが、発売当初は歯冠全体を回復し着色するという基本コンセプトだったものから次第に外れ、審美性を追い求めるためにフレームを切削し薄くしてしまい築盛スペースを作り、専用陶材を盛り上げる手法に移り変わったため、大幅にハセツによる失敗の症例が増えた事は事実である。
当時はファインセラミックスをハンドピースで切削する際に起こるマイクロクラックの存在などはだれも唱えていなかった時代であったのも一因とも思える。
 

耐火模型高強度セラミックコアシステム(ガラス浸透型)
 

これはビタのインセラムのことであるが、その昔はハイセラムなるものも存在した。
インセラムアルミナはこと高強度で名高いが、高強度になるほど、コア材の透明度が無くなっていくのはいかんともしがたい。臼歯ブリッジ用のジルコニア含有アルミナにいたっては肉眼では殆ど透過性を感じない。
コーピングを盛り上げ方で作る従来のインセラムは、作業時間が非常に長くかかり、納期に余裕をもたないケースは非常につらいのではないだろうか。
しかし、現在では各CAD/CAMによりVITA社のインセラム用のコーピングが短時間で制作出来るようになった。しかしCAD/CAM機器のより一層の低価格化を望む所である。
 
インセラムジルコニア自体は、現実的には、アルミナ系素材であり、本来の一般的ジルコニア製品と異なる。その点のネーミングの不備が市場に混乱を起こしている点は、問題であろう。
 
インセラムスピネルは強度・透明度等のバランスが素晴らしく、現在前歯の単冠製作であれば最も審美的な色調表現が出来る素材である。
 
2008年に入り、TURKOM-CERA (ツルコムセラ)が発売され、耐火材なしに、同じようなガラス浸透型のアルミナコーピングが作れるシステムが登場した。
より、早く、廉価にアルミナコーピングが製作出来る。今後の普及が期待される。

プレッサブルセラミックス
 

かつて、エンプレス1(イボクラ−ル)は市場でもっとも成功したオールセラミックスシステムであろう。5年後の生存率が95%ほどあり、ダイコアの70数パーセント台とは大きく差をつけている。
プレッサブルとはwax-up後、埋没焼成したリングの中に結晶化したセラミックスペレットを入れ加熱することにより餅状になる性質を利用して圧入し成形するタイプのセラミックスである。
エンプレス1は理工学的物性ではダイコアと比べそれほどの優位性はないのだが、やはり結晶化がメーカー出荷時に出来ていることが、差につながっていると考えられている。
エンプレス1はエンプレス2に移行し、まったく次元の違う強度に進化してきた。そして2008年国内でもe.maxというシリーズに移り変わっている。
また、加工も楽になり、圧入の失敗も少ない。そして対合歯にやさしい硬度を持つ。
プレッシャブルタイプはエンプレスの成功により、OPC・セルゴ・セラエステなどの亜種を生み出している。
現在e.maxプレスはジルコニア用と共用できる専用陶材e.maxセラムを専用陶材とし、母材の強度アップと共に従来より若干高い強度を手に入れた。
 

プロセラ システム
 

かつては各ラボにCAD機器だけを導入し、データをスゥエーデンCAMセンターに送り、そのデータを基に最終的な収縮を見込み、原寸より大きめの模型を作りアルミナを吹きつける形で成型し、高温で焼くことにより、高強度のコーピングを作りだし、各国のラボに一週間程度で輸送されてくるシステムであったが、現在では日本国内にCAMセンターが稼働しジルコニアコーピング・ジルコニアインプラントブリッジ等新しい素材への対応も整いつつある。
プロセラのアルミナの強度は臨床上充分な物であり、コントロールされた透明度と相まって非常に自然感のある補綴物が製作可能である。
 
オールセラミック素材は歯冠部分への応用以外にも着実にインプラント分野に進出しつつあり、ジルコニアの登場により、加速的に普及をとげつつあるが、その分野をリードしているシステムである。
 
 

ジルコニア
 

2005年に「セルコン」が国内認可を得て以降、「ゼノテック」「LAVA」「カタナ」「ナノジルコニア」「プロセラジルコニア」
等多数のジルコニアシステムが登場してきた。
従来のオールセラミックスの概念を吹き飛ばすほどの曲げ強度を持ち、高い生体親和性を示し、又ロングブリッジやインプラントにも応用が出来る「懐の深さ」がジルコニアの魅力であろう。
今後価格との兼ね合いにもよるがメタルボンドの需要が減り、ジルコニアクラウンが大きな割合を占めてくる事は海外の例を見聞しても明らかである。
また、歯冠修復だけでなく、工業レベルで原料の着色が容易いジルコニアという素材を考えると、例えば歯肉色のジルコニア床なども登場するのではないかと考えている
今後の歯科治療の中で、ジルコニアの持つ使命度は大変重い。
ジルコニアに関しては別項目を設けてあるのでこちらを参考に
ジルコニアとは?