タバコ煙にはダイオキシン類が含まれている。
毒性の最も強い2.3.7.8ー塩化ダイオキシンも含まれており人に発がん性を有し、
ラットでも証明されている。
多くの発がん物質はDNAに傷をつけて突然変異を誘発するが、
2.3.7.8ー塩化ダイオキシンは遺伝子障害によるイニシエータとしてでなく、
がん細胞の増殖を助け、がん組織に導くプロモータとしてがん発生を
高めると考えられている。
日本人の体内に取り込まれるダイオキシン類の一日摂取量は体重1キロ当たり
0.52〜3.53ピコグラムと推定。
食品からの摂取量は0.26〜3.26ピコグラム、大気からの呼吸器を通じて取り込
まれる量は0.18、手に付いた土から経口的に取り込まれる量は0.084、
飲料水からは0.001と推定。
食品の割合が高く食品の違いで大差が生じる。
ある化学物質をヒトが摂取しても健康上に影響を及ぼさない1日摂取量を
耐容1日摂取量という。
ダイオキシン類は肝・脂肪組織に集まり長期間蓄積する。2.3.7.8ー塩化
ダイオキシンの生物学的半減期は約7年と推定。摂取量より体内への蓄積量が重要。
胎児の時期に母体内でダイオキシンに暴露することで起こるメスの生殖器の
形態異常は明らかにされている。
これが起こる体内蓄積量が体重1キロ当たり86ナノグラム前後。
これに相当する人の1日摂取量は1キロ当たり43.6ピコグラム。
最終的耐容摂取量は不確実計数を適用して4ピコとなる
タバコ煙からのダイオキシン類摂取量は1日に20本の喫煙では1キロ当たり
0.14〜0.96ピコと推定。
これを平均的日本人の1日摂取量0.52〜3.53に加えると、最低で0.66、
最高で4.49。40本、60本の喫煙では最高値はそれぞれ5.45、6.41となる。
日常生活でダイオキシン類の摂取レベルの高い人の喫煙は、4ピコグラムを
超えることになる。
喫煙の有害性は計り知れず喫煙は避けなくてはならない。
プロモータ作用は継続することが重要であり、それを取り除くと比較的
速やかに影響が消失することを考えると、喫煙者は禁煙によって
ダイオキシン類の摂取を直ちに止めることががん予防に効果的である。