華やぎの 世界を知ろう 禁煙で
「禁煙の愉しみ」著者;山村 修、 発行;新潮社より
「禁煙というものは、ミルクのように白い、いい匂いのするクリーム状のものである。・・・・
禁煙は不思議だ。愉快だ。もちろんクリーム状の物質とは、喩えである。・・
禁煙によって身体が帯びた感覚・・・そのような身体感覚は、おそらく
非喫煙者にはわからないし、喫煙者にもわからない。・・」
「禁煙は華やぎである。罰せられざる快楽である。苦行でもなければ克巳でもない。
このささやかな一冊に私が書きたかったのは、結局のところ、そのことに尽きる。・・・・
禁煙は忍耐か。禁煙者の誰もがそんな忍耐力をもっているのか。
それが疑わしくてならなかった。どこかに嘘があるのではないか。
・・・どうやら禁煙の秘密はそのニコチンへの渇望そのものに
潜んでいるのではないか・・。・・・・
そうした予感が自分の最後の禁煙体験によって確信となり、
私はこの本を書き始めた。・・・
何よりも禁煙にまつわる苦行のイメージを払いのけてみたかった。
そのイメージこそが躓きの石だと思えたからだ。そこに嘘があり、
まやかしがあると思えたからだ。・・・・・
禁煙という私的な行為の一つにすぎないことが、さらに追求されても
よい人間的な主題になりうることを知ったのは収穫であった。
奥行きもあれば広がりもある、深みもあれば厚みもある。それが禁煙だ。」
「狐」の山村修氏死去「日刊ゲンダイ」に「狐」の署名で長年にわたり書評を執筆した山村修氏(やまむら・おさむ=元青山学院本部広報室長)が2006年8月14日午後2時35分、肺がんのため東京都内の病院で死去した。56歳。葬儀は近親者で済ませた。 主な著書にエッセー「禁煙の愉しみ」「気晴らしの発見」など。7月に「<狐>が選んだ入門書」を出したばかりだった.。
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