肺の奥のがんも喫煙で増加 厚労省調査
2002年9月21日発表
肺の奥にできるがんで、喫煙との関連が比較的少ないとされてきた「腺がん」でも、喫煙者は非喫煙者に比べ男性で2・8倍、女性でも2倍もなりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模追跡調査で分かった。
肺がんに腺がんの占める割合は近年、世界的に増える傾向にあるが、アジアの状況を追跡調査で明らかにしたのは初めて。
研究班は「普及している軽い低ニコチンたばこを吸う人は、ニコチン摂取量を増やそうと無意識に深く吸い込む傾向があり、原因のひとつではないか」としている。
10月1日から東京で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。
対象と方法:全国11地域の40−60代の男女計約9万人を、7−8年間追跡。肺がんになった約420人について、最初の時点に調査した喫煙状況との関連を調べた。 がんの種類別で喫煙者が発症する危険性が高いのは、太い気管支にできて喫煙と関連が深い「扁平(へんぺい)上皮がん」と「小細胞がん」で、合わせると喫煙者は非喫煙者より男性で12・7倍、女性で17・5倍もなりやすかった。 肺がん全体では男性で4・5倍、女性で4・2倍。肺がん患者の男性の7割、女性の2割は、たばこを吸わなければ発病しなかったことになるという。
日本人が喫煙で肺がんになる危険性は欧米に比べ低いが、非喫煙者の肺がんの傾向は逆に高く、相対的に喫煙者の危険性が下がった可能性もある。研究班は今後、受動喫煙や遺伝的要因などとの関係を検討するとしている。 研究班の祖父江友孝・国立がんセンター研究所部長は「肺がんへの喫煙の影響は圧倒的だ。禁煙すれば何歳であっても、吸い続けた場合より肺がんの危険性は下がる」と話している。