クモ膜下出血(SAH)が発現する可能性は喫煙者において非喫煙者よりも4倍高く、リスクは喫煙量に依存する
特に喫煙女性は関連性が高い
【2月6日(サンディエゴ)】

(第29回国際脳卒中会議で2月6日に発表)
本研究結果は米国心臓協会(AHA)誌『Stroke』オンライン版にも掲載された。


Craig S. Anderson,PhD, FRACP, FAFPHM(オークランド大学(ニュージーランド)臨床試験研究部門教授)

いままでに喫煙歴が全くない人と比べると、SAHのオッズ比は、
喫煙量が1日1箱以下の喫煙者で2.8、1日1箱を超える喫煙者で5.2であった。


年齢にかかわらず、SAHリスクは「喫煙を開始するとすぐに上昇する。
喫煙は非常に強力なリスク因子ではあるが、禁煙するとすぐにSAHリスクは非常に迅速に低下する。
禁煙から5年以内にSAHリスクは非喫煙者のリスクとほぼ同程度にまで回復する。
したがって、リスクは「累積的な暴露ではなく、急性暴露によって生じるものと思われる。

方法:1995年から1998年においてオーストラリアおよびニュージーランドの4都市に居住する280万名(15歳以上)の医療記録を検討した。SAH症例432例およびこれに対応する健常成人473例を特定した。
年齢、性別、収入、教育に関する人口統計学的データに加えて、喫煙、運動、飲酒、心疾患既往歴、高血圧・糖尿病・SAH家族歴などのリスク因子の有無について比較検討した。

喫煙者については、1日1回以上紙巻タバコ、葉巻、パイプにより喫煙する場合には現喫煙者に分類し、喫煙量が1日1箱未満の場合、少量喫煙者とした。喫煙者と同居する人は受動喫煙者として分類した。

SAH症例432例のうち62%は50代半ばの女性であった。
SAH症例391例および対照例469例において喫煙歴データを入手できた。
SAHを発症した現喫煙者165例のうち、95例が女性であった。
SAH症例の3分の1は喫煙に起因するものと考えることができた。

喫煙に対する炎症反応が内皮構造を弱体化させているのではないかとの仮説。
弱まった血管は破裂リスクが高まる。
「性ホルモンをなお産生中の女性でSAHが多く発現していることから、この過程において
性ホルモンも役割を果たしている可能性がある。
喫煙者におけるSAH発現時の平均年齢は49歳、過去に喫煙歴のある人で58歳、
喫煙歴の全くない人で62歳であった。


29th International Stroke Conference: Abstract 63. Presented Feb. 6, 2004.