HOME



パート3 そして、閉鎖後・・・

PART2   PART1


21日目 たな卸し。
 その後・・・。


 店の閉鎖後の今日、第一日目。
たな卸しがあった。
(*たな卸しとは、簡単に言えば、今、店にあるすべての商品の合計金額を出す作業です。)
今回の場合、ほとんど商品がないので、楽なものだった。
しかし、結果は最悪なものだった。大きな損失が出た。
(*例えば、データー上、600万円商品があるはずなのに、実際に数えたらなかったという事。)
商品(お金)が理由もなく、なくなってしまったということと同じなのです。
だいたい、閉店セールの忙しさの中、価格チェックなんてわけわからなくなっている。
正直、こうなって当たり前と言う状況です。
最後の最後まで、実に忙しい店だった。

・・・・・・・・・・・・
 こうして、あらためて売場を見ると、まるで私の心が空っぽになったのと同じような気持になります。
陳列棚もほとんど崩してしまったので、売場にほとんど何もない状態です。
ふと、パートさんの名前を呼んだときに、私の声が、売場のあちこちに木霊(こだま)します。
普通に出した声なのに、とても大きく聞こえる。
まるで、トンネルの中に迷い込んだような気分だ。
こんなところにも、何かさみしさを感じさせます。

・・・・・・・・・・・・
 たな卸しが終わると、夜に店の従業員みんなの慰労会が行われた。
アルバイト・パートさんたちを含め、大勢の従業員達が集まった。
大きなホテルの会場を貸しきっての盛大なパーティ。

これだけの人数、記念撮影も苦労します。
全員写そうなんて無理なんだよね。
苦労しながら写す店長の姿に、終始笑いの絶えない撮影会になった。

お酒にビールにたくさんのおいしい料理。
みんな絶えず笑っていた。もちろん私も。
ただ、今日の慰労会は、笑いだけで終わりたくないなと言う気持が私にはありました。

みんなどうしてなんだろう?
どうして、そんなに無理して笑うのだろう?
どうして、そんなに無理して冗談を言っているのだろう?
どうして、その冗談に、私も無理して笑っているのだろう?

ただ、哀しがることなんて、もちろん必要ないけど、その心の中にある
もっと大事な事を、今まで言えなかった大切な事を
こんなときに、人はどうして素直に言えないのだろう・・・。

今日の料理はどうだとか、昨日のテレビはどうだったとか、そんなこと今はどうでもいいじゃないか。
今まであったこの店でのつらい事、哀しい事、人はどうして隠したがるのだろう?
場が暗くなるから?笑うほうが楽しいから?みんなと一緒に笑うほうが気が楽だから?
じゃあ、ひとりになったとき、あなたはそんなふうにひとりで笑うの?・・・

哀しいときは哀しい。うれしいときはうれしい。
もっともっと私は素直になりたい。
お酒の力なんかでごまかしたくない・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・
最後に何人かの代表の人達からの挨拶の言葉があった。
長年この店で働かれたパートさんたちをはじめとした挨拶の言葉だった。
ほとんどの人が、笑いを交えた楽しいトーク。
誰も本当の事を言おうとしない。

ただ、私はひとりだけ、この人だけの言葉に感動をした。
その方は、定年近い60代の老社員Eさんだ。

この店では、6年くらいは勤めただろうか。
いつも私達若者よりも元気なおじいさん。
でも、こんな席ではめったに顔を出さない人。
さすがに今日だけは顔を出さないわけにはいかなかったようだ。
みんなの前で、緊張しないだろうか?と私は少し心配になった。

しかし、Eさんは、しわくちゃの細い手でマイクを持ち
口から大きく深呼吸したかと思うと、大きな声で会場を響かせた。


「おい!おまえら、
これからの人生、みんな
がんばれよぉ!」


たったこれだけの言葉が、私達の心まで響いてきた。
会場中、拍手がしばらく鳴り止まなかった。
私も大きく拍手をした。

それまでの、長いお笑いトークよりも、はるかに勝るたった一言だけの名演説?だった。
そうなんだ。みんなどこかでその言葉を待っていたんだ。
本当は、みんなつらいんだ。
みんなそれぞれ、どうしようもない気持なんだ。
だから、だから誰かに励ましてもらいたかったんだ。



「これからの人生、がんばれよ!」




今日のこの日の言葉。
私の中で永遠になった・・・。






22日目 閉鎖後2日目 商品返品
 またひとつの別れ・・・。


 そうか、今日は金曜日だったんだ。(今気付いた。)
最近、曜日感覚がまったくありません。
曜日を気にして、仕事をすることがなくなったからでしょう。
まったく・・・嫌になります。

さて、今日は閉鎖後2日目。
商品の返品と陳列棚を他店舗へ送るための準備をしました。
本部のエライさんたちがきて、指示を受けながらの作業です。
各メーカーさんも、わざわざ自分の商品を返品する為に店に来られました。
メーカーさんには本当に申し訳ない気持です。

それにしても、本部のエライさん達。
もうちょっと、メーカーさんにやさしく対応してあげるべきじゃないかな?
返品する事が、当たり前のようにメーカーに指示をしている、いや、命令をしている。
仕入れたものを、責任をもって売り切るのが商売の基本です。
閉鎖になったとはいえ、それはあくまでもこちらの都合。
メーカーあっての商売だという事を忘れたくないものです。
(もちろん、店あってのメーカーとも言えますが。)

”商品が残っても返品すればいい。”
そんな気持がある限り、売上は絶対に上がることはありません。
商売の基本は”仕入れたものは必ず売り切る”なのです。
メーカーと店の関係は、お互いにお客様と店員の関係と同じ。
そこにお互いの信頼関係がなければ、商売は成り立ちません。
お客様(メーカー)を大事にしなければ、いざというとき、助けてくれるどころか
見放されてしまうでしょう。
そう言えば、ここ最近、メーカーが店に来る事は少なくなりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 閉鎖後の片付けで、問題になっていたのが、店の販売促進用に使われていた
ラジカセとかテレビデオなのです。
どれもとりあえず使えるけど、かなり汚れていて傷もある。
これは、お客さんに売るわけにはいかず、店に残ってしまいます。
そのほか、景品用の品、メーカーのプレゼント商品の残品。
とくに電器売場ではたくさん残ってしまいます。
これらは「従業員販売」という形で、捨て値売ることになりました。

パートさんたちの目がきらきら輝きます。(?)
ほとんど早い者勝ちと言ったところです。
やはり一番人気はテレビデオ。
あっという間に売れてしまった。
私も欲しいと思っていたので、1台買わせていただきました。
これで、やっと休みの日には、好きな映画が楽しめそうです。
(家のテレビのチャンネル権は、奥さんと子供にありますので・・・。)

ただ、問題がひとつありました。
「このテレビデオ、どうやって持って帰ろう?・・・」
ちなみに私は自転車通勤。
当然、店が閉鎖したので、配達も頼めない。
うちの奥さんは、ペーパードライバーだし。

悩んでいると、ちょうどそこに修理サービスのSさんが来た。
このSさんは、もう60才をすぎたおじさんで、この日記にもたびたび登場しています。
お客さんにも、とても人気あるベテランサービスマン。
ある意味、私はSさんの接客のすばらしさにいつも頭が下がる気持です。

今日のSさんは、とても機嫌がよかった。
「さっき、最後の2件のお客さんの修理に行ったら、両方ともお弁当を頂いたよ。
最後にとても気持よく仕事が出来たよ。」
と喜んでいた。

Sさんは、この店の閉鎖で、この仕事を辞めることにしたそうです。
もう15年もこの店で修理サービスをされていました。
「定年が早く来たと思っているよ。」と明るくしゃべるSさん。
・・・この人と私はもっと一緒に仕事がしたかった。

最後に私はSさんに甘えてしまいました。
「Sさん、悪いのだけど、このテレビ、うちのアパートまで届けてくれる?」
すると、嫌な顔ひとせず
「あぁ、いいよ。〇〇ちゃんにはいつも助けてもらっているからね。」と言ってくれた。
”〇〇ちゃん”・・・私の名前を”ちゃん”付けで呼んでくれるSさん。
私は、〇〇ちゃんって呼ばれる歳でもないけど、なぜかSさんがこう呼ぶと、とても親しみを感じました。

さっそく、自宅に電話して、「Sさんがテレビを配達してくれるから、何かお土産を用意していて」
とうちの奥さんに頼んだ。
私も今日のお客さんと同じように、Sさんに喜んでもらいたかったのです。


・・・・・・
夜、仕事から帰ってみると、テレビがちゃんと配達されていました。
「Sさん、お土産喜んでいた?」って奥さんに聞いた。
それがね・・・と奥さんが話し始める。
「それが受け取ってくれなくて、”いいよ。僕はいらないから子供達に食べさせてあげて”って言ったの。」
そうか・・・Sさんらしいなと私は思った。
たしかに和菓子は子供達の大好物だ。

それでね・・・と奥さんがまた言葉を続けた。
「Sさんね、”もう僕と会うこともないだろうから、〇〇ちゃんによろしく伝えてね”って言ってたの。
どうしてかな?それでね、”みんなには言わなかったけど、〇〇ちゃんにはお世話になったからね”
とも言ってたのよ。」


Sさんの退職のことは、うちの奥さんは知らなかった。

何てことだ・・・。
Sさん、今日が最後の出勤日だったんだ・・・。
うかつにも、私はそれを知らなかった。
売場では何も言わなかったくせに、本当に誰にも言わないで・・・。

「ありがとう、さようなら・・・」

それくらい、ちゃんと言いたかったんだよ・・・Sさん。
なのに・・・あなたは最後までやさしい人でした。
悲しい思いは、もう、したくないけど、あなたのことなら、もう一度
悲しい思いを私はしたかった。
たぶん、あなたのほうがもっとつらかったのでしょうね・・・。

出会いと別れ
・・・生まれてから何度も経験しているはずなのに
どうしていつもこんなにも悲しいのだろう。


「〇〇ちゃん。元気かい!」

こう私を呼んでくれるのは、きっとあなた以外もういないでしょう・・・。

Sさん、今まで本当にありがとう。



”さようなら”
いつか、きっとまた、どこかで会える時まで・・・。







24日目 閉鎖後4日目 家探し。
 二人だけの遠足・・・。


 昨日と今日で、転勤先の新しい街へ、家探しに行って来ました。
子供達は、私の実家に預けてきました。
うちの奥さんと二人だけでどこかへ行くのって何年ぶりだろう?
う〜ん、間が持たないというかなんと言うか・・・(まあいいや。(^。^) )

・・・・・・
 だいたいこの時期に転勤なんて最悪です。
物件がほとんどありません。
不動産さんも「もうちょっと早かったらあったのにねぇ〜」って言ってました。
転勤の度にいつもそうです。何年住むかはわかりませんが、やはり少しでも条件の
いいところに住みたいものです。
引越しまで時間がないので、今日一日で決めなければいけませんでした。
私の物件条件は、小学校が近くて、幼稚園に近くて、駅に近くて、そして家賃が?万円以内。
その条件を満たす物件は、たったの3件。

しかも、そのうちの1件は、家賃が魅力的に安いが、学校が遠い。駅が遠い。
おまけに今日は雨が降っている。日当たりの状態がわからない。
3件とも築10〜20年の古い物件。
いやいや、実際に見てみれば、結構大丈夫かも?と思ったけど
そんな望みも虚しく、3件とも、しっかりと年数に比例して、無茶苦茶古い建物でした。

しかし、3件とも嫌だとは言っていいられない。
これ以外、もうないのだから・・・。

結局、奥さんと相談した結果、一番安いマンションに決定しました。
さっきの家賃は安いが、駅、学校が少し遠い物件。
築20年、今、住んでいるアパートよりもかなり格が下がります。
なんだか「あ〜あ」と言う気持です。

もう1度、隅々まで、その物件の部屋の中を見ました。
ふと、天井を見上げると、何かが突き出ている。(?)
「なんだろう?」と思ってよく見てみると、なんと太い釘が天井から突き出ていた。
案内してくれた不動産屋の女の子に「この釘は何とかしてください。」
泣きたい気持で言いました。(T_T)

また、カーテンレールがなぜか斜めになっているのに気が付いた。
「あれ?」と思ってよく見てみると、  ・・・外れかかっていた。(T_T)
これもなんとかして下さい。と頼みました。
不動産屋の女の子は「大家さんに聞いてみます。」と言って出て行った。
待つ事しばし、女の子が戻ってきた。

「釘は何とかするそうです。ただし、カーテンレールは前の住人が勝手に付けたものなので
それはどうしようもない。」
と言われてしまった。
カーテンレールは、普通、部屋に付いているものだと思うのだけど、こっちで直さないといけないそうだ。
「そうなのかなぁ?」とちょっと不信に思ったけど、なんだか、もう、どうでもよくなってしまった。

この物件の唯一のいいところは、「日当たりがいい事。(たぶん)、家賃が安い事。」
この2点だけだ。
しかし、私は自分がつくづく、情けなく思います。
どんなに一生懸命に働いても、こんな安いマンションでないと生活が出来ないなんて・・・。

いまだに私は、小学校の娘に学習机を買ってあげていません。(今の部屋が狭いので。)
今度、引越ししたときは、広い部屋に置く学習机を買ってあげようと思っていたのですが
今度もその夢は叶いそうにありません。

「ごめんな。もっと給料がよかったらな・・・」 思わず弱音を吐いてしまう私。
「別に・・住めば都よ。」 と言ってくれるうちの奥さん。
服も、化粧品も満足なものを持っていないのに。
私のため息は、いつまでも止まらない。

そうは言っても、学校から少し遠い事に心配をする奥さん。
「まーちゃん(小学1年生)が毎日通うのに大変かも」と。
それがどうしても気がかりのようでした。

そんな不満な気持を残したまま、私達夫婦は、夕方の新幹線に乗り
まったく楽しくなかった二人だけの遠足の帰り道を急いでいた。

・・・・・・
 実家に帰ると、子供達は、おばあちゃんと一緒に仲良く遊んでいたようだ。
「新しい(?)家を見つけてきたよ!」というと
一番下の息子(4歳)はわけもわからずに喜んでいた。
小学1年生のまーちゃんは、それからずっと黙ったまま。
きっと、転校するのが嫌なのでしょう。
ちょっと泣いていました。

住むところを選ぶのもままならなくて、時間がなくて。
どこまで流されて私は生きてゆくのだろうかと思う。


  家賃が高くても、せめて家族に楽な思いをさせるべきだったと
  少し後悔をしている私です。



    でも、もう遅い。 ・・・契約はもう終わってしまった。



・・・・・・・・・・
今日は、とても疲れました。
もう寝ます・・・。






25日目 閉鎖後5日目 
 そして、再び新しい街へ。


 朝の10時過ぎ。
私にしては、休みとはいえ、遅い寝起きだった。
嫌な夢を見た。でも思い出せなかった。
昨日の引越し先の物件探しによっぽど疲れていたのだろう。

小学1年の娘は、とっくに学校に行っていた。
うちの奥さんが「おはよう」と私に声をかける。
いつもと変わらぬ朝だった。

パン2枚と、ちょっと苦いインスタントコーヒー。
私のいつもの朝食。
目の前には、うちの奥さんが私に何か言いたそうにしていた。
私も何か言いたい気持だった。
それは、たぶん同じ事だろう。でも、いまさらどうしようもないことだった。
「昨日決めたあのマンションだけど・・・」
うちの奥さんが一点を見つめながら話しを切り出した。
「小学校、遠いね。 ・・・まーちゃんが可愛そうね。」
そう、つぶやいた。
声が少しだけ、震えていた。

「でも、もう昨日、決めてしまったじゃない・・・。」
コーヒーを飲みながら、私は妻のその言葉を打ち消した。
しかし、妻は、耐えられなかったのか、思いがけずその目に涙があふれ出した。
「私達って、お金の事や、自分達の生活の便利さばかり考えて
子供達のこと、よく考えていなかったんじゃない?
少々家賃が高くったって、学校の近い場所にしてあげるべきじゃなかったじゃないかしら?」

妻は、私を責めると言うより、自分を責めているようだった。
昨日の夜からずっと悩んでいたのだろう。私を同じように・・・。

「どうしたの?お母さん。お父さんが怒ったの?」
何もわからない4歳の息子が、妻に問い掛ける。
「違うのよ。お母さんが悪いの・・・。」
一言、妻がつぶやく。

「いや、違うよ。お母さんが悪いんじゃないよ。」
そう、息子に言い聞かせ、私は立ち上がった。


インスタントコーヒーは、もう冷めていた。




・・・・・・・
 その2時間後、私は新幹線の中にいた。
もう1度、転勤先の物件を探すために。
家族を幸せに出来なければ、私の存在などまったく意味がない事なのだ。

その2時間の間に、私は不動産屋に電話をして、昨日の物件を白紙にするように無理やり頼んだ。
そして、今からもう1度そちらに行くから、物件を探して欲しいと頼んだ。
少々高くなっても構わない。学校が近くて、安心して子供が通える場所を第一優先にした。
今思えば、なんとも無謀な事をしたものだ。
不動産屋も困っていた。「昨日決めた物件を今から取り消すと、希望の入居日には
間に合わなくなるかもしれませんよ。」
そう電話で私は言われてしまった。
もしかしたら、変更手続きが面倒で、そう言ったのかもしれない。
そんな軽い脅迫のような言葉に、今の私は負けるわけにはいかなかった。
「とにかく今から伺います。」そういって私は電話を切った。

今度は私ひとりで行く事にした。
子供が学校に行っているので、奥さんは家に残ってもらうことにした。
「ごめんね。お父さん。」妻らしくない気の弱い言葉。
「いってくるよ。」私はそれだけ言って家を出た。

悪いのは、物件を一方的に妻に任せてしまった私であり
そして、転勤しつづけなければならない仕事に就いている私のほうなんだ・・・。


・・・・・・・・・
 転勤先は、幸いな事に、ここから新幹線で2時間のところ。
昼から行っても、なんとか今日中に帰れる場所だった。

実は今回の事は、不動産屋にも非はあった。
昨日、妻と物件を見ていたときに、もうひとつ学校に近い物件があったにもかかわらず
「条件に合う物件はここだけです。」とそれを紹介してくれなかったのだ。
さっさと、昨日の物件に決めて欲しかったのだろう。
「この物件は、めったにない、いい物件ですよ。」
昨日の不動産屋のそんな言葉が、同じ接客業の私にとっては白々しく聞こえていた。

先ほどの電話でも、私はあえてそのことを指摘した。
不動産屋は、もうひとつの物件を紹介しなかったことを正直に謝ってくれた。
その物件は、少し家賃が高いので、私達の希望ではないと勝手に判断をしたようだ。

「どうして、昨日のあの時、ちゃんと紹介してくれなかったのか?」
電話をしながら、私は怒りたい気持だったが、謝ってくれたので、なんとか気持を落ち着けた。


・・・・・・・・・・
 約2時間、新幹線に揺られ、JRに乗り換え、やっと昨日の不動産屋の事務所に着いた。
担当の女の子が、「遠いところから、わざわざすみません。」と頭を下げていた。
「こちらこそ、昨日、一度は決めたのに申し訳ありません。」と一応、私は答えた。
もう、そんな事はどうでもいい。私は早く家族が安心して住める場所を決めたかった。

早速、その物件を見に行った。
やはり、学校が近くて、駅にも近い、いい場所だった。
幼稚園も小学校と一緒になっており、子供にとっては、とてもいい環境だった。
しかし、問題はあった。少々家賃が高いこと。
私は妻と電話で連絡をとった。
「いいよ。そこに決めよう。もしものときは、私も働くからさ。」そう妻は言ってくれた。
「そこまでしなくたって、なんとかなるさ。」私はそう言って、不動産の担当者に
伝えた。妻の電話の声が、私の気持をポンと押してくれた。

「ここに決めます。」


・・・・・・・
 しかし、話はここで終わらなかった。大きな問題が出てきた。
この物件に決めたのはいいが、肝心の大家に連絡が取れなかった。
担当者が電話をしたが、大家が留守のようだった。
不動産の担当者は「大家さんに連絡をとって入居の許可を頂かないと正式に契約が出来ない。」
そう私に言った。
なぜ、私が朝、電話をした時に大家に確認の連絡をとっていなかったのか?
あまりの不動産屋の段取りの悪さに私はいい加減に怒りたい気持だった。
「じゃどうすればいいの?」私は尋ねた。
「他の物件も探してみましょうか?もう、ないとは思いますが・・・。」
その言葉に私はもう、怒りを我慢するのは限界だと思った。
やっとこちらが物件を決めたにも関わらず、”他の物件を探しましょうか?”
まったくお客のことを考えていない言葉だ。

私はここで怒鳴ってしまおうと思った。
しかし・・・それでは自分の思いどうりにならないが為にただ怒鳴る
単なるクレーマーに自分がなってしまうような気がした。

「大家と連絡が取れるまで、私はここで待ちます。」
その気持とは裏腹に私はとんでもない事を言っていた。
やれやれ、同じ接客業にいる者は、こんなとき損をしてしまう。

「なんとか大家に連絡を取りつづけてみます。」そう担当者は言っていた。
本当はあきれていたのだろう。
いつまでも待つさ。新幹線の最終便に間に合えばいいんだ。 ・・・そう私は覚悟した。

待っている間、私の隣ではこの春、大学生になるのか、若者と親らしき人達が
何度も席を入れ替わりしていた。
私のひきつった顔とは逆に、若者達は、なんとも言えない、いい笑顔をしていた。
新しいスタートに、希望に胸躍らせているのだろう。
なのに私ときたら・・・あてもなく、ただこうして待ちつづけているだけだ。

待つ事2時間、一本の電話が入った。
担当者が、急いで電話を取る。

「そうですか!ありがとうございます!」
その言葉に、わたしのあてのない待ち時間は終わりを迎えた。
大家と連絡が取れたのだ。

やっと契約が成立した。



・・・・・・・・
 とても長い一日だった。
家に帰ったのは、もう夜の8時を過ぎていた。
昨日以上に疲れてしまった。

「ただいま。」
そう言って私は家のドアをゆっくり開けた。


「お帰りなさい!お父さん、
       お疲れ様、今日はありがとう。」

妻と子供達が、玄関まで笑顔で迎えてくれた。




私の幸せは、確かにここにある。







26日目 閉鎖後6日目
 「そして、誰もいなくなった。」


 今日は、引越しの為の手続きで、市役所に行って
やれ住民票の写しやら、印鑑証明書の発行やら、転出届やら
やらやらやら・・・?? やれやれ、、頭が痛くなりそうです。(^^ゞ

おまけにガス会社に電気、水道、電話、保険、ケーブルテレビ、毎月購読の児童図書etc。
それぞれ電話をして、引越し日やら、新しい住所やら、新しい電話番号やら
やらやらやら・・・(す、すいません、、) いちいち、みんな同じ事を伝えなければならない。
あ〜あ、今、時代はグローバルスタンダードって言われているけど
なんて無駄な事をしているのだろうね。私は。
インターネットで、送信ボタンひとつで変更出来そうなものですが・・・。(早くそうなって欲しいです。)

昼過ぎに市役所に行ったのですが、市役所の職員からこんな声が聞こえてきた。
「このポス〇ペットのキャラクター、誰が入れたんですかぁ?」
「あぁ、わたしわたし、かわいいでしょう。」


むむむ!市役所の職員さんは、一体何をしているんだ?
よく見ていると、パソコンでフリーセルをやって遊んでいる職員もいるぞ!
むむむ!私達の血税を!なんてことだ!と思った。
うちの奥さんに「あの人達、勤務中に遊んでいるよ!」と教えたら
「これじゃないの?」と腕時計を見せられた。
時間は昼の12時30分。
ああ、そうか、昼休みなのですね。たぶん・・・(お仕事、がんばって下さい。(^^ゞ )

*そういえば、私の日記も会社のパソコンで見ている方もいらっしゃるみたいです。(メールにて)
 お仕事、ご苦労様です。せめて休憩時間終了まで、ごゆっくりとのんびりとして下さいね。


・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まーちゃんが今、通っている小学校も今日を含め、あと3日となった。
まーちゃんもようやく、少しだけ元気を取り戻したようです。
友達からは、引越しの事ばかり聞かれるようになったみたいです。
今日の夕方、まーちゃんの友達が、学校からまーちゃんと一緒に帰りながら、うちのアパートで
分かれる際に元気な声でこう言ってた。
「まーちゃん、あと3日!さようなら!」(笑)
あと3日って・・・おいおい、、、(最近の小学1年生ときたら・・・。(^。^) )

実は、奥さんのアイデアで、まーちゃんの最後の学校での授業の日に、クラスみんなに
学習ノートをプレゼントする事にしています。
その日まで、クラスのみんなには内緒にしています。
クラスみんなの笑顔と、まーちゃんの笑顔が、ちょっと楽しみな私達夫婦のたくらみです。(笑)
*ちなみに昔、まーちゃんが、幼稚園を途中で退園するときも、家にあったたくさんのぬいぐるみや絵本を
 幼稚園にプレゼントしたこともあります。子供達の笑顔ほどうれしいものはありませんよね。

・・・・・・・・・
引越しまであとわずか。
本当にあっという間でした。時間がない中、とりあえず物件も決まり、面倒な手続きもとりあえず
終わり、今、ホッとしているところです。
明日から、また仕事です。
仕事といっても、閉鎖した店の残務処理。主に廃材の処理とかです。
あと数日で閉鎖店舗の仕事が終わる。

いよいよといった感じです。
昨日、店の前を通りすぎましたが、通行人がすっかり減ってしまいました。
うちの店の前の店舗も、どうなるかわからないなと思ったのが正直なところ。
とりあえず、いつもにぎやかだった店の前が、まるでウソのような静けさになってしまった。



  「そして、誰もいなくなった。」


映画じゃないけど、ただ、そんな気がする私なのです・・・。







27日目 閉鎖後7日目
 やがて冬が終わるように・・・。


 今日、店での残務処理がほぼみんな終わりました。
若干の商品返品は、残っていますが、各売場には、まるでウソのように
何もなくなってしまいました。
あれだけの商品や、陳列台、棚板やら、本当にすべてなくすことができるものかと
思いましたが不思議です。
物事は、結局なんとかなってしまうものなのですね。

・・・・・・・・
 売場で廃棄作業をしていたら、後ろから肩をポンと叩かれた。
「え?」って思い、振り返ると懐かしい友人だった。

彼は、実は私と同期入社なのです。
彼と私は、この店で、はじめて接客業という仕事をしたのでした。
何年ぶりだろう・・・。
彼は、その後、本社勤務になってしまい、私とほとんどすれ違いになってしまいましたが
それでもたまに年賀状を頂いたり、送ったりしていました。
ここ5年くらいは、お互いに住所すらわからなくなりましたが・・・。

この店で、お互いにはじめてのスタートを切り
そして、こうして、この店の終わりにまためぐり会えるなんて・・・。
なんだか不思議な運命を感じます。

彼は、今日、返品商品の指示とかで本社から応援に来ていたようでした。
少しだけ彼と話をすることが出来ました。
あの頃に比べると、少し太ってしまったのかな?
本社勤務で座って仕事ばかりしていると、そうなってしまうということかな。(?)
私は相変わらずなんですけどね。

「実は、この仕事のこと、どうしようか悩んでいるんだ・・・。」
彼からこんな言葉を聞こうとは、夢にも思わなかった。
私と歳はあまり違わなくて、小さな子供もいる。
思わず私の心も揺れてしまう。

「そうか。そうだよね・・・。」
彼にそんな言葉しか返せなかった。
”辞めずにがんばろうよ”
そんな無責任なこと、私にはとても言えない。
それぞれの人生には、それぞれの形があって、他人にはとうていわからないもの。
自分にとっては正しいことも、人によってはそれが間違いの時もある。
”心を大きく開いて、ただ、受け止めてあげる”
誰かのその言葉を頭から決して否定しないように。
そうすることで他人の痛みとか、つらさとかが素直に自分にも分かるような気がします。
ただ、その時の私には、どうしようもない気持だけが、歯がゆく心に残ってしまいましたが・・・。

彼なりに、自分の人生というものをしっかりと見つめているのだなと思った。
その消極的な言葉とは裏腹になぜか、彼が頼もしく見えたのは気のせいだろうか?
「もう、彼とは会う事もないのだろうな・・・。」
ふと、そう思ってしまった私がとても悲しく思えます。

この店の終わりに、こうしてこの店で最初に仕事をした彼と出会えて本当によかった。
運命という言葉を今日だけは、私は信じてみたい気持です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 店の閉鎖の発表があってからというもの、実にいろいろな事がありました。
最初は、自分がどうしていいかもわからず、この日記さえ閉鎖してしまおうか、などという
ことも考えてしまいました。

しかし、逆にこの店の閉鎖のことを、その中での店員の本当の気持というものを
少しでも誰かに伝えよう・・・。そんな気持で私は書いてきました。
ときどき、感情的になってどうしようもないことも書いてきました。
閉店セールの中でのお客さんの態度に対して、批判してしまう事も書きました。
従業員同士の会話の事で、それぞれの置かれている立場の違いで、いがみ合うような事も書きました。
社員が、つぎつぎと辞めてゆくという実状も書きました。
お客さんからの、思いやる声、やさしい声、そして冷たい声・・・
そして、従業員の哀しみ、苦しみ、憎しみ、涙・・・。いろいろと書いてきました。

”結局、私は何が言いたかったのだろう・・・?”
今になって、私はそんなふうに思います。
しかし、その答えは、私にはわかりません。
私はただ、”閉鎖店舗の情景”というものを、そのまま書いてきたにすぎません。
答えはきっと、これを読んでくださった読者のみなさんのそれぞれの心の中にあるような気がします。

人それぞれ、いろいろな形があって、答えも実に様様なのでしょう。
結局、はっきりとした答えはないのかもしれませんが、今の私には、それでもいいような気がします。

これからも街のどこかで、店の閉店セールを見る事があるでしょう。
この”閉鎖店舗の情景”は、決して私の店だけのことではありません。
これからも、次々と起こる事なのでしょう。

その中で働く従業員のこと、そのまわりの人たちのこと、お客さんのこと・・・
それらすべての事を、この日記のひとつの事実として受け止めてくださればと思います。

冬が終わり、もうすぐ春がやってきます。
ひとつの終わりには、必ず次の新しい何かを用意してくれます。
終わりのない夜は決してない。
終わりのない雨は決してない。
朝は必ずおとずれる。
雨はいつかやむのです。

私達は、ふと忘れがちですが、そんな当たり前の事が、実は
奇跡のような希望であり、必ず何かがそれを用意してくれているような気がします。

”閉鎖店舗の情景”の日記は、一応ここでピリオドになります。
しかし、この続きは、きっとあなたの街のどこかの店の閉鎖に、もしかしたら続くかもしれません。
それでも、いつかきっと終わりが来る。
今は、そう信じていたいのです。


次に始まる新しい何かに期待しながら・・・。



「閉鎖店舗の情景」を最後まで読んで下さった方に、本当に感謝いたします。
ありがとう・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ps 今まで店の閉鎖発表の日から、たくさんの励ましのメールを本当にありがとうございました。
   ひとつひとつ満足にお返事が出来なくて、本当に申し訳なく思っています。
   ここまで書いてこれたのも、みなさんのメールや、書きこみのおかげです。

  次の更新は、今度住む新しい街からになるかもしれません。
  今度の新しい店でのクレーム日誌は、どんな話になるのか、自分でもワクワクしてしまいます。
  ほんの少しだけ日記はお休みになるかもしれませんが、新しいクレーム日誌をどうぞお楽しみに・・・。

  (といってもたぶんいつもと変わらない日記だと思いますが・・・。 )


  EACH TIME。






 引越し前に、おまけの更新です。

 明日、引越しをします。
私のこのパソコンは、デスクトップタイプです。
そろそろ箱に梱包しなければと思ったのですが、どうしても書きたい事が出来ましたので
その前に”おまけ”としてこれを書いています。
(後ろの方で、うちの奥さんが”はやくパソコンしまいなさい!(>_<)”ってうるさいです。只今必死で書いてます。^_^; )

*****************************************
 今日、小学1年のまーちゃんの送別会を小学校のクラスのみんながしてくれたみたいです。
そのときに、クラスのみんなから、まーちゃんに一言ずつ書いたノートをプレゼントしていただきました。
とてもおもしろいことが書いてありましたので、一部だけ紹介したいと思います。

〇〇さん、えほんをよませてくれてありがとう。
こえは大きくなかったけど、きもちをこめてじょうずにいえたね。
ちがうがっこうでもがんばってね。

りょうたろう
 ↑絵本がとても好きなまーちゃん。
みんなの前で絵本を読むのも、とても好きだったようです。

〇〇さん、えほんがかりやおとしものがかりのときもげんき
いっぱいの〇〇さんでしたが、てんきんになるなんて、きいた
とき、びっくりしました。
ひっこすまでにいっぱいおもいでをつくりたいです。

ひろき
 ↑最近の小学1年生って文章がとても上手ですね。
思わず感心してしまいました。

〇〇さん、よく大きなこえでえ本がよめるね。
あっちの学校でも、ともだちいっぱいつくってね。

のりこ
 ↑まーちゃんは、とても恥ずかしがり屋さんなのですが
絵本を読むときは、明るい顔になるまーちゃんです。(^^)

ちがうとこでも、ともだちつくってね。
ともだちいっぱいみつけてね。
がっこうのみんなをわすれないでね・・・。

ゆきこ
 ↑これは、私のとても好きな贈る言葉です。
ゆきこちゃんのやさしい心が私の心に染み入ります。
友達いっぱい見つけてねと言いながらも、みんなを忘れないで・・・
と書いてしまうところが、胸にジンときます。

う〜ん、実は正直に言うと、この”みんなをわすれないでね。”
という個所をはじめて読んだとき、私は涙が出そうになりました。

ぼくは、〇〇さんがてんこうさるのがいやです。
せっかくともだちになったのに。
でもくらせたのがたのしかったよ〜。

ももたろう
 ↑原文そのまま載せています。
てんこうさる?は方言かなぁ。。。(^^)
ほとんどのお友達は、「わたしたちのこと忘れないでね。」と書いてあったのですが
ももたろうくんは、”ぼくは、いやです”ってきっぱりと書いているところがとても印象的です。
子供の素直な気持が伝わります。これも私の好きな贈る言葉です。

〇〇さん、ちがう学校でもがんばってね。
こわい先生でもちゃんとしてればだいじょうぶ。

てつや
 ↑最後にこの贈る言葉を紹介します。
はっきり言って大笑いしてしまいました。(^○^)

”こわい先生でもちゃんとしてればだいじょうぶ。”

これは、てつやくんの世渡り術なのでしょうかね??
なんだかアドバイスしてくれてるみたいで面白いです。
ありがとう。てつやくん。


どれもキラキラひかる子供達の贈る言葉でした。



*************************

 今日は、最後の出勤日でした。
今まで一緒に働いてきた、パートさんたち、そして従業員達
みんなバラバラにそれぞれの人生を歩んで行きます。

退職する人もいます。
これから仕事を探す人もいます。
私も含め、他の店に転勤する人もいます。

店長は最後に「この店が閉鎖しても、あなたたち従業員のみんなは、ひとつも
恥じる事はない。この店は、あなたたちのおかげでちゃんと目標を達成してきたのだから。」

そう言って下さいました。

自分で言うのもおかしいのですが、本当にそうだと思います。
あれだけ忙しかった閉店セールを、そして、膨大な作業にもかかわらず、閉鎖後の仕事を
こんなに早くやり遂げたのも、すべて私達従業員なのです。
閉鎖発表から約1ヶ月の間でしたが、みんながいつのまにか、ひとつになれたような気がします。
私は久しぶりに、ひとつの仕事をやり遂げたという達成感で気持がいっぱいになっています。


「それでは、みなさんお疲れでした。」


店長のこの最後の言葉でこの店でのすべて仕事が終わりました。

でも、みんな、その場からしばらく帰れないでいました。
気付けばいつのまにか自然に、みんなが店長や課長に握手を求めに行っていました。
思わず店長も目に涙をためていました。

パートさんたちが、それぞれの思いで涙しながら、みんなと握手をしていた。
私もお世話になったパートさんたちと最初で最後の握手をしました。
目を真っ赤にしたパートさんたちを見ると、もう、私も涙を我慢できなくなりました。

気の強いパートのおばちゃん、本当に今までありがとう。
あなたのとても元気な声で、いつも売場が明るかったよ。
もう、仕事はしないそうですね。
お客さんに人気だったあなたのことだもの、その明るい人柄で
まわりの人達を幸せにしてあげてくださいね。

ちょっとしたクレームですぐに私を呼んでいたパートのKさん。
その度にいつも私は参ってしまったけど、あなたの丁寧な売場作りには
本当は感心していたんだよ。

まわりのことにいつも気が利くパートのNさん。
いままで何度助けられたことか。
少し足が悪いのですよね。
これからは、無理しないで自分をいたわって下さいね。

こうしているといろいろな想い出がよみがえります。

最後に私は、売場をもう1度だけ歩いてみました。
何もなくなってしまった売場ですが、今でもここにどんな商品があったか
どんな売場だったか、すべて思い出せます。

「お疲れさん・・・。」

そう言って私は最後に売場のドアをゆっくりと閉めました。



この店で私がお世話になったすべての人へ


それぞれの新しい人生、いろいろな思い出を作ってくださいね。
これからの新しい出会いを大切にして下さいね。
いつまでも、その誇りを持ちつづけてくださいね。
いつまでも、そのチャレンジする気持を忘れないでいてくださいね。

そして・・・

わたしたちのこと
この店のこと


忘れないでね・・・。


EACH TIME


ps これからパソコンを梱包します。
   次は、新しい街で会いましょう・・・。





                     閉鎖店舗の情景 ・・・END。 





                 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

                             EACH TIME