| 1930〜1940年頃のドイツ医学は世界のトップレベルであった.
1929フリッツ・リッキントが喫煙者に肺癌が多いことを指摘.
1930アンヘル・H・ロッフォがタールが実験動物に癌を起こすことを証明,
1935フリッツ・リッキントがタバコが気管支癌の増加に大きな役割を果たしていることはもはや何の疑いもないと語る.
1939フランツ・ミュラーがcase control studyの結果,35本/日を吸っている群では肺癌発生率が6倍になると発表.
厚生当局はタバコを抑制しようとし,国際タバコ科学研究協会理事長ヘルムート・アッシェンブレナー(戦後も引き続き,理事を務めた)は抵抗した. 彼は1964年に米国公衆衛生長官報告の是非を聞かれ,「報告書作成者が恐火症あるいは大火事の恐怖から起きた精神障害でないという証明を求めるべきだと述べた.」
ナチスの政策が死亡率にどう反映したかは,10万人あたりの肺癌死亡率に明らかです.
西ドイツ アメリカ
52年 90年 52年 90年
男性 22 49 25 75
女性 4 8 5 32
彼は女性の喫煙率を低く抑えられたためとしています.
60年代の映画で,いかに米国の女性がタバコを吸う風景が見られたかを思い起こすと,なるほどと思います.
著者はタバコ撲滅運動家を「ニコ・ナチ」「健康ファシスト」あるいはフィリップモーリスが喫煙者をゲットーのユダヤ人に見立てる広告は許し難いと言っています.
それにもかかわらず,題名からして著者の意図に反しているのはいかがなものでしょうか.
驚くべきことは、ナチスが抑制しようとしたことに対して恐るべき粘り腰でついに抑制はできなかったことです.
たとえば,政権の要衝(ゲーリングに1200万ライヒスマルク)に公然と賄賂を送る,経済省を味方につける,帝国タバコ研究所を大本山にする,あらたにタバコ医学会を作ろうとするなどです.
これはいみじくも著者のロバート・プロクターが言っているように,タバコ産業がドイツで学んで,それを世界に広めたことではないかと思います.
たとえば日本で言えば,財務省を味方につけるなどでしょう.
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