交通安全や禁煙、その他についての
これまでの投書です
 
2006年
喫煙車両での販売はやめて
医師は率先し禁煙すべきだ
禁煙で築こう豊かな人生を
「さるく博」で禁煙訴えよう
快適な日々へ 禁煙を早急に
入所施設での喫煙は禁止に
 
2005年
肺がん発生に喫煙9割関与 アスベストどころではない
宴会場の施設には喫煙室を設置して
運転中のタバコの点火は禁止にすべし
飲食店も完全分煙目指して
 
 
2004年
マナーの悪化が目立つ二輪車
プリペイド式携帯 廃止しないで
レストランでは子ども連れは全部禁煙席へ案内すべき
喫煙者は10寿命が短い
医療者は喫煙すべきではない
受動喫煙の害の責任は施設に問われる
リア・フォグは晴れた夜は使わないでほしい
子供はだれでもタバコに興味を持つ時期がある
 
 
2003年
分煙に公費を使うな 究極の分煙はは建物内禁煙
タバコにはニコチン依存にするしかけがある
受動喫煙防止 効果は迅速に現れた
喫煙は依存症 習慣ではない
ゆめ総体の会場は禁煙になった 学校敷地内禁煙を急げ
なお抵抗強い職場の禁・分煙
全日点灯運動 有用性理解を
管理者の責任問う受動喫煙
税収上回るたばこの弊害
 
 
2002年
無灯火二輪車の取締りを
タクシー全車禁煙化考えて
子供の受動喫煙防止のために
スポーツ会場 禁煙にすべき
 
2001年
受動喫煙もハラスメントであり子供にとっては虐待である
妊婦の喫煙、受動喫煙の害
車の早めの点灯さらに徹底を
空気清浄機では分煙にならない
肺癌非常事態宣言  働き盛り失う喫煙率の上昇
肺癌非常事態宣言 肺癌抑制へ禁煙の徹底を
楽章の間では拍手は不要
ニュースステーションはJTに気兼ねしてたばこ問題については弱腰
くり返されるパチンコ屋駐車場の「熱中症」事故
長距離バス交代運転手の喫煙は車外で
未成年喫煙防止法の徹底のためにはたばこ自販機の規制が必要
健康21での喫煙率減少には数値目標を 
 
2000年
軽いたばこの欺瞞性 
公共施設備品を大切に
 
1999年
渋滞時の交互合流            
音楽会のマナー
早めの点灯
英語の誤用 アイドリング・ストップはやめましょう??
レストランの禁煙
 
1996年
原爆中心碑問題  
 
1994
譲り合い運転  私にとって生まれて初めての投書が掲載されました  
 
 
2006/11/7 朝日新聞(西部版) 「喫煙車両での販売はやめて
 10月31日、JR九州は、全特急列車の禁煙化の方針を訂正して、長時間の走行をする一部の特急列車については喫煙車両を残すことを発表した。
 ニコチンを切らしたことのない喫煙者にとって、いきなり4〜5時間にわたって禁煙を強いられるのはつらいものがあると思う。JR九州の判断はやむを得ないとしても、ぜひ実現して欲しい条件がある。
 第一は喫煙車両は一番端の車両にしていただきたい。第二は喫煙車輌への車内販売はやめていただきたい。
 車内販売の人に、あの劣悪な空気の中で仕事を強いるのは、職場環境の基準からも見過ごせない。喫煙車を端にすれば販売の中止も容易だし、喫煙車を通過したときに衣服に付くたばこのにおいや有害粒子を禁煙車に持ち込むこともない。
 検札の車掌も同様であるが、こればかりはやむを得ない。本音を言えば、喫煙車の検札のときは、防毒マスクを装着して特別のガウンを羽織り、禁煙車に戻るときはそのガウンを脱いで欲しいところである。
 
 
2006/4/3 朝日新聞(西部版) 「医師は率先し禁煙すべきだ」
 今月から、ニコチン依存症管理料が保険診療の対象となる。喫煙習慣は嗜好ではなくニコチン依存という病気であると認識されたわけだ。各医学会も次々と禁煙宣言をし、医療関係者の喫煙対策に乗り出している。
 健康診断で、最大血圧160以上や血清総コレステロール値280以上を指摘された患者さんに対して、放置してかまわないと指導する医師はまずいないはずだ。
 喫煙は単独でもこれらと同程度に脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化合併症のリスクを高める。さらにこれらが二つ三つと重なるとリスクは4倍、8倍になる。
 ところが喫煙する医師は患者の喫煙に気づかないし、それを知っても強く禁煙を勧めることをしない。患者も医師が吸うなら喫煙の害はたいしたことはではないと都合よく解釈する。
 これでは患者の病気悪化の予兆を見逃し予防や治療を怠って、誤診と医療過誤をしているようなものだ。喫煙医師は、自らをニコチン依存であることを認め、十数年前の医学知識を捨てて、率先して禁煙すべきである。
 
 
2006/4/1  長崎新聞 「禁煙で築こう豊かな人生を」
  4月1日から、ニコチン依存症管理料が保険診療の対象となった。喫煙習慣は趣味や嗜好ではなくニコチン依存であると認識されるようになったからだ。
  健康診断で収縮期血圧160 以上や、血清総コレステロール値280以上を指摘された人は、医師から治療を開始するように勧められるはずだ。
  喫煙はこれらと同程度に脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めることが明らかであるからで、さらにこれらが二つ三つと重なるとリスクは4倍8倍と高まる。
  薬の服用や食事療法を熱心に守り、血圧やコレステロール値の変動に一喜一憂する人は、減塩食や肉類の制限は健康維持のためには必要な忍耐と考えている。
  ところが同程度に重要な危険因子である喫煙については、禁煙するとたばこを求める苦しい一生が続くと思い込んでいるため、さまざまの理屈をつけて吸い続ける。
  実は、禁煙すると毎日のニコチンの禁断症状の連鎖から開放される。低下していた味覚が回復するので、薄味でも何でもおいしく食べられるようになるので、食事療法も楽しくなる。まさに一石二鳥の実に豊かな人生が待っているのだ。禁煙で失うものは何もない。
 
 
2006/2/6  長崎新聞 「「さるく博」で禁煙訴えよう」
 四月から本イベントが始まる「長崎さるく博」の開催までもう少しだ。
 日光や飛騨高山などでは歩行禁煙を条例で定めている。主たる目的は歴史的に大切な観光資源を火災から守るためかも知れないが、「長崎さるく博」のコースにも歴史的に重要なものが多く含まれている。
 歩きたばこによる受動喫煙は、非喫煙者にとっては苦痛であり、吸い殻は街を汚す原因の筆頭である。長崎を訪れる観光客には、「さるく博」にふさわしく、「やめよう、さるきタバコ」を訴えてはどうだろうか
 また、飲食店で受動喫煙を受けたのではせっかくの料理はまずくなり、楽しい観光気分が台無しにされる。そうならぬためには、禁煙あるいは完全分煙の「空気もおいしいさるく茶屋」を積極的に推進し認定するといい。
 タバコの本格的栽培は長崎で始まったそうだが、観光地のたばこ対策を長崎が先導するのも悪くない。何よりも、心臓や肺に病気を持つ人、子どもたちが安心して訪れることができる「やさしい街、美しい街」、としてアピールできる。
  たばこのにおい、煙がやってこない安堵感は何物にも替え難いものだから。
 
 
 
2006/2/4  朝日新聞(西部版) 「快適な日々へ 禁煙を早急に」
 インターネット情報によると、愛媛県知事が、人間ドックの検査を受けた際に、全館禁煙の県立病院内で喫煙したことを1月の記者会見で公表し謝罪した。
 知事は「私に禁煙しろっていうことは、極論すれば死ねというに等しい」と答えたという。私がかつて診療していた大学教授も、「今タバコをやめることは、私の学者生命を絶つことに等しい」と言っていた。
 喫煙者は、禁煙すると一生タバコを吸いたい気持ちが続いて、一生苦しみ、つまらない生涯送らねばならないと考えているらしい。
 1本のタバコを吸い終えた瞬間から、血中のニコチンは減少し、数十分後には禁断症状が現れる。つまり、タバコを吸うからタバコを吸いたくなり、それをストレスと感じるのである。
 禁煙は、このニコチン依存の連鎖から脱却することであり、快適なすがすがしい日々を約束する。知事も、人間ドックを受けるからには、自分の健康に関心があるということであろう。今では、楽に禁煙できる方法もあるので、早急に禁煙を決意されることを望む。
 
 
2006/1/21  長崎新聞 「入所施設での喫煙は禁止に」
 先日発生した高齢者グループホームの火災は、実に痛ましい出来事であった。
 当の施設では、熱源は既に電化してあり、その後の検証からたばこの火の不始末が原因であることはほぼ確実となったようだ。
 監督する行政側の反応は早く、火災報知器やスプリンクラーの設置、当直の人数などの基準の見直しが議論されているが、資金面での困難も多く、火災発生時の実効性を考えると建前論としか私には思えない。
 費用対効果から考えれば、出火原因となるたばこを排除することがベストであるのだが、まるでタブー扱いだ。
 禁煙にすると「隠れ喫煙」となって火事の原因となるというが、喫煙を続ける限りニコチンの誘惑は続き、その前には規則は無力である。結果として日々火災のリスクは消えない。
 このような施設では、全体を禁煙にすることは権利の侵害ではない。受動喫煙の問題もあり、今回のように結果としてほかの人の健康権と生存権を犯す(正しくは”侵す”)こととなる。
 「認知症は子どもに帰る」というが、そもそも子どものころは誰も喫煙はしていなかった。入所を機会に、彼らをニコチンの呪縛(じゅばく)から開放し、自由で穏やかな日々に帰してあげよう。
 
 
2005/10/24  長崎新聞 「肺がん発生に喫煙9割関与」
  このほど「国際がん研究機関」が発行した最新の疫学データで、私が特に注目したのは、これまでの日本の疫学データでは肺がんの危険度が非喫煙者の4―5倍とされていたのが、15―30倍となっていたことである。
 肺がん発生にたばこが関与している割合(寄与率)は、かつては約70%と計算されていたが、これだと90%以上になる。大気汚染の減少と喫煙率の低下がたばこの影響をはっきりとさせてきたのだろう。
 最近、大きな社会問題となっているアスベスト(石綿)であるが、中皮腫との因果関係は明白であるものの、肺がんとの関係はその寄与率の判断がむずかしい。
 というのは、当時の男性の喫煙率は8割近くあったためアスベストに暴露された人も多くは喫煙者であったはずである。あるデータでは、肺がん危険度は喫煙だけで10倍であるが、喫煙とアスベスト労働の両方では50倍となっている。
  こと肺がんについて言うならば、アスベストよりもたばこがけた違いに原因として大きいことは今でも明らかである。それとも、20年後になってやっとたばこが今のアスベストなみに騒がれるのであろうか。
 
 
2005/10/24  朝日新聞(西部版) 「たばこの点火 運転中禁止に
 先日、長男が夜間にバギー車に乗っていて乗用車に追突された。軽傷で済んだのが本当に奇跡的と言っていいほどの状況であった。聞けば、加害者はたばこに火をつけようとして前方を見ていなかったので、ブレーキを踏んでいなかったという。
 喫煙や受動喫煙の健康被害は知られ、年間11万人もの人が喫煙関連疾患で死亡している(*)。運転中の喫煙がどれほど事故に結びついているかという統計はないようであるが、すでに韓国やドイツでは、運転中の喫煙を危険行為として禁止する法案の検討が始まっているという。
 少なくとも運転中にタバコに火をつける動作は携帯電話と同様に直ちに禁止すべきである。
 喫煙者と非喫煙者の交通事故発生率の違いはどうだろう。これも統計はないだろうが、ニコチンの半減期から考えれば、喫煙する運転者が一時間以上喫煙していないとニコチン切れのためにイライラしたり、集中できなくなったり、眠くなったりするといわれる。これも怖い話だ。

(*) 「タバコで毎年国内で喫煙者11万人、非喫煙者3万人が犠牲に」
MORTALITY FROM SMOKING IN DEVELOPED COUNTRIES 1950-2000 Richard Peto, Alan D. Lopez, Jillian Boreham and Michael Thun    http://www.ctsu.ox.ac.uk/~tobacco/
California Enviromental Protection Agency (1997). Health Effects of Exposure to Environmental Tabacco Smoke : Office of Environmental Health Hazard Assessment,

 
 
2005/10/7  長崎新聞 「人集う場所に喫煙室設置を」
 先日、同窓会が開かれ、多くの同窓生たちと旧交を温めあった。一つ残念であったことは、会場内禁煙を事前にお願いしていたが、実現していなかったことだ。
 果たして、宴が進むにつれ、会場内は紫煙が充満し気分が悪くなった。ロビーに出ると、同じように感じて出てきた友人たちもいた。
 中には、心臓発作や脳卒中を起こしながらも一命を取り留め、その後禁煙して今は元気で活躍している人もいた。彼らにとって、受動喫煙は病気の再発の心配もあり、是非とも避けたいところである。
 それに彼らは、自分が喫煙者であった当時は、他人にとってこれほどたばこの煙や臭い、口臭が不快であることは考えたこともなかった、と言っていた。
 今回の同窓会の企画とその成功は、世話人の多大なる努力のたまものであり、それに敬意を表して現場で再度提案することをちゅうちょしてしまったが、むしろ宴会場のテーブルに灰皿が当然のように並べられる時代はもう終わりにしたい。
 このような施設には独立した喫煙室を設け、出席者のすべてが安心して過ごせる時間と場所を提供することが本当のサービスとなって欲しいものだ。
 
 
2005/6/1  長崎新聞 飲食店も完全分煙目指して」

WHO(世界保健機関)によるタバコ規制枠組み条約が今年二月から発効した。今年の世界禁煙デー(五月三十一日)のスローガンは「タバコに向かう医療保健専門家―行動と対策を」である。
医師や歯科医師、薬剤師、看護師は自分自身が非喫煙者であることはもちろん、日頃からタバコの害を認識し、禁煙を勧め、受動喫煙をなくすために行動すべきだということである。
医療関係者だけでなく、飲食業界も安全な食事の提供という観点からは、現場の禁煙あるいは完全な分煙を目指していただきたい。自然食品を使用していますとか、契約農家から安全な食材を調達していますとか宣伝しながら、食事を提供する現場で、客が食事中に受動喫煙を強いられる状況はまさに「看板に偽りあり」である。
客が喫煙すると、換気扇がある調理場やカウンター内へ煙は流れて食器や食材を汚染することにもなる。喫煙者は食後に一服しないと脳が満足しないニコチン依存であるため、どんなにおいしい料理を提供しても無駄である。
料理人の腕と料理の味が分かる非喫煙者を真の顧客として遇することがその店の向上に必要ではないだろうか。

 
 
 
2004/12/9  長崎新聞 「マナーの悪化目立つ二輪車
最近、二輪車の運転マナーが以前より悪くなったと感じるのは私だけだろうか。
信号待ちの車列の先頭に出るや、渋滞で交通の流れが制限速度に達していないときに、四輪車を第一車線の左から追い抜くことは二輪車の特典として許容しよう。私も二輪車に乗るときに、そうすることがあるし、四輪車を運転するときは二輪車に対してそのように配慮している。
ところが最近は、制限速度またはそれ以上で流れているのに左側から、あるいは複数走行帯の道路で車の間を縫うようにして追い越す二輪車が増えている。横断歩道手前で停止した車両の横をすり抜けるのもよく目撃する。とりわけ危険に思うのは、信号待ちの車の先頭に出ようとして対向車線を相当な速度で長々と走る行為である。
これまで常識あるライダーなら危険とか違法とか言う以前に、モラル意識やプライドでしなかった危険な運転行為が普通のライダーにもまん延しつつある。あたかも良貨が悪貨に駆逐されているようだ。
いったん事故になれば命にかかわるのは二輪車側である。彼らのためにも指導取締りの強化をお願いしたい。
 
 
 
2004/10/26  朝日新聞(西部版) 「前払い「携帯」 利点もあるが」
 犯罪に利用されることが多いといわれ、あまり評判のよくないプリペイド(料金前払い)式携帯電話であるが、私は長年愛用している。インターネットEメールも使えるので不便はないし、一番の利点は維持費の安さである。ひと月1500円でよい。

 通話料はアメリカに電話を掛けるくらいの高さであるが、長話をすることはないから月々の通話料は残る。余った通話料は無制限に加算されるので、無駄にはならない。

 ただし、機種変更、カメラの使用、着メロのダウンロードができない。インターネットのウエブサイトの閲覧もできないが、これはパソコンでやればいい。

 一般の携帯電話の通話料はどんどん安くなって、基本料金に無料通話分が含まれるようになっているが、私にとっては単に基本料が高く維持されているとしか思えない。

 企業にとっては、おそらく利益の少ないプリペイド式だし、犯罪利用のこともあって取りやめる動きもあるそうだが、高齢者や子どもの連絡用などに、安価に使える携帯電話として残してほしいと思う。

 
 
 
2004/7/29 長崎新聞 「子ども連れは全部禁煙席へ」
  レストランやファストフードの店では、喫煙席と禁煙席を分けているところがだんだんと増えてきた。
  ところが、子ども連れなのに喫煙席を選ぶ家族がいる。言うまでもなく親が喫煙するためで、家庭でも子どもの前で喫煙し、車の中でも吸っている親であろう。
  乳幼児のぜんそくや中耳炎、突然死症候群、注意欠陥多動症は、親の喫煙と関連が高いことが明らかである。夜中にぜんそくの発作を起こした子どもを連れてくる親がたばこ臭いというのは、医師仲間でよく聞く話である。
  子どもに受動喫煙を強いることは、身体的、性的、心理的虐待、ネグレクトに加えて「第五の虐待」と主張する人もいる。たばこの火を押し付けることだけがたばこによる虐待ではない。
  子どもの受動喫煙について、自分の子だから他人の干渉は受けないと反論する親がいるが、こと虐待となれば、これは社会的な問題であり、見過ごすことはできない。
  子ども連れが多いファミリーレストランは全面禁煙が望ましい。煙が漏れない完全な禁煙席があるとしても、子ども連れはすべて禁煙席へ案内するように業界にお願いしたいし、そのような店長のいる店が繁盛するように応援したいものだ。
 
2004/7/1 長崎新聞 「10年短い寿命 喫煙続ける?」
 このほど、英国の男性医師3万4千人余を対象に、喫煙の影響を50年にわたって追跡した研究結果が発表された。
 これによると、非喫煙者は70歳で8割が生存しているのに対し、喫煙者は6割しか生存していなかった。喫煙者は非喫煙者と同じ死亡率になるのが10年早かった。つまり10年寿命が短いということである。(図1)
 興味深いのは、1900年より前に生まれた人は13%が90歳まで生存したが、それ以後に生まれた人では26%と2倍になっていた。
ところが、喫煙者の場合は、いずれも5%しか生存していなかった。(図2)
 つまり、衛生状態や食生活の改善、疾病予防法や治療法の進歩などによって、20世紀に生まれた人は寿命延長という恩恵を受けているのであるが、喫煙者はその恩恵にあずかっていない。
 私たちは、テレビ番組や雑誌記事などで、血液サラサラにいいとか、がんの予防にいいとか、毎日のように振り回されている。
 しかし、たばこを吸っている限り、いかに健康管理や病気の予防に努力しても効果はなく、喫煙者に対する医療費は無駄遣いであると言わざるを得ない。いろいろやるよりまずは禁煙だ。
 
 
2004/6/5  朝日新聞(西部版) 禁煙の決意を医療者は持て」

今週は世界禁煙週間。日本では年に5万5千人が肺がんで亡くなっている。肺がんの少なくとも7割、最近の米国では9割はたばこが原因とされている。自殺の3万人、交通事故死の8千人と比較するとよい。

喫煙者であった私の祖父と伯父は、それぞれ53歳と65歳で肺がんで亡くなった。遺伝学的に肺がんになる可能性が高かった父は、60歳で禁煙したおかげで、他界した89歳までがんにはならなかった。

今思えば恥ずかしいが、小児科医の父でさえ当時は診察室で吸っていた。喫煙や受動喫煙の害の大きさが分かったのはこの十数年のことだからだ。しかし、たとえ別室で吸っても、喫煙者の衣服や体にはたばこの有害物質が付着しており、呼気には一酸化炭素が含まれているので、受動喫煙をゼロにすることはできない。

喫煙する医師は、患者やその家族の喫煙を見破ることができない。禁煙指導も少しならいいとか、ストレスで病気になるよりはましだという医学的に誤った指導をしがちだ。

 すべての医療関係者はもちろん、介護士やホームヘルパーなど、幼児や高齢者、病人と接触する仕事に携わる人は、職業倫理として喫煙すべきでない
 
 
2004/5/31  長崎新聞   「受動喫煙の害 施設の責任も
   公共の場での受動喫煙防止対策を管理者に義務付けた健康増進法が施行されて一年がたった。公共施設の分煙は普及してきたが、飲食店などはまだまだである。
   たばこ会社は、「マナー広告」や「ごめんなさい広告」を行っているが、受動喫煙の「健康問題」を「マナーの問題」にすり替えられないように注意が必要だ。
   携帯灰皿は禁止区域での喫煙を推奨し、歩きたばこを可能にする。同席する仲間に同意を得ても、受動喫煙とその健康障害がなくなるものではない。ベランダで吸う「ホタル族」は、隣接家庭への煙害の原因として、集合住宅では新たな悩みになっている。
   分煙のための喫煙所の多くは、換気が不十分で狭い。ここで、喫煙者自身が毒性の強い副流煙を吸わされながらたばこにふける姿は、かつての「アヘン窟(くつ)」を彷彿(ほうふつ)とさせる。
   官公庁が健康に悪いものを吸う施設を率先して整えるのは理解に苦しむ。しかも税金で。将来、じん肺訴訟と同じように責任を取らされる可能性も法理論上はあり得ない話ではないそうだ。健康増進法は、受動喫煙の害の責任をタバコ会社ではなく、施設の管理者としているからだ。
 
 
2004/5/10  長崎新聞    「リア・フォグ 適切に使って
  夜、車の運転中、尾灯がやけに明るい車があることに気付いた人もいらっしゃると思う。いわゆる「リア・フォグ・ランプ」である。
  一般的に輸入車には装備されていることが多く、その名の通り霧の時に後方から視認されやすいために点灯するものである。豪雨時や、雨の高速道路で使うのも正しい使い方だと思う。
  ところが、晴れている夜なのにこれを点灯している車が見受けられる。すれ違う対向車のハイ・ビームのまぶしさは一過性であるから何とか我慢できるが、リア・フォグの場合はその後方を長時間にわたって走行するので、いらいらするし運転の妨げにもなる。
  このリア・フォグは通常の前照灯を点けても点灯しないはずで、前方のフォグ・ランプに連動するか、あるいは独自に点灯できるようになっている。したがって、故意ではない場合もあろうが、粋がって晴れた夜に点灯されたのでは後方の車は迷惑である。
  ドイツでは、不適切なリア・フォグの点灯は違犯切符を切られるという。白色の尾灯や制動灯は法律違反で迷惑なものだが、このリア・フォグについても正しい使い方を知ってほしいものだ。

 

2004/3/30  長崎新聞    「たばこの正体子供に伝えて
  先日、長崎の中学生が学校で転落死するという事件があった。喫煙について指導を受けた後であったと聞いている。
  喫煙はいわば非行のシンボルであり、さらにシンナー、覚せい剤にいたるゲートウエー・ドラッグではある。しかし、必ずしも喫煙=非行ではない。成長の過程としてたばこに興味を持つ時期は誰にでもある。
 「たばこは大人の嗜好(しこう)品」という一見もっともらしいメッセージはかえって子供たちを喫煙へ誘導している。そして、喫煙開始年齢が低いほどニコチン依存になるのが早いので、好奇心や友人の勧めで始めた喫煙がやめられなくなってしまっているのだ。
  「たばこ」を「ポルノ」に置き換えればわかりやすい。いい大人がいつまでもポルノに没頭することはない。ところがたばこの場合は、ニコチン依存のためにいい大人になってもやめられずに続けている。それどころか健康に悪いことを承知しながらそれなりのへ理屈をつけて吸い続けている。
  このようなたばこの正体と、喫煙する大人の論理の矛盾を子どもたちに正しく伝えることが、未成年者を喫煙のわなから守るために必要である。

 

2003/12/17  長崎新聞  「究極の分煙は建物内禁煙で  
長崎ではないのだが、ある空港は三億五千万円掛けて豪華な喫煙室を作っている。またある県の県庁では、千二百万円をかけて職員用の喫煙室を作る計画しているという。
 空港の搭乗待合室は、一度入ったら外に出られないので、ニコチンを吸いだめするための「公衆煙所」が必要であろう。しかしその費用は利用者負担にすべきだ。
 一切費用が掛からない究極の分煙方法は建物内禁煙であり、そうしている公共施設や官公庁もある。ところが、喫煙者からニコチンを補給するためにいちいち外に出るのは時間の無駄なので喫煙室を各所に作るべきだという声が出たそうである。
 公務員が休憩時間でもないのに喫煙室で時間を費やすということは、職務専念義務違反ではないか。非喫煙者はそういう時間を取らずに働いているのだし、第一そのような喫煙室を作る費用はそもそも税金である。
 空港では吸いだめが必要で、日常では一、二時間ごとにニコチンを補給しないとまともに仕事ができない喫煙者。それを権利と思い込んでいる喫煙者。たばこは酒以上に「気を狂わせる煙」かも知れない。  
 
2003/11/3 長崎新聞 「喫煙者悩ますたばこの成分」
先日のたばこ訴訟で原告側が敗訴したことについて、当然であるという投書が本欄にありました。たばこは意思次第でやめられるものとして、害や危険を承知で吸っていた本人の責任を問うものでした。喫煙者である当の裁判官もニコチンの依存性を軽視する判決理由を述べていました。
しかし、医師として禁煙支援を行っていると、本気で禁煙しようとすればするほどニコチンの呪(じゅ)縛から逃れられずに地獄の苦しみを訴える患者さんが実に多いのです。そしてそれを自分のせいだと悩んでいます。
実はたばこには喫煙者をニコチン依存にする仕掛けがあるのです。たばこに添加されているアンモニウム塩や砂糖は燃焼するとアンモニアガスやアセトアルデヒドが生じ、これらは肺でのニコチン吸収効率を著しく高めます。
ほんの数本の喫煙でも脳はたちまちニコチンの虜(とりこ)となってしまうのです。メンソールも、その麻酔作用やそう快感でたばこの煙をより多く吸い込みやすくして、女性や未成年者のニコチン依存形成に一役買っています。
こういうしかけの犠牲者として、喫煙者は害を知りつつも喫煙を続けざるを得ないのです。
 
 
 同日二誌掲載でした
2003/5/22 長崎新聞 「受動喫煙防止広まりに期待
五月一日から施行された健康増進法は、不特定多数の人が出入りする施設の管理者に受動喫煙の防止を義務付けた。官公庁関係ではまだまだ一部ではあるが、一気に建物内禁煙に踏み切った所もある。
全館禁煙となった建物では気分的なものか空気がおいしく感じられるし、たばこの臭いを気にするストレスから解放された。
米国のモンタナ州へレナという町(人口六万五千人)では、条例で二00二年六月から六ヶ月間、職場と公衆の場を禁煙にした。 
この町の救急病院への心臓発作による入院は、過去四年間は一ヶ月に平均六・五人であったのが、その六ヶ月間は三人に減った。そして禁煙反対派が起こした訴訟のために、禁煙が中止となった十二月以後は再び毎月六人、八人、五人、九人と連続して増えた。
日本と米国では心臓発作の頻度が異なるので、日本でも同様の現象がみられるとは限らないが、心臓病については禁煙および受動喫煙の防止が速やかに効果を表したといえる。
心臓病やぜんそくなどの持病がある人はもちろん、子供たちにとって、受動喫煙がないのが当たり前の社会になりつつあるのは嬉しい。
2003/5/22  朝日新聞(西部版) 「喫煙は依存症 習慣ではない」
 一日施行された健康増進法は、積極的な報道もあって禁煙分煙への一般の人の関心をかなり高めた。全ホームが完全禁煙となった私鉄もあり、官公庁では建物内禁煙にしてしまったところも多い。その結果、喫煙者はどこへ行くにもまず喫煙場所を探さなければならない悩みが増えた。
  起床時や、仕事などで長時間吸えなかったあとの一服は、枯渇していたニコチンが急速に脳に達するため、この上なくおいしく気持ち良く感じるらしい。
  ところが、あとは一定時間ごとにニコチンを補給しなければまともに仕事ができないので、単にニコチン補給のためにさしておいしくもない煙を吸い続けている自分に気づき始めた人も多いはずだ。
  「たばこはニコチン依存ではなく習慣だ」と思っていた後輩医師は、自分でニコチンパッチを貼って「吸いたくならない」ことを実感し、ようやく嗜好品や習慣でないことを実感して禁煙に成功したという。

 

2003/ 5/1 長崎新聞 「公共施設内の喫煙はやめよ」
 昨年四月から和歌山県で実施された学校の“敷地内禁煙”は全国に広がりつつあります。まだ一校も禁煙化宣言がなされていないのは本県を含めわずか十九県になりました。
 生徒たちは、喫煙するために敷地外へ出て行く先生の姿を見ることで、たばこは格好よくないものだとネガティブな感想を持つようになっているそうです。
 昨年の世界保健機関(WHO)のスローガンは、「スモークフリー・スポーツ」でした。サッカー・ワールドカップの会場は禁煙でしたし、甲子園球場もやっと禁煙になるようです。
 開催まであと九十日足らずに迫った全国高校総体「ゆめ総体」の会場も、当然たばこの煙と縁のない会場になるそうです。
 屋内会場の禁煙は当然ですが、野外のスタンドや来賓席での喫煙は回りの人に受動喫煙の害を与えます。教師やコーチも、たばこを口にしながら応援や指示をすべきではありません。
 すべての会場を敷地内禁煙にすることは難しいので、喫煙所は受動喫煙を起こさない目立たないところに設置されます。そこでたばこを吸う大人の姿が、会場を訪れる高校生の目に格好悪く情けないものと映れば、実はそれが狙いなのです。
 
2003/4/2 朝日新聞(西部) 「なお抵抗強い職場の禁・分煙」

公共の場所や交通機関での禁煙や分煙は理解されつつある。ところが職場の禁煙化や分煙化についてはまだ抵抗が強いようだ。

 職場の分煙化は非喫煙者を受動喫煙の害から守るために必要であるが、自由に喫煙できた環境を奪われることで、喫煙者側から強い抵抗を受ける。

 会社側が分煙を提案しても、従業員の健康や安全な職場環境保持の立場に立つべき組合が反対する場合さえある。

 喫煙者はニコチン依存のために「毒物」と知りつつもそれなりの理屈をつけてたばこを吸い続ける。もし自分の家族が同様の環境汚染物質にさらされるなら大反対をするであろう。

 喫煙場所が限定されるなら仕事をしないとか、辞めるという人さえいる。天秤にかけるほどニコチン依存は強烈なのである。

 会社側は毅然として職場の分煙化に取り組んで欲しい。健康増進法が施行された後は、受動喫煙で従業員に健康障害が出て訴えられたとき、窮地に陥るのは会社側であるのだから。

 
 
 
2003/3/30 長崎新聞 「全日点灯運動 有用性理解を
自動車の「全日点灯運動」が運送業やタクシー業界、一部の公用車で行われている。燃料消費増やバッテリーの負担増加、電球の寿命短縮、真昼は効果が疑問、現在点灯している二輪車が目立たなくなるなど異論も確かにある。ではなぜ「全日」なのだろうか。
 先日、雨の高速道路を走ったが、前方の車は水煙に隠れているし、自分も自らの水煙で後方が見えにくい。外部ミラーと窓の水滴のため斜め後方の車も見づらかった。高速走行中は瞬時の認識と判断が必要となるわけで、こういう場合にライトを点灯することの有用性に気づいて実行している運転者はまだまだ少ない。
 多くの運転者は、自分が見えてさえいればいいと考え、自分自身の見られやすさ(被視認性)についての認識が乏しいようだ。夕暮れはなかなか点灯しないし、朝は早々と消灯してしまう。点灯しても車幅灯で十分との誤解も多いようだ。
 従って、走行中は前照灯を常時点灯することで、運転者の認識度にかかわりなく雨雪霧、早朝、夕方、トンネル内、高速道路、カーブミラーのある山道などでの車同士の被視認性を高めようというのが「全日点灯運動」である。
 
2003/3/3 長崎新聞 「管理者の責任問う受動喫煙
 健康増進法という法律が昨年七月に可決成立し、今年五月一日から施行される。
 第五章第二節「受動喫煙の防止」、第二十五条は、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と定めている。「多数の者が利用する施設」には、屋内に限らず野外のスタジアムやコンサート会場も含まれる。
 つまり国が正式に受動喫煙の害を認めたわけで、今後は客はもちろん従業員でも受動喫煙による健康障害があった場合には、その施設の管理者を訴えることができるということである。
 受動喫煙を防止するには、全面禁煙か排気装置による完全分煙が必要で、現在行われている単なる喫煙席と禁煙席の分離では不十分である。空気清浄機は臭いの粒子は除去するものの気体の有害成分は除去できず、かえってたばこ煙の害を隠ぺいしかねない。子供の受動喫煙防止を考えれば、公共の場に限らず自家用車や家庭内での喫煙も避けるべきである。
 
2003/2/14  長崎新聞 「税収上回るたばこの弊害

先日、たばこ1本あたり1円の値上げが決定されたが、このうち本当の税金増加分は1本あたり82銭であることは積極的に報道もされず一般には知られていない。前回1998年の値上げのときも同様であった。年間3000億本の売り上げから計算すると、この「税金値上げ」で540億円が業界に転がり込む。

たばこの増税は庶民の暮らしを圧迫するという意見がある。しかし、喫煙者は現在1本あたり七円の税金を納めているが、超過医療費、早死にによる人的経済的損失、火災による損害、その他合計すると10円の社会的損失と負担をかけている。

自動販売機の廃止と欧米並みの一箱500円への値上げは、未成年者の喫煙を抑止し、喫煙者は減るが税収と業界の収入は増加する。この財源でたばこ栽培農家や販売者への手当てを行うことができ、かつ医療費は減少するという試算が出ている。

非喫煙者から副流煙の害やごみの問題で加害者扱いされがちである喫煙者も、たばこはし好品と思わされて、実は数時間ごとにニコチンを補給しないと落ちついた生活ができなくなった被害者である。

 
 
 
 
2002/11/122  長崎新聞 「指導強化図れ無灯火二輪車」

交通事故防止の目的で自動車の前照灯の昼間点灯が提唱されている。二輪車の昼間点灯は広く行われるようになって久しいが、自動車の点灯によってこの効果が薄れることを懸念する意見もないではない。

最近の二輪車は前照灯が常時点灯する構造になっているはずであるが、これを点けずに走っているライダーをしばしば見かける。一部には尾灯は点灯しているものもあり、古いタイプの二輪車が点灯し忘れているとは考えにくく、どうやら故意に前照灯のみを点かなくしているようだ。彼らの走り方からみると、点灯して走ることが格好悪いと考えているか、あるいは無謀な運転を目立たなくしたい意図のようだ。

ところがとんでもないことに、夜もそのままで走っているのも時々見かける。中にはここ一年あまり夜の同じ時間帯にすれ違う二輪車もあり、単なる球切れとは考えられない。

昼間さえ点灯して欲しいのに夜間も無灯火で走るこのような危険きわまりない二輪車は厳しく取り締まってほしい。毎日遭遇するわけではないので、たとえばその進路の交番などに通報して待ち構えてもらうことはできないだろうか。

 
 
2002/10/31  長崎新聞 「タクシー全車禁煙考えて」

 街中で乗るタクシーの大部分はたばこのにおいがひどい。これについては乗客の喫煙と、運転手の喫煙の両方の問題があり分けて考える必要がある。

 禁煙タクシー(客に禁煙を強制する)とするには届け出が必要ということであるが、タクシーもバスや電車と同じく一般の人が使う公共交通機関である。たかだか数十分乗車する客に喫煙の自由を保証する必要があるのだろか。  

 客待ち中の運転手の喫煙は車外でと規定している会社はまだ一部にすぎない。電話でタクシーを呼ぶときに禁煙車(正確にはたばこのにおいのしない車)を指定することに協力的な会社もあるが、これは運転手にとっては配車の機会均等の観点から問題があるという。

 列車やホテルは禁煙車や禁煙室を客が選ぶことができ、現実的にこちらが先に予約がいっぱいになっている。それならば、タクシー乗り場を禁煙車両と喫煙車両に分けておくことはどうだろう。  

 禁煙車乗り場に乗客の長蛇の列ができれば、タクシー会社も運転手自身も、そして監督官庁の考え方も変わるのではないだろうか。これは運転手の安全で快適な労働環境維持の観点からも必要なことである。  

 

2002/8/11  長崎新聞 「受動喫煙防止 窓開け換気を」

日本小児科学会から出された子供の受動喫煙防止のための提言によると、子供の前でたばこを吸わないことはもちろんだが、室内で吸ったあとは子供が入る前に必ず窓を開けて換気すべきだということであった。

この根拠として、父親が喫煙者でも、窓を開けて十分に換気したり、屋外で吸うようにしたりしている場合の影響は少ないが、母親の隠れたばこ(子供がいないあいだだけ家庭内で喫煙する)は子供の受動喫煙に大きく関与していたという調査結果があった。

煙やにおいとして認識されなくても、小さな有毒な粒子は、例え換気扇の下で吸っても部屋中に拡散する。台所の換気扇を回してもカレーのにおいが家中に広がっていることを考えるとお分かりと思う。

空気清浄機については、六月に厚労省から公表された分煙効果についての報告書に、たばこ煙の気体成分は除去できないと明記されている。たばこ煙の有害物質の九割は気体成分に含まれ(気化したニコチン、一酸化炭素、発癌物質など)、これらはそのまま排気口から強制的に室内へ拡散される。 つまり、受動喫煙防止どころか、健康への被害を大きくする恐れがある。

    

2002/5/31  長崎新聞 「スポーツ会場 禁煙にすべき」


 五月三一日はWHOが呼びかけている世界禁煙デーで、今年のスローガンは、「スモークレス・スポーツ」である。運動選手にとって喫煙は運動能力を低下させるため、たばこを吸わないことは常識である。しかし、日常的に我々が楽しんでいるスポーツの現場ではどうだろうか。

 例えばボウリング。喫煙そのものが成績を低下させることはないと思うが、喫煙者の両隣のレーンには容赦なく副流煙が流れていく。ボウリング場そのものの空間は大きいが汚染された空気は全体に拡散している。

 ドーム球場は禁煙となっているが、野外の球場やサッカー場のスタンドは禁煙となっていない。野外とはいえ観衆が決まった席についている場合は、風向きによってはたばこの煙は同じ方向に流れるため、そこにいる人は屋内と同様の受動喫煙の被害を受けることになる。

 ましてや妊婦、赤ちゃん、子供の場合は健康への影響は大きい。学校の運動会での父兄席は教育現場という観点からも禁煙にすべきだ。野外のコンサートも含め、不特定多数の人が集まる場所は屋内屋外に関係なく主催者は禁煙の方針を打ち出して欲しい。  

 
 
 
 
2001/11/21 朝日新聞(西部)「受動喫煙」もハラスメント

「セクシュアル・ハラスメント」という言葉の普及は、職場などにおける女性に対する性的いやがらせについての社会的認知を高め、その対策の急速な進展に役立った。受動喫煙についても、「スモーク・ハラスメント」という言葉が提唱されつつある。

 

これまでは、たばこの煙が嫌だとか不快だという感情の問題としてとらえられてきた。ここでは、煙害を受ける側にとって受動喫煙は健康上の問題ばかりでなく、精神的な苦痛であり、「ハラスメント」という認識に立っている。

 

一方、親が喫煙する場合の子供の受動喫煙については、親子の問題として他人が口出ししにくい。しかし、子供にたばこの火を押しつけることだけが虐待ではない。乳児突然死症候群、気管支炎や喘息、中耳炎などは、両親と同居家族の喫煙によって頻度が高くなっている。すなわち受動喫煙の環境そのものが虐待である。これは流早産の増加をきたす妊婦の喫煙や受動喫煙についても当てはまる。

 

このように、受動喫煙の放置は立派な「ハラスメント」あるいは「虐待行為」であるとして、これらを排除して行くための社会的な認識と運動が必要と思う。

2001/11/4 長崎新聞 妊婦への煙害強く訴えたい
   新生児の身長と体重が20年前、10年前に較べて減少し続けていることが報道された。一因として妊婦の喫煙率の上昇が挙げられている。
  1990年の5.6%だったのが今回は10%になっており、特に未成年妊婦の喫煙率は34%と驚くべき高さであった。妊婦本人だけでなく同居する家族の喫煙も新生児の身長、体重の減少と量反応関係が見られている。
   私はこの数字の報道を見て、赤ちゃん小さくして楽に生もうと意図的に喫煙する母親が出ないかと心配になった。言うまでもなく妊婦の喫煙や受動喫煙によって、胎児への酸素や栄養の供給が悪くなった結果、流早産が増え、赤ちゃんが小さくなるのである。喫煙妊婦から生まれた子供は学童期の身長や知能指数も低く、後に暴力的犯罪を起こしやすいというデータもある。
   妊娠中の精神的ストレスは新生児の体重に影響はないと報告されている。妊婦自身はもちろん医療関係者は、「禁煙のストレスよりもまし」などとして、節煙を勧めるなどの間違った認識や指導をしないように。また妊婦とその胎児が受ける受動喫煙の害についても強く訴える必要がある。

2001/09/17 長崎新聞 車の早めの点灯さらに徹底を

 長崎県警が自動車の夕方早めの点灯運動を始めてから、もうすぐ二年になる。さらに最近は雨の日ばかりでなく、曇った日も点灯しようという全国的にも先進的な指導をしている。
 このほど長野県警のホームページを見たら、長野と長崎の夕方の街角の写真を載せて比較していた。もちろん、長崎では夕方のまだかなり明るい時刻にもかかわらず多くの車が点灯していて、長崎を見習おうという趣旨であった。
 街頭に立って「点灯」のサインボードで指導に当たった現場の警察官の努力によって、県民の意識改革の成果が表れたものと思う。
 確かに他県と比較すると長崎県の運転者の早め点灯の意識はかなり高い。さらに一部の宅配業の車や自動車学校の送迎車、路上教習車、パトカーは全日点灯を行っている。
 しかし残念ながらいまだに前照灯でなくて、車幅灯だけの車もまだまだ見受けられる。トンネル内の点灯についてもしかりである。前照灯は暗いところを照らすためばかりでなく、他車から見られるためにつけるものであるという啓蒙をさらに続けて、今後も長崎が全国の手本となってほしいものだ。

2001/08/01 長崎新聞  空気清浄機に頼らず分煙を

県庁では今年四月から執務室は禁煙となり、喫煙所が設置された。古い庁舎であるためドアで仕切られた排気装置つきの喫煙室を作ることが困難という事情もあったのであろうが、多くの喫煙所では空気清浄機を設置することでお茶を濁してしまった。

ところがこの空気清浄機が問題である。空気清浄機はニコチンやタールなどの粒子成分はフィルターが除去できるが、一酸化炭素や発癌物質のベンツピレンなどの気体成分は素通りする。その場所の換気が悪ければ、かえって濃縮されていく。従って禁煙分煙に取り組んでいる専門家の間では、この空気清浄機設置で分煙事足れりという流れには反対している。

県がそうしたせいか、最近新築なったある市立図書館では出入りするすべての人が通る通路のわきに、この空気清浄機が置いてあるのを見て驚かされた。またある文化的ホールでも、最近になって建物の奥の待ち合いロビーに空気清浄機が設置された。今までの無策よりは一歩前進したと評価はしたいが、担当者には分煙の王道は「喫煙はドアで仕切られて排気装置がある独立した部屋で」という認識で施策を進めて欲しい。

 

2001/07/21 朝日新聞(西部)   働き盛り失う喫煙率の上昇

英国ではこの50年間に肺がん死亡率が半減した。禁煙対策によって、30歳以上の男性の喫煙率をみると、50年間に82%から36%に低下したためである。そして、74年には最大440人に達した男性(55〜74歳)の肺がん死亡率(人口10万人あたりの年間死亡者数)は、240人まで減少した。

注目されるのは中年男性(35〜54歳)の死亡率で、ピーク時のは55人から約3割の17人まで減少したことである。喫煙率が低下しても、実際に肺がん死亡率が下がり始めるには約20年かかる。米国でも、死亡率がこの10年間で減少し始めているが、禁煙による減少が寄与していた。

一方、日本の中年男性の肺がん死亡率は、この50年間に16人から160人と10倍になっており、更に上昇中である。肺結核が微増に転じた時、厚生労働省は「結核非常事態宣言」を出したが、肺がんはそれどころではない。  

若年や中年の喫煙率を今下げなければ、先進国中では20年以降も働き盛りの肺がん死亡率が上昇し続ける唯一の国となるに違いない。そのころでも、たばこはし好品として許されているだろうか。

 

2001/07/8 長崎新聞   肺癌抑制へ禁煙の徹底を

英国ではこの50年間に肺がん死亡率が半減した。理由は明白で、たばこ対策による喫煙率の低下である。

30歳以上の男性の喫煙率をみると、50年間に82%から36%に低下した。肺がん死亡率(人口10万人あたりの年間死亡者数)は、壮年以上の男性(55〜74歳)ではピーク時の440人が240人まで減少した。特に中年男性(35〜54歳)の死亡率は55人から17人と3分の1になった。

一方日本では、この50年間の肺がん死亡率は、壮年以上の男性で10倍、中年男性で6倍となり、しかもさらに上昇中である。

肺結核が微増に転じた時、厚生労働省は「結核非常事態宣言」を出したが、肺がんこそ「非常事態」だ。

国民全体の喫煙率が低下しても実際に肺がん死亡率が下がり始めるには約20年の遅れがある。しかし、若い世代が禁煙し、あるいは喫煙を始めなければ死亡率低下はもっと早く現れる。

長崎県の肺がん死亡率は全国2位である。喫煙は個人のし好品の問題として現在の喫煙者を放置しておくと、20年後も肺がん死亡率が上昇している唯一の県となり、先進国中で唯一の国となっているだろう。


 
2001/06/21 長崎新聞   聴衆のマナー向上を望みたい

先日、私が所属しているアマチュア交響楽団の演奏会がありました。大勢の方々に聴きに来ていただいてありがたく思っています。ただ、ちょっと戸惑ったことがありました。それは各楽章が終わるごとに拍手を頂いたことでした。

かなり以前のことではありますが、外国の有名な楽団の長崎公演を聴きに行ったときのことです。素晴らしい演奏に対して楽章ごとに拍手がわき起こったのですが、そのとき楽団のメンバーが互いに顔を見合わせながら、「マナー知らずめ」といったばかにしたような表情をしていました。

ある評論家が楽章の間で拍手をするのは、フルコースの料理の途中で「ごちそうさま」と言うようなもので、シェフに対して失礼なことである、と言ったのを聞いたことがあります。

聴衆の皆さまへは感謝の気持ちでいっぱいなのですが、全楽章が終わるまでは拍手をしないのが正式のマナーであることを、そろそろ皆さんに意識して欲しいなあと思います。楽団のレベルばかりでなく聴衆のレベルも向上してこそ、文化都市としての意味あるものと考えますのであえて申し上げました。

 
 
 
2001/06/05 朝日新聞(西部)   広告主に配慮 TV報道疑問

社説「世界禁煙デー」(5月31日付)は、医療関係者あるいは医療機関の禁煙の取り組みに関したものであった。大いに反省するとともに、ヤニ臭い息をまき散らしながら診療や看護の現場に出ている医療関係者が1日も早くいなくなることを願っている。

同じ日のテレビ「ニュース・ステーション」は、たばこについての報道を税収の観点からまとめており、たばこの税収が2兆8千億円、これは消費税の1%の増加、あるいは国民一人あたり4万円の徴税に匹敵し、たばこが国家の財政に寄与しているという主張であった。

しかし、たばこ関連疾患による超過医療費が3兆2千億円、火災や清掃、早期死亡による労働力損失などをあわせると5兆6千億円以上の経済的損失があり、差し引き3兆円近い社会的損失をこうむっているということについては何ら触れていなかった。

過日のダイオキシン問題を始め、公害問題では日頃から突っ込んだ報道をしている割には、たばこ問題についての報道や問題提起が少ないことに私は気付いていた。この番組のスポンサーにはJTが入っている。今回もスポンサーに気兼ねした内容にがっかりしている。

同じ朝日系列に対する抗議の投書でしたが、朝日新聞は採用してくれました。
 
2001/05/15 朝日新聞(西部)   なぜ繰り返す「熱中症」事故

 駐車場の車内に残された幼児の熱中症による死亡事故が報道された。少し前には火災事故もあった。毎年のように繰り返される事故だが、それが決まってパチンコ屋というこの異常さ。

 「パチンコ中毒」という言葉があるそうだが、この種の事故がなくならない現実をみると、パチンコは正常な精神状態を破壊する「麻薬」であるようだ。

 医師という立場から言わせていただくと、国民総医療費が30兆円を超えそうだとまるで悪いことのように騒がれているが、パチンコ業界はそれ以上の売り上げがあるという。ほかの趣味と比較してもこの非生産的な道楽のために子供たちの命が奪われている現実は無視できない。

 日本でも米国のように、12歳未満の子供を自宅や車の中に放置することを禁止し、発見した市民の通報で親が検挙されるようにしなければ幼い命の犠牲は今後もなくならない。

 パチンコ屋に限らず、量販店の駐車場でも子供だけを置いて買い物に出かけている親が多い。これから夏になれば、同様な事故はきっと続発する。このような車を見たら、「大変だ!」と警察と救急車を呼ぼうかと思う。

 
 
001/04/14 長崎新聞   交代運転手の喫煙は車外で

 先日関西方面へ向かう夜行バスを利用した。車内は禁煙となっているはずであるが、出発してしばらくするとたばこのにおいがしてきた。二度目ににおいを感じたときに、私は乗客に向かって「だれかはわからないが喫煙はやめてほしい」と注意をした。しかし、発生源は乗客ではないようで、運転手にも伝えたが何ら注意はなかった。結局、たばこの臭いが一晩中、周期的にやって来た。

 日帰りで同じバスだったので、注意深く観察した。二人の運転手はともに喫煙者で出発までの間は車外で吸っていた。出発後は前日と同じ状況が繰り返された。

 私の推察では、どうも客室とは別にある交代運転手用の休憩室で発生したたばこの煙が、客室内に侵入しているようであった。深夜の長距離運転でもあるし、交代要員の休憩中の喫煙までとがめるつもりはない。しかし車体の構造上の問題が解決されない限りは、乗客と同じようにサービスエリア停車時の車外での喫煙だけにしていただかないと、車内禁煙の意味がないと思った次第である。

この投書の翌々日にはバス会社から勤務先へ、どの便だったか?という問い合わせの電話が入った。一週間後には別のバス会社から新聞社へ同様の問い合わせがあったという。かつてバス会社に勤めていた私の患者さんにこのことを話したら、仮眠室であるので寝たばこの禁止という意味合いから、本来はその場所は禁煙ではなかったのだろうか、という感想であった。確かにここから火事でもでたら走行中の高速バスでは大きな事故となる可能性もあるわけだ。 
 
2001/03/03 長崎新聞    自販機規制しいかせ未喫法

 昨年末、百年ぶりに未成年者喫煙防止法(未喫法)が改正され罰則が強化された。未成年者にタバコを販売すると、五十万円の罰金に処せられるというものである。

未成年喫煙者の九割は自動販売機(自販機)からタバコを購入している。最近は喫煙者があまりにも多いため、ややもすると覚せい剤や麻薬よりはましという考え方で中・高校生の喫煙問題は看過されがちである。  

しかし、タバコを飛び越していきなりシンナーや覚せい剤に走ることはまずない。青少年の薬物中毒防止の第一歩は喫煙対策であり、自販機によるタバコの入手ができなくすることは有効な手段である。

青森県深浦町では、さまざまな圧力に屈せずに町内のタバコ自販機を撤去する条例案を町長が提出しようとしており、全国的に注目を集めている。

タバコ事業法規則でも「未成年者喫煙防止の観点から十分な管理、監督が期し難いと認められる場所」には自販機の設置は認められていないし、店頭販売はもとより自販機での購入を黙認した場合などは未喫法で取り締まることはできる。 

ポイントは、これで罰せられるのは子供たちではなく販売者およびその責任者であるということだ。

2001/02/23 朝日新聞(西部)   喫煙者減少に数値目標必要

旧厚生省の「健康日本21」を受けて、各県でもそれぞれの県版健康21が策定されつつある。周知のように健康日本21では、喫煙者を今後十年間で半減させようという数値目標が、各方面からの圧力で削除されてしまった。

現在の各県の動向でも、やはり数値目標を入れるか否かの攻防がされているようだ。喫煙は個人の選択に任せ、分煙と節煙だけで喫煙問題を済ませようという動きさえある。

分煙は非喫煙者の健康を守るうえで当然のことだ。がん死亡率を本気で下げようとするならば、喫煙者数減少が必要で、そのためには明確な数値目標を設定する必要がある。米国では、先進国の中で初めてがん死者数の減少がみられ始めた。これ十数年前からのタバコ対策の効果がようやく表れたものである。

節煙法では、喫煙者は次の喫煙欲求までの時間を長くしようと無意識のうちにニコチン摂取量を増加させ、その結果一酸化炭素やタールなども多く体内に取り込んでしまうので、健康増進をすすめる立場にあるものが節煙を推奨すべきではない。

未成年者の喫煙をなくすという目標はどこも一致しているが、十年後に喫煙年齢に達している今の小・中学生に対する「防煙教育」を広く行う手だてについても明確な指針を示して欲しい。

 

2000/11/18 長崎新聞   誤解しやすい「軽いたばこ」

NHK教育テレビの番組が、ニコチンやタールが少ない「軽いたばこ」の欺瞞性を取り上げていた。これらには、実はフィルターの巻紙に小さな穴があけられていて吸引時に空気が入るようになっている。たばこ会社は、この薄められた煙を測定して有害成分が少ないと宣伝している。

ところが喫煙者は、煙を肺に長くとどめたり、巻紙の穴を唇や指でふさいだりして、脳が満足するだけのニコチンを取ろうと無意識のうちに調節や工夫をしている。このことは禁煙指導に携わっている私たちには周知のことであったが、今回初めて公開されたと言える。

自分の健康を考えたつもりで、「軽いたばこ」に変えたり「節煙」したりしても、吸い方によってはタールや一酸化炭素などの有害物質はかえって多く体内に入ってしまう場合さえある。さらに、他人へ健康被害をおよぼす副流煙中の有害成分には「軽いたばこ」と「普通のたばこ」に差はない。

アルファベットの最後の三文字「INE」で示されるように、ニコチンはモルヒネやコカインと同じく麻薬の仲間である。ニコチンの呪縛から逃れるには「断煙」しかない。

 

2000/06/27 長崎新聞   公共施設備品 大切に使用を

私は戸石町の長崎東公園コミュニティブールプールをよく利用している。以前から気になっていたが、最近目に余る状態になっていることがある。

  デパートなどの傘立てで、空いているのにカギがついていないのを経験した人は多いだろう。これと同じ現象が同プールの下足箱でも起こっている。開設当初から、空いているのにカギがない箱が散見されてはいたが、数年たった今ではほとんどの箱にカギがついていない。

さらに最近では有料(といっても10円)の更衣室ロッカーにも同じ現象が目立ち始めている。混んでいるときのために、あるいは軽い気持ちでカギを持ち帰っているのだろうか。公共施設の備品にいたずらしたり、これらを占有する自己中心的風潮の一つであろう。 

  防止策として、ホテルなどでは傘立てのキーは利用客にだけフロントで手渡すようにしている。プールのような利用者の多い施設では万引き防止用のチップをキーホルダーに埋め込んでおき、出入り口のセンサーで鍵を施設外へ持ち出そうとするのを摘発するしかないだろう。施設利用者にとって不愉快だし、混んでいるときに空いているのに鍵がないという実害も現れているのではないだろうか。施設管理者に実効ある対策をお願いしたい。

 

1999/12/10 長崎新聞     渋滞時の交互合流

道路工事などのために車線数が減少する場合、本線側に多くの車が並んで渋滞し、他方の車線を一部の車が先に行って割り込む形になっていることがしばしばある。早めに本線に入った運転者は、先で入る車をずるいと思うし敗北感も伴う。

最近は、公衆トイレで各便器やドアの前で待つのでなく、入り口で並んで空いたところに行くというマナーが定着しつつある。飛行機では左右二つのトイレがある場合、左右の通路に列をつくり、空いたほうにそれぞれの列から交互に入るという方法も行われている。

車線減少による渋滞時、合流にこの考え方を応用できないだろうか。つまり、二つの車線に均等に並んで、合流地点で交互に合流するといもの。こうすると渋滞の列そのものの長さも短くなり、不公平感もなくなる。ただし、合流した車をさらに追い越して先で割り込む車があるとこのルールは破たんする。

この方法が適用できる場所は限られるので警察にその指定をしてほしいが、警察は優先権の問題があるために難色を示している。しかし、首都高速では「渋滞時は交互に合流」の表示がなされ実践されている。

異論や問題点もあると思うが渋滞時の新しい交通マナーとして提案したい。

 この交互合流については、かなり以前ですが長崎県警へEmailで提案したところ、わざわざ職場まで電話を下さった。要約すると、優先車線と非優先車線との問題となり、事故発生の場合には双方が対等とはならない。したがって、法を曲げて警察で交互合流を指導することはできない。「マナーと譲り合いで」という返事でした。私は、東京の首都高速ではすでに「渋滞時は交互に合流」のサインが立っているし、ある程度定着していることを主張しましたが、「趣旨は理解できますが…」の繰り返しでした。

 交互合流の提唱者である中山氏がおっしゃるように、強者(あつかましい者)と弱者(遠慮深い者)がいて、強者のみが得するようなシステムよりも、法によって平等に合流するシステムのほうが合理的だと思います。ドイツではファスナー法といって交互合流が義務付けられているそうです。ウインカーを出して合流する車を妨害すると、切符を切られます。

  

 

1999/12/1 長崎新聞     気配り一つで音楽会を楽しく

 「クラシックの音楽会はマナーが堅苦しくてどうも…」と言って、敬遠されることが多い。確かに演奏中の出入りは禁止だし、咳払いは言うまでもなく身動きするのさえはばかられる雰囲気である。

演奏中に自分の席近くの人が何回も脚を組みかえたり、身動きをして衣ずれの音をさせたり、プログラムを見るために紙の音をさせ、揚げ句の果てにビラの類を落として拾ったりすることがあると気になる。体をゆすってリズムをとるのが視界に入ると演奏への集中力をそがれてしまう。

このようなことをしないように”他人から強制されている”と思うと音楽会は堅苦しくつらいだけのものになってしまう。むしろ聴衆の皆が集中して、いい演奏を聴くために自らすすんで行っている気配りと考えればどうだろう。

そうすれば、今演奏中の楽章が終わるまでは多少つらくとも脚の組みかえはしないでおこうとか、咳はできるだけこらえておこうという気持ちになれるものだ。音楽会に限らず、自分がされたら不愉快であることを自らしないのがマナーの基本なのだから。

もちろん曲目や雰囲気によっては、聴衆みんなが体をゆすったり手拍子をたたいたりして楽しく聴くこともおおいにあってよい。

 

1999/11/13 長崎新聞     早めの点灯 理解まだまだ

長崎県警では夕方早目のライト(前照灯)点灯を呼びかけているが、さらに雨の日は昼間も点灯しようという呼びかけも始めた。しかし、一般ドライバーにとってライトは暗いところを照らすものに過ぎず、自分が他人に認識されやすくするため(被視認性の向上のため)に点けるのだということがまだまだ理解されていないようだ。

  例えば、トンネルは明るく照明がなされていても点灯するのが原則である。ところがせっかく点灯しても出口付近で明るくなると消灯してしまうドライバーが多い。トンネルの出口付近に交差点があったり、合流するために待機している車があった場合、明るい外からはトンネル内は真っ暗で中から出て来る車は全く見えない。トンネル内での点灯の意味を考えれば、ライトはトンネルを十分に出てから消すべきものであることがわかるし、それを意識すると不思議と消し忘れはしないものだ。

  また、前照灯を点けるのがまだまだ恥ずかしいのか、スモールライトだけを点けたり、いわゆるフォグランプや補助灯を点けている車も少なくない。スモールライトは走行している状況では被視認性を高めるうえではほとんど役に立っていないし、フォグランプや補助灯は、前照灯よりも幅広く照らすように設計されているために、かえって対向車にとってすれ違うときに眩しく感じるものである。

  夕方の点灯の具合いをみると、シートベルトの装着と同様にそのドライバーの安全運転意識が測れるようで興味深い。

(新聞社で削除分)

この投書について身近の人に紹介しつつ反応をみたところ、「そういえば皆随分明るいうちから点けているのね」、とか「バスやタクシーは早いのね」程度の反応で、「あれは交通安全に大事で、私もこのごろ実践している」という人はほとんどいなかった。現実に、警察官が路端に点灯のサイボードを下げて、「点灯」と指差しているのに、それでも点けなかったり、ようやくスモールだけを点灯したりしていりう車が圧倒的である。前照灯の点灯にどれほどの意味があるのかが、一般ドライバーに浸透するのはまだまだ先の話かなあというのが実態です。以前より早めに点けるようになったのが2割。スモールを点けているのが2割。それでも、随分暗くなるまでがんとして点けないというか、その必要性に気づかないのが1割はいるようで、この人たちはいくら県警がキャンペーンをやっても永久に駄目な連中かなと思います。投書の締めくくりに、「夕方の点灯の具合いをみると、シートベルトの装着と同様にそのドライバーの安全運転意識が測れるようで興味深い」と述べたのですが、まさにそのドライバーの安全運転意識が測れます。日中や夜間はそれができないのはかえって恐いと思うようになりました

1999/7/14 朝日新聞(西部)     英語の誤用はやめてほしい

間違った英語の使い方がしばしば指摘されているが、一向に改まる様子がない。日本人が多く誤用し、かつ目立つのは、本来は頭がいいという意味の「スマート」を、かっこいいとか体型がスリムであるという意味で使っていることである。その他、幼稚であるという意味の「ナイーブ」を繊細とか純粋という意味で使っている。したがって「ナイーブ」と言われたら喜ぶどころか怒らなければいけない。

また、名詞・形容詞・副詞の誤用として、セーフテイ・ドライブ(正しくはセイフ・ドライブ)、ビューテイー・アンド・ヘルシー(正しくはビューテイ・アンド・ヘルス)。どうしようもないほど定着してしまった「アイドリング・ストップ」運動。これは、「ストップ・アイドリング」でなければむしろ反対の意味であることをどれだけの人がお気づきだろうか。「ハロー・ワーク」にいたっては何をか言わんやで、意味不明外国語もどきである。しかし、条例化されてしまっているので立派な「官製日本語」としてみるほかはないのでしょうか。

残念なのは、このような誤用を新聞・テレビなどのメデイアが相変わらず続けていることである。少なくとも、新聞で間違った「スマートな」という表現をみることがないように望みます。

 

 

1999/5/18 朝日新聞(西部)   レストランの喫煙に一考を

最近は、喫煙席と禁煙席の希望を尋ねて席へ案内するファミリーレストランが増えてきました。でも、親がたばこを吸うために、子供たちがたばこの煙でいっぱいの席に案内されるのをみると、人ごとながらとても気になります。

ここで、私はレストランの責任者にもう一歩踏み込んだ方策をお願いしたいと思います。それは、赤ちゃんや小さな子供づれのお客さんは原則として禁煙席に案内するというものです。「当店では、ちいさな