「背の高い君と低い僕」
背の高い君に出会えるときは、いつも
少し中途半端な時間になる。
それはいつも1時間後のことで、たとえば1時6分だったり
たとえば2時11分だったり・・・。
本当は僕は12時ちょうどに、君と逢うのがイヤなんだ。
だって僕の背は君より小さい。君を見上げるほどに低い。
だから12時ちょうどの時間は、いつも背の高い君が目立つ。
低い僕が君に隠れてしまう。
(正確に言えば、太った僕の体が細い君の体からはみ出てる。)
そのたびに僕は、憂鬱になるんだ。
できればいつも、本当は
6時半に君と逢いたいんだ。
6時半なら、君と僕の、背の高さが同じになる。
ダンスしてるみたいに重なり合える。
そりゃ、まるで上げ底みたいに
僕が高く浮いてるだけなんだけど・・・。
また、君はそんなふうに
ふざけてるみたいに笑っているけど
本当は背の高さなんて、僕には関係ないんだ。
君といつも、夕焼けを、そしてあの朝焼けを
並んで眺めていたいだけなんだ。
ただ、それだけのことなんだ。
カチカチと僕らの心が鳴っている。
僕らが街の「アナログ時計」で本当によかった。
もしも「デジタル時計」だったなら
ずっと、出逢うことなんてなかった。
長針の君に、そして、短針の僕に。
END
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