喫煙者 多い術後の 合併症

 喫煙する患者は術後の肺感染症のリスクがとても大きくなります[12]。慢性気管支炎患者の83.3%は術後に感染を起こします。しかし20箱・年(注:「箱・年」=1日喫煙箱数×喫煙年数)の喫煙者でも慢性気管支炎の症状や呼吸機能低下がない場合、術後感染率は20.8%となります[12]。

 それに対し肺の病気もなくタバコも吸わない者の術後感染率は7.1%にすぎません[12]。こうしてみると、喫煙もその結果として起きた病気(慢性気管支炎など)も開胸術後の感染のもっとも大変な危険因子であることは明らかです[12]。

 喫煙が咳反射を弱めることもよく知っておく必要があります。これは術後たいへん重要です。麻酔の影響をなくし肺炎を予防するために、術後患者は咳をしなければなりません。麻酔後肺の奥にたまった痰を外に出す役目をする繊毛の働きは、喫煙によって弱まります。呼吸機能が正常でも、喫煙している者は咳によって痰を出す働きが弱っています。喫煙によって繊毛運動が損なわれているためです[13]。繊毛運動と咳反射が悪くなっていると、術後の感染予防にきわめて悪い影響を与えます。

 喫煙は呼吸機能を大きく損ないます。呼吸機能のよしあしは、術前は呼吸機能検査で、術後は感染症の発病率で推し量ることができます。したがって、臨床医は患者が手術室に入る前に患者の喫煙歴を充分に知っておくことが大切です。

 

手術患者と喫煙(SURGERY AND SMOKING)

 Nancy McGowan,RN,MSN

(テキサス大学・サンアントニオ・ヘルスサイエンスセンター・看護学部・博士課程大学院生)

Seminars in Perioperative Nursing,8(3):146-154,1999.

(「周術看護学研究」)より

 

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