子のために 外で吸っても 意味うすし

蛍族 ダメだが せめて 蛍族

喫煙後 手洗い着替えて 子供抱け

屋外で 吸ってもタバコは 忍び入る   川柳(7)へ戻る

 親が家の外で喫煙するようにしていても、子どもたちはニコチンを吸収している

Matt, G. E. et al. Households contaminated by environmental tobacco smoke: sources of infant exposures. Tobacco Control, 13, 29-37  

両親が家の中では喫煙しないと決めていても、子供たちはやはり受動喫煙の被害を被る可能性があることを示す研究が発表された。
ニコチンは、非喫煙者が吸い込む他人のタバコの煙、つまり二次喫煙の主な成分だが、一服するためにわざわざ家の外に出ることにしている喫煙者の家でも埃や空気から、このニコチンが検出できる。こういう家の子供は、非喫煙者の子供に比べると体内のニコチン量が8 倍にまで増えている。


この研究のリーダーを務めたサンディエゴ州立大学(カリフォルニア)のGeorg Mattは、今のところ、ニコチンの濃度はそれでもまだとても低い値だと言っている。しかし、ニコチンは時間と共に増えていく可能性があり、子供たちは喘息とか乳児突然死症候群のような喫煙と関連づけられている症状を起こしやすくなるかもしれない。 
おそらく両親が家の外でタバコを吸っているときに、煙が髪の毛や衣類にくっつくのだろうとMattは言っている。煙の粒子は家の中に持ち帰られ、そこで空気の中に混じったり埃にくっついたりするのだろう。家族たちは、そういう粒子を直接吸い込むか、あるいは知らず知らずに手から口へと運ぶことになるのかもしれない。 
幼ない子供はほとんどの時間屋内にいるし、いろいろなものを口に入れることが多いから、特に危険率が高いとMattは述べており、ニコチンで汚染した埃がおもちゃやカーペット、寝具などにくっついて、何ヶ月もそこに残る可能性もあると付け加えている。 
Mattはまた、「この研究結果は、両親が常に屋外で喫煙するようにすれば、子供の受動喫煙量を減らせることを明らかにしているが、しかし、屋外で吸えば子供を全く煙に曝さないで済むなどと考えるのは思い違いだろう」と述べている。 

対象と方法 
Mattらは、1歳未満の子供のいる49の家族の住居について調査を行った。その内の15家族は全員が非喫煙者だった。残りは屋内での喫煙者と屋外での喫煙者に分かれていた。 
そして、子供の尿サンプル中、および子供の寝室と居間で採取した埃と空気についてニコチン濃度が測定された。 

結果
屋内で喫煙する人達の子供は、全ての中でニコチン濃度がもっとも高く、屋外で喫煙する人達の子供に比べると8倍まで、非喫煙者の子供と比較すると14倍までになった。屋内で喫煙する家庭の子供は、外で吸う家族の子供の3〜8倍の汚染度であった。外で吸うようにしている家族の子供は、非喫煙家族の子供の5〜7倍の汚染度であった。埃と空気中のニコチン濃度についても同じようなパターンが認められた。 

 


ニコチンが家の中にあるなら、タバコに含まれる他のもっと有害な化合物も存在するのではないかと、ロンドン大学ユニバーシティカレッジでタバコについての研究をしているMartin Jarvisは述べている。 
タバコの煙はほぼ4,000種類の化学物質からなる複雑な混合体である。ホルムアルデヒド、アンモニア、シアン化水素など、その成分の多くは人間の健康に有害である。 
Mattは、屋外で喫煙する人達の家の中にどうやってニコチンが入り込むのか正確にはまだわかっていないが、煙は衣類にくっつくだけでなく、もっと直接的に家に入り込む可能性があると言っている。 
この調査の際に、屋外で喫煙すると言っている人達のうちの数人が、ときたま屋内で喫煙することがあるのを認めた。やはり屋内で喫煙したことがあるが、それを白状したがらない親たちは他にも居そうだとJarvis は言っている。となると、子供の一部は、両親は屋外で喫煙していると言っていても、実は親の吸うタバコの煙を直接吸いこんだかもしれない。 
汚染された埃は以前に住んでいた喫煙者が残したものかもしれないとMattは述べており、「中古車を買ったり、アパートや家を借りる時には、以前の持ち主や借家人がタバコを吸ったかどうかを問い合わせた方がいい」と言っている。 

Helen R. Pilcher



 

How Should Parents Protect Their Children From Environmental Tobacco-Smoke Exposure in the Home?

PEDIATRICS Vol. 113 No. 4 April 2004, pp. e291-e295

Background. Children’s exposure to tobacco smoke is known to have adverse health effects, and most parents try to protect their children. 子どもたちがタバコの煙に暴露されることが健康に悪い影響を与えることは知られており、多くの両親は子どもたちを守ろうと努力はしている。

Objective. To examine the effectiveness of parents’ precautions for limiting their children’s tobacco-smoke exposure and to identify variables associated to parents’ smoking behavior. 両親が子どもたちにタバコの煙が行かないように配慮していることの有効性について検討する。また両親の喫煙行動様式による因子について明らかにする。

Design and participants. Children, 2.5 to 3 years old, participating in All Babies in Southeast Sweden, a prospective study on environmental factors affecting development of immune-mediated diseases. Smoking parents of 366 children answered a questionnaire on their smoking behavior. Cotinine analyses were made on urine specimen from these children and 433 age-matched controls from nonsmoking homes. 南西スエーデンの2.5から3歳の子どもたちについて免疫関連疾患に与える環境影響を調べる前向き調査を行なった。366人の子どもの喫煙両親に喫煙行動様式に関する質問票に答えてもらった。尿中コチニン濃度をこの子どもたちと、433人の非喫煙家庭の子どもとで行なった。

Results. Smoking behavior had a significant impact on cotinine levels. Exclusively outdoor smoking with the door closed gave lower urine cotinine levels of children than when mixing smoking near the kitchen fan and near an open door or indoors but higher levels than controls. 喫煙行動様式はコチニンレベルに大きな影響を与えていた。完全に戸外でドアを閉めて吸う場合は、台所の換気扇下や戸外で吸うがドアは開いている、もしくはこの混合とに比べて、コチニンレベルは低かった。

Variables of importance for smoking behavior were not living in a nuclear family (odds ratio: 2.1; 95% confidence interval: 1.1–4.1) and high cigarette consumption (odds ratio: 1.6; 95% confidence interval: 1.2-2.1). 核家族であるか否か、あるいは喫煙本数との関係は高くなかった。

An exposure score with controls as the reference group (1.0) gave an exposure score for outdoor smoking with the door closed of 2.0, for standing near an open door + outdoors of 2.4, for standing near the kitchen fan + outdoors of 3.2, for mixing near an open door, kitchen fan, and outdoors of 10.3, and for indoor smoking of 15.2. 対照群の暴露スコアを「1.0」とした場合、戸外・閉扉は2.0、開いたドアの近く+戸外では2.4、台所換気扇下+戸外では3.2、開いたドア近く・台所換気扇下・戸外の混合では10.3、そして屋内喫煙では15.2であった。

Conclusion. Smoking outdoors with the door closed was not a total but the most effective way to protect children from environmental tobacco-smoke exposure. Other modes of action had a minor effect. 戸外でドアを閉めて喫煙しても完璧に子どもの受動喫煙を防げるわけではないが、もっとも有効な方法ではある。ほかのいかなる方法も有効ではなかった。

 

  両親の喫煙行動様式と子どもの尿中コチニン

   太線(コチニン/クレアチニン ログ値)   破線(尿中コチニン濃度)

これは2歳半から3歳のスウェーデンの子供の尿での調査で、
家庭に喫煙者のいる366人の子供と、
家庭に喫煙者がいない433人の子供の尿中コチニンの比較ですが、
非喫煙者家庭の子供の尿からのコチニンを1とすると
Outdoors with door closed* (n  216)では 1.99倍
Open door +outdoors (n  45) では2.39倍
Kitchen fan + outdoors (n  50) では3.23倍
Mixers (n  27) では 10.32倍
Indoor smokers (n  28) では15.09倍
となっていました。

屋内喫煙の15.09倍は論外な数字ですが、
台所のFANでも3.23倍
そしてOutdoors with door closedでも1.99倍