肺癌なら タバコにかなわぬ アスベスト   川柳(8)へ戻る

このほど「国際がん研究機関」が発行した最新の疫学データで、特に注目を引いたのが、これまでの日本の疫学データでは肺がんの危険度が非喫煙者の4―5倍とされていたのが、15―30倍となっていたことです。
 肺がん発生にたばこが関与している割合(寄与率)は、かつては約70%と計算されていましたが、これだと90%以上になります。大気汚染の減少と喫煙率の低下がたばこの影響をはっきりとさせてきたのでしょう。
 最近、大きな社会問題となっているアスベスト(石綿)ですが、中皮腫との因果関係は明白であるものの、肺がんとの関係はその寄与率の判断がむずかしいのです。
 というのは、当時の男性の喫煙率は8割近くあったためアスベストに暴露された人も多くは喫煙者であったはずです。下の図のように、肺がん危険度は喫煙だけで10倍ですが、喫煙とアスベスト労働の両方では50倍となっています。さらに別のデータもあります(下図)
 こと肺がんについて言うならば、アスベストよりもたばこがけた違いに原因として大きいことは今でも明らかです。それとも、20年後になってやっとたばこが今のアスベストなみに騒がれるのでしょうか。
昭和59年1月財団法人結核予防会発行  岩井和郎著「紫煙をさようなら