4月の日記とエッセイ
2006/04/28(金) 今という瞬間

なんて気持ちのいいお天気。
あったかくて、空が澄んでいて、雲はうすい水彩画のようで
まるで猫が陽だまりで、居眠りしたくなるような居心地の良さ。
さて、今日は久しぶりの休日。
一日何も気にかけることなく、ゆっくりと本でも読もう。
さっき、ブックオフで3冊買った。
原田宗典さんと角田光代さんの小説。
どちらも私のお気に入りの作家で
ほどよく気持ちのいい内容の短編小説ばかり選んだ。
もしも居眠りしてしまっても、その続きが夢で見れるような
そんなオリジナルなストーリーも、まぁ、少しは構わないかなぁ
・・・なんてね。
あぁ、本当になんて気持ちのいい空なんだ。
こんな気持ちをいつまでも、ずっと心に抱けるように
今が病気でないことや、今が自由であることを
いつも、いつも忘れないように、心にずっと、とめていたい。
いつか、その日が来たときに、決して後悔しないように
今日という日を素直に私は、心から喜んでいたい。
それが今、この瞬間の
私に出来ることだから。
私にしか出来ないことだから。
2006/04/28 12:05:06
2006/04/26(水) 辿り着けない夢の出来事

昨日、あんなことがあったものだから
(とてもひどい態度の人と電話をしたこと。)
案の定、その夜とてもひどい夢を見た。
夢の中で、私は仕事で会議に出席しなきゃならなくなっている。
夢の中の私はいつも、その会議に遅れることが度々あるらしく
夢の中の上司のような人に「今度は遅れるなよ!」と
思いっきり、釘を刺される。(なんでそうなるんだ?)
そして私は時間が来たので、その会議に出席しようと
急いで出掛ける。しかし、外を出た瞬間、なぜかその私の用事は
会議に出席することじゃなくて、体育の授業を受けるために
どこかの体育館へ行こうとしている。
(それが夢の面白いところで、その設定は、その時点で
そう変更されている。)
それで、私はその体育館へ行こうとするのだけど
その体育館へと通じる道を、いくら自転車で急いでいても
なかなかその場所に辿り着けない。
どう行っても、はじめて見るような道になって、どんどん迷子になってしまう。
夕方5時の集合になっていたのに、もう、5時30分を過ぎている。
あぁ、なんてことだ。また私は叱られてしまう。そう思うと
私の心臓が張り裂けそうに、いくつも爆発を起こしている。
あせってもあせってもその体育館が見つからない。
近所の人に尋ねても、見知らぬ人に尋ねても
みんな「知らない」と言うばかり。
時計を見ると、すでに6時を過ぎている。
私は自転車を手で押しながら、肩を落とし、夕暮れの街を歩いている。
気付けば私の田舎の実家に辿り着いていて、それを何も不思議には思わず
中学生の私はガラガラと玄関のドアを開けている。
すると、そこに夢の中での上司が立っていた。
私は愕然としてしまい、必死で会議に出席できなかったことを
土下座をしながら泣きながら、何度も何度も謝ってた。
すると、その上司は「いやぁ、ごめんごめん、場所を間違えて教えて
しまったんだよ」と、頭をかきながら私に謝っていた。
私は一瞬、なんのことか理解できずに、ぼけっとした顔をしている。
その場面で、いきなり目が覚めた。
まるで冷たい空気が私の
肺に一気にたまったような感じだった。
時計を見ると、まだ薄暗い午前5時だった。
あぁ、まだ、4時間しか寝てない・・・とぼんやりと私は思う。
もう少し寝なきゃ、今日もハードスケジュールな仕事だと思うけど
体はもう、「起きろ!」と私に命令するのか、まぶたはキンキンに
軽くなっている。
それにしても、なんて嫌な夢を見たんだろうと考えにふける。
やがて眠れぬまま、5時30分になる。うちの奥さんの枕元の
(うちの奥さんは、隣の部屋で子供と一緒に眠っている。)
目覚まし時計が鳴り始める。
ごそごそと起きる気配が感じられる。
どうしてこんなにも早く起きるんだろう?と少し不思議に思ったけれど
そういうえば、まーちゃんが中学生になったので、そのお弁当を
作るためなんだと、ほんの少しして気付いた。
仕方がないので、私も布団から出ることにした。
「あら、どうしたの?早いのね」と奥さんが不思議がってる。
「悪い夢を見たんだ」と言うと「あら、ご愁傷様」なんて
まるで他人事。でも、そんな言葉が”ほっ”としたりするんだけどね。
でも、その偶然出来た二人の時間に
いろんな話が出来たりして、とりあえずは、結果オーライ。
やがて、すぐに子供たちも起きてきた。
早く起きている私を見て、目を白黒させている。
そうだよな、いつもは私が遅く帰って、そして遅くまで寝てるもんな。
悪い夢もたまにはいいものだ。
それから私はゆっくりと、時間をかけて仕事に行く準備をした。
あぁ、昨日の「ひどい人」にまた、仕事の電話をしなきゃならないのかと
思うと随分と憂鬱になったけれど、職場で仕事仲間にそのことを
話すと、それはいとも簡単に解決した。
電話をしなくてもよくなったのだった。
あぁ、なんだかとても不思議。
今朝見た夢の「上司が最後に私に謝っている」という
あのことは、この”簡単にことは解決する”という現実のその事実を
こんなふうに暗示していたんだろうか?
あんなふうに夜中に思い詰めたことが
まるで絵のないパズルを組み立ててるようで
意味がなくて、それでいて難しくて・・・そんな愚かな想いに
悩んでしまっていたのかもしれない。
ひとりの夜は悩んじゃダメだね。
まずは夜明けを待ってから、そして誰かに頼ること。
結構これって、大切だな。
私一人の力なんて、本当にちっぽけなんだから
他人をもっといい意味で、巻き沿いにしちゃえ、なんて思った。
けれどもとても大切なこと。
そうだよね、大切なことだよな。
さて、もう、今日は寝なきゃ。
それにしても今日は読み返しもせずに、
一気にこれを書いた。
誤字脱字、意味不明な言葉や文章は
それなりに、寛大な気持ちで。
それではまた、夢のどこかで。
2006/04/26 23:12:51
2006/04/25(火) ひどい人

こんなにも、ひどい人がいるのか、と思うような人と
会話をしていて、ずいぶんと疲れ果ててしまった。
そんな私にとっての「ひどい人」と話しをしていると
それはまるで、風邪のように、どこか私にうつってしまって
とても厄介なことになる。
その電話を切ったあとで、知らないうちに
私がその「ひどい人」になっていた。
何も知らないアルバイトに、
気付けば言いがかり的に叱ってる。
「何やってんだ!早くしろよ!わかってるのか!」
つい、大声になっている。
そんな自分に気付いてさらに
落ち込むほどに不機嫌になる。
「ひどい人」はやっかいだ。
きっと似てる嫌な自分を、その人の影に思い出されて
そして本当のつまらぬ自分を、さらけ出してしまうからなんだろうな。
あぁ、「ひどい人」はやっかいだ。
一番厄介な「ひどい人」を
私自身に気付かせてしまうから。
・・・それにしても、また、明日
電話しなきゃならないなんて。
あぁ、なんてことだろう。
明日はきっと、思い出さぬように。
きっと、きっと、気付かぬように。
そして、そっと
そして、そっと。
2006/04/26 0:11:22
2006/04/23(日) 夢から始まる恋

昔、昔、まだ、学生だった頃。
好きでもない女の子が、いきなり夢の中に現れて
とてもキラキラ輝いていて、こぼれるような笑顔が素敵で
目覚めたときにはそれが夢とわかって、かなり残念だったことがある。
あれって、一体なんだろう?
その日から私は、その女の子のことが気になって
教室の後ろから、ずっとその子を観察したりして
でも、その子はいつもとおんなじで、夢のときのような笑顔じゃなくて
友達に見せるようなただの笑顔で、どれが何が本当なんだろう?
なんて少し、真剣に悩んでみたりして。
私の心の奥底に、そんな気持ちがあったんだろうか?
そんな自分を疑ってみたり、そしてちょっと信じてみたり・・・
結局は、そのまま何もなかったように、時は流れて
彼女とも何も話さぬままに、卒業していったけど
ただ、私の中にそんな意味もわからぬ思いだけが
心のどこかに転がったままになった。
だからといって、別に哀しいわけでもなく、ましてや恋と言うものでもなく
それは夢の中だけに生まれた、淡い感情に過ぎなかった。
もしかしたら、世の中には、そんなわけもわからぬ夢の中の出来事が
何かの偶然か必然で、本当の恋に叶った人もいるのかなぁ・・・
なんて思ったりした。
その夢が本当の未来だったかどうかは
きっと、その人が想いのままに、作ってゆくものなんだろう。
それがどんな結果に終わろうとも、夢は夢なりに小さくも大きな
意味があるんだろうと思う。
それを現実にした人の、その先の未来をとても知りたく思う。
それにしても・・・「夢から始まる恋」だなんて。
いいね。まるで小説のように、素敵な物語が生まれそう。
しまった!短編小説でもいいから
私なりに小さな物語を、あの時、始めていたならば・・・。
・・・なんて。
今だからこんなにも簡単に
言えることかもしれないけれど。
2006/04/24 0:58:12
2006/04/21(金) 夜の海

ずっと、ずっと若かった頃、夜の海をよく見に行った。
ちょうどこんな寒くもない春と夏のあいだの頃に。
夜の海は、昼と違って、ものすごく、怖かった。
まっくらで、叩くような轟音で、まるで何かに叱られているような
そんな切ない気持ちになった。
でも、僕は、どこかその叱られているような感じを、わざと好んでいたように思う。
なぜなら、あの頃、自分がものすごく、小さく思えたから。
自分は誰にも必要とされてない、愚かな人間にしか見えなかったから。
今も僕は、社会の中で、いろんなひとに、どうしても叱られる。
嫌味な言葉や、”どうせ”が付くような捨てた言葉で
イヤになるほど叱られているけれど、夜の海のように真剣に
叱る人は、なかなか現れてはくれない。
今となっては夜の海は、ここからは随分と離れている。
だから、今は目を閉じて、耳もそっと手でふさいで、そうしてあの波を聞く。
まだ、海はこんな私を、それでも叱ってくれるようだ。
波の音を言葉に乗せて
「がんばれ!まだ、始まったばかり」だと。
2006/04/22 0:15:17
2006/04/19(水) CMにて。音楽と、もこみちくん。

あまりにもしょーもないことを書いてしまいますが
先日、うちの奥さんとテレビを見ていて、今、すごく人気の
速水もこみち君(若手俳優)が出ているCMが流れた。
そのCMはある飲料メーカーのCMで、ダメな顔をした
もこみち君が、そのCM商品を飲むと、すっきりとした
男前の顔に戻るというCM。
知ってる人は知ってると思うけど、特別インパクトのあるものじゃないけど
その演出が絶妙なのか、結構見ていて面白い。
ただ、そのとき、うちの奥さんが、こんなすごいことを言い出したのだ。
「あのダメなときの”もこみち君”って、
”ギター侍”が代わりになってるんだねぇー」。
私は一瞬、耳を疑った。
「ぎ、ギター侍????」
「うん、ギター侍。あれってギター侍さんでしょ?」
「ひぇー!どう見たって、違うって。
ありゃ、もこみち君が特殊メイクした顔だって!」
「え?うっそだよ。あれは絶対、”ギター侍”だよっ!!」
「違うって!どこをどうみたら、あれがギター侍になるんだっ!?
普通、あれをみたら、誰だって特殊メイクって思うって!」
「えー!わたしはそうは思わないよー!」
・・・そう言って、彼女は一歩も譲らない。
(のんびり屋だが、意志は固い。わけわからん。)
なんだかだんだん自分の”特殊メイク説”に自信が持てなくなってしまった。
恐るべし、うちの奥さん。(真相はどうなんだっ!?)
失礼しました。
本当にどうでもいいことなんで。
CMといえば、最近の私のお気に入りは
あるお茶(ペットボトル)のCM。
歌は私の好きな小田和正さん。
あぁ、どうやら新しい歌。ほんの一部しか聞けないけれど・・・
「♪君が待ってるから 僕も待ってるから・・・」とか、そんな歌。
(あぁ、早く全部聞きたいっ!!)
小田さんの歌が流れると、周りの空気が違って見える。
すごいな、あれは。なんだろう?音楽のオーラというか、そういうのが
小田さんの歌にはあるように思う。
CMの音楽といえば、最近のCMで、山下達郎さんの
”ジョディー”が流れ出すのがある。
あの歌を聞いちゃうと、私は体に雷が走る。
そのしびれは、一歩間違えれば病みつきになる。
最初、ドラムのような音がダ・ダ・ダ・ダン、と鳴って、
そして、達郎さんのファルセットのような高い声で
♪ジョディーーーーって歌われた日にゃ、もう、たまらない。
あの歌は、私にとって、夏の青春そのもの。
色あせない歌って、本当にあるんだよなぁ。
小田さんにしても、達郎さんにしても。
さて、久しぶりに、達郎さんの”FOR YOU”でも聞こうかなぁ。
これは、あの頃の私の夏の定番ミュージック。
七つの海から、それは集って来る。
2006/04/20 0:04:33
2006/04/16(日) 変わらないための変化

やっと、風邪も直りかけてきた。
けれども私の場合、風邪自体が治ったとしても
その間、喉をやられてしまってるので、なかなか咳は止まらない。
なんだかだんだん体が弱っていくような気がするなぁ。
ま、しょうがないか。それなりに生きて来ているんだから。
とりあえず今、「いま、会いにゆきます」をDVDに録画予約中。
休みの日に、見るのが楽しみ。
いま、私にとっての悩みは、”何も変わらない”というそのこと。
いろんな意味で、簡単に、そして複雑に。
でも、この頃もっと違った考え方も、思うようになってきた。
何もしなくても、激しく変わってしまう今のこの世界で
”変わる”ということが、今はもう当たり前のことで
”変わらない”ということのほうが、なんだか特別なような気がしてきた。
本当は、何も変わらないということのほうが
実は、常に変わり続けていることと同じ意味ではないのだろうかと。
絶えず変わり続けているからこそ、変わらないのではないのかと。
なんだ考えすぎてしまうと、よくわからなくなってしまいそうだ。
とにかく今は、この自分を変え続けることで、変わらないでいようと思う。
そうしなくても、自分が変わらなくても、
どんどん変えさせられてしまう世の中だから。
気付いたらね、ある日、自分じゃなくなってる。
気付いたらね、誰かを傷つけている。誰かを哀しませている。
そんなとても切ないこと、この頃、あちこちで起きているような気がする。
とにかくも、変わらないという変化。
変わらないための変化。
難しいなぁ。
どうしたらいいんだろう・・・。
2006/04/16 22:45:27
2006/04/09(日) 思考一時停止

あまりにも正しいことを言われると
それを素直に認めることの出来ない私にとっては
それが正し過ぎれは過ぎるほど、その正しさが
ただ、重苦しくなって、私は途中で動けなくなる。
この日常の社会では、どうしても苦手な人がいる。
出来れば目も合わしたくなくて、避けて通ってしまいたいくらいに。
けれど、それでもどうしても付き合わなければならない立場にあって
それでどうにも逃げようがないとき・・・私は私の一体、何を
どうすればいいんだろうか?
そんなこと、私はとっくの昔から、それまでの経験をずっと生かして
これまでこなしてきたというのに、なぜ、今になって私は
子供のように苦しんでしまうのか?(それとも、恐れてしまうのか?)
心は体のような、はっきりとした成長はなく
ある時点から、また、どこかへと、ただ、さかさまに落ちていって
せっかく登りつめても岩が、もろく崩れ去るように
下へ下へとすべっていって、運がよければどこかの岩に
落ち着いてしまう程度のものか?
一度落ちてしまったものは、また、上を見る”勇気”というものはあるか?
それともどこか、あきらめてしまって、”夕日を見るような気持ち”なのか?
恐らくこの程度の私は、後者の気持ちなんだろう。
心がそれの繰り返しなら、それに何の意味があるのか?と
つい、長く思いつめてしまう。
この頃自分がわからない。
あるときは至福で、あるときは氷のようで。
何を考え、何をこの先、私という人間は、望んでいるというのか?
そんなこと誰にもわからないということを、誰もが同じ悩みということを
心では知りながらもそれを、素直に認めることができずに
私ひとりだけがどこか、遠く置き去りにされたような気持ちになる。
本当はちゃんとわかってる。
心から受け入れられない人とは、ただ、近寄らず、離れもせず、
その流れを自然にするということを。
わかっていても今の私には、どちらか一方しか
選べずに、ただ、うろたえることしか出来ない。
なんだか不器用としか言いようがない。
私のこの人生は。
ん?私の中の配線が混乱してる。ノイズがひどい。
応答もない。回答もない。スイッチオフ。思考一時停止。
シャットダウン。
翌朝また、再起動。
2006/04/10 0:33:24
2006/04/07(金) この世で美しい字

桜をぼんやりと眺めていたら
突然に、なんの脈略も関連もなく、
高校時代のことを思い出していた。
それは現国の先生だった。
背が低く、確かまだ、20代後半でメガネをかけていて
あごが細くて痩せ型で色白で、足が短く、つまりは
どんな角度から見たって”カッコ悪い”そのものだったのだけど
でも、生徒みんなからは、とても親しまれていた。
なぜって、その話がとても面白くて。
ほとんど授業とは関係がないんだけど
よく、オカルト的な体験談を、僕達に話してくれた。
「昔、オレが所属していたサークルでさ、軽いノリで
みんなで夏に、古いお寺に泊まったことがあったんだ。
そのときに、みんなしてロウソクだけでさ、怪談話をしたんだけど
女の子がみんな、キャーとか言ってて、オレも面白くってさ
あることないこと、いろいろと喋っていたら、そのうち
女の子のキャーって言う声じゃなくて、なんか変な声が聞こえるわけ。
へ?って思ってさ、オレが後ろを振り返ると、信夫のヤツがさ、ガタガタ震えながら
奇妙な声を出してるわけ。「ヒィ、ヒィ、ヒィ」って感じで。
でさ、オレが「お前が言うと気味悪いんだよ!」
って笑いながら突っ込みいれたんだけど、なんか様子がおかしいわけ。
それでさ、薄暗いから信夫の顔に懐中電灯を当てたらさ、
信夫の頭の上に乗っかってたんだよ。
・・・若い女の生首が」
「ぎゃー!!!」だった。
本当にみんなビビッてしまった。
でもこれって、本当にあったらしいんだよ。先生は嘘じゃないって。
どこまで嘘じゃないのかはわからないんだけど、でも、その話し方が
稲川順二さんのさらに20%くらい上を行っていて、とても笑って済ませられなかった。
そんな現国の先生が、ある日、こんな話もしてくれた。
今度のは真剣な話だった。突然に、黒板に「愛」っていう字を大きく書いて、
僕達にこう聞いたんだ。
「お前たちはこの字を見てどう思う?」
どう思うって言われても、どうも答えようがない。
「愛」は愛だ。で、先生のことだから、なにか冗談でくさいセリフでも言うのかな?と
思っていたら、まったく僕らの想像を超えたことを言い始めたのだった。
「”愛”っていう字は、とても美しいと思わないか?君たち!
いや、実際に、”愛”っていう字がこの世に生まれた文字の中で
一番美しい字なんだ。見ろ、心という字や、それにこのきれいに伸びた
細い女性の足のような線のはね具合。こんなにも美しい字がほかにあるだろうか?」
あるだろうか?と聞かれても、とても困るわけで、でも、先生がそういうと
なんだか本当に「愛」という字がとても美しいものに見えてくるから不思議なものだ。
そして先生は、その後、僕達に決定的に影響を与えるこんな言葉を言ったのだ。
「日本の古い文学において、密かにこんな話がある。
”愛”いう字は、実は試すための字だったのだと。
よくみてごらん、簡単なようで”愛”という字は書くのはものすごく難しい。
似たようなものを書くことは、誰にでも出来るかもしれないが、この本来、美しい
”愛”という字を、そのままに美しく書ける人は、本当の愛を知っている証拠なのだと。
だから”愛”という字はとても美しくあり、そしてそれを書かせることによって
愛すべき人かどうかを試していたのだと」
衝撃的だった。
この話を聴いた瞬間、僕らみんな、”愛”という字が、
輝くビーナスか何かしか見えなくなっていた。
「そうか、そうだったのか!」とみんな心でガッツポーズを決めていたのだと思う。
なんせ、高校1年生といったら、思春期真っ盛りだ。
”恋”という言葉でさえも、なんだかよくわからず持て余しているというのに
”愛”という言葉にいたっては、それは神聖なものでしかないわけで
”愛”を知るには、”愛”という字を美しく書ければいいんだ!というひとつの
マニュアル的な法則に、僕達はのめりこんでいった。
僕は実際に、ノートの余白に、気付けば”愛”という落書きが増えていった。
借りた友達のノートにも、消しゴムで消されてはいたけれど、しっかりと
”愛”という字がいくつも書かれた形跡を見つけていた。
でも、その落書きも、無意味なものと僕達はやがて知ることになる。
部活の先輩が僕達に言った。
「お前らな、ありゃあ、みんな嘘だ。
現国のセンコーはな、適当なこと言って、遊んでるだけだぞ。
ていうか、まさか、お前ら信じてたのか?」
僕らは情けなくも、ぎこちない笑顔で
ごまかすしかなかった。
青春時代の、恋や愛は、いつもあっけなく終わる。
一所懸命なほど、それはとても滑稽なものになる。
でも、僕らにとっては、そのあっけなくも滑稽なひとときが
僕らが受け入れたそれでもひとつの”真実”だったように思う。
その後も現国の先生は、相変わらず適当なことを言っては
僕らをずっと楽しませてくれた。でも、その適当な中でも、
僕らにちゃんと大切なことは、心に伝えてくれていたように思う。
その証拠に、今もこうしていい想い出として
私の心に残っているのだから。
”愛”という字を、私はしみじみと眺めてみる。
高校の頃の、一途な私に、私はやはり、こう言うだろう。
やっぱりこの世で美しい字だと、今の私も思っていると・・・。
2006/04/07 21:30:22
2006/04/06(木) 好きでい続けて

最近また、相互リンクの依頼メールが届くようになり
本当にうれしい限り。
「まだ、HPを作ったばかりの新米ですが・・・」なんて言葉に
”いえいえ、こちらこそ、こんな老舗みたいなHPなんかに・・・”
なんて気持ちになってしまう。
まるで、新入社員を迎えた、どっかの上司にでもなったような気分。
「うん、うん、君も頑張りたまえ!」なんてセリフを思わず言っちゃいそう。
うん、悪くないなぁ・・・とってもバーチャルで。
でも、現実には、私は偉くもなんともないんだよなぁ・・・。
(今、ちょっとテンションが落ちた。)
それにしても、なんで今頃なんだろう?って思ったけど
その答えは案外簡単かも。
つまりは今が春はだから。
春はそんな新しい決意を、思わずさせてくれるんだろうな。
うん、とてもいいことだ。
その新しい決意がずっと、その心に持ち続けられるように
いつまでもずっと、好きでい続けて下さいね。
好きっていうパワーはね、本当にすごいんだよ。
それさえあれば、どんな困難にも、打ち勝つことが出来るから。
その新しい決意を遠くから、私も応援しています。
(ただいま、HP全体を手直ししたいと思っているので、
そのときまとめてするつもりです。
もうちょっとお時間を。ごめんなさいだけど。)
今日は午後から、家族で花見に出掛ける予定。
私の住んでいる街では、ちょうど今が見頃に。
まーちゃんは中学生になるし、家族で出掛ける機会もきっと
本当にわずかになっちゃうんだろうな。
だからそんなひとときを、とても大切にしたいと思う。
今、まーちゃんは、本棚を挟んで私の隣の学習机で
何やら勉強しながらも、スピッツを聞いている。
(今、”渚”が流れている。別に私が勧めた訳じゃないんだけど
そういえば、ちょっと昔から、まーちゃんはスピッツを聞いてたんだった。)
外はとてもいいお天気。
一秒一秒がまるで輝いているみたい。
この一秒を、私は好きでい続けたいな。
たった一秒だもの。出来るはず。
そしてそれが、私の日常を、ひとつひとつ作ってゆくんだ。
そう思うと、なんだか幸せなものに見えてくる。
あ、また、一秒が輝いている。
時間は僕らに途切れることなく、こんな輝きをいつまでも
ずっと見せてくれているんだ。
そんな当たり前のこと、忘れないように。
忘れないように。
2006/04/06 9:35:02
2006/04/04(火) ひとりが好きな心

今日はある人と待ち合わせをした。
誰かとこうして約束して、会うなんて、随分と久しぶりのことだった。
最後に待ち合わせをしたのは、いつだったんだろう?なんて思ったりもした。
はじめて会う人だったので、とても緊張してしまった。
余裕を持って出掛けたつもりが、余裕をあまりにも持ちすぎたために
約束の一時間前には着いてしまって・・・ひとり、苦笑いをする私。
場所や時間の約束など、いろいろと手順を踏んだぶん、(過去の経験上)
出逢えなかったりと思うようには行かないかな?とも思ったりしたけれど
約束どうりにすんなり出逢えて、なんだかホッとしてしまった。
相手の方のはじめて会ったときの笑顔が、とても新鮮だったので
私はすごく安心した。
初対面の人に、こんな新鮮な笑顔を向けられる人に
悪い人なんてきっと、いない。そう思える自分自身にも
私は安心した。
もともと、人と喋ることが、大の苦手な私なものだから
その苦手をあらためて、今回、思い知ることになってしまい
恥ずかしいやら、みっともないやら、情けないやらで・・・
でも、その目的は、曲がりなりにも果たせたと思うので
それで”よし”とすることにした。どうなるかわからないけれど
それがうまく行きますようにと、ただ、心で願うだけだ。
今日は休みだったので、その用事がすんでから、子供たちと
いまだに行けてない花見でも・・・と思ったのだけど
あいにく雨が降ってしまい、空を見上げつつあきらめた。
どっちみち、帰ったときには、子供たちはすでに遊びに行ってて
花見どころの話じゃなかったんだけど。
そうそう、この前の日記に、スピッツのことを書いたら
「私も大好きです!」ってメールがいくつか届いて、とてもうれしかった。
そうなんだ。私のこの日記を読んでくださる方たちは
どこか私に似てるんだなぁ・・・なんて勝手に想像したりした。
(勝手にごめんなさい。)そう思うと、とてもうれしくなってしまった。
実際に似てるのか、どうなのかわからないけれど、
似てる人に出逢えることって、とても素敵だと私は思う。
もしかして、あなたも、人とおしゃべりをするのがとても苦手で
ひとりが好きで、マイナス思考で、そして何より、まじめやさんで・・・
同じテレパシーで私たちは、お互いを必要としてるのかもしれない。
そう思ってもいいのかもしれない。それも素敵だと私は思うから。
確かに私たちは、(不確かな確率で)ひとりが好きな者同士だけど
こうして繋がっているひとりひとりも、きっと好きなんだと
私は思う。
ひとりが好きなくせに、誰かを求めている心。
泣き虫で、少しわがままで、そして真に受けやすい・・・
こんな厳しい世の中を、生きるには随分とマイナス点。
うん。
こんな私はきっと、誰よりあなたが必要。
そして、あなたも、次の誰かがきっと必要。
ひとりが好きだと言いながら
私たちはそれを誰かに伝えたくて
そして、誰かを求めてる。
素直じゃないけど、それが素直な
私たちにとっての心なんだ。
2006/04/04 22:34:49
2006/04/02(日) チェリー

なにやら忙しい日々を過ごしています。
深い意味はありません。でも、”なにやら”です。
(ブログ「まるで詩のように」は更新してます。
つくづく、更新のしやすさは、ブログの特権だなぁ。)
最近、スピッツの歌に目覚めてしまった私です。
昔聞いたときは、何てこともなかったのだけど
今じゃずっと、「チェリー」が私の頭の中で
(電車にいても、仕事をしてても)繰り返し何度も鳴り響いている。
♪愛してるの響きだけで強くなれる気がしたよ・・・のところ。
ずっと頭の中を駆け巡る。なんでだろ?不思議だなぁ。
本当言うと、「ねぇねぇ、この歌、すんごいいいよね!」って
今頃になって、誰かに言いたい気持ちです。
なんで今頃、いい歌だなんて思ったんだろう?
というか、聞いた時期がよかったのかも。
春にピッタリの歌だから。
歌ってこんなふうに、昔はそうでもなくても
突然に天から降ってきたように、驚きと感動に
包まれることがある。
その歌のよさを知るには、ちゃんと自分の中でも
そのよさを消化するだけの、何かが必要なんだろうな。
きっと、これは喜んでいいことなんだと思う。
今は「ロビンソン」が頭の中を流れてる。
あぁ、よかった。やっとこの歌にめぐり合えて。
私の心は今やっと、
この宇宙の風に乗って。
2006/04/03 0:12:24
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