喫煙と歯周病

新居浜市の市政だより12月号の「健康手帳」(大橋勝英@大橋胃腸肛門科外科 著)から

歯周病は歯の周囲組織の歯肉炎や歯周炎をいいます。悪化すると歯槽骨が破壊されて腫れたり歯が抜けたり、口臭の原因になります。対策は食べかすなどが原因で歯の表面にできるプラーク(細菌とその産物)の除去です。危険因子として糖尿病・ストレス・骨粗しょう症などがありますが、最近は喫煙も重要視されてきました。

歯の表面につくヤニ(タール)はプラークをつきやすくします。

たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、ビタミンCを破壊し、歯周囲の血流の低下と酸素不足を招き、白血球の力も低下させ細菌への抵抗力を弱くさせます。次いで組織の活性化や害毒物質の排除が妨げられ、歯を保護する機能がなくなり、やがて早く歯が抜けることになります。歯周病が原因で歯を失う人は40歳代で40%ほどと言われます。

 その他、喫煙で皮膚や粘膜にメラニン色素が沈着して、歯ぐきの黒変や着色が生じやすくなります。両親が喫煙者の場合、受動(間接)喫煙で子どもの歯ぐきも変色する割合はかなり増えます(写真)。歯肉がんや舌がんの危険性も高まります。

 このように喫煙は口の中でもきわめて有害なのです。

受動喫煙による子供の歯ぐきの変色

(北海道かもめ歯科 清水先生より提供)

 

歯周病の主な原因は喫煙      2000531日 シカゴ発
 CDC(米国疾病予防センター)の研究報告によると,アメリカにおける成人の深刻な歯周病症例の半分以下が喫煙によるものであることが判明し,この事実がわかったことで、歯が抜けることを予防できるという。
 CDC研究所員のスコット・トマール博士は,「喫煙が歯周病の原因であることは長い間知られていたが,本研究によってこの問題がいかに拡大しているのかが初めて示された」と述べた。

 この研究報告は歯周病学会誌5月号にも掲載されている。トマール博士が12329名を対象に調査を行なった結果によると,喫煙者は非喫煙者に比べて歯周炎になる確率が4倍以上であるが,喫煙をやめて11年以上経過した場合は非喫煙者と同様であることがわかった。また,歯周炎の52.8%は現在及び過去の喫煙が原因となっていることもわかった。
 喫煙者の歯肉はバクテリアに感染しやすく、喫煙によって身体の免疫システムが低下し、バクテリアヘの抵抗力が弱まる。また、喫煙によって歯肉組織への血液の流れが妨げられ、酸素と窒素が不足する。
 「歯肉には,歯肉の下の骨が損傷しないように保護する機能がある。歯肉細胞の回復力が低下すると歯を保護する機能がなくなり,結果として歯が抜けてしまう」と同博士は述べている。
 歯周炎に関する研究項目の55%は喫煙者に関するもので、21.8%は喫煙をやめた者に関するものである。
 11箱半の煙草を吸う喫煙者は,非喫煙者に比べて6倍以上歯肉炎になりやすく,2日で一箱煙草を吸う喫煙者は約3倍歯肉炎になりやすい。
 
先週発表された口腔内衛生に関する米国公衆衛生局の報告によると,喫煙や歯肉炎は,黒人や低所得者ではさらに多くなっている。

喫煙と歯周病

政府の研究機関の発表によると、米国成人の歯周病の約半分は喫煙による可能性が高い事が明らかになった。 喫煙者は非喫煙者に較べ4倍の確率で歯周病にかかりやすいという。 この研究を指揮したCDCのDr. Scott Tomarは“喫煙は歯周病の原因中、予防し得る最も大きな理由であり、禁煙によりその危険はだんだんと減っていくはずだ”と述べている。彼らの研究は13650人の18歳以上の歯周病患者に対して行われ、そのうち55%が喫煙者、22%が元喫煙者である事が分かった。また、歯周病のリスクはニコチン摂取量 にも関連すると見られ、1日のニコチン摂取量が多い患者ほど歯周病のリスクは高まる。
ADA(American Dental Association)News 米国歯科協会ニュース2000年6月5日号より抜粋