Carcinogenic and endocrine dusrupting effects of cigarette smoke

and risk of breast cancer.

Band PR, Le ND, Fang R, Deschamps M. Lancet 360: 1044-9.2002.

研究方法:

症例−対照研究。318名の「閉経前」乳がんの女性と、340名の年齢をマッチした対照者、

および700名の「閉経後」乳がんの女性と685名の対照者を調査した。

結果: 乳癌発症のオッズ比

 (1)「閉経前」乳がんの発生

    (a)初潮から5年以内に喫煙を開始した妊娠の経験のある女性    =1.69(95%CI 1.13-2.51)、

    (b)20本/日以上吸う妊娠の経験のない女性では      =7.08(95%CI 1.63-30.8)、

    (c)累積20箱×年以上の妊娠の経験のない女性では   =7.48(95%CI 1.59-35.2)

 

 (2)「閉経後」乳がんの発生

    現在のBMIのカテゴリー(21未満、21以上25以下、25超)が    18歳時のそれよりも大きく

    かつ最初の満期産以降に喫煙を始めた女性    =0.49(95%CI 0.27-0.89) (かえって低い)

この結果から導き出される結論は

 「閉経前」乳がんの予防のためには、将来妊娠するかどうか分らない10代の女性が

喫煙を開始しないことが重要であり、さらに一度も妊娠していない女性は禁煙すること、

どうしても止められない場合でも一日の本数を減らす必要がある。

 また、「閉経後」乳がんの予防に限れば、18歳の時よりも太った女性は、子どもを産んでから

喫煙を開始すると良い、ということになる (たばこは太ったオバンになってから)

ただし閉経後の喫煙は骨塩量の減少を加速します。

つまり閉経でただでさえ骨粗鬆症が進む女性にとって、それを加速するわけです。

 

***************************************************************

Medical Tribune 2004.3.4 の要約。

能動喫煙と乳がんとの関連が従来考えられていたより大きいことが判明。
カリフォルニア保健省のPeggy Reynolds 博士の研究。


喫煙歴を申告した11万6,544人の女性の乳がんリスクを調べた。
1996年〜2000年に 2,005例が浸潤性乳がんの診断を受けた。
現在喫煙している女性の乳がん罹患率は非喫煙者より約30%高かった。

20歳以前に喫煙を開始、最初の出産以前に5年以上の喫煙歴、
長期喫煙、1日20本以上の喫煙等でリスクが上昇。


受動喫煙と乳がんリスクの関連を裏付ける因子はなかった。
-- 

***************************************************************

日本の疫学調査では、受動喫煙でも乳癌リスクが高まることが示された。

喫煙で乳がん危険3.9倍 受動でも2.6倍 閉経前の女性
厚労省研究班調査(2004年11月29日 )


たばこを吸う閉経前の女性は、吸わない人に比べ乳がんの危険性が約4倍高いこと
が、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の
大規模疫学調査で分かった。国際対がん連合の専門誌に29日までに掲載された。
受動喫煙でも危険性は上がるが、閉経後の女性ではこうした関係はみられなかった。
研究班は「たばこの影響は、乳がんとかかわりの深い女性ホルモンの分泌が活発な状
況下で現れやすいのではないか」としている。
研究班は、40、50代の約2万人を10年間追跡。本人の喫煙や受動喫煙と、乳が
ん発症との関係を調べた。受動喫煙の有無は「喫煙者と10年以上一緒に住んだ」か
「職場などで毎日1時間以上煙を吸う機会がある」場合で判断した。
調査開始時に閉経前だった女性の場合、喫煙しているか過去に喫煙していた人の乳が
ん発症の危険性は、喫煙、受動喫煙ともない人に比べ3・9倍。受動喫煙のみの人で
も、危険性は2・6倍に達した。

研究班の花岡知之・同研究部室長は「乳がんでは、女性ホルモンに関する要因を本人
の努力で変えるのは難しいが、禁煙や受動喫煙を避けることなら可能だ。乳がん予防
の第一歩として考えてほしい」と話している。

Active Smoking, Household Passive Smoking, and Breast Cancer: 
Evidence From the California Teachers Study
Peggy Reynolds, Susan Hurley, Debbie E. Goldberg, Hoda Anton-Culver, 
Leslie Bernstein, Dennis Deapen, Pamela L. Horn-Ross, David Peel, 
Richard Pinder, Ronald K. Ross, Dee West, William E. Wright, and 
Argyrios Ziogas
J Natl Cancer Inst 2004; 96: 29-37
喫煙している女性の乳癌罹患率は非喫煙者より約30%高かった。
20歳以前に喫煙を開始、最初の出産以前に 5 年以上の喫煙歴、
長期喫煙、 1 日20本以上の喫煙で乳癌リスクが上昇。元
喫煙者では有意な乳癌リスクの上昇はなく、受動喫煙と乳癌リスクの関
連はなかった。
http://jncicancerspectrum.oxfordjournals.org/cgi/content/full/jnci;
96/1/29

Active and passive smoking and breast cancer risk in middle-aged 
Japanese women
Tomoyuki Hanaoka, Seiichiro Yamamoto, Tomotaka Sobue, Satoshi Sasaki, 
Shoichiro Tsugane, for the Japan Public Health Center-Based 
Prospective Study on Cancer and Cardiovascular Disease Study Group
International Journal of Cancer 2005  114;  2;  p 317-322
厚生労働省研究班(JPHC研究)。閉経前の女性では、たばこを
吸ったことがあるグループの乳がんリスクは、吸わないグループの
3.9倍高い。一方、閉経後の女性の乳がんリスクには、喫煙の影響はみ
られず。閉経前の女性では、家庭あるいは職場など公共の場所で受動喫
煙を受けていたグループの乳がんリスクは、受動喫煙のないグループの
2.6倍高い。一方、閉経後の女性ではリスクの上昇はみられず。
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/109751913/ABSTRACT
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/21/tabaco_nyu.html

 

***************************************************************

喫煙と乳癌の基礎研究。
Cigarette smoke condensate-induced level of adenomatous polyposis 
coli blocks long-patch base excision repair in breast epithelial cells
C N Kundu, R Balusu, A S Jaiswal, C G Gairola and S Narayan
Oncogene advance online publication, August 21, 2006
喫煙は乳腺細胞の損傷を受けたDNAを修復する能力を減ずること
によって正常の乳腺細胞を癌化させる と報告。
http://www.nature.com/onc/journal/vaop/ncurrent/abs/1209925a.html

喫煙と乳癌の関係については、まだはっきりした結論は得られていず、
「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン」 では喫煙は乳癌
の危険因子となるかは決定できず(エビデンス グレード 
III )となっています。

禁煙川柳(6)へ戻る