たばこ100円値上げで一石三鳥 国立公衆衛生院が試算
2001年6月26日、日本疫学会の研究集会。
国立公衆衛生院の望月友美子・主任研究官が発表した。
たばこ1箱の値段を100円上げれば、消費量が2割減って肺がんや心臓病などの病気は減少、業者は収入を維持し、税収はアップする。
試算の初期値は、日本の現状に近い20本入りのたばこ1箱の小売価格260円、消費量3400億本、国と自治体を合わせた税収2兆4000億円とし、各種統計や世界銀行の研究報告などを参考に試算した。
価格や消費量の増減にかかわらず、たばこ製造・販売業者の収入を一定額に維持することを前提に、税収の変化を調べた。
消費本数は小売価格が上がるほど減った。しかし、税収は1箱540円前後までは初期値より多くなった。とくに、1箱100円の値上げでは、約2兆8000億円の税収になり、値上げ前に比べて約4000億円もの税収アップ。この増加分で、たばこ農家への転作補助の財源をまかなえるという。
1箱700円にすると、消費量は約870億本と約4分の1になり、税収は約1兆円に半減した。
これらの試算はいずれも目標の価格まで一挙に値上げした場合で、少しずつ値上げする方法では、たばこ消費の抑制効果が薄れることも分かった。
たばこの消費は、ニコチンへの依存や習慣化などの影響で、値段を上げても簡単には減らないとされている。しかし、たばこ税率を上げた米カリフォルニア州などでは、税収増加分を禁煙政策に生かして喫煙率が低下し、男性の肺がん死亡率が減るなどの成果が出ている。
たばこ税 19,000億円
日本たばこ産業内部留保1,600億円
日本たばこ産業賃金1,900億円
関連他産業利益3,300億円
関連他産業賃金1,700億円
上記の合計27,500億円
医療費32,000億円
休業による損失2,000億円
消防費用/清掃費用2,000億円
喪失国民所得20,000億円
上記の合計56,000億円
(後藤公彦「たばこの経済分析」,日本医師会雑誌116:370,1996.)
医療費の増加 8638億円
入院による損失 296億円
死亡による損失 22687億円
火災による財産損失 125億円
火災による死亡 78億円
火災による負傷 2億円
合計 31826億円
(中原・望月「たばこによる社会的損失」厚生の指標42巻11号、1995)