もうひとつのクレーム日誌  
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このページでは、ご訪問者の方の”もうひとつのクレーム日誌”を掲載させて頂いています。
只今、もうひとつのクレーム日誌投稿募集中です!詳しくはindexより。
私のぜひ、読んでいただきたいおすすめのエピソードです。
*この文章ご提供の作者様へ:掲載に何か問題がありましたらメールにてお知らせ下さいませ。


 私が出会った素晴らしい店員さん・・・。 投稿者 かとぽんさん



 私が以前出会ったすばらしい店員さんのお話をしたいと思います。
もう二年以上前のことです。

当時、私は引っ越したばかりで自宅にエアコンが無かったので、
妻と、とある家電量販店にエアコンを見に行きました。
店内には沢山のエアコンが陳列してあり
色々と謳い文句のシールなどが張ってありました。
パッと見には、素人の自分にはどれが自分が希望し探しているものなのか
よく分かりませんでした。

「どのエアコンを買ったら良いのかしらね。」と妻。
「さあ……よく分からないなあ。店員の人に訊いてみようか。」
近くにいた店員さんは二人。ひとりの方は接客中。
もうひとりの方は目立たない所にひっそりと立っていらっしゃいました。

「あの〜、すいません。エアコンを探してるんですけど、
どれを買ったら良いのかよく分からないんで、説明して欲しいんですが。」

私がそう言うと、隅に立っていたその店員さんは、
1.私がどんな機能の物を欲しているのか。
2.予算はどの位を考えているのか。
3.設置する予定の場所と、使用する状況。
などの要点をさりげなく聞き出すと、お勧めの商品を3つくらい示して、
それぞれの長短について丁寧に教えてくださったのです。

お店としては、高い商品が売れればよいはずです。
実際、私が今まで買い物をした時、予算をほんの少しオーバーする商品を
勧められると言うことがしょっちゅうでした。

しかし、その店員さんは、「これはあっちの商品よりも高いです。
しかし、こういう機能がついていて、消費電力も小さく
××年後まで使うと結果的にはペイできます。
××年以内までで買い換えるおつもりでしたらこっちの方が安くつきます。」
などと、同伴していた妻にも分かりやすいように
実例を挙げて詳しく教えてくださったのでした。

運転開始時の消費電力や今現在のエアコン市場の状況など、
参考になることも色々懇切丁寧に教えてくださいました。
小一時間も細々とした質問をし続けた嫌な客にも拘らず(笑)、
店員さんはめんどくさそうな顔一つせず、丁寧に答えてくださいました。

何よりも感心したのは、その店員さんの最後まで貫かれていた、
『何を買うかは、客が最後に自分で決めるべきで、店員はその手助けとして
客が商品を選びやすいように情報を提供する。』
という姿勢でした。

EACH TIMEさんのお眼鏡に適うかどうかは分かりませんが、
私にはその店員さんの姿勢に、とても好感が持てました。
私は、最後にその店員さんにお願いして、名刺を戴いて帰りました。
……友人に紹介するために。

客はいい出会いを求めるものです。
そこが気に入ればまた訪れたいと思いますし、知人に紹介しようと思うものです。
……あのお店は、二年経った今も、私のとっておきのお店です。



・・・・・・・・・・・・・


あとがきとお返事

かとぽんさん、投稿ありがとうございます。
「電器売場店員のクレーム日誌」のEACH TIMEです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それにしても、なんて素晴らしい店員さんなのでしょう。
私もこうありたいとあこがれてしまいます。

この店員さんの一番素敵な点は、やはり、お客様本位に考えた接客なのでしょうね。
それに、豊富な商品知識を持っているのも魅力的です。

でも、私たち店員の中には、知識を見せびらかすだけの自己満足で終わってしまうような・・・
そんな店員もいるし、商品知識のない店員は「安いよー!今だけよー!」で終わってしまう者もいる。
それは、ただ、売上が欲しいだけの意味のない接客なのかもしれません。

”激安”には、どこか理由があるもので、値段だけで買ってしまうと
必ずあとで後悔してしまう。それは誰もが経験していることなのでしょう。

そこで、私たち店員の出番なのでしょうね。
店員が、お客様に伝えるべきことは、商品知識や価格だけでなく
なぜ、今、この価格なのか?なぜ、これがおすすめなのか?
そのお客様にとって本当に必要なものなのか?より快適になるのか?
より生活が豊かになるのか?ということなのだと思います。

店員も人間ですから、すべて満足に答えるなんて、なかなか出来ないものです。
でも、カタログや説明書で調べたり、時にはメーカーに電話したり、問い合わせたりすれば
ほとんどの場合、答えが必ず出るものなのです。
その努力もしないで、ただ、安いからとか、○○のメーカーが一番いいとか、人気があるからとか
今しかチャンスはないとか・・・そんな抽象的なことばかりしか言わない店員や、個人的な偏見は
どこか信用できないものです。

そういう店員は、ただ、”売っている”だけなのだと思います。
私たち店員が、本当にしなければならないのは、お客様に”買っていただく”ことなのです。

”売るのではなく、買っていただくということ・・・。”

この違いは、”売る”というのは、店員が主体になっている。
しかし、”買っていただく”というのは、お客様が主体になっている。
それは大きな違いなのです。

店員は商品を売ってはならない。
お客様に買っていただかなければならない。


その意味に気付かない店員は、まだまだ多いのかもしれません。
でも、本音では「だって、高い商品を強引に売らなきゃ、利益が取れないし
売上だって上がらないじゃないか!」と
どこかの店員の叫びのような声が聞こえてきそうです。

確かに、きれいごとかもしれないし、接客に手間も時間もかかる。
また、場合によっては、正直者が損をするかのように
不要な機能を省いた低価格商品をおすすめして
売上ダウンになってしまうのかもしれない。

でも、ちょっと待ってください。本当にそうなのでしょうか?
投稿者のかとぽんさんの終わりの言葉に、その答えが書かれています。

”私は、最後にその店員さんにお願いして、名刺を戴いて帰りました。
……友人に紹介するために。

客はいい出会いを求めるものです。
そこが気に入ればまた訪れたいと思いますし、知人に紹介しようと思うものです。
……あのお店は、二年経った今も、私のとっておきのお店です。”



喜んで買っていただいたお客様は、必ずまた、来店されます。
そして、うれしいことに、お客様がお客様を連れて来てくださるのです。

”客はいい出会いを求めるものです。”

とても素敵な言葉ですね。
その言葉の深いところに、私はもうひとつの大切なことを
今、やっと、気が付いたような気がします。

本当にありがとうございます。
心から感謝を込めて・・・。


EACH TIME


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