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通勤・通学のお供にとってもいい話
通勤、通学の途中の電車やバスの中で読む本というのは、肩の凝らないエッセイか、愉快になれる短編集がいいと思う。
長編の推理小説だと途中で読むのを中断しなくてはならなくなり、とーっても続きが気になってしまうし、ホラーなんて読み出すと周りの人がいつ自分に襲ってくるのかが気になって、本を読んでいるどころではなくなってしまう。恋愛小説はとなりのおじさんの鼻をすする音が気になってしまうし、悲しい物語だと人ごみが煩わしくなる。
ここでお奨めするのは愉快になれる短編集のほう。
10編の短編を集めたこの本から、人生観や生き方や心温まるストーリーや感動するお話なんて、これっぽっちも得られない。もし得られるものがあるとすれば、「あはは」という笑い声だけである。それだけこの本は、どうでもいいようなことを、神妙な顔つきで、それでいて、おかしく書いてあるのだ。
ひとつ紹介しよう。
4つ目の話「マイルド・ライト・スペシャル」はサラリーマンが出張先でタバコを買うお話である。ところが、お気に入りの銘柄がどこにも見つからない。あの自販機にもあそこの売店にも、どこに行ってもない、無い、ナイ! そうこうしているうちに夜は更ける。店は閉まる。電車はなくなる。そしてついには、手に入れるにはあの方法しかない、とサラリーマンは最終決断を下す・・・。
抱腹絶倒、というのは大げさだけど、思わず笑みがこぼれる、ほどの楽しくなれる本ですよ。
【志の輔さんの落語】
志の輔 らくごBOX ……「バスが来ない」が立川志の輔さんの落語になっています。
【関連書籍】
秘湯中の秘湯
河馬の夢
深夜の弁明
主な登場人物
動物ワンダーランド−ヒト特集
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