ドラッグストアでのお客様の涙。 投稿者:Mさん

>Each Time 様数カ月前に偶然お邪魔して以来、
日記をよく拝見しています。
なんだかこちらだけ只見してるようですので(笑)
御礼がてらの体験記を送ろうと思いました。
(御礼なんて、かえって迷惑でしょうか?^^;)
わたしも数年間サービス業(ドラッグストア)に
従事していましたのでお客さまからのクレームについては
色々泣かされたりしたこともありました。
おたくで買った目薬を鶏にさしたら目が潰れた、責任とれ!とか
(あくまで人間用の物ですから‥‥)
むちゃくちゃなクレームも多かったです。
そちらの日記にもありましたが挨拶が悪い!店長呼べ!
なんてよくありましたし毎日毎日、買っては返品を繰り返すお客さまもいました。
勝手にドリンク剤を飲んだ揚げ句に金払えばいいんだろ!と怒鳴る客。
万引きした娘を引き取りに来てこれで満足だろう?!
と壱万円を無理矢理押し付け、たかが二、三百円で捕まえるなんて!
娘の内定が駄目になったらどうしてくれるんだと自分が被害者のようなことを怒鳴り散らす両親。
もうそりゃ常識人だったら考えられないようなことばかり。
なんて酷いひとばかりなんだ!と憤慨する気持ちがいっぱいでがんばっていい薬屋になるぞ!
と思っていた私も何年かするうちにお客さまに対する気持ちはネジまがってしまっていました。
中高生を見ると全員万引き魔に見え、***系の人が○○の薬を求めに来ると
ラリるためにしか思えず(***という薬を2、3本イッキのみすると***と言う
成分でラリってしまうことがあります。実際万引きされることも多く、
店のトイレには、よくいくつもの空箱が捨てられてました)
お年寄りは偏屈な文句しか言いに来ないと考えてました。
ある日、一人の青白い顔をした***人の父親と
娘さんと思われる女の子二人が来店
「***、3本、ください」と言いました。
そのひとは二日に一回はその薬を買いに来ています。
またかよ〜と思った私は「すみません、今品切れしていてありません」
と嘘をつきました。店長にも問題が起こっては困るので***系の人間には
売らなくてもいいとまで言われてました。
**なんかのまずにいられないなら日本になんか来るなよとまで思いました。
そしてその翌日、また彼は来ました。
私は驚きました。彼は物凄く咳き込んでいてカウンターの前でしゃがみ込んでしまったのです。
彼は決してわたしが思うようなことに使っていたのでは無くて、本当に○○の薬が欲しかったのです。
日本にきて日が浅い彼は(仲間内に聞いたのか)○○の薬は○○しか知らず飲む容量が
わからなかったため一回に一本服用してしまっていたのでした。
やばい!と思いました。昨日薬を売らなかったから?
あわてて錠剤の○○の薬を渡し、休憩室まで走り水をくんで渡しました。
彼はそれを飲み干し、アリガトウゴザマスと言いました。
翌日また薬を買いに来た彼に病院をすすめたところよくよく聞いてみたらもうとっくに病院には
行ったのだが、治らないのでここにくるのだと言います。
日本語が上手く話せないために、もう二ヶ月も夜眠れないくらい咳が止まらないことや、
仕事に行けないくらいの熱があることを伝えられなかったようなのです。
私は彼の症状を聞いてメモを作り、医師宛に以上のようなことがあるので、
よく診察して下さいと書いてこれを持って病院へ行くようにと言って渡しました。
ドラッグストアの薬では限界がありますし、正直心のどこかで、なにかあってこちらの責任になっても困る
と考えてました。あの時○○の薬を売らなかったことを店長にクレームとして言われても困るとも思ってました。
それからしばらく彼の姿を見る事は無く忙しい毎日の中で次第にその出来事も忘れていました。
ある日、私が本社に異動になる前日のことです。
コンニチワと声を掛けてくる人がいました。彼でした。
奥さんらしき女性と娘さんも一緒でした。
ああ、あの時の、と話をして実は私はこの店に来るのは今日までなのですよ、と言いました。
すると、彼がポロポロと泣き出すではないですか。
驚く私に彼はこう言いました。
あの時、お姉さんのお蔭で自分は病院で適切な処置をして頂き、こうしてまた家族と共に
元気に暮らしていくことができるようになった。お姉さんは私の命の恩人です。
やっと挨拶に来られるようになったと言うのに、そんなお姉さんがこの店を去ってしまうのはとても悲しいと。
なんとその日、彼の家族全員で御礼にきてくれたのでした。
その時になって初めてなんて自分は愚かだったのだろうと思いました。
偏見を持って接客し、揚げ句致命的なミスをおかし、それでもなお謝るどころか、クレームを恐れ、
自分のミスを隠そうとしての行動だったのに、彼はそれを責めるどころか私を恩人だといい、
涙まで流しているではないか。
どうしてもっとお客さまと真摯な気持ちで向き合わずにいたのだろう。
だらだらと過ごしてしまった毎日で自分本意な接客をし、お客さまの声をきちんと聞く事も無くいまま
(聞いてもまたかよ、としか受け止めていなかった)
明日からは本社に通い、もうその声を直にきける機会はないのです。
なんて勿体無い事をしてしまったんだろうと悔いてももう遅かったのです。
「申し訳有りません」としか言えずうつむいてしまいました。
彼にはその言葉がどういう風に響いたのか、未だにわからないままです。
その後、転職をすることになり。今は接客業ではありませんが、
もしもまたそういう仕事に就く事が有れば
もう二度と同じことを繰り返すまいと思っています。
なかなか難しいことではあるんですけどね(^^;
今もう一つ思っているのは、クレームを言おう!という事です。
接客を経験し、クレームを受ける側に立った時、初めてそう思いました。
勿論理不尽なことは別として、ですがクレームはつけられてこそ花だと思いました。
言ってあげなくては気付かないことも沢山あります。
クレームをつける=教えてあげようという気持ちだと思うのです。
逆をいうと、あそこの店は言ってもしょうがないと思われてしまってはお終いなのです。
それでは「安ければいいや」ってことで、その店は自動販売機と同じ事。
発展はありえないと思います。
いい店になって欲しいからこそ、クレームは言うべきです。
なんかEach Time様のHPとは主旨の違った
話しになってしまいましたが
どうしても伝えたくてメールしました。
乱文御容赦下さい。
毎日お仕事大変そうですが、がんばってくださいね。
では
・・・・・・・・・・・・・
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あとがきとお返事
Mさん、メールをありがとうございます。
「電器売場店員のクレーム日誌」のEACH TIMEです。
このメールを読んだ時、私はどうしてもこのページに掲載させていただきたくて
Mさんにメールをさせていただきました。
もともとは、この「もうひとつのクレーム日誌」への投稿ではなかったのですが
快く掲載をご了解を頂き本当に感謝しています。
「思い込みによるお客様への偏見」は私もよく経験しています。
その度に、私も大きな失敗をしてしまうのですが・・・。
そんな中でも、あなたはそれを素直に反省をされて、そして、それを自分にプラスになるように
”こんどこそは”という意気込みでがんばっていらっしゃる。
このメールを読んで、私は何か特別な勇気と言うか、力を与えられたような気がしました。
なんだか自分のことのようにうれしい気持です。
それにしても、私はMさんがうらやましく思います。
お客様が、涙をこぼしてまで、あなたに感謝の言葉を述べられたのですから・・・。
私にはそのような経験がありません。店員としてこんなにうれしい事はありませんね。
Mさんは、もしかしたら気がつかないうちに、お客様の心に触れたのかもしれません。
両手で包み込むような、そんな暖かな気持ちで・・・。
これを読んでくださっている読者のみなさんにも、私が感じた何か勇気のような
特別な力を分けてあげることができたらと思います。
店員にとって、お客様への思いこみや偏見でどれだけの迷惑とクレームが
起きてしまっているのだろうかと思います。私達の知らない間に。
当たり前の事ですが、どんなお客様にも偏見のない、すべて平等な接客が大切です。
しかし、現実には、身勝手なお客様、わがままなお客様・・・いろんな人達がいらっしゃいます。
もしかしたら、それは簡単なようで本当はとても難しい事なのかもしれません。
しかし、偏見をなくすことによって見える何か大切なものがあるのだと私は信じています。
今回のMさんのように。
このような貴重な体験談を、本当にありがとうございます。
心から感謝の気持を込めて。
EACH TIME
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