2004年5月JR四日市駅前に巨大看板を描こう!
〜縦6メートル、横7メートルのウォールペイントに挑む〜

第2章 立ち上がった男達
 19年前、縦横3メートルの絵を描いた。EAST開店前だった。たった一人の作業だった。24歳だった。若かった。今回はもっと大きい。歳もとった。しかも描く時間が限られていた。でもやり遂げたかった。夜、店でその事を話した。数人の男達が聞いていた。皆黙って聞いていた。・・・・突然、番長が言った。声のトーンは高かった。「おもろいやん!やろにやろに!知らんで〜」・・・余計に不安になった・・・。


 


足場が完成した。H塗工店のH君が他の仕事を後回しにして看板を描く部分の壁面を仕上げてくれた。次の日から下書きをはじめた。金曜日だった。実測で寸法をとるため、メジャーと紙と鉛筆を持って、足場に登った。中段位で脚がすくんだ。手すりを握り締めながら1番高い所まで上った。足元の足場の隙間から駐車場が見える。高い。両手を離さないと寸法がとれない。怖い。無風だった。若い頃ならこれ位の高さはこんなに怖くなかったのにと思いながら、おそるおそるメジャーを伸ばした。

 暫くすると、幾分高さに慣れてきた。名前は分からないが、墨だしをするための道具で線を引いてみた。看板の文字は左に14.5度傾いている。一辺が50cmの正方形9×14個のマスが出来上がった。タイムリミット。今日はここまでだった。


 次の日は土曜日、毎週仲間とテニスをする日だ。下書きがまだ終ってなかったので、番長にテニスに行ない旨を電話で伝えた。番長が言った。「ほしたら、テニスやめて皆で絵描こに!ロベルトとジョガーには俺から連絡しとくで、昼からでええのやろ」・・・今度はたのもしかった。
 土曜日、午後から皆が手伝いに来てくれる事になったので、朝から「S」と「T」の下書きをした。そして午後、番長とロベルト、ジョガー、ほっさん、あらちゃんがやってきてくれた。




次回、プロジェクトE 挑戦者たちは、第3章「マスキング」をお送りします。
ご期待ください。




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